テストで良い点数を取るために、あるいは受験に合格するためには学校だけでなく家での勉強も必要です。
しかし、自宅学習の大切さをわかっていても、なかなか勉強がはかどらないという方が多いのではないでしょうか。
「テストで良い点がとれないのは、もともと頭が悪いから?」
「こんなに何時間も勉強しているのに、どうして成績が上がらないの?」
勉強ができるかできないかは才能によるものではなく、やり方次第です。
今勉強ができなくても諦める必要はありません。
今回は、勉強ができない理由に合わせた対処法をご紹介します。
勉強のやり方と習慣化の仕方がわかれば、あとは続けていくだけです。
家庭での勉強時間を充実させるため、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
- 「勉強できない」には2つのタイプがある
- 【勉強しない人の解決法】勉強を始めてみよう
- 【勉強しても結果が出ない人の解決法】やり方を変えてみよう
- 勉強を習慣にするには
- これはNG!勉強中に気をつけたい行動
- 「勉強できない」を克服して学習習慣を身につけよう
「勉強できない」には2つのタイプがある
勉強ができない人は、一般的に次の2つのタイプに分けられます。
「勉強をしない人」と「勉強しても結果が出ない人」です。
それぞれまったく別の対処法が必要なため、まずは自分がどちらのタイプなのかを知ることが大切です。
タイプごとに具体的な勉強方法を見ていきましょう。
【勉強しない人の解決法】勉強を始めてみよう
家での勉強習慣がない場合、家はとてもリラックスできる場所であり「勉強は学校でするもの」という感覚が強いのかもしれません。
自分の部屋では、クラスメイトや先生のような周囲の目がないため、趣味や眠気などさまざまな誘惑にも打ち勝てない環境です。
1人で集中して勉強を続けるには、準備が最も大切な要素となります。
- 学習環境を整える
- 勉強に興味を持つ
- 自分の学力を知る
- まずは5分からスタート!
これら4つのポイントを押さえて、勉強できる環境づくりとモチベーションアップをしていきましょう。
下準備ができれば、自然と続けられるようになり、後から結果もついてきます。
学習環境を整える
学習環境を整えるのが最初のポイントです。
勉強にふさわしくない環境では、やる気を出すのも集中力を保つのも簡単ではありません。
部屋が散らかっている場合は、まず片付けから始めます。
散らかっていても勉強に関係ないと思いがちですが、目につくところにものが散らばっていると無意識に気になってしまい集中力が削がれます。
せめて机の上だけでも物のない状態にしましょう。
自分の部屋だけでなく家自体が散らかっているのであれば、家族の協力も必要となります。
勉強中に目につくところに、ゲーム・漫画・テレビなど誘惑する物がないかにも注意しましょう。
家族の目や生活音があるところでは勉強できないという子もいますが、一方で適度に他人の目がある方が勉強がはかどるという場合もあります。
その際は、リビング学習を取り入れるのがおすすめです。
いつもではなく時々でも、自室以外で勉強してみるとよい気分転換となります。
勉強に興味を持つ
勉強は、自分でやろうと思わなければできないものです。
勉強が嫌いだと感じている場合は、自宅学習をいきなりやる気にするのは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、教科書や問題集以外の学習ツールです。
参考書であれば、イラストや図解で視覚的に訴えかけるものだと取り入れやすく、アプリで隙間時間の暗記や問題演習ができるものもあります。
さらに、YouTubeなどでは塾講師や専門家による受験向け動画の配信もおこなわれています。
どのやり方が自分にマッチするかは人それぞれです。
興味を持てるものを取り入れて、自宅学習へのとっかかりとしてみてはどうでしょうか。
自分の学力を知る
勉強ができないと思っている子の多くは、実は自分のレベルや得手不得手を正しく把握できていません。
問題集や参考書で一通りの内容をやってみると、スラスラ解けるところと、できたりできなかったりするところ、解き方すらわからないようなところに分かれてくるはずです。
もちろん、スラスラ解けたところ以外の力をつけるのが目標となります。
苦手なところは問題演習だけでなく、基礎に立ち返って勉強し直すと自然と応用力も身につきます。
自分の理解度がわかることで、問題集を選ぶ基準の参考にもなるでしょう。
まずは5分からスタート!
