「どうして生きているんだろう」
「自分には生きている意味があるのだろうか」
ふと何気なく、自分の存在価値について考えたことはありませんか?
高校生は進学のために勉強が必須と言われる時期です。
大学に進学したら、次は卒業するためにまた勉強の日々が始まります。
それと同時に、就職するために必死に就職活動をして、社会人になったら働かなければなりません。
どの段階でも人間関係をうまく築かないといけないし、何よりお金を稼がないと生活していけないという現実が待っています。
生きるための大変な面にスポットを当てたとき、なぜ、大変な思いをしてまで生きていくのか、その理由を見つけられない高校生は少なくありません。
生きる意味を見出せずに毎日を過ごすのはとてもつらいものです。
やるべきタスクには追われていても、やりがいを感じられずに自分の未来も見えない、ということもあるでしょう。
今回は、なぜ生きるのかを悩み続ける高校生へ向け、少しだけ前向きになるための考え方について解説します。
なぜ生きているのか、理由や目的がはっきりわからなくても大丈夫です。
一緒に前を向いて考えながら、今日より明るい明日を目指しましょう。
目次
- 生きてる意味は必要なの?答えの出ない悩み
- 生きてる意味がわからないと感じる瞬間
- 生きる意味を見つけるためのきっかけ
- 「どう生きるかを考える」のが大切
- やりたくないことから未来を想像してみよう
- 生きてる意味がわからなくてもいい
生きてる意味は必要なの?答えの出ない悩み
生きる意味を考えてしまう背景には、次のようなネガティブな思いが隠れていることがあります。
- 生きているのが苦痛だ
- なぜ生きるべきかわからない
- どうせ自分だけ成功しない
- 自分が生きていても意味がない
- もう消えてしまいたい
残念ながら、重く難しいこの問題にきれいな模範解答はありません。
簡単には自分らしい答えを見出せず1人で悶々と考え続けるものの、時間だけが過ぎてつらくなるばかりです。
生きる意味についてよくない方に考えるのは、心に余裕がないサイン。
なんらかのきっかけや、毎日蓄積されたストレスによって、日常生活と自分の意思との間に見えない壁ができてしまうことがあります。
何をしても満たされなさや孤独を感じ、自分の生きる意味について自問自答を繰り返すのです。
不登校状態にある場合はなおさら、生きる理由と存在価値について考え込んでしまう傾向にあります。
1人で過ごす時間が多いぶん、「不登校の自分はダメだ」という思考になりがちです。
悪い方に思い詰めてしまわないよう、家族がこまめに話を聞き、子どもの考えに理解を示してあげるようにしましょう。
意外なことに、勉強ができて友達に囲まれ、何不自由なく暮らしているような優等生タイプにも、生きる意味について悩んでいる子が多いのが実情です。
周りに褒められる、認められるようないい子を目指してきた結果、他人の目だけが気になってしまい、自分らしさを見失ってしまうようです。
誰かに褒められることをしていないと不安になり、追い詰められていきます。
心を解放するためには、誰にも関係ない、自分だけが没頭できるような好きなものを作るのがおすすめです。
ゲームでもアーティストでも、明るい気持ちでのめり込める何かが大きな支えとなるはずです。
本来、おそらく誰しもが「この世に生を受けた以上は生きる意味があるのだ」と感じていることでしょう。
幸せに生きていきたいし、毎日楽しく過ごしたい。
しかし、多くの人間が同じ社会で共に生きていく中では、自分の思うようにならない場面も多々あります。
そんな苦境を乗りこえられず、自分の生きる意味まで考え始めたとき、明確な理由が見つけられずに悩み苦しんでしまうのです。
では、生きる理由とはいったいどんなものでしょうか。
- ○○が得意で人気があるから
- ○○の分野で活躍しているから
- ○○を成し遂げたいから
- 誰かに必要とされているから
- 誰かの役に立っているから
存在価値が複数の人からも目に見えてわかるような事象がほしいのかもしれません。
実際は、大人になっても自分の明確な存在価値を言える人は多くないでしょう。
それでもささいなことに幸せを感じ、何気ない毎日を生き抜いていかなくてはならないのです。
生きてる意味がわからないと感じる瞬間
では、どのようなときに「生きている意味がわからない」と感じるのでしょうか。
高校生活の中で考えられる6つのタイミングについてご紹介します。
- 将来への不安を感じたとき
- 大きな挫折や絶望感を味わったとき
- 後悔と自責の念が強いとき
- 思春期の多感で不安定なとき
- 漠然とした思い
- 鬱など病気の可能性
それぞれ順に見ていきましょう。
将来への不安を感じたとき
誰でも自分の将来について何らかの不安を抱えています。
しかし、その不安が大きくなりすぎて押しつぶされそうになると、逃げ出したくなり、今の自分の存在価値にまで考えが及ぶことがあるのです。
高校生は、卒業後に大学進学・専門学校・就職などどれを選ぶのか、今後の人生を左右する岐路に立たされています。
