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不登校になった子どもへ親はどう対応すべき?

「子どもの不登校にどう対応したらよいかわからない」という声をよく耳にします。

親にとって子どもの不登校は驚きと不安の大きい事象であり、なかなか冷静に対応できるものではありません。

不登校になる原因はさまざまで、子どもの性格や内的要因、学校や家庭環境などが複雑に絡み合い、簡単には断定できないことが多いです。

親として、子どもにどう手を差し伸べたらよいのでしょうか。

この記事では、子どもが不登校になった際の親の対応について解説します。不登校に影響を及ぼす親の特徴についても触れていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

不登校の子どもに親がとるべき対応

子どもが不登校になった際、親の温かい対応は心の支えになります。

しかし、子どもを心配するあまり余計なことを言ってしまう危険性があるため、注意が必要です。

ここでは親がとるべき5つの対応をピックアップしました。

詳しく見ていきましょう。

あまり厳しく言わない

不登校を甘えや怠けによるものと決めつけず、子どもの気持ちにできるだけ寄り添いましょう。

子どもは悩み抜いてどうにもできなくなり、学校にいけない状態にまで追い込まれています。

心身ともにエネルギーがなくなっている子どもに対して、厳しい叱責や問い詰めはしないよう注意が必要です。

言葉は時に暴力となり、子どもにさらに深い傷を負わせてしまうかもしれません。

絶望感や孤独感は命にかかわる場合もあるため、正論で説き伏せるのは避け、子どものありのままを受け入れましょう。

励ましすぎない

励ましはパワーとなるものですが、不登校で休息を必要とするときには、その励ましが心の負担となりかねません。

子どもは不登校がもたらすデメリットをわかっています。

特に中学生・高校生ともなると、自分の将来に影響を及ぼすことも理解しているはずです。

親からの励ましや一方的なアドバイスは、子どもが「家族も味方じゃない」「誰も自分を理解してくれない」と思ってしまう可能性があります。

不登校前と変わらぬ態度で接することが大切です。

できるだけ話を聞く

子どもの悩み、不登校になった理由、これからどうしたいか、など親が聞きたいことは多くあるでしょう。

しかし、子どもが自分から話すまで、親は待つ姿勢を貫くようにします。

子どもが親の意見を求めていれば、経験談のひとつとしてアドバイスをしてもよいですが、考えを押しつけずに前向きなコミュニケーションとなるよう意識してください。

何でも話せる親子関係を築くには時間がかかります。

日頃から家族は味方だと言葉で伝え、雑談はもちろん、悩みも相談したくなるような関係を少しずつ作っていくとよいでしょう。

干渉しすぎない

不登校状態をどうにかしたい気持ちがあるとどうしても干渉しすぎる場面が多くなりますが、なるべくなら子どもに干渉しすぎないよう注意しましょう。

  • 学校へ行くように口うるさく言う
  • 家での生活を細かく指示する
  • 原因について何度も聞く

休息が必要な子どもにとって、家での親の干渉は自分の居場所を奪われ、さらに息を詰まらせるだけです。

不登校でも自分次第で将来を切り開いていくことが可能です。

また、不登校からの脱出は復学だけではありません。

通信制高校への転校など、不登校の子どもでも無理なく勉強を進めて卒業を目指せる環境はあります。

今の学校に再び通うことだけにこだわっていては、子どもの考える選択肢をつぶしてしまう可能性があると覚えておきましょう。

学校以外の友達を作ることをすすめる

年齢が小さい子どもほど、家と学校がすべてと言っても過言ではありません。

子どもにとって学校は大きな社会です。

学校に通いたくない反面、友達にも会えないことで子どもは孤独を感じるかもしれません。学校の外にも友達がいると、学校と家以外にも自分の居場所を見つけることができます。

