ブログ キャンパス紹介 在校生専用ページ 教職員採用情報
ID学園高等学校
ID学園高等学校

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」|世界と日本の現状は?実現のために今できること

2015年9月、ニューヨークでおこなわれた国連サミットで「SDGs」が採択されました。

貧困や人種差別・気候変動などの世界のさまざまな問題を、地球規模で誰一人取り残さずに解決するための取り組みです。

SDGs17の目標の中で、目標4は「質の高い教育をみんなに」とされています。

国や地域・男女や年齢に関係なく、すべての学びたい人が自由に学べる世界を目指すものです。

この記事では、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の基本知識から、世界と日本の教育実態とともに、実現のために今できることをお伝えします。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」|世界と日本の現状は?実現のために今できること

目次

SDGsとは

SDGsとはSustainable Development Goalsの頭文字を取った言葉で、「持続可能な開発目標」という意味です。

17の課題を2016年~2030年の期間で解決することを目指して作られた、世界共通の大きな目標です。

SDGs17の目標

貧困をなくそう飢餓をゼロにすべての人に健康と福祉を質の高い教育をみんなにジェンダー平等を実現しよう安全な水とトイレを世界中にエネルギーをみんなにそしてクリーンに働きがいも経済成長も産業と技術革新の基盤をつくろう人や国の不平等をなくそう住み続けられるまちづくりをつくる責任つかう責任気候変動に具体的な対策を海の豊かさを守ろう陸の豊かさも守ろう平和と公正をすべての人にパートナーシップで目標を達成しよう

出典:外務省 JAPAN SDGs Action Platform

17ある目標をゴールとして、達成するための課題(ターゲット)が169定められています。

各国がそれぞれ具体的に実行しなければならないことを、分かりやすく明確に決めているのが169のターゲットです。

「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)こと」を理念に、現在の豊かで便利な暮らしを保ちながら、同時に地球環境を守り、将来安心して暮らし続けられる社会を目指しています。

日本では2016年5月にSDGs推進本部が設置され、達成に向けた活動がおこなわれています。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の内容

SDGs目標4には「質の高い教育をみんなに」が掲げられています。

この目標では「すべての人が平等に質の高い教育を受けられる世の中を作ること」をゴールに設定しています。

第一目標は、2030年までにすべての男女が無償で初等・中等教育を終了することです。

地域的・社会的・経済的な理由で教育を受けられない人を作らない、教育格差を生まない世界を作ることは、貧困や差別・安全や健康などのSDGsの他の目標を達成することにも関連する、大変重要な課題です。