なかなか進路が決まらずに将来が見えないとき、周囲の友達に置いて行かれるような感覚を抱いたとき、今の自分では目指す進路の実現が難しいときなど、「このまま頑張っていても意味があるのだろうか」「自分って何なんだろう」という思考になってしまいがちです。
大きな挫折や絶望感を味わったとき
学校生活にかかわることでもそれ以外でも、子どもは日々緊張感やプレッシャーと隣り合わせで生きています。
いくら真っ直ぐに頑張っていても、何らかの挫折を味わうタイミングがあるものです。
- テストで結果が出せなかった
- 高校受験に第一志望に落ちてしまった
- 部活を途中で辞めた
- 習い事での大舞台で失敗した
- 部活でレギュラーになれなかった
- ケガのリハビリから逃げ出した
- 単位が取れなかった
本来、挫折は成長に必要であり、子どもの頃から勉強や習い事、部活などで小さな挫折と復活を繰り返して心を鍛えていきます。
しかし、あまり挫折を経験せずに大きくなると、大学受験や就職活動などで一気に大きなダメージを受けることになってしまうのです。
社会人として働くようになってから仕事で起きるトラブルは、幼少期の比ではありません。
特に、大きな失敗や人に裏切られるような経験をすると、生きる意味を見失ってしまうほどのつらさを伴うでしょう。
時間が経てば必ず報われる日がくるのですが、そびえ立つ高い壁を越えられない絶望感は、高校生をこの世の終わりかのような感覚に陥らせます。
そんなときに力になるのが、ただ話を聞いてくれる家族や友達といった存在です。
思いを口に出すだけでも心が軽くなるため、誰にも打ち明けられない場合は自分の中につらさを閉じ込めておくことになります。
その結果、「なぜ生きているんだろう、生きていても仕方ない」といった考えにたどり着くケースは少なくありません。
後悔と自責の念が強いとき
過去に起きてしまったことは、いくら後悔しても覆されることはありません。
「どうしてあんなことをしてしまったんだろう」「自分が全部いけないんだ、自分なんかいなければいいんだ」と自分を責め続けていても前には進めません。
同じ過ちを犯さぬように反省した後は、必要以上にネガティブになることなく今から未来へ向かって生きるという考え方に変えていきましょう。
思春期の多感で不安定なとき
高校生はちょうど思春期であり、自分自身についてや家族・他人との関係、将来のことなどさまざまな要素に思い悩む時期です。
身体と心が大人へと成長していく中で、その変化に困惑したり考えすぎたりしてしまうのは決して珍しいことではありません。
大切なのは、親や周囲の大人が思春期を理解したうえで、子どもをうまくサポートすることです。
「こういう時期なんだ」と把握しておくだけでも、子どもに対しての包容力を高められます。
漠然とした思い
これといって大きなきっかけがあったわけではなく、ただなんとなく漠然とした不安に襲われることがあります。
高校生の場合、毎日同じ時間に学校へ行き、授業を受けて帰ってくるという単調な毎日に嫌気がさし、「なぜ自分は生きているのだろう」という問いに行き着いているかもしれません。
自分へのご褒美や気分転換を用意しておくと、適度な刺激となって心も少し満たされるはずです。
鬱など病気の可能性
自分の生きる意味について悩んでしまうさまざまな要因についてお伝えしてきました。
あまりに自分で処理できないつらい経験が重なると、ひどく落ち込むような症状が続いて鬱になってしまう可能性もあります。
病気がかかわっている場合は、できるだけ早い対応が必要です。医療機関の力を借りながら心の安定を目指していきましょう。
生きる意味を見つけるためのきっかけ
生きている意味がわからない瞬間について、いくつか当てはまるものがあったかもしれません。
ここからは、思い悩んでしまった際に心を少しでも元気にするためのきっかけをご紹介します。
- ポジティブな発言をする
- 他人のために生きる
- 好きなことをする
- 環境を変えてみる
「本当にこんなことで悩みから解放されるの?」と感じても、大切なのはトライしてみることです。
何かひとつでも心が動くものがあれば、ぜひ続けてみてください。
順に見ていきましょう。
ポジティブな発言をする
生きる意味は考えれば考えるほど、重く暗い発想になってしまいがちです。そんなときは、ポジティブな考え方をしている人に会うとよいでしょう。
人は、一緒にいる相手の思想や行動に少なからず影響を受けます。
笑顔で元気、前向きな考えの友達と一緒にいると、不思議と自分の考え方もポジティブになっていくものです。
さらに、「大丈夫」「なんとかなる」「うまくいく」といった前向きな言葉を実際に口にしてみることで脳が認識し、発想の転換に結びつけられます。
1人で考えごとをしても悶々として答えが出ないのは皆一緒です。
自分と同じように悩みを抱える人より、前向きに今を生きている人と過ごす時間を増やすことでエネルギーが溜まり、重苦しい悩みの打開策のひとつとなるでしょう。
他人のために生きる
自分自身のためだけに生きていると、気分が落ちたときに目的を見失ったり、何もかも投げ出したくなったりしてしまうという事態に陥ります。
そのため、「誰かのために生きる」というのも立派な理由のひとつです。
