通信制高校への入学を考えた時に、どうやって学校を選んだら良いのか迷いますよね。
入学してから後悔しないためにもしっかりとしたリサーチは不可欠です。「自分にあった高校を選びたい。でも何を基準に選んだら良いのか正直あんまりよく分からない。」という人のために通信制高校を選ぶ上で基準にしたら良いという点をご紹介いたします。
- 通信制高校とは
- 公立or私立どちらを選ぶか?
- スクーリングの有無や通学の回数で選ぶ
- 学校側のサポート内容で選ぶ
- スクールカウンセラーなどによるメンタルケアの有無
- 通信制高校の学費
- 通信制高校の進学・進路実績
- 通信制高校を選ぶ時には資料請求をしよう!
通信制高校とは
通信制高校とは、通信教育で学習する高校のことです。
学校教育法第4条により「通信による教育を行う課程」と規定された高等学校通信制課程のことを示しています。通信教育は郵送やWEBなどで授業もしくは課題を行うことになります。
卒業単位の取得など、要件を満たせば全日制や定時制高校を卒業したと同様の資格を得ることが出来ます。
全日制や定時制との一番の違いは、「毎日通学しなくてもいい」「学年制ではなく単位制」「留年がない」という点です。
表現系であれば、声優、芸能、音楽、ダンス、ゲーム、マンガ・アニメ、美術、eスポーツがあり、サービス系であれば、ファッション、美容、メイク・ネイル、ペット、保育、福祉、IT系であれば、プログラミング、PCスキル、ドローンというように一般の高校では選択できないコースも多様にあるのが特徴です。
自分が将来なりたい仕事の勉強をすることができるようになっている点も注目されています。通信制高校の特徴として、専門的な教育を受けることで在学中に自分のやりたいことをとことん追求できる点があります。
一昔前では、夢を追いかけるより、勉強して大学に行き堅実な職業に就いた方がいいと言われることが主流でした。しかしながら昨今では夢や好きなことに集中して勉強し、最短ルートで夢・目標をかなえる環境が重要視されてきています。
通信制高校では、好きな勉強の成果が高校卒業に結びついており、自分のやりたいことにチャレンジしながら、高卒資格も取得することができるという環境が整っています。
通信制高校の学校数と生徒数推移
文部科学省が発表している学校基本調査の速報では、通信制高校の学校数は288校、生徒数は約26万人になっています。
学校種別については、公立78校、私立210校になっています。
学校数・生徒数ともに増加傾向にあり、令和3年度比較では学校数は10%増(260校対比)、生徒数は21%増(21万人対比)となっています。
通信制高校と全日制、定時制高校の違い
近年、増加傾向にある通信制高校ですが、全日制・定時制との違いを見ておきましょう。
1. 通学スタイル
全日制高校・定時制高校がは基本的に毎日通学するのに対し、通信制高校はスクーリング・単位認定試験・特別活動といった対面参加が必須なもの以外は自宅学習が基本となります。
しかし、通信制高校の中でも、毎日通学できるコースや、通学日数が選べるコースなどを設定している学校もあるので自分の学びたいスタイルやコースを選んで決めることができます。
2. 単位制?学年制?
通信制高校は多くの学校で単位制になります。
全日制・定時制ともに学年制になっていますが、最近は単位制の学校も増えています。
単位制とは、1年という区切りの中で取るべき「単位数」が決まっている制度です。
単位制は各科目に単位が設定されており、3年間の在籍と必要単位数を満たせば卒業できるという制度です。大半の全日制高校や定時制高校とは異なり、学年という概念が薄く、場合によっては必要単位を取得するまでに4年以上かける人もいます。
単位制のメリットは、学年にとらわれず一人ひとりのペースで科目を履修できることであるため、働いていたりスポーツに専念していたり、また学校に通いづらかったりする人にも適しているといえます。
公立or私立どちらを選ぶか?