今まで自宅学習の習慣がなかったにもかかわらず、いきなり1時間勉強しようと意気込んでも達成は難しいでしょう。
初日はできたとしても、翌日以降は苦痛になってしまうかもしれません。
では、「5分だけやろう」という考え方ならどうでしょうか。
問題を解くのもよいですが、5分では暗記ものがおすすめです。
無理せず5分間の集中を続けていくうちに、不思議と「もう少し勉強できるかもしれないな」と感じてきます。
その際は、少しずつ時間を増やしていきましょう。
【勉強しても結果が出ない人の解決法】やり方を変えてみよう
「勉強しても結果が出ない人」は勉強自体が嫌いではなく、やる気があり、勉強時間もそれなりに取れている場合が多いです。
では、なぜ努力が結果に結びつかないのでしょうか。
ほとんどの場合、勉強の仕方に少々問題があるようです。
- ミスした問題は必ず復習を
- 「やったつもり」にならないで
- ひとつの参考書をやり切ろう
- 手の届く目標でモチベーションアップ
以上のように、やり方を少し変えてみるだけでグッと理解度が深まる可能性があるため、まずは試してみましょう。
ひとつずつご説明します。
ミスした問題は必ず復習を
テストや問題集で間違った問題はその後どうしていますか?
正しい回答を見て納得する、解き直してみる、定期的に同じ問題を解くなど、対応の仕方は人によって異なります。
答えをみて説明を聞いてその場で納得できても、そのままではまた同じ間違いを繰り返しがちです。
一度間違った問題を自分のものとして今後の得点につなげたいのであれば、何度も定期的に解き直しをおこないましょう。
地道な積み重ねこそが成績アップへの鍵となります。
「やったつもり」にならないで
勉強に時間をかけているのに結果が出ない場合、「やったつもり」になっていないかを思い返してみましょう。
本や映像に一度目を通しただけでも、人はなんとなく理解した気になります。
しかし勉強においては、多くの情報の中から良さそうな勉強法を見つけても、それを何度も実践して使いこなさなければ自分のものにできたとは言えません。
- 徹夜で勉強した
- 1日5時間も勉強している
- 問題集を○ページもやった
このような声をよく耳にします。
自分の意思で何時間も勉強できているのは素晴らしいですが、学習内容ではなく勉強すること自体にスポットが当たっているのではないでしょうか。
「自分はこんなに勉強している」という自負があっても、内容を伴わずに数をこなすばかりでは結果はついてこないのです。
「わからない」を「理解した!」「解き方がわかった!」という状態にするのが勉強の本来の目的です。
わかるための勉強方法は、ただ長い時間やればいいというわけではありません。
成果に繋げるためには、漠然とやるよりもわからないところを見つけて、それをマスターできるように勉強するのが理想的です。
ひとつの参考書をやり切ろう
何種類もの参考書・問題集に手を出し、同時に進めるのはやめた方がよいでしょう。
自分に合った1冊を選ぶのは難しいですが、どれか1つに絞ったらそれを最後までやり抜くのが重要です。
問題集も1回解いて次へ行くのではなく、1冊を何度もやりこんで、自分の躓きやすい問題の対策までしっかりおこなう方が効率よく力をつけられます。
手の届く目標でモチベーションアップ
効率よく勉強を進めるために、手の届く小さな目標を設定します。
問題集を1ページやる、公式を1つ覚えて問題演習する、英単語を20個覚えるなど、具体的な目標があると、それをクリアしようという気持ちが強くなります。
達成できたら次、というようにステップアップしていければ、テスト勉強も受験勉強も無理なく続けられるでしょう。
ただし、小さな目標も1日に多く詰め込みすぎるとストレスにつながります。
ノルマ設定は低く、「今日はもっとやれそう」と感じられるようであれば、もう少し上を目指していけばよいのです。
勉強を習慣にするには
「勉強しなきゃ」と思うと途端に憂鬱になりませんか?