人のためだと思うと、諦めかけていたあと一歩のふんばりがきいて、目の前の勉強や仕事を頑張る目的がわいてくることがあります。
難しく考える必要はありません。
たとえば、親に感謝する気持ちがあったり、親を困らせることはしたくないという思いがあったりする場合、自分がいなくなることは親を悲しませてしまうと容易に想像できるでしょう。
そのため、明確な目標がなくても「親を悲しませないために毎日を過ごす」ということが、十分生きる理由となるのです。
好きなことをする
仮に、自分が生きていられる期間が1年と決まっていたとしたら、嫌なことを我慢して続けるような毎日よりも、好きなことをして過ごしたいと思うでしょう。
それはわがままではなく、自然な選択です。
生きる意味がわからないなら、わからないなりに楽しく過ごせばいい。
迷ったら好きな方を選ぶ、というだけでも自分が楽しめる人生選択になっているはずです。
高校生は運動部の練習が毎日遅くまである場合などを除き、比較的自分の時間を取りやすいでしょう。
好きなことをしている時間は心が躍り、悩みも忘れられます。
ただし、好きなことのはずなのに楽しめていなかったり、落ち込むことが多かったりする場合は、うつなどの可能性も考えられます。
気になる点があれば早めに受診してみましょう。
環境を変えてみる
代わり映えしない学校生活に生きている意味を感じられないときは、環境を変えたり新しいことにチャレンジしたりしてみるのがおすすめです。
同じ場所でじっと悩み続けても、新しいアイデアが浮かぶのはなかなか難しいものです。
考え事をする場所を部屋から屋外にするだけでも、見えてくるものが大きく変わります。
勉強するときも、家ばかりでなく図書館や塾でやるとはかどることがありますよね。
新しい刺激は自分の中に眠る関心とモチベーションを高め、より日々の彩りを豊かにしてくれることでしょう。
「どう生きるかを考える」のが大切
自分には生きる意味があるか、それともないのかという点で考えがちですが、「どう生きれば意味が生まれるのか」について考えてみましょう。
好きなことでも行きたいところでもかまいません。
自分の希望を叶えるために何をすべきか、それがわかるとひとつの目標ができます。
目標を達成するために毎日を生きるというのは、前向きな「生きる意味」となります。
やりたくないことから未来を想像してみよう
生きる意味を見出すには、好きなことをしたりポジティブに考えたりとご紹介しましたが、逆転の発想として、「やりたくないことから未来を想像する」という方法もあります。
絶対にやりたくないことや、できれば避けたい苦手なことが誰にでもあるでしょう。
それは何なのかを考え、未来をイメージしてみてください。
【人と接するのが嫌】という苦手意識があるとします。
人と接さないのであれば、仕事として将来的に接客や営業などの職種は選びたくないということになります。
もう少し的を絞っていきましょう。
- 対面ではなくて電話でのやりとりであれば抵抗はないのか
- 不特定多数ではなく、知り合いやクラスメイトなどとのやりとりは大丈夫なのか
電話が苦手でなければ、コールセンターでの接客はできると考えられます。
知っている人とのやりとりに過度なストレスを感じないのであれば、ある程度の大きさの職場で働くことも問題ないでしょう。
このように、どうしても嫌なことから仕事や未来を連想し、自分がどう生きるかを消去法で探していくというやり方です。
絞り込みすぎると選択肢が限られてしまいますが、「どうしても嫌」という部分が省かれていれば、多少は心を楽にしてこの先の未来を考えられるのではないでしょうか。
生きてる意味がわからなくてもいい
不登校で学校に行けていない場合も、毎日を楽しんでいるように見える場合でも、生きる意味がわからず悩んでしまうことがあります。
高校生が生きる意味を考えてしまうタイミング
- 将来への不安を感じたとき
- 大きな挫折や絶望感を味わったとき
- 後悔と自責の念が強いとき
- 思春期の多感で不安定なとき
- 漠然とした思い
- 鬱など病気の可能性
人が生まれてから死ぬまでの過ごし方は人それぞれです。
誰のために、何のために生きるかは他人に決められるものでも否定されるものでもないため、自分の好きなように生きていいのです。
生きる意味を見つけるためのきっかけ
- ポジティブな発言をする
- 他人のために生きる
- 好きなことをする
- 環境を変えてみる
「何のために生きているのだろうか」と自分を見つめ直し、これまでやこれからについて考えるのは決して無駄な時間ではありません。
しかし、考えても自分で納得できるような答えはなかなか出てこないでしょう。焦って何か答えを出そうとしてしまいますが、生きている意味がわからなくても、それでいいのではないでしょうか。
今答えが出なくても、10年後や20年後に生きる意味を見出せているかもしれません。誰かのため、何かのために生きるのだと強く思えるようになっているかもしれません。
少し肩の力を抜いてリラックスしてみてください。
「そんなこと、今はわからなくてもいいんだ」と割り切って、一日一日をを過ごしていくだけでも十分です。
深く考えながらも今をなんとか生きていくことこそ、未来の自分の財産となります。