教育環境はまだ整備されていない

SDGsの前身であるMDGs(Millennium Development Goals)は2001年~2015年に達成を目指した国際目標です。

MDGsでも目標2「普遍的な初等教育の達成」を掲げていました。

問題や課題解決に取り組んだ結果、世界で小学校に通う子供たちの数は史上最高人数に達し、就学率が低かった女児の教育機会の増加、などの成果をあげています。

しかし、目標のすべてが達成されたわけではありません。

今でも6~17歳の子どもの6人にひとりが学校に通えていないと言われており、世界での教育環境の整備には大きな課題が残されています。

さらに、学べない子どもに対する教育環境の整備だけでなく、あらゆる人(社会人などすべての人)が質の高い教育を受けられる環境づくりも、達成すべき課題のひとつです。

学びたいと思うすべての人が学べる環境整備を含めて、MDGsでやり残したことがSDGsに引き継がれ、今も課題解決のための取り組みが進められているのです。

2030年までのターゲット

目標4「質の高い教育をみんなに」では、2030年までの具体的な達成目標として7つのターゲットが定められています。

4.12030年までに、すべての子ども(男女)が平等に、小学校及び中学校で適切な質の高い教育を無料で受けられ、卒業できるようにする
4.22030年までに、すべての子ども(男女)が平等に、乳幼児の発達支援を受けられ、保育園・幼稚園に通うことで小学校での教育の準備を整えられる
4.32030年までに、すべての人々(男女)が平等に、余裕を持って支払える費用で高校や大学での教育や、技術・職業に関する教育を受けられるようにする
4.42030年までに、働きがいのある人間らしい仕事に就くために必要な、技術的・職業的なスキルを身に付けた大人を増やす
4.52030年までに、教育にあたっての性別による差別を無くし、障害を持っていたり、先住民族だったり、どのような子どももひとり残らず平等に、すべての水準で教育や職業訓練を受けることができるようにする
4.62030年までに、すべての若者やおおよそすべての大人(男女)が、読み書きができ、基本的な計算ができるようにする
4.72030年までに、持続可能な開発のための教育や、持続可能な生活習慣、人権や男女の平等、平和的で暴力を使わない考え方、世界をよりよくする志、さまざまな文化が長く続くための教育を進めることで、学ぶ人すべて(男女)が、持続可能な開発をよりはやく進めるために必要な知識や技術を身に付けられるようにする
JAPAN SDGs Action Platform(外務省)をもとに作成

さらに、実現のための方法として、a~cの3つが定められています。

4.a子どもだけでなく体の不自由な人や、性別による違いに気を配った教育施設を新たに作ったり、作り直したりすることで、すべての人(男女)が安全で平和にひとり残らず効果的に学ぶ環境を得られるようにする
4.b2020年までに、開発途上国、特に開発が遅れた国や、小さな島で国土が構成される開発途上国、アフリカ諸国の人が、先進国やその他の開発途上国で職業訓練、情報通信の技術、技術・工学・科学についてのプログラムなどの教育を受けるための、高校教育の奨学金の数を大きく増加させる
4.c2030年までに、開発途上国、特に開発が遅れた国や、小さな島で国土が公正される開発途上国における教員を育てるための国際協力などをおこない、資格を持つ教員の数を大きく増加させる
JAPAN SDGs Action Platform(外務省)をもとに作成

無償で小学校、中学校での教育を受けられる他、高校教育や技術的・職業的なスキルを学べる機会を、格差なく与えられることを目指します。

すべての人が質の高い学びや知識を得てSDGsの取り組みに役立てられることが、最終的な達成目標です。

具体的には教育施設の構築や改良による学習環境の提供、開発途上国などを対象とした学習プログラムの増加、教員の増加、また、高等教育の奨学金の増加などが、実現のための方法として提案されています。