近所の友達はもちろん、習い事やフリースクールなどに通うのもよいでしょう。外へ出るのが難しければ、家庭教師を頼むのも方法のひとつです。

家族以外とのコミュニケーションを通して、人間関係に慣れていく練習になります。

子どもの不登校に影響する親の特徴

子どもの不登校に影響する親の特徴

不登校は、何かをした特定の子がなるものではありません。親の育て方のせいで子どもが不登校になるというわけでもありません。

不登校の原因は子どもの数だけ存在し、事前には防げないものも多くあります。

明るく友達が多い子も、勉強ができる子も、すべての子どもが何らかのきっかけで不登校になる可能性を持っているのです。

親のせいで不登校になるわけではありませんが、「不登校に影響を与えるかもしれない親の特徴」はいくつかあります。

これは、すべての子に当てはまるのではなく、親の特徴や置かれた状況と、子どもの性格との兼ね合いで不登校へつながってしまうケースです。

4つの特徴をそれぞれご紹介します。客観的に見て、該当するものがないかチェックしてみてください。

両親共仕事が忙しくて留守番が長い

両親が共働きで子どもと普段長い時間過ごせないという家庭は少なくないでしょう。

決してそれがいけないわけではありません。

子ども自身に判断を任せ、できることは自分でやるというスタンスは子どもの自立につながります。

しかし、愛情面で満たされていない、認められていないと精神的に不安を感じることがあります。

一緒にいられる時間は精一杯愛情を注ぐ、その日あったことなど子どものささいな話にもしっかり耳を傾けるなど、短くても濃い時間を過ごせれば子どもは満たされるでしょう。

子どもに期待しプレッシャーに感じている

親が教育熱心で子どもに期待をかけているため、子どもが強いプレッシャーに押しつぶされてしまうことがあります。

勉強や習い事に力を入れ、親の期待に応えようと懸命に頑張ってきたものの、疲れ切ってしまうケースです。

思うような結果が出せないと、「自分はだめなんだ」と否定的な感情を持つようになり、息苦しさを感じてしまいます。

親子で同じ夢を追いかけるのは悪いことではありませんが、親の夢を子どもに押しつけることのないよう、子どもの日々の頑張りを認め、意思を尊重しましょう。

他人の目を気にする

親が他人の目を気にするあまり、子どもを縛り付けてしまうこともあります。

  • 理想的な母親として見られたい
  • 偏差値の高い学校に行かないと笑われる
  • 学校を辞めるなんてみっともない

このような考えを持つ親が、実は多いのではないでしょうか。

みんなと一緒であること、親にとって恥ずかしくない生活を送ることを強いられると、その通りにできない子どもは悩み苦しむこととなります。

子どもの思いを無視して親が周囲を気にしていないか、今一度振り返ってみましょう。

他人の目を気にしすぎると、子どもが不登校であることも他人に知られたくない、恥ずかしい、と隠しがちです。

不登校は今や珍しいものではなく、もちろん恥ずかしいことでもありません。

子どもの少しでも早い回復のためには、問題を家庭内で抱えすぎずに、早い時期からスクールカウンセラーや不登校サポート機関へ相談してみるようにしましょう。

子どもだけでなく親の悩みも親身に聞いてもらえます。

専門知識と豊富なサポート経験はきっと助けとなるはずです。

過干渉

過干渉とは、子どもが自分でできることを親がやってしまう状態を指します。

本来子ども自身が考えて答えを出すべき問題にも、親が先回りしてアドバイスしたり解決する傾向があります。

子どもが小さいうちは、「何でもやってもらえて嬉しい」と思ってくれるかもしれませんが、何か壁にぶつかる度にそれを乗り越えるのは結局子どもです。

問題について考え、解決し、行動に移すという経験をしていないと、成長とともに自己解決能力不足で悩んだり、心配性になってしまったりと子どもが困ることとなります。

親が先回りして失敗を回避させてあげる、答えを教えてあげることは、子どもの考える経験を奪ってしまっている可能性があるのです。

学校や家庭で、困っていたり不安を感じていたりするのにうまく説明できない、あるいは「わからない」と表現する子が多いのも特徴です。

この、わからない・怖いといった漠然とした不安は、積み重なるにつれて心配へと変わります。

心配性の子どもの心理としては、新しい環境に置かれた際に「チャレンジしてみよう!」という前向きな好奇心よりも「失敗したらどうしよう」という心配が勝るようなネガティブな思考になってしまいます。

甘え依存型の不登校には親が関係している?

「親の接し方が不登校に関係しているのではないか」と考えられるケースがあります。

不登校の分類の中の「甘え依存型(混合型)」というタイプの場合です。

  • 自立していない
  • 傷つきやすく繊細
  • 我慢が苦手で、困難からは逃げようとする
  • 他人任せ

これらが甘え依存型の特徴として挙げられ、このタイプの子どもは責任を負うことや他者に責められることを恐れる傾向があります。

この甘え依存型の背景として、子どもの自己肯定感の低さや自己解決能力不足があると言われています。

親が先回りして子どもの失敗を避ける、子どものことに何でも手出し口出ししてしまうなどの言動が、甘え依存型不登校を引き起こす一因となってしまっているかもしれません。

まとめ

子どもが不登校になると、親は不安や責任を感じるものです。

「私の育て方が悪かったのではないか」「どうしてうちの子が……」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。

しかし、不登校はどんな子にも起こりうる問題であり、子育てに正解はありません。不登校で子どもが悩んでいる時に親がストレスにつぶされてしまっては大変です。

原因を探って後悔し続けるよりも、今できること、改められることを1つずつ試してみてはどうでしょうか。不登校から立ち直るために大切なのは、「これまで」ではなく「これから」だと信じ、前を向いていくべきです。

そして、親だけで抱えることなく、不登校が長期化する前に積極的に外へ助けを求めましょう。

親の育て方が不登校にさせるということはありません。しかし、子どもの持つ特性と親の接し方が掛け合わさった際に、子どもに影響を与える可能性があります。

「子どものため」と思ってやっていることが、実は「親自身のため」になっていないか振り返り、子どもに寄り添っていくことが大切です。

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