通信制高校への入学を検討していても、「通信制高校出身であることが、進学や就職の際に不利になるのでは?」そんな不安を抱えてはいないでしょうか。通信制高校だからといって、進学や就職で不利になることはほぼありません!今回は、「大学進学」と「就職」という2つの進路をもとに、適した通信制高校選びを考えます。通信制高校を正しく知ることで、将来への不安を取り除いておきましょう。
- 通信制高校卒業後の実際の進路とは
- 大学進学したい方におすすめの通信制高校のコース
- 就職したい方におすすめな通信制高校のコース
- 通信制高校への世間の目は?
- 大切なのは通信制高校で何を学びどう将来に活かすか
- 進路が決まらない時は相談しよう
通信制高校卒業後の実際の進路とは
3年間通信制高校で学んだ生徒たちは、卒業後どのような道へ進んでいるのでしょうか。
文部科学省の調査によると、平成30年度に通信制高校を卒業した生徒は、約60%が進学と就職のどちらかに進んでいます。この数字をベースにして、それぞれ見ていきましょう。
大学へ進学
通信制高校卒業後の進路、1つ目は大学への進学です。平成30年度の進学率は18%で、全日制の55%と比べると低く感じますが、5人に1人は大学へ進学していることになります。
高校卒業資格の取得が目的とされ、受験対策ができないのでは?と思われがちな通信制高校、しかし大学進学は決して無理な話ではありません。生徒自身が学習スケジュールを立て、目標を持って取り組めば、全日制同様に志望校への合格が見えてきます。
≫ 通信制高校から大学進学はできる。実際に進学した方の声もご紹介!
進学を目指す場合の学校・コース選びについては、このあとお伝えしますね。
専門学校へ進学
次に、専門学校への進学。進学率は21.7%です。医療・介護・美容・料理・音楽・ペット・ブライダル・デザインなど分野は多岐にわたります。入学時に難易度の高い試験を設けている学校は多くありませんが、学校で学べる内容は非常に専門的で職業に直結し、卒業後は資格試験を経て働き始めることになります。
通信制高校で高校卒業資格を得た後、将来の就職を考えたとき、手に職をつけるためには専門学校への進学が最も現実的な選択肢かもしれません。
就職
最後に就職についてです。就職率は19.6%で、全日制よりも高い数字となっています。
通信制高校から専門学校へ進んでから就職、というルートよりさらに短く、高校卒業後に就職する生徒が増えてきているとうかがえます。企業としても若い即戦力の雇用はメリットがあるため、今後も専門分野への就職は道がより開けていくことでしょう。
その背景には通信制高校の多様化があり、専門学校のようにさまざまな専門分野について深く学べるコースが増えてきている影響もあると考えられます。
通信制高校から就職する際、履歴書に「通信制課程」と明記する必要はありません。面接で通信制高校について問われる場合があるかもしれませんが、自分がどのように通信制高校で頑張ってきたかを述べればよいだけで、就職に不利ということはありません。
大学進学したい方におすすめの通信制高校のコース
通信制高校は公立・私立の違いだけでなく、学校ごとに特色が大きく異なります。大学進学を希望する場合は「大学進学コース」など進学に特化したコースを選択するのがおすすめです。さらにレベルの高い「難関大学コース」を設けている通信制高校も。高校卒業単位を修得するための基礎的な学力に上乗せし、大学受験を見据えた難易度の高い授業を受けられることが大きな魅力です。
また、通信制高校にも推薦枠があります。「一般入試ではギリギリ難しいかもしれない……」という大学でも、指定校推薦枠があればより合格が現実的になります。志望校が固まっている場合は、指定校推薦枠があるかどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。
【学校選びのポイント】
・大学受験に向けた勉強サポートがある
・自分の志望する大学への合格実績がある
・志望する大学の指定校推薦枠がある
・ハイレベルな授業がある
勉強をするのは自分自身ですが、学校からのサポートも精神的に大きな後押しとなります。自分に合った通信制高校を選び、第一志望合格を目指しましょう。
また、昼間の空いた時間を使って予備校に通う生徒もいます。同じ目標を持つ仲間と勉強が進められるので、高いモチベーションを維持しながら受験勉強に取り組むことが可能です。
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就職したい方におすすめな通信制高校のコース
卒業後は就職したいという生徒におすすめなのが、専門分野についての知識や技術を学べる通信制高校です。調理・美容・保育・看護・音楽・芸能・アニメ・ゲームといった、全日制では学べないような専門コースが存在し、日々知識と実技を身につけられます。中には、実際に現場で活躍している講師による授業を受けられる学校もあり、深く学べる機会が設けられています。
分野によっては卒業時あるいは在学中に、簿記検定・秘書検定・TOEICなど就職に有利な資格が取得できる学校もあります。通常、全日制では卒業後に専門学校を経て働き始めますが、通信制高校で学ぶことで社会人として一歩早くスタートできる場合があります。早くから専門職に注目しておくと、就職を有利に進められるのではないでしょうか。
専門職を目指していなくても、就職を視野に入れているのならば、就職活動に対して手厚いサポートがある学校を選びましょう。私立の通信制高校では、勉強だけでなく就職に関してもサポート体制が整っていることが多いです。就職活動は精神面で緊張する場面が少なくありません。なんでも相談できる先生やメンタルケアをしてくれるカウンセラーは心強い存在となるでしょう。
【学校選びのポイント】
・目指す職業・興味がある分野の専門コースがある
・就職に有利な資格が取れる
・就活サポートが手厚い
・書類や面接の対策指導がある
・メンタルサポートがある
通信制高校ならではの時間的余裕を利用し、アルバイトやインターンシップを経験しておくのもおすすめです。社会経験を通して学んだことや感じたもの、厳しさなどを自分なりに分析すれば、就職活動時に経験値とやる気をアピールできます。
通信制高校への世間の目は?
