「不登校の子どもにどう対応したらよいかわからない」
こんな悩みを抱えていませんか?子どもの不登校を親が心配するのは当然のこと。
不登校を解決するためにどう対応すべきなのかわからず、焦ってしまいますよね。
今回は、親ができる子どもの不登校対応についてご紹介します。
学校へ復学することが絶対ではなく、子ども1人ひとりに合わせて柔軟に対応する姿勢が大切です。
家庭内だけで問題を解決しようとせず、学校や専門家といったサポートしてくれる機関を積極的に頼っていきましょう。
目次
- 不登校でも大丈夫!学校復帰を焦る必要はない
- 年代別の不登校対応
- 不登校解決に向けた9つの対応
- 不登校が長引くかも?NG対応を知っておこう
- 保護者へのサポートも重要な要素
- 不登校の子どものためにできることから始めよう
不登校でも大丈夫!学校復帰を焦る必要はない
不登校はいけないこと、学校を休むのは問題だと捉えられがちですが、不登校自体は悪いことではありません。
勉強ができる子も、運動ができる子も、クラスの人気者でも不登校になる可能性があります。
もちろん「不登校だから恥ずかしい」などと親も子どもも感じる必要はないのです。
学校へ楽しく毎日通えれば理想的かもしれませんが、たとえ学校に行けなくても学びを続けられる環境はあります。
不登校でも大丈夫、という気持ちを持ちながら子どもへの対応を考えていきましょう。
年代別の不登校対応
不登校は小学校から高校までどの年代でも見られます。
しかし、形式上は同じ不登校でも、原因や子どもの置かれている環境が異なるため、その年代に合わせた対応が必要です。
小学生の不登校
小学生は低学年(1〜3年生)と高学年(4〜6年生)に分けることができます。
低学年では、集団や勉強に対しての不安というよりは、親と離れたくないという母子分離不安が強く現れがちです。
家庭の環境変化は子どもの心に大きな影響を及ぼすため、親の離婚や親族の死別、兄弟の誕生なども不登校のきっかけとなり得ます。
そのため、小学校低学年の子どもに対しては家庭での対応が中心となるでしょう。
まずは安心して家庭で過ごせるように心の安定をはかることが、登校へとつながります。
小学校高学年になると、友達との人間関係や勉強についての悩みが増えてくる傾向にあります。
可能な範囲で原因を見極めつつ、安心して登校できるよう学校と家庭が子どもをサポートしていくとよいでしょう。
中学生の不登校
中学校に入ると小学生より交友関係が広がり、受験を視野に入れて勉強も一気に難しくなります。
そのため、人間関係や勉強で不登校となるケースが少なくありません。
中学生は思春期や反抗期が重なる時期でもあるため、些細なきっかけで心身のバランスが崩れてしまうのです。
この時期は、子どもによって親が話しやすかったり先生が話しやすかったりと個人差があります。
家ではイライラし、親子での言い合いが多い時期かもしれませんが、子どもの反抗は思春期特有のものと捉えて、親はおおらかに構える姿勢が大切です。
学校と家庭が連携を取りながら、子どもが話しやすい雰囲気を作ってあげるとよいでしょう。
高校生の不登校
小学校・中学校とは異なり、義務教育ではない高校では不登校への対応も変わってきます。
さまざまな原因によって高校への登校が難しい場合は、中途退学という選択ができ、実際に中退する生徒も少なくありません。
「不登校の原因はこれ」と特定できないことも多く、子ども自身も理由がわからないという場合もあります。
不登校は短期的に解決できる問題ではありません。
子どもの意思を尊重しながら話を聞き、自信や興味を取り戻していけるようサポートしましょう。
また、朝から午後まで決められた時間割で学習を進める全日制高校とは違い、夕方から登校する定時制高校や、自習学習を基本とし自学自習が基本となる通信制高校など、高校の中にも様々な選択肢があります。全日制高校の時間割には合わないが、学習はしたい、高校卒業資格は取りたい、と要望する子どもに対しては、様々な可能性があることを伝えることもよいでしょう。
不登校解決に向けた9つの対応
では、具体的に不登校解決に向けた対応方法を見ていきましょう。
実践できそうな部分から試してみてくださいね。
【対応1】学校を休んでよいと伝える
子どもは「学校には行かなくてはいけない」と頭で理解しています。そのうえで、学校に行きたくないと言い出した際は受け入れてあげましょう。
行けなくなるだけの理由があり、我慢が限界に来たというサインです。親が「学校を休んでもいいよ」と認めることで、子どもは少しでも心を落ち着けられるはずです。
【対応2】学校や専門家に相談する
不登校は簡単に短期間で解決できるものではありません。家庭と学校との連携が必要で、子どもと親が向き合う時間も長くなります。
家庭内だけでどうにかしようとせず、まずは学校や不登校相談窓口などの専門家に相談しましょう。多くの不登校対応経験をもつ専門家は、一般では思いつかないようなヒントをくれることがあります。
親がストレスを溜めないようにするのも子どもの笑顔のためには大切です。
【対応3】問い詰めずに子どもの話を聞く
不登校になるには何らかの理由があるはずですが、親には話しにくい、あるいは自分でもはっきり理由がわからないというケースもあるでしょう。
「なぜ学校へ行かないの?」「何があったの?」と問い詰めるように親から質問しても、子どもはさらに追い詰められてふさぎ込んでしまいます。