まず、通信制高校には公立と私立の2種類の大きな違いがあります。
公立の通信制高校は主に自治体(都道府県)が運営しており、全国で78校あります。地方自治体の予算で運営されているので、基本的に通えるのはその地域に住む人に限られます。
それに対して、私立の通信制高校は民間企業や学校法人が運営しており、設立する地域に住んでいない方や遠方の方も通える学校も多くあります。
公立の通信制高校の特徴
- 入試は 書類審査・面接・作文 など
- 全日制、定時制などと併設されている場合があり卒業証書の学校名は同じ
- 学費が安く授業料「0円」で入学金、教材費、その他など合わせても1〜4万円程度
- 基本的に自宅学習
- スクーリングの回数が少ない
公立の通信制高校は学費が非常に安く、金銭面では非常に通いやすい条件となります。しかし、数が多くなく、しかも通学できるエリアが決められているのであまり選択肢が多くないというデメリットもあります。
私立の通信制高校の特徴
- 入試は 書類審査・面接・作文 など
- 学費は公立と比べると割高になる
- 自宅学習と、通学回数を増やせる通学型を選択することができる
- カリキュラムが充実している
- 資格を取得できる専門コースがある
- 大学進学に向けた対策コースがある
- 学力やメンタルのサポートが厚い
- 課外行事が充実している
私立の通信制高校はコースによって様々で、カリキュラムが充実している学校が多くあります。
中でも、遅れた勉強を追いつきたい、先取りした勉強をしたい人、専門的な知識を得て社会で役立つスキルを身に付けたい人などにとって、自分に合ったカリキュラムを考えてくれたり、専門コースのある通信制高校を受験することで充実した高校生活を送れるというメリットもあります。
また、メンタル面や学習面でのサポート体制が充実している学校が多いというのも私立の通信制高校の特色です。高校生活に不安のある方にとっては私立への進学がおすすめです。
通信制高校は基本的に自宅での自習のスタイルが中心ですが、私立であれば通学頻度を多くして学校に通うことも可能です。
体調が悪い日や、仕事や、大会などで休みたいときは学校を休んでも欠席扱いにならないなどのメリットもあります。
単位取得に出席日数がネックにならない という点では私立の通信制高校の通学型を選択することが自分にあっているという方も多いのではないでしょうか。
→参考:通信制高校の学費(授業料)について
→参考:通信制高校の学費無償化制度(高等学校就学支援金制度)について
スクーリングの有無や通学の回数で選ぶ
通信制高校への進学を考えている方は「学校に出来る限り通いたくない」と考えている方や、逆に「学校にはなるべく通いたい」と考えている方「その時々によって登校頻度を変えたい」など様々です。
学校に通学したい
学校にはなるべく通学したいと思っているのに、通学する回数が少ない学校(通学ではなく通信が主な学校)を選んでしまうと高校生活に不満を感じることが多くなります。”1週間の通学日数”をかならず確認してください。
学校にはなるべく通いたい(でもちょっと不安)
気持ちや体調、家庭の事情から少し通学に不安がある場合は、”1週間の通学日数を調整できる”学校か必ず確認してください。通信制高校の中には、調整できる学校と調整できない学校、調整しやすい学校と調整しにくい学校があります。
また、通信制から全日制に転籍できる通信制の学校もあります。
なるべく通学したくない
学校になるべく通いたくない方達の中には、昼間働いている方も多くいます。アルバイトやパートであればなんとか通学できたとしても、あなたがフルタイムで働きながら高校卒業資格を得ようとしているなら、通学回数の多い通信制高校を選択するのはお勧めできません。
自分の生活スタイルと照らし合わせて選択することがおすすめです。
学校側のサポート内容で選ぶ
通信制高校ではレポートという課題に取り組みます。
レポート自体の難易度は高くない学校がほとんどですが、基本的に自分で教科書や教材を読み理解して解かなくてはいけないため中学校までの基礎的な学習が身についていないと難しく感じるかもしれません。
学習についていけない不安がある場合は、学習面でのサポートがしっかりとある通信制高校を選ぶと学校生活の学習面での不安が解消できます。
たとえば、ID学園ではレポートの内容を解説した講義を録画したものをオンデマンド配信し、いつでも見れるのでどこでも復習することが可能です。また、スタディサプリが利用できたり、Slackというチャットツールで先生にオンラインでいつでも質問することができるなど学習面で遅れを取らないためのサポートが充実しています。
また、希望生徒はAIを活用したラーニングシステムが活用できるでひとりひとりの違う理解度・学習履歴・ミスの傾向・その日の集中度などに合わせ、世界にひとつだけの、その生徒専用のカリキュラムを自動作成します。
スクールカウンセラーなどによるメンタルケアの有無
人間関係の悩みを抱えて中学時代を過ごし、通信制高校へ進学した生徒の中には、コミュニケーションをとることに苦手意識を持っている人が多くいるのも事実です。
