中学生になると、勉強が急に難しくなり、定期テストの成績がダイレクトに評価につながります。
高校受験のことを考えると「どうしてうちの子は勉強ができないの?」と不安を抱えているのではないでしょうか。
塾に通わせたり通信教材を使ったり、親としてもさまざまな対策を試していることと思います。勉強ができない原因は子どもによって異なります。
この記事では、勉強ができない原因と適した勉強方法、そして成績の上げ方について解説します。
自分に合う勉強法を知るきっかけとして参考にしてくださいね。
目次
勉強ができないには2つのタイプがある
「勉強ができない」とよくいいますが、その背景には実は2つのタイプがあります。
- そもそも勉強をしていない
- 勉強していても結果が出ない
どちらも自分にあった勉強法を見つけられていない状態であり、やり方を変えるだけで意欲も結果も大きく変わってくる可能性があります。
まずは原因についてひとつずつ確認していきましょう。
勉強をしていないからできない場合
小学校では家でほとんど勉強しなくても問題なかったかもしれませんが、中学の授業は進むスピードが速く、予習復習を自分でおこなわないとすぐにわからなくなってしまう可能性があります。
そして、知識の積み重ねが必要な教科が多いため、一度つまずくと取り戻すのが困難になってしまいます。
勉強時間をとっていないのだとしたら、結果が出ないのは仕方のないことです。
部活が忙しくて時間が取れなかったり、学校の授業についていけなかったり、何をしたら良いかわからなかったり、勉強しないにも人それぞれの理由があるでしょう。
まずは勉強する習慣をつけなくてはなりません。
勉強嫌い
勉強嫌いだと重い腰を上げるのは大変ですが、将来の自分のため、進学のために勉強が必要だと割り切らなくてはなりません。
なんとか一歩を踏み出してみましょう。
時間がない
中学校では部活が始まり、運動部の場合は毎日のトレーニングで心身ともに疲れ切って勉強時間が確保できないということも考えられます。
帰宅後に勉強時間が作れない場合は、休み時間などを使って短時間で集中して勉強に取り組むのが効果的です。
通学に交通機関を利用する際は、移動時間を勉強に充てるのもよいでしょう。
どう勉強したらよいかわからない
勉強方法がわからない、復習の仕方がわからないといった理由で勉強できずにいることがあります。その結果、苦手な箇所があっても何もせずに放置してしまい、ますます勉強が嫌いになってしまうでしょう。
通信教材などをうまく活用して、少しずつ勉強に慣れるところから始めるのがおすすめです。
勉強しているが成績が伸びない場合
毎日の授業も聞いているし、宿題も忘れずにやっている。家庭でも意欲的に勉強に取り組む方だし、塾にも通っている。
「ちゃんと勉強しているのに成績が伸びない!」こんなケースも実際少なくありません。
勉強は、ただやればよいのではなく、自分に合った方法で効率よく進めることが大切です。
具体的には、次のような3ステップを徹底しましょう。
Step1 | 今の自分を知る 苦手をそのままにしていて前に進めていない可能性が。 教科ごとに過去の単元テストなどを元に、自信のある部分とわかっていない部分を明確にし、苦手の克服に努める。 |
Step2 | 明確な目標を設定する 目指す数字とそのための対策を、できるだけ具体的に設定して実行する。<例>定期テストで80点取るために、毎日英語のワークを○ページ進める。社会は得意なので毎日暗記カードだけおこなう。 |
Step3 | 自分に合う勉強法を確立する ・リビング学習が向いている ・短時間で集中してやる方が良い ・夜より朝早く勉強した方が頭に入る ・自室やトイレなど、目につくところに要点を貼ると覚えられる ・耳で音として聴くと覚えられるなど。 集中する環境や勉強法はやっていく中で自然と見つかることが多い。 |
目標を立てて自分に足りない部分の勉強を進めれば、自然と結果はついてきます。
「なんとなく時間をかけて勉強すればよい」のではなく、「自分が伸ばすべき勉強に焦点を当てておこなうことに意味がある」とわかるはずです。
勉強ができる中学生になるには
