通信制高校では、単位取得のためにレポートの提出が必須です。実際どんな内容で、どの程度大変なのでしょうか。現在通信制高校を検討するすべての方に向け、今回は「レポート」について隅々まで詳しく掘り下げていきます!
通信制高校のレポートとは?論文なの?
まず、レポートと聞くと、あるテーマに沿って調べたことと自らの考えとをまとめていく論文形式を想像する方が多いでしょう。しかし、通信制高校のレポートは論文ではありません。たしかに大学生などが課題として取り組んでいるレポートは、このような論文形式が主流です。1つ完成させるのにも時間がかかり「大変そう」という印象を抱きますよね。
一方で通信制高校のレポートは、論文・感想文より穴埋め式の問題集に近いものを指し、答えを書き込んでいけば完成させることができます。白紙の紙を前にして構成を考え、参考資料を読みあさって書くようなものではないので安心してください。
毎日登校する全日制と違い、通信制高校は通学が必須ではありません。そのため、生徒が学習範囲を実際にどの程度学べているか、レポート提出を通して学校側は把握しています。そして、つまづいたところに対して添削指導することで学力の定着をおこないます。
通信制高校で単位を取得するためには、各科目のレポート提出(添削指導)・スクーリング(面接指導)・単位認定試験(テスト)の3つすべてが必要です。そのため、学習成果の証、単位認定試験の受験資格ともなるレポートをないがしろにすることはおすすめできません。
では、レポートの詳細についてもう少し詳しく解説しますね。
レポートの内容について
レポートの出題形式は学校によって異なります。内容は教科ごとに穴埋め問題や選択問題、教科書の内容を要約して記述する問題などが一般的です。レポートは教科書の内容に準じているので、そこから逸脱した問題は出題されません。
難易度について
通信制高校での学習は、高校卒業資格を得るため、各科目で基礎を身につけることを目的としています。そのため、レポートの難易度はさほど高くはありません。教科書あるいはあわせて使用する教材に掲載されている内容を理解できていれば、レポート作成が難しいと感じることはないでしょう。難関大学への進学を意識した通信制高校の場合、レポートの難易度も上がる傾向にありますが、教科書や学習教材の範囲から出題されるという部分は変わりません。
ただし、高校の教科書は中学校の学習内容が理解できていることを前提としているため、追いつけていない教科がある場合は「難しい」と感じるかもしれません。答えだけでなくその経緯まで理解できるよう、自分で復習することが大切です。
頻度について
レポート提出はどのくらいの頻度で必要なのでしょうか。レポート回数については各学校の裁量によるものと、次のように文部科学省によって定められているものとがあります。
1単位あたりのレポート数は1~3枚程度。年間で25単位を履修した場合だと、約75枚のレポートが必要となります。月で割ると1ヶ月に約6枚で、週に1~2枚提出するという計算です。実際にはレポートの締切が毎週あるわけではなく、決められた提出月に一定量を提出という場合が多いでしょう。いずれにしても一気にまとめてやろうとすると大変ですが、コツコツ進めていけば負担になる分量ではないはずです。
レポート提出の流れについて
どのようにレポートを作成して提出するのか流れをみていきましょう。レポートは年間を通していくつも取り組んでいくため、自分なりのスムーズなやり方を見つけることが単位取得への近道です。
- 課題の範囲を自分で学習する
- レポートを作成する
- レポートを提出する(郵送またはオンライン)
- 先生に添削されたものが戻ってくる(採点・解説・アドバイスなど)
- 間違ったところ、指導が入ったところを自主的に学習する
このようなサイクルで年間の学習を進めていきます。
提出は、通学スタイルによって異なるものの、郵送や持参が一般的。最近では、専用のWebサイトでレポート作成・提出ができる通信制高校も増えてきています。
レポートは提出して終わりではなく、先生が確認・添削して戻し、それを復習して1サイクルです。間違いが多かったり理解できていない部分があったりすると、添削内容に沿って再提出となる場合もあります。
レポートの提出は締切厳守です。通信制高校に留年はないため、たとえ1単位を落としても次の期間で取得できれば問題ありません。それでも、締切を守らないことで単位取得時期が延びてしまい、最悪の場合は卒業時期も遅くなる可能性があると意識しておく必要があります。レポートは期限に余裕をもって取り組みましょう。
ID学園の実際のレポートはこちら
こんな感じのプリントを書いて提出してもらいます。(2022年度10月以降からオンラインレポートを導入予定です)
レポートの学習方法とは?
課題の範囲に対して、基本的には教科書や教材を使って自分で学習を進めます。レポートは教科書の内容に沿っているので、日々の学習の積み重ねで基礎知識を得られれば十分対応可能です。後に控える単位認定試験は、レポートの内容から出題されることが多いため、レポートへの真剣な取り組みが自然と試験勉強にもつながります。
とはいえ、すべての教科が教科書を読んだだけで理解できるというわけではないでしょう。人によって得意科目があれば苦手科目もあって当然です。年号や単語を暗記して、あるいは確認しながらそのまま答えを書ける科目より、公式を使った問題演習が多い数学などが苦手だと、レポートにも時間を要するかもしれません。
大切なのは、学習していてわからないところが出てきたときに放置しないこと。スクーリングやオンラインツールを活用して早めに相談し、苦手な内容を一つでもクリアに(解決)しておきましょう。学習での疑問点を質問できる通信制高校が大半ですが、特に私立では一人ひとりに対する手厚い学習サポートが期待でき、安心して自宅学習に打ち込めます。レポート対策指導や、中学時代の復習指導をしてくれる学校があるのも魅力です。レポート作成時につまづいて困らないよう、通信制高校選びの時点で、オンラインサポート体制があるか、いつでも相談に乗ってもらえる環境かを調べておきましょう。
通信制高校のレポートについてまとめ
今回は通信制高校での学習ベースとなるレポートについて解説しました。
【内容】選択・穴埋め・簡単な記述式
【難易度】難易度は高くなく、教科書に沿った内容
【頻度】1単位あたり3枚、週に1~2枚こなせばよい
【提出の流れ】
- 課題の範囲を自分で学習
- レポートを作成
- レポートを提出(郵送またはオンライン)
- 添削後に返却
- 復習・再提出
【ポイント】
- 締切厳守
- わからないところは放置しない
- 学習サポートが手厚い通信制高校を選択する
以上のポイントを意識すればレポートは怖くありません。日々の学習に加え、レポート作成から提出まで自分のペースでおこなえるのは魅力的ですが、単位取得と卒業に直接響くため、レポートを後回しにすると必ず後悔してしまいます。
通信制高校への入学の際は、学習スケジュールと自己管理を大切にし、レポートとうまく付き合っていきましょう。