親が聞く姿勢を続けていれば、気持ちの整理がついて子どもから話してくれる日がやってきます。
【対応4】子どもの考えを否定しない
子どもの家での過ごし方は、ゲームやスマホばかりかもしれません。
学校に行けていない分有意義に過ごしてほしい、という親の気持ちはなんとか抑え、まずは子どものやりたいことをやらせてあげましょう。
不登校は、学校で消耗したエネルギーの充電期間です。
やっていることや考えを否定せずに、興味がある分野の話を膨らませていくのも前向きなコミュニケーションになります。
【対応5】接し方を変えない
不登校になったからといって、家庭内での接し方を変えるのはやめましょう。
不安に感じているのは親だけではなく、子ども自身も今後への大きな不安を抱えています。
そして、親に対しての申し訳なさも感じているのです。
家では気を張らずに穏やかに過ごせるよう、不登校を過剰に意識せずにいつも通りの声かけをしてあげてください。
【対応6】目標を見つけるきっかけ作りをする
将来の夢や没頭できる趣味があると、前向きに進路を考えたり心の安まる時間ができたりするものです。
しかし、好きなことや将来やりたいことがないという子どももいるでしょう。
その場合は、親がさまざまな分野に触れるきっかけを作ってあげます。
テレビを観ていて何気なく興味を示したこと、行きたいと言っていた場所、何らかの体験ができる施設など、新しいものに触れる機会はとても大切です。
すぐに結果に結びつかなくても、このときの経験が後々になって将来の目標となる可能性もあるのです。
【対応7】小さな成功体験を増やす
不登校の子どもは、自己肯定感が低くなっています。
自分に自信をなくして、周りよりも劣っている、自分には価値がないという思考に陥りがちです。
自信を取り戻すには、どんな小さなことでもいいので成功体験をするのが近道です。
- 家事を手伝ってくれた
- 自分で立てたスケジュール通りに勉強した
- 朝早く起きられた
- 趣味をしているときは笑顔でいる
ゲームをしているときや、没頭している趣味に対してでも、なにか褒めてあげると自己肯定感アップにつながります。
【対応8】学校以外で学べる環境を提案する
不登校からの脱出は、学校へ戻ることだけがゴールではありません。
塾や家庭教師、フリースクールでも勉強を続けられます。
進路の選択肢を減らさないためにも、学校以外で勉強できる場を提案することが大切です。
中学生であれば、毎日通学しなくても無理なく卒業を目指せる通信制高校への進学を検討するのもよいでしょう。
高校生であれば、通信制への転入の他、高卒認定試験を受けて進学を目指すことも可能です。
【対応9】家と学校以外に他者との交流の場を作る
高校生までの子どもたちは、家と学校にしか居場所がないという場合も少なくありません。
不登校になると、家にいるだけになり、他者とのコミュニケーションがはかれなくなってしまいます。
フリースクールや習い事を通して、家と学校以外にも自分の居場所を見つけられると、前向きな考え方ができるようになります。
不登校経験がある仲間とふれあい、悩みを共有できるというメリットも。
学校の外でできた友達の存在が、自分のこれまでの価値観を変えてくれることもあるでしょう。
不登校が長引くかも?NG対応を知っておこう
不登校の子どもへの対応では、気をつけるべきいくつかのポイントがあります。
かえって不登校を長引かせてしまわないよう、次の5つに注意しましょう。
- 家庭での接し方を変える、特別扱いする
- 友達と比較する
- 登校を強要する
- 不登校を否定し、突き放す
- 不登校の理由を問い詰める、怒る
学校に行けなくなっている状態の不登校に対し、問い詰めたり登校を強要したりしても事態は好転しません。
本人の不安を取り除き、心の安定が保てるようにならないと登校は難しいでしょう。
さらには親子関係がより不穏になってしまう可能性もあります。
思春期と不登校で、子どもは気持ちも自己肯定感も下がっている状態です。
そこで親にも突き放されては、ますます自信をなくしてしまうでしょう。
一歩ずつ達成できるような小さな目標を設定しながら、問題解決を目指すのが理想的です。
保護者へのサポートも重要な要素
不登校の子どもへの対応では、不安から親も自信をなくしてしまっていることがあります。
子ども本人と同様に親に対してもサポートが必要だと心得ておき、積極的に第三者を頼るようにしましょう。
不登校相談窓口や支援センター、児童相談所など、不登校の対応経験が多い専門機関は各自治体にあります。
「不登校だと知られないようにしなくては」
「私が頑張って解決させないと」
家庭内だけで問題を抱え込む傾向がありますが、不登校は些細なきっかけから誰しもがなり得る状況であり、恥ずかしいことではありません。
誰かに悩みを相談するだけでも気持ちを軽くできるため、少しでも負担を感じたら利用してみるのがおすすめです。
不登校の子どものためにできることから始めよう
不登校の原因は子どもの数だけ存在し、適切な対応も人によって異なります。
小学校から高校まで、年代によっても対応の仕方は変わってくると認識しておきましょう。
親だけ、学校だけと偏るのではなく、互いに連携しながら対応していくのが理想です。
時に感情的になってしまう気持ちもわかりますが、子どもを否定したり突き放したりすると不登校を長期化させてしまう可能性があります。
子どもに寄り添い、焦らずに少しずつ自信を取り戻していくことを目指しましょう。