あるいは「勉強しなさい」と家族に言われるのが苦痛であるかもしれません。
この感覚をなくすためには、自宅学習を習慣化してしまう必要があります。
朝の登校までのルーティン、夜寝るまでのルーティンがあるように、生活の一連の流れの中に勉強が入っていればスムーズに毎日続けられるようになるでしょう。
習慣化するには、次の点に注意しながら少しずつ取り入れていくのがおすすめです。
- 小さな目標(学習内容)を設定する
- 1日にやることをいくつも詰め込まない
- できるだけ毎日同じタイミングで勉強を始める
- やったことをメモとして記録する
- 休まない
何でもやればよいのではなく、その日にやる内容を決めてから学習することに意味があります。
たとえ少ない勉強時間でも、毎日習慣化できれば効率よく勉強時間が増えることとなり、成績アップが見えてくるでしょう。
学習計画を立てる
勉強をしてもしなくても咎められない自宅学習では、計画を立てておくとうまく継続しながら勉強を進められます。
【学習計画を立てる際に意識したいこと】
- ベースとなる目標を作る(定期テスト・受験など)
- 勉強終わりの時間を決めておく
- 細かくタスクを決めすぎない
- 1ヶ月計画・週間計画・1日ごとの計画といった決め方をしていく
- 計画通りに進まない日があったら、他の日にカバーする
何の計画もないと、思いついたことや得意科目ばかりを勉強してしまったり、気分によってやる日とやらない日がバラバラだったりという事態になります。
ざっくりとでも学習計画があれば、「最低限、今日はこれをやろう」という目的のもとで勉強に取り組めるでしょう。
友達と一緒に勉強する
勉強習慣がついていない子は、1人だとどうしても甘えの気持ちが出てしまうものです。
自宅で勉強がはかどらない際は、友達と一緒に勉強するのがおすすめです。
「○時までは一緒にやってから帰ろう」と決めるだけでも、その間は集中力を維持させることができるでしょう。
苦手科目と得意科目を交互に勉強する
多くの子には、苦手科目と得意科目が存在するのではないでしょうか。
「得意科目の勉強は長い時間できるけれど、苦手科目だとつまずいてしまって進まない……」といった経験は誰にでもあるものです。
そんなときは交互に時間を決めて勉強するのがおすすめです。
同じ分量ずつやろう、あるいは苦手科目ばかりを多くやろうと思っても長続きしません。
まずは、得意科目と苦手科目の割合を7:3くらいで取り組むと無理なく集中できます。
これはNG!勉強中に気をつけたい行動
効率よく勉強を進めていくにあたり、気をつけたい行動が2つあります。
成績アップどころか、より不安定になってしまう恐れがあるため、生活のメリハリを大切に過ごしていきましょう。
不規則な生活リズムで勉強する
勉強には集中する時間と休む時間の両方が必要です。
いくら集中していたとしても、頻繁に夜中まで勉強するようなやり方は決して効率がよいとはいえません。
数時間勉強したら休憩をとる、夜は寝る時間を決めてそれ以降はやらないという生活ルールを決めておかないと脳が疲れてしまい、かえってミスを招くこととなります。
無理して勉強を詰め込んだ結果、体調を崩してしまっては元も子もありません。
休憩と睡眠はしっかりとることを意識しましょう。
スマートフォンを近くに置く
勉強中に集中力が続かなくなる誘惑の原因としては、漫画やゲームなどが挙げられます。
中でも強敵なのがスマートフォンです。
気にしないようにしていても、メッセージやSNSの通知に気付くと確認せずにいられないという子も多いでしょう。
一度スマートフォンを触ってしまうと、「1分のつもりが30分経っていた」なんてことも経験があるはずです。
気にしないためには目に入るところ・手の届くところに置かないのが一番。
スマートフォンは勉強中は親に預けたり別の部屋に置くなどの対策をとってみましょう。
「勉強できない」を克服して学習習慣を身につけよう
勉強しようというやる気はあるのに、思うように進まないという場合は必ず原因とそれに合った対処法があります。
勉強しない場合 | 【勉強を始める準備をする】 ・学習環境を整えて勉強しやすくする ・気になる学習法を取り入れて、勉強に興味を持つ ・自分の学力や苦手を見つけ、何から始めるべきかを知る ・負荷をかけすぎずに、まずは5分からやってみる |
勉強しても結果が出ない場合 | 【勉強のやり方を変える】 ・ミスした問題こそ成績アップの鍵!必ず復習する ・勉強時間だけに注目したり、「やったつもり」にならない ・いくつもの参考書に少しずつ手を出すより、ひとつをとことんやり切る ・手の届く目標をどんどん達成して勉強のモチベーションを維持する |
勉強は1日や2日で結果が出るものではありません。
たとえ毎日10分でも、内容の濃い勉強を続けることで理解度は徐々に深まり、自然と成績アップにもつながります。
「勉強できない」と諦めて投げ出す前に、できそうなことからやってみましょう!
まずは5分だけ、あるいはひとつの参考書だけ、無理なく続けられる自分だけの学習習慣がきっと見つかるはずです。