新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で、それまで普及していなかった授業のスタイルが展開されるようになりました。
その中でも特にオンデマンド授業とオンライン授業の2つには注目が集まっていますが、この2つにどのような違いがあるのかよく理解していないという人も少なくありません。
この2つには明確な違いがあり、それぞれおすすめしたい対象となる人の特徴が違います。
自分にどちらが向いているのかは、実際に受けてみないとわからない側面があるものの、どのような特徴があるのかを理解しておくだけでもどちらを受講するかを検討する材料になるでしょう。
今回はオンデマンド授業とオンライン授業のそれぞれの概要と違い、両者のメリットデメリットと向いている人の特徴について解説します。
最近登場したブレンド型授業についても解説しています。ぜひ参考にしてください。
目次
- オンデマンド授業とは
- オンライン授業とは
- オンデマンド授業とオンライン授業の違い
- オンデマンド授業とオンライン授業の共通点
- オンデマンド授業のメリットとデメリット
- オンライン授業のメリットとデメリット
- オンデマンド授業とオンライン授業を組み合わせたブレンド型授業とは
- まとめ
オンデマンド授業とは
オンデマンド授業とは、あらかじめ録画・録音されている授業を、パソコンやタブレットで再生しながら受ける授業形態のことです。
映像を用いた動画形式の授業である場合が多く、音声でオンデマンド型と言われることはほぼありません。
代表的なサービスにはYouTubeやNetflixなどがあり、教育コンテンツではeラーニングなどのオンデマンドサービスがこれにあたると言われています。
オンライン授業とは
オンライン授業とは、オンデマンド授業とは異なり基本的にライブ形式で動画配信をしつつ、先生と生徒が同じ時間を共有する授業形態のことを言います。
ZoomやSkypeなどのWeb会議ツールを活用して行われるのが一般的ですが、学校独自のシステムを活用してオンライン授業が展開される場合もあります。
オンデマンド授業とオンライン授業の違い
オンデマンド授業とオンライン授業は、非常によく似たものとして捉えられがちですが、その内容はかなり異なっています。
両者の違いを一覧表にまとめました。
オンデマンド授業 | オンライン授業 | |
配信方式 | 録画して配信する形式 | ライブ形式で配信する形式 |
視聴のタイミング | 生徒(受講者)の自由 | 配信者の都合による |
授業動画の加工 | 可能 | ほぼ不可 |
質問の可否 | 不可 | 可能 |
繰り返し視聴の可否 | 可能 | ほぼ不可 |
自習学習の習慣 | ある程度必要 | ほぼ不要 |
オンデマンド授業とオンライン授業ではできることが正反対なことが分かります。
オンライン授業でも、アーカイブとして動画を残すことはできるため必ずしも上記の表のようになるとは限りません。
しかし、それぞれの特性をフルに活かそうと思うと、これだけの違いがあることを理解しておく必要があるでしょう。
これらはそのまま、双方のメリット・デメリットともなります。
詳しくはそれぞれのメリットとデメリットを解説する章で詳しく触れますが、まずは簡易的にでも、これらの違いがあることを押さえておくようにしてください。
オンデマンド授業とオンライン授業の共通点
特性が似て非なるオンデマンド授業とオンライン授業ですが、どちらもインターネットの接続環境が必要であるという点では共通しています。
言い換えれば、インターネットにアクセスできる環境がなければ、いずれの方法でも授業を受けられないということです。
教室で人を集めて対面形式で授業を受けるわけではないため、受講生である生徒には授業を視聴するためのスマートフォンやタブレットなどの端末と、それに接続するインターネットの契約が必要です。
すでに持っている場合は特に問題ありませんが、持っていない場合は新たに契約するか、購入するかしなければなりません。
オンデマンド授業とオンライン授業を受ける際に必要とされるものは次の通りです。
- 授業を視聴するためのデバイス(パソコン・スマートフォン・タブレットなど)
- イヤホンやヘッドホン
- Webカメラやマイク(オンライン授業のみ)
- インターネット回線