通信制高校にはさまざまな事情を抱えた生徒が在籍しています。
- 高校を中退した
- 中学校や前籍校で不登校だった
- 仕事と両立しながら高校に通いたい
もちろん、どれも劣等感を抱えるような理由ではありませんが、中には通信制高校に対して偏った見方をする人もいます。
通信制高校へ入学する生徒のほとんどは、卒業後に何らかの目標があるため卒業資格を取得したいと考えているはずです。そのため、世間のネガティブな意見に流されず、将来の目標達成のためにどんどん先を目指していきましょう。偏見をゼロにするのは難しいですが、自分の将来は通信制高校在学中にも卒業後にも前向きに変えていけます。
進学や就職において「なぜ通信制高校を選んだのか」「どんなことをしてきたのか」と問われる場面があるかもしれません。しかし、それは相手側が通信制高校についてよく知らないだけで、責める意味ではないと認識しておきましょう。過去にぶつかった壁を乗り越えて通信制高校で頑張ったという一人ひとりのストーリーは、むしろプラスに作用するはずです。
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大切なのは通信制高校で何を学びどう将来に活かすか
中学生、高校生くらいの世代は、学校を通した人間関係がほとんどです。そのため高校がすべてと思いがちですが、長い人生で見てみると高校時代はほんの一瞬で、あくまでも通過点に過ぎません。もし大学や専門学校に進学した場合、そこで高校名によって評価されることはありませんし、全日制か通信制かで学歴が変わるわけでもありません。過度に気にする必要はないのです。
中学時代は不登校や人間関係のトラブルなどで周囲と馴染めなかった生徒が、通信制高校では友達ができたという話をよく耳にします。その成功体験が自信となり、社会に出たときに円滑な人間関係を築ける一歩となります。今いるコミュニティだけが居場所ではありません。外に目を向けて、自分が輝ける場所を探すことが将来の目標実現へつながります。
通信制高校出身という過去が意味を持つわけではなく、「これから何を学んでどう活かすか」が重要です。志望する大学へ合格したり、夢を叶えるために専門学校で学んだりする姿は、努力の証として評価されるでしょう。全日制に比べて自由になる時間が多いメリットを存分に活かし、ぜひ、特色溢れる通信制高校で精一杯学んでみてください。
進路が決まらない時は相談しよう
就職か、進学か、将来目指すべき方向がなかなか決まらない場合もあるでしょう。時間ばかりが過ぎて、気持ちが焦ってきます。そんなときは、通信制高校の先生に相談してはどうでしょうか。
通信制高校には100人生徒がいれば100の事情があり、すべて違う将来があります。生徒一人ひとりと真剣に向き合ってきた先生、あるいはカウンセラーと話すことで見えてくるヒントがあるはずです。
ID学園高等学校の例
ID学園では、次の3つのサポートで生徒をバックアップしています。
学習サポート | 担任とのカウンセリングをもとに個別カリキュラムを作成。 中学基礎から大学進学まで幅広く対応。 |
メンタルサポート | 担任とともにスクールカウンセラーが心のケアを担当。 保護者からの相談にもおこたえします。 |
キャリアサポート | 系列の全日制高校の情報を随時共有。 進路情報の提供、各種指導、三者面談、保護者会など進学・就職をサポート。 |
通信制高校は、進学・就職どちらの将来へも前向きな可能性を秘めています。すでに目標を持つ生徒はその実現のために、まだ明確な目標がない生徒はこれからやりたいことを見つけるために。高校選びの一つの選択肢として通信制高校を考えてみてくださいね。