また、日常的に誰かに確認できない状態が続くと「これでいいの?」と不安になることもあるでしょう。
そんな時、担任の先生に加えてスクールカウンセラーや養護教諭の先生に相談できる環境があることは生徒の支えになります。
学校を選択する時に学校にスクールカウンセラーや養護教諭などの相談できる環境があるかなどを選ぶ基準に入れておくことは、とってもおすすめです。
通信制高校の学費
公立か私立によって学費が異なるのはもちろんですが、自宅学習か通学かどちらをメインにするかで大きく学費も変わってきます。
また、高校の学費は就学支援金の支給を受けることができます。
就学支援金とは、授業料に充てるための就学支援金を支給することにより、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の実質的な機会均等に寄与することを目的としています。
国公私立問わず、高等学校等に通う所得等要件を満たす世帯(※年収約910万円未満の世帯)の生徒に対して、 授業料に充てるため、国において高等学校等就学支援金を支給します。
※両親のうちどちらか一方が働き、高校生一人(16歳以上)、中学生一人の子供がいる世帯
このような制度があるため、実際にはもう少し学費がかからなくなる可能性があります。1年にかかる学費の目安は以下になります。
初年度にかかる金額 | 就学支援金が支給された場合の金額 | ||
公立 | 約3万円 | 約2万円 | |
私立 | 自宅学習 | 約26 ~ 43万円 | 約8 ~ 26万円 |
通学 | 約50 ~ 115万円 | 約30 ~ 95万円 |
このように公立の学費は私立と比べて大幅に学費がかからず、通うことができます。
この点は全日制や定時制と変わらないところです。
私立の通信制高校で学費を抑えるのであれば、学習スタイルを検討することが重要です。
自宅学習が通学より学費が抑えられているように、通学回数を見直すことで学費を抑えることができます。
あまり通うつもりがないのに、通学回数を増やしてしまうとそれだけ学費が高くなってしまうことをしっかり理解してコースを選択しましょう。
通信制高校の進学・進路実績
私立の通信制高校を中心にここ数年、進路実績を発表する高校が増えていたり、進路実績を地域別や学習センター別にまとめて発表している学校もあります。
卒業生の進路がどのようになっているかは、進路先を選ぶに当たって非常に重要なポイントになります。
また実績がある、もしくは公表している学校というのは進路指導がしっかりしている裏付けにもなります。実績が充実していれば、様々な大学や専門学校へのノウハウがあるという判断もできます。逆にあまり充実していない場合は、希望にあまり対応してもらえない場合も想定できます。
就職実績も同じことを言えますが、社会に出るための技能や資格を身につけることはもちろんですが、企業や人脈が多くあると判断できます。
実際の進路実績を見てみると、生徒・保護者の進路希望で一番多かったのは大学や専門学校への進学です。
令和元年度の文部科学省の調査によると、通信制高校の進学率は全体は40.9%で、公立だけでは24.8%、私立だけでは43.4%になっています。
この比率はほぼ横ばいで数年推移しています。
就職については、全体で23.1%、公立26.9%、私立22.5%となっており、業種でみると多い順で製造業、サービス業、小売業の順になっています。
通信制高校が進路実績を公表しているのは、通信制高校の進路未決定者がまだまだ多いことが背景にあります。
通信制高校の進路未決定者は、全体で32.3%、公立44.6%、私立30.4%となり、約3分の1は未決定になっている現状です。
未決定者の中には、アルバイトをしていたり声優などの養成所に入ったりと進路を先延ばしにしている人も含まれます。
通信制高校に通うことは、時間をかけてなにかに取り組める、何かを目指すことができるということを数字が表しています。
未決定が多い現状がすべて悪いことではありません。先ほども述べましたが決定までのあいだにやるべきことを作り出している人が多くいます。
将来進学か就職か何をやるかを決めかねている人は、アルバイトをしながら資格の専門学校へ進んだ例もあります。
興味がある通信制高校の進路未決定者がどうなっているかや進学・就職サポートがどうなっているかはオープンキャンパスなどで具体的に質問してみるのがいいでしょう。
通信制高校を選ぶ時には資料請求をしよう!
各学校の特色を知るには資料請求をして詳しく調べてみると見えてきます。気になった学校のパンフレットなどを集めてじっくりと比較してみましょう。
学校が開催している説明会に参加するのもお勧めです。
先生が直接話をしてくれるので資料だけでは伝わりにくいところも知ることができます。
こんな先生がいるんだ。こんな雰囲気なんだ!などなど実際に話を聞くことでわかる特色がたくさんあります。
資料請求をするとしつこい勧誘の電話がかかってくるのでは?と心配している人もいるかもしれませんが、ID学園高等学校ではそのようなことは一切ありません。
資料請求はHPから簡単に行えますのでまず気になった方は資料請求してくださいね。