では、子どもの学力を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。
中学校は本来勉強をするところであるため、勉強に苦手意識を持つと学校へ行くこと自体が嫌になってしまうことも考えられます。
勉強ができる中学生になるためには、やみくもに勉強するのではなく、意識や環境を変えることも必要です。
ご紹介する5つのポイントは、どれもすぐに試せるものばかりです。できることから順に実行してみてくださいね。
手の届く目標を設定する
中学生が意欲的に勉強に取り組むには、目標の設定が必要です。
ここで大切なのは、少し頑張れば手の届くような小さな目標を立てること。「計算問題を5問解く」といった取り組みやすいものでかまいません。達成する喜びは自信にもつながります。
ひとつ目標が達成できたら、少しずつ難易度を上げていきましょう。
コツコツ目標を達成していくことで、知らず知らずのうちに成績アップが期待できます。
勉強の習慣をつける
勉強ができない中学生は、勉強習慣がない場合が多いのも特徴です。
習慣がついていないと、その日の気分で「勉強をやりたくない」と思ってしまいがちです。
「寝る前に必ず10分英単語を覚える」など、毎日少しずつでも勉強できるようになるとよいのですが、急に勉強習慣をつけるのは至難の業といえます。
そんなときにおすすめなのが塾や家庭教師の存在です。
決まった時間に嫌でも勉強する決まりとなるため、自然と勉強習慣が身につきやすくなります。
自分に合う勉強法を見つける
本やSNSなどで、受験に成功した人たちの勉強法を目にしたことがあるかもしれません。
おそらくそれらは千差万別で、決して同じではないはずです。
もし、同じ方法が自分にマッチすればラッキーですが、たいていの場合はそのまま真似をしてもうまくいかないと覚えておきましょう。
自分に合った勉強というのは、一人ひとりの性格や学習能力によって異なります。
毎日の生活の中で、勉強中の環境、勉強時間、勉強場所など自分に適した
勉強方法を見つけてみてください。
アプリやタブレットを使った通信教材などもあり、楽しみながら勉強を始められるでしょう。
学習環境を整える
集中力を高めるためには、部屋を片付けたり机の周りにものを置かないようにしたり、勉強に適した環境づくりをしていきます。
家での勉強がはかどらない場合は、図書館などを利用するとよいでしょう。
また、中学生の周りにはスマートフォンやゲーム機などの誘惑が多く、勉強していても集中力を維持するのは簡単ではありません。
どうしても自分でコントロールできない場合は、勉強中は親に預けるなど手の届かないところに追いやることで集中できるようにします。
親がサポートする
親の役目は、褒めて子どもの自己肯定感を高めることです。
子どもの進路を考えたとき、真剣になるあまりつい説教じみてしまいがちです。
「勉強しなさい!」と声を大にして伝えても、残念ながら子どものやる気はかえって削がれてしまいます。
大切なのは、子どものありのままを受け入れて、将来の姿を一緒に思い描くこと。
何でも相談できるような空気感を作ってあげると理想的です。
子どもが目指す目標を叶えるために、どんな進路が最適なのかをよく話し合いましょう。
進路が見えてくると、おのずと子ども自身も勉強の必要性を感じるはずです。
勉強ができない中学生の進路【5つの選択肢】
中学生の進路選択は大切です。
子どもに合わない進学先を選ぶと、これからの3年間が苦痛を伴う日々となってしまいます。
勉強ができないと悩む中学生に考えられる卒業後の進路は次の5つです。
- 偏差値の低い高校へ進学
- 定時制高校へ進学
- 通信制高校へ進学
- 高卒認定試験を受ける
- 就職する
それぞれにメリットとデメリットが存在するため、子どもの性格や勉強の仕方によって慎重に決める必要があります。
では、ひとつずつ詳しく説明します。
偏差値の低い高校へ進学
最も一般的な進路として挙げられるのが、偏差値の低い高校への進学です。具体的には、偏差値44未満の高校が該当するといわれています。
商業高校や工業高校が多く、就職に有利になる知識や資格を身につけられるのが魅力のひとつです。偏差値が低めだとしても特色ある高校は多く存在します。