世界の子どもたちの教育実態

世界の子どもたちの教育実態

6~17歳の学校に通えない子どもは6人のうちひとり、生涯教育を受けられない子どもは世界に約1億2,000万人もいると言われています。

世界の子どもたちが教育を受けられない大きな理由に「貧困」や「紛争」がありますが、それ以外にもさまざまな背景が存在します。

子どもが教育を受けられない背景

世界の子どもが教育を受けられない背景は次の5つです。

  1. 貧富の差
  2. 先生不足
  3. 紛争
  4. 病気
  5. 親が行かせない

貧困や飢餓に苦しむ人たちは、生きることや生活することだけで精一杯です。

親が生活のために働く代わりに、下の子の世話や家事が子どもの役割であることも多く、金銭的にも時間的にも学校へ行く余裕がありません。

また、飲み水が簡単に確保できない国では、水汲みは子どもたちの仕事とされています。

学ぶことの前に、生きるために必要なことが優先され、教育に時間を割くことができないという現状があります。

また、学校が建てられたとしても、設備や教科書不足の他、先生が足りずに授業ができないパターンも少なくありません。

教育を受けずに育った大人が多く、子どもに教えられる十分な知識を持つ人が少ないことも、先生不足の原因になっています。

紛争が続いている地域では、通学時に紛争に巻き込まれるリスクがあり、安心して学校に通うことはできません。

学校が避難所や訓練所に指定されて利用できないこともあります。

国によっては、不衛生な生活環境や医療の遅れによって病気にかかりやすく治療できない子どももいます。

健康な状態でなければ、学校へは通えず教育は受けられません。

さらに、生活に苦しい家庭や、教育を受けてこなかった大人は、「子どもは学校へ通わずに働いた方が家計が助かる」「勉強しても将来の役に立たない」と考えがちです。

古くからの考えを引きずり女性よりも男性が優先される国や地域では、女性は教育を受けなくてもいいと考える人も存在します。

このように、たくさんの子どもたちが教育を受けられない背景には、さまざまな理由が混ざりあって存在しているのです。

なぜ教育が必要なのか

教育において大切なことは、まず読み書きができることです。

読み書きができるだけで、安定的な収入を得られる仕事に就き、継続して働ける可能性が高くなるからです。

そもそも、読み書きができないと雇ってもらえない仕事も多くあります。

仕事に必要な書類が読めずに悪条件で仕事をさせられたり、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。

一方、読み書きを学習し、読書などから知識や教養を得られれば、さまざまな仕事に就ける可能性が広がるでしょう。

仕事に就き安定的な生活を送ることは、貧困から抜け出すために必要なことです。

貧困によって教育を受けられない状況をなくし、安定した生活を得るためのチャンスである教育の機会をすべての子どもに与えることは、貧困のない世の中を実現するためにも重要な課題なのです。

