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小論文の書き方徹底解説!作文との違いは?ルールと構成のコツを知って高得点を目指そう

「小論文ってどうやって書けばいいの?」

「作文が苦手だけど、小論文が受験科目にあって不安……」

大学入試でも出題されることが多い小論文。どう書いたらよいかわからず、苦手意識を持っている方もいるでしょう。

小学生の頃から書いてきた作文とはいったい何が違うのでしょうか。何の対策もせずに小論文を書こうとしても思ったように点数は伸ばせません。

その原因は、小論文の「正しい書き方」を身につけていないためです。小論文は、ルールや型を理解して繰り返し練習すれば、誰でもスムーズに書けるようになります。

今回は、小論文の基本知識や構成の成り立ちについて徹底解説し、減点されにくい小論文のコツをご紹介します。

苦手の克服のため、小論文の書き方をマスターするためにぜひ参考にしてください。

小論文の書き方徹底解説!作文との違いは?ルールと構成のコツ

目次

小論文の基本とルールをチェック

まずは、小論文とはどんなものか、基本を頭に入れていきましょう。

与えられたテーマに対して自分の意見を述べ、理由や具体例を挙げながら論理的に展開していくのが小論文です。

結論に至る根拠などを順序立てて伝えていく構成力が必要とされます。

小論文と作文の違い

では、作文とはどんな点が異なるのでしょうか。

感じたことや体験を自由に表現してよいのが、感想文をはじめとする作文の特徴であり、自分の気持ちを読み手に対してわかりやすく伝える文章を指します。

作文では読みやすさを重視し、読み手の印象に残るようなオリジナリティ溢れる表現も良しとされています。

一方の小論文は、感想ではなく自分の主張を客観的に伝え、読み手を納得させるものです。

テーマに対して問題提起をおこない、深掘りしていくことが論理的な文章作りにつながります。

データや資料に基づいた信頼できる根拠を出すのも重要な要素です。

小論文で高得点を取るためには、作文との違いを理解していないと難しいでしょう。

また、作文との大きな違いの1つが表現の仕方です。

読んだだけで情景が浮かぶような言い回し、余韻や微妙なニュアンスを伝えるような表現は作文でよく使われますが、小論文には一切必要ありません。

ここで、いじめをテーマに小論文と作文それぞれの例文を比較してみましょう。

【小論文の例】日本では、いじめをした加害者ではなく被害者の方が我慢し、時には転校などの措置で逃げ出すような形になることが多い。私はこの流れには反対である。なぜなら、海外ではいじめの加害者こそがカウンセリングや更生の対象とされ、被害者が守られるという形が一般的であるためだ。日本と海外のこの大きな違いの背景には●●がある。……

【作文の例】私は小学5年生の頃、いじめにあっていました。勇気をだして先生に訴えたところ、クラスでの話合いの時間が設けられました。しかし、私は「またいじめられるかもしれない」という思いとみんなの前で公開処刑にされたような感覚に陥ってしまったのです。結局、学校に行くこと自体が怖くなり、不登校に繋がってしまいました。それが私が○○の活動を始めたきっかけです。いじめの被害者・加害者への対応の仕方は△△がいいと思います。……

自分の立場を明確にし、具体例を挙げて組み立てている小論文に対し、作文では自分の経験と感じたことをベースに書かれているのがわかります。

文字数の目安

小論文ではほとんどの場合、「○○文字以内で」「○○文字程度で」と文字数が指定されています。

しかし、指定された文字数以内であれば何文字でもいいというわけではありません。

たとえば、「800字以内」という場合は720~800字のあいだに納めます。

最低でも指定された文字数の80%以上、できれば90%以上は書くようにしましょう。

「700字前後」という表記であれば、指定文字数の前後10%以内である630字〜770字に納めるよう意識します。

小論文の構成を理解しよう

ただやみくもに文章を書いても小論文は完成しません。

構成はいわゆる設計図の役割を持ち、与えられたテーマについて書き進めていくには、大まかな骨組みを先にしておかなくてはなりません。

小論文がうまく書けないと悩む方の多くは、構成を考えずにいきなり書き始めている傾向があります。

まずは構成の必要性を知り、自分なりの型を身につけましょう。

「序論・本論・結論」の3部構成

小論文の構成にはいくつかの種類がありますが、おすすめは「序論・本論・結論」の3部構成です。

この3部構成で書くことで論理的に話が進み、説得力も増します。

大枠は同じですが、本論を「自分の考えを述べる部分」と「それを証明するための理由・根拠を展開する部分」との2つに分けて、4部構成のように考える場合もあります。

それぞれの章の役割について見ていきましょう。

【1】序論

序論では、設問に対してのテーマ設定や問題提起、意見の提示をおこないます。

設問の答えとなる自分の主張や意見は、結論で述べるべきと思うかもしれませんが、序論で先に意見をはっきりと言い、最後に結論でもう一度触れるという形をとってもかまいません。