スマートフォンの場合はデータ通信を利用して授業を視聴することもできます。
しかし、動画のデータ通信量は非常に重たく、あっという間に上限に達してしまうケースも少なくありません。
可能であればインターネット回線を引いて、安定して授業を受けられる環境を整えましょう。
また、インターネットを使用して授業を受ける以上、トラブルが発生した際に対処できる基本的な知識が必要です。
カメラの起動の仕方や音量の調整など、普段から動画を視聴している人でもあまりやったことのない操作を求められる場合もあります。
特にオンライン授業では、マイクのオン・オフやカメラの調整など、オンデマンド授業では必要のない操作が求められます。
これらのアイテムが揃っているかを確認して、不足している場合は新たに購入するなどの方法で用意するようにしましょう。
オンデマンド授業のメリットとデメリット
オンデマンド授業とオンライン授業の特徴を見てきましたが、それぞれにメリット・デメリットがあることを忘れてはいけません。
それは授業を受ける時の注意点だけではなく、授業を受ける際の心構えにも関係します。
まずはオンデマンド授業のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
オンデマンド授業のメリットは、場所や時間に縛られないため、生徒の意志で好きな環境で授業を受けられる点です。
オンライン授業でも場所に縛られずに授業を受けることはできますが、基本的にライブ配信であるため時間の制約がついてくるのがデメリットになります。
オンデマンド授業は録画した授業を生徒が自由に視聴する形式であるため、自分の好きなタイミングで授業が受けられるという点ではオンライン授業よりも自由度が高いのです。
また、聞き逃した点を聞き直したり、繰り返し授業を聞いたりすることができるため復習には向いています。
画像や動画もオンライン授業よりも豊富に使用されていることが多いため、より詳しい授業を受けることができるでしょう。
デメリット
一方のデメリットとしては、リアルタイムで質問や意見交換ができない点です。
繰り返しになりますが、オンデマンド授業は録画された授業を視聴する形式であるため、基本的には一方通行になります。
繰り返し視聴することで解決できる疑問もあるかもしれませんが、そうでない場合に即座に疑問を解消できないのがデメリットと言えるでしょう。
加えて1人で受講するケースが多いため、成績を比べる同級生やライバルの存在や、教えてくれる講師がいない環境ではやる気が出ないという人には向いていないという特徴もあります。
さらに最大のデメリットとして、授業を受けるスケジュールは完全に生徒が決定権を握っている点です。
裏を返せば受けなくてもいいのですが、自主的に学ぶ姿勢がなければせっかくのオンデマンド授業が無駄になってしまいます。
自分で時間管理をしつつ、かつ自主的に学ぶ姿勢が身についている人は特に大きな問題にはならないでしょう。
オンデマンド授業がおすすめの人の特徴
オンデマンド授業がおすすめの人の特徴として、次のような要素を持っている人が該当します。
- 基礎的な内容を自分のペースで学び直したい人
- ある程度自学自習の習慣がついている人
- 1人でもモチベーションが左右されることがない人
オンデマンド授業の性質として、発展系の問題をバリバリ解いていくというよりは、基礎的な内容を繰り返し学んで基礎力を身につけたいという人に向いている傾向にあります。
また自分自身にある程度自学自習の習慣がついていなければ、継続してオンデマンド授業で学び続けるのは難しいでしょう。
これらの要素に該当すれば、オンデマンド授業で受講をしても効果がないと感じることは少ないかもしれません。
ただし全体的に授業の内容が基礎レベルであることが多いため、発展系の問題を解説してもらって解いていきたいという人は、オンデマンド授業の中身を比較・検討する必要があります。
オンライン授業のメリットとデメリット
オンライン授業のメリットとデメリットは、オンデマンド授業のそれと真逆になっているものがほとんどです。
しかし、細かなところでオンライン授業特有のメリットとデメリットがある場合もあるため、双方のメリット・デメリットについては詳しく理解しておいた方がいいでしょう。
それらも含めて詳しくオンライン授業のメリット・デメリットを解説します。