日本の子どもたちの教育実態

日本は小学校と中学校が義務教育であり、2020年から高校無償化制度も施行されました。

そのため、「すべての子どもたちが必要最低限の教育を受けられる環境である」と考える人も少なくありません。

しかし、日本の子どもの7人に1人が貧困家庭に育つと言われ、経済的な理由などで学校に通えない子どもも存在しています。

ほかにも学力低下や不登校の増加など、日本の教育実態には改善すべきさまざまな課題があるのが現状です。

学力の低下

日本の子どもは学力や大学進学率が低下していると言われています。

大きな理由とされているのが、子どもの貧困による教育格差の影響です。

ひとり親家庭、生活保護を受けている家庭の子どもなどは、経済的な理由で十分な教育機会を得られにくいのが現状です。

塾代や教育費が支払えず、受験勉強が思うようにできない、希望の高校や大学へ進めない子どもも存在します。

希望が叶わないことで学ぶ意欲が低下したり、望んでいるレベルで勉強ができなかったりすることも、学力低下の原因になりえます。

さらに、塾だけでなく、習い事や部活動、旅行先での文化的な活動も、子どもにとって学びを得られる重要な機会です。

経済的に余裕がない家庭では、これらの機会を子どもに与えることができません。

子どもの学力低下を招く原因である、家庭の経済格差による教育格差をなくすことが、日本の教育実態における課題のひとつです。

不登校の増加

日本では子どもの数が減少しているにも関わらず、不登校の児童数は毎年増え続けています。

いじめや学校でのトラブルが原因になることもありますが、家庭の経済格差や共働きの増加、核家族の増加など、多くの原因が複雑に絡み合っていることが多いです。

不登校が増えれば、おのずと学習の機会は減ります。

不登校の子どもの多くは進学率が下がり、非正規雇用や無職が増える傾向にあるとも言われています。

また、周囲と接する機会が減るため、コミュニケーション能力や社会性を育みにくくなり、仕事を円滑に進めることに支障を来たす場合もあるでしょう。

不登校の増加は、学生の学力低下だけでなく、社会に出てからの能力の差にも繋がります。

不登校児童への学習支援やサポート体制、家庭環境や学校環境の整備、教職員の人材育成などが、日本の教育実態における重要な課題と言えるでしょう。

リカレント教育が定着していない

リカレント教育とは、社会人が学び直すための教育のことを言います。

社員が教育を受けスキルアップすることは、進歩し続ける技術革新への対応や企業としての成長に繋がるとされ、大変重要視され始めています。

しかし、日本では、一度社会に出ると、再び学生時代と同様の教育機会を持つのは難しいのが現状です。

多くの企業は学校での履修を認めておらず、リカレント教育に積極的ではないと言われています。

業務と学業を両立するには時間的な負担が大きく、教育費用を工面できずに学び直しを諦める人も少なくありません。

社会人向けに教育機関が提供する講座が少ないことや、企業の支援が少ないことも、リカレント教育が進まない原因のひとつです。

社会に出た後に学びたいと望む人が、時間的・金銭的な負担なく教育機会を得られるサポートを充実させることも、日本の教育実態の課題なのです。

質の高い教育を受けるためのサポート

世界の教育実態、日本の教育実態を踏まえると、質の高い教育を受けるためにはさまざまなサポートが必要であることが分かります。

環境的な問題、経済的な問題から、思想や考え方を含めた広い視点で、その国の状況に合った支援をおこなう必要があります。

世界でおこなわれている支援

現在世界でおこなわれている支援の多くは、教育環境の整備です。

支援の例理由
水道や給水所の設置 子どもだちの水汲みの時間を減らす
学校への女子トイレの設置女性でも教育を受けられる環境を整える
貧困世帯の子どもたちへの支援家庭環境によって学習できない子どもを助ける
給食の支援食事ができることを学校へ行くきっかけにする

このほか、教員研修の支援や、教育に必要な資材の調達、教育課程の整備などの支援があげられます。

また、日本の独立行政法人国際協力機構(JICA)がアフリカ8ヶ国の小中学校に対して、みんなで学校を運営し子どもの学びを支える「みんなの学校プロジェクト」を展開するなど、多くの団体が各国の教育支援に乗り出しています。

私たちにできること

世界規模でおこなう支援だけでなく、今私たちにもできることがあります。

まずは、世界や日本の教育実態を知り、関心を持つことです。

単に「質の高い教育をみんなに」と言われても、自分に何ができるのかイメージしにくいはずです。

SDGsについての情報を知り、知識を得ることから始め、なぜ問題が起きているのか、その問題が自分たちの生活にどう関わってくるのかを考えてみましょう。

そうすることで、自分がすべき具体的な行動を実践しやすくなります。

教育に限らず、支援活動は利益のない活動がほとんどです。

活動に必要な費用は寄付や募金からまかなわれていることも多くあります。

教育支援に関わる寄付や募金は、私たちにもできる取り組みやすい事柄でしょう。

また、語学や学びたいことを学び続けるというのも、できることのひとつです。

教育のために国から受けられる支援も徐々に充実してきています。

スキルアップのためにオンライン学習サービスなどを活用する企業も少しずつですが増加しています。

語学力を身に付ければ、実際に海外で教育支援のボランティアに参加するハードルも下がるでしょう。

また、仕事や生活に役立つ新たなスキルを身に付けることで、SDGsの取り組みに役立つアイディアを生み出すきっかけになるかもしれません。

教育を受ける権利はすべての人に与えられるべきものです。

SDGs17の目標の中でも、目標4「質の高い教育をみんなに」は大変重要な位置を占めています。

教育機会を増やし、全ての人が質の高い知識を持つことは、他の目標を達成するために不可欠だからです。

誰でも平等に教育が受けられる日を目指して、問題解決のために今できることを探してみてくださいね。

ID学園高等学校でのSDGs教育

ID学園高等学校では、SDGsの本質を学び、体験を大事にした教育に取り組んでいます。

SDGs教育日本一を目指して、オンラインでも生徒がSDGsについて学べる環境づくりに力を入れています。

週1回のSDGsの基礎知識を学ぶ講義や、SDGs達成に向けて活動されているさまざまなゲストを招いた特別授業をおこなうことで、楽しく主体的に学べる授業を実施しています。

全教科・カリキュラム・学校行事などをSDGsと紐付けた教育は、「できることから」「身近なことから」問題解決に向かう意識を育てることに繋がるでしょう。

ご案内

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

ID学園高等学校は

一人一人にあった高校生活を一緒に考えます。

Call:0358421968 無料:オンライン相談も説明会個別相談はこちら 資料請求 Web出願受付

Copyright (C) 2021ID学園高等学校 ALL Right Reserved

資料請求 個別相談・説明会 Web出願
資料請求(無料)