序論で言いたいことを明確にしておくと、最後まで一貫性のある小論文を書き上げることができます。

【2】本論

本論では、自分の意見の根拠となる部分を深く掘り下げながら展開していきます。

主張に対して「どうして?」「それは本当なの?」と感じている読み手を納得させるのがこの章の役割です。

客観的なデータや具体例などを入れられると、説得力ある文章が書けるでしょう。

課題文や図表からデータを引用できる場合は取り入れるのがおすすめです。

【3】結論

結論では、序論で述べた主張を再度繰り返し、全体をまとめます。

問題の答えや、全体を通して言いたいことを簡潔に述べます。

曖昧な書き方や中立立場のような結論は避け、序論から提示していた自分の意見からぶれないようにしましょう。

自分の「意見」を述べられるようになろう

「小論文での意見や主張は、専門知識がないと書けないのでは?」

「自分はこう思う、という絶対的な意見がないから書きにくい……」

難しく考えるあまり、明確な意見を書けなくなっている方が少なくありません。小論文においての意見は思想とは異なり、自分が好きか嫌いかとは別のものです。

初めて突きつけられたテーマにも、根拠をつけて結論に導くことができればよいのです。対策や解決策まで述べられなくても、問題提起や分析で意見として十分成り立ちます。

内容のある序論が小論文のカギ

構成について触れましたが、小論文で大切なのは最後の結論でしょうか?

いいえ、力が試される部分は冒頭の序論です。

自分の立場や関心を明確にして序論で述べることができれば、小論文の方向性が決まり、読み手はスムーズに読み進められます。

最初に明確な主張や意見を述べておくことはそれ自体が加点対象ともなり得ます。

逆に、あってもなくてもいい文章とはなってしまわないよう、自分の意見は曖昧にしないよう気を付けましょう。

序論に主張や意見を書いておくと、たとえ時間や文字数の都合で結論にたどり着けなくても、序論と本論で内容はしっかりまとまるというメリットがあります。

原稿用紙の使い方は大丈夫?

実際に小論文を書いていく際には、原稿用紙のルールも把握しておかなくてはなりません。

覚えておきたい主な使い方は次の通りです。

原稿用紙の使い方

段落最初の書き出しは1マス空ける段落を変える際は改行し、1マス空けて書く
感嘆詞【!】【?】を使った後は1マス空ける
小書き文字【ゃゅょ】【っ】【ぁぃぅぇぉ】それぞれ1つのマスに書く
句読点【。、】はそれぞれ1つのマスに書く行の頭に句読点がくる場合は、前の行の最後のマスに書く
かぎ括弧【「」】はそれぞれ1つのマスに書く閉じ括弧【」】と句点【。】は同じマスに入れる
数字原稿用紙は縦書きであるため、漢数字【一、二、三】を使用する
カタカナ外来語のみに使用
略語省略表現や略語は使用しない

作文との違いも意識しながら、一つひとつ見ていきましょう。

マスの使い方(作文の時の表を入れる?段落分け・1文字下げる、句読点・促音・「」は1マス使うなど)

段落分けは、基本的に序論・本論・結論で分けます。

本論は長くなるため、内容のまとまりごとに段落を変えていきます。

1つの段落には2文以上必要となるため、1文だけで終わることのないように注意しましょう。

段落の最初は1マス空けるのがルールです。

「っ」「ゃゅょ」などの小書き文字、句読点、かぎ括弧などは1マス使って書かなくてはなりません。

句読点や閉じ括弧は行の始めには書けないため、前の行の最後のマスに文字とあわせて入れるようにします。

文体は「だ・である」調を使う

作文の場合は「です・ます」でもよいですが、小論文での文体は言い切りで説得力のある「だ・である」調を使います。

全体を通して文体は統一しましょう。

丁寧で柔らかい印象にしようと「です・ます」調で書いてしまうと、小論文のルールからは外れてしまうため注意が必要です。

「めっちゃ」「マジ」「やばい」といった言葉は文章では当然避けると思いますが、「だから」「なのに」「いろんな」などの話し言葉も小論文では使わないようにしましょう。

カタカナ語の多用はNG

カタカナを使用する際は、広く定着していて置き換えが難しい外来語のみにします。

日本語で置き換えられる言葉は日本語で書くようにしましょう。

擬音語・擬態語を使わない

文章で様子を伝えるには「ギリギリ」「ドキドキ」「イライラ」「スラスラ」「ドンドン」といった擬音語や擬態語もよく使いますが、小論文では使わないのが決まりです。

使用する際は日本語に置き換えて書きましょう。

略語を使わない

小論文では略語を使わないようにします。

  • スマホ ・・・ スマートフォン
  • コンビニ ・・・ コンビニエンスストア
  • バイト ・・・ アルバイト
  • 就活 ・・・ 就職活動
  • 部活 ・・・ 部活動
  • WHO ・・・ 世界保健機関

問題文に略語で記載されている言葉を除き、文中では正式名称で記載しましょう。

何気なく略語を使用しがちな公的機関などは特に注意が必要です。

重複表現に注意

「いまだに未解決」「まず最初に」など無意識に重複表現を使っていることがあります。

重複表現が文中にあると、表現力が足りないとみなされ、文章の説得力が弱まってしまうことも。

小論文では使用しないよう気を付けましょう。

文学的な表現を使わない

文学的表現とは、小説などで用いられる倒置法・比喩・体言止めといった表現を指します。

読み手にインパクトを与えたり文章のリズムを変える効果がありますが、小論文は説明文であるため、文学的表現は使いません。

誤字脱字は確実に防ぐ

誤字脱字があると減点対象となってしまいます。

提出前に数分の時間を作り、必ず全体を確認しましょう。

「出れる」「食べれる」などの「ら」抜き言葉、「知ってる」「困ってる」などの「い」抜き言葉も紛れていないか見直しが大切です。 

減点されない小論文を書くポイント

減点されない小論文を書くポイント

小論文で満点を取る、という目標は難しいかもしれませんが、できるだけ減点されずに得点を維持していくことはできます。

  • いきなり書き始めない
  • 時間配分と内容の配分
  • 問題の条件に沿って書く
  • 文章は要点を押さえて簡潔に

評価される小論文を書けるようになるために、これらのポイントを意識してみてください。

いきなり書き始めない

小論文の基本で大切なのは「いきなり書き始めないこと」です。

出題意図を汲み取れたら、まずは結論=自分の主張を決めます。

次に結論に到達するための構成を組み立て、内容に入っていきます。

最初から清書のように書き進めていくより、キーワードや具体例などのメモを書き記していくのがポイントです。

頭の中で考えているだけでは、いざ書くときに忘れてしまったりまとめきれずに混乱してしまったりするもの。

メモしておくという一手間が、書き直しや話の脱線を防ぐ鍵となります。

メモは文字だけでなく、イラストや図解、矢印などを使って視覚的に書いておくと整理しやすいでしょう。

メモをもとにどんどん文章を肉付けし完成させていくという流れが、結果的にスムーズに小論文を仕上げられる秘訣です。

時間配分と内容の配分

小論文の試験には時間制限があります。

どんなに内容がよくても時間内に書き終わっていなければ大きな減点対象となってしまいます。

仮に制限時間が60分だとすると、次のような時間配分を意識するとよいでしょう。

執筆手順目安の時間
問題分析5分
構成15~20分
清書20~30分
見直し5~10分

どこかに時間をかけすぎても次へ進めませんし、完璧を目指そうとすると完成できずに終わる恐れもあります。

構成に時間をかけて細部まで決められれば、スムーズに書き進められます。

誤字脱字などの小さな減点をなくすためにも、最後に5分程度でも見直し時間を取るようにしましょう。

時間配分が身につくまで、何度も練習を積んでおくのがポイントです。

次に、内容・文字数の配分を考えてみます。

内容の配分としては、15%:70%:15%の比率で分けるとバランスよくまとまります。

具体的に文字数で考えると、どうなるでしょうか。

小論文の文字数指定は、600~800字というのが一般的です。

仮に700文字で仕上げる場合、次のようなボリュームを目指すとよいでしょう。

構成内容配分の割合700文字で書く場合
序論15%100字
本論※本論(1)・本論(2)70%500字※200字・300字
結論15%100字

問題の条件に沿って書く

小論文では、設問に対しての自分の意見をはっきりと説明する必要があります。

出題者が何を求めているのかをできるだけ早く読み取りましょう。

また、次のような条件が設定されている場合は、条件に沿った小論文になっていないと減点対象となってしまいます。

【小論文の条件例】

  • ○○文字程度で要約しなさい
  • 具体例を