メリット
オンライン授業のメリットは、授業を聞きながらでも質問や意見交換がその場でできる点です。
場所に縛られないというメリットはオンデマンド授業特有のメリットであるものの、双方向で授業が受けられるというのはオンライン授業ならではのメリットと言えます。
そのため、授業内容に討論やディスカッションを入れることが可能で、参加している側も一定の緊張感を持って授業に臨めるでしょう。
また、同じ時間に他の生徒や先生がその場にいるため、モチベーションが上がりやすいのはメリットのひとつと言われています。
これには賛否両論あるかもしれませんが、少なくともオンデマンド授業では受けられないメリットです。
授業時間が決まっており一定の拘束力があるため、自分でスケジュール管理をするのが苦手な人にとっても授業を受けやすいというメリットがあるのも特徴です。
デメリット
一方のデメリットとしては、先生と生徒の間でスケジュール調整が必要になる点です。
またオンデマンド授業と共通してインターネット回線を使いますが、回線のトラブルや天候不順などによって授業が受けられないとその授業を補うための手段がないというデメリットがある点も忘れてはいけません。
繰り返し学習にも向いていないという側面もあり、事前の準備や授業の聞き方など、ある程度工夫しなければ授業についていくのが難しい可能性もあります。
オンライン授業がおすすめの人の特徴
以上のメリットとデメリットを踏まえた上で、オンライン授業がおすすめな人の特徴は次の通りです。
- 双方向の授業を受講したい人
- 先生がその場にいる緊張感が欲しい人
- 学習時間の管理が身についていなかったり学習習慣が身についていなかったりする人
オンライン授業は場所が自由なだけで、基本的にはクラスで授業を受けているのと結果的には大きな違いはありません。
授業のライブ感を味わいながら学びたい、クラスメイトとともに授業を受けたい、わからなかったところはすぐに先生に質問したいなどの傾向が強い人は、オンデマンド授業よりもオンライン授業の方がおすすめです。
自分で勉強時間を確保したり、自学自習の習慣が身についていない人も、一定の強制力を持っているオンライン授業の方が勉強できる環境を整えることができるでしょう。
オンデマンド授業とオンライン授業を組み合わせたブレンド型授業とは
オンデマンド授業とオンライン授業のどちらが正解かと言われると、厳密には正解がないというのが答えになります。
ただし双方にメリットとデメリットがあり、主に両方が持っているデメリットを解消した形の授業はないかと考える人もいます。
その中で考案されたのがブレンド型授業、もしくはハイブリッド型授業と呼ばれるものです。
一例として、苦手科目はリアルタイムで受けられるオンライン授業で、得意な科目は自分のペースでどんどん進められるオンデマンド授業で受けられるようにしている場合があります。
苦手科目に関してはすぐに質問できるような環境を整えるため、得意科目については周囲と足並みを揃えなくても自分の力でどんどんと進めることができるようにするために、それぞれ使い分けている形です。
ID学園高等学校では、このブレンド型授業ができる環境を整えています。
自宅から授業を受講できる「オンライン学習コース」では、オンデマンド授業と、通学型の生徒と一緒にライブ授業が受講できるオンライン授業を組み合わせています。
自分の好きな時間に授業を受けられるため、自分の夢や目標を叶えたい人や日本へ留学中の人でも比較的気軽に学べることでしょう。
コースの詳細は、ID学園高等学校のパンフレットに詳しく記載しています。
説明会や個別相談会でも詳しく話をしていますので、興味のある人はぜひ一度訪ねてみてください。
まとめ
オンデマンド授業とオンライン授業は、名前こそよく似ていますが実態は全く異なるものです。
しかしそれぞれに優劣関係があるわけではなく、どちらも勉強をしたいという人にとって強い味方になる学習方法と言えるでしょう。
通信制高校の中には、ID学園高等学校のようにブレンド型を採用している学校もいくつかあります。
自分の将来の目標のために頑張りたい、でも高校卒業の資格は欲しいという人は、ぜひ通信制高校のオンデマンド授業やオンライン授業にもアンテナを立ててみてはいかがでしょうか。
ID学園高等学校には、それを実現できる環境が整っています。