自分に合った学力で、充実した3年間を過ごせそうな高校を積極的に選んでみてください。
定時制高校へ進学
高校へは通いたいものの、朝から夕方までいる自信はない、働きながら高校へ行きたいという場合は、定時制高校が向いています。
主に夜間に4時間程度の授業をおこなっており、さまざまな年代の生徒とともに勉強を進めていきます。
卒業までは4年かかるのが基本です。定時制は受験の合否に内申書を重視していないため、試験はあるものの、入学希望者はたいていの場合合格できます。
通信制高校へ進学
学校で同級生と顔を合わせるのは抵抗がある、できれば登校せずに高校卒業資格を手に入れたい、朝は体調が優れずに起きられない、といった悩みがある場合は通信制高校への進学がおすすめです。また、通信制高校の中には中学の学び直しから対応してくれる学校もあります。
通学を希望しないのであれば、自宅学習をメインとし、学校に行くのは年に数回のスクーリング参加のみでよいというコースも選べるのが通信制の魅力です。
通信制は3年以上の在籍で卒業できます。
高卒認定試験を受ける
高卒認定試験は、高校に行かずに「高校卒業と同等の学力をもつ」と認めてもらえるものです。
学歴の上では中卒のままですが、大学や専門学校への受験資格を得られます。無事、大学を卒業できれば最終学歴は大卒となるのが大きなメリットです。
就職する
高校へ進学せずに就職するというのも選択肢のひとつです。早く社会へ出ることは、自分の力で生活していく大変さを知るきっかけにもなります。
学校で学ぶのとはまた違う人間関係や貴重な経験を積むことができるでしょう。ただし、気をつけたいのは、中卒での就職は肉体労働など一部の業種に限られるということです。
高校卒業が一般的となっている昨今、多くの企業は採用条件に高卒を掲げています。
希望する業種での就職を望む場合は、働きながらでも高校卒業資格の取得を目指すとよいでしょう。
進路を選ぶ際の注意点
勉強できないと悩む中学生が進路を選ぶ際、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。
親と子どもが共に意識すべき点をピックアップしました。
背伸びしなくてOK!高校のレベルは上げすぎない
現在の学力より、少し無理をすれば高いレベルの高校を目指せるという場合があります。親としても、上を目指してほしいという気持ちがあることでしょう。しかし、高校は入学してゴールではありません。
3年間授業を受け、定期テストを繰り返して成績を維持しながら卒業を目指していきます。
ついていけるかいけないかギリギリのレベルにチャレンジするのは、苦しい高校生活を送ることとなりかねません。
勉強はもちろん、充実した高校生活を送るためにも、背伸びしすぎないレベルの高校を選択するのがおすすめです。
自分の興味・関心を大切に
進路を選ぶ際には、学力とあわせて子どもの興味や関心を重視するようにします。
普通科の高校の場合は特別な教科があることは少ないですが、工業高校・商業高校をはじめ、デザインや情報に特化した高校では専門的な分野について学ぶことができます。
通信制高校も同様で、学校ごとに力を入れている分野があり、専門学校のような知識を得ることが可能です。
就職にも有利となります。
一方で、興味がないのに工業高校を選択した場合などは、後々登校自体が嫌になってしまう可能性もあります。
子どもに合った学校を選ぶという視点を第一に持つようにしましょう。
勉強できない中学生はやる気次第で上を目指せる!
勉強できない中学生には、「勉強をしていないのか」「勉強法が合っていないのか」それぞれの理由があります。
子どもが抱える原因を把握した上で、その子に合った勉強法を探していくことが大切です。
中学卒業後の選択肢は、高校進学だけでも幅広くあります。
学力だけにとらわれず、興味や関心事にも着目して学校選びをおこないましょう。
親は子どもの学習意欲を邪魔しないよう、勉強に適した環境作りと困ったときのサポート役に徹します。
勉強が苦手でも、将来を意識してできることから少しずつ取り組めば、確実に成績を上げていけるはずです。
まずは1日5分で達成できる、小さな目標でかまいません。
今日からさっそく動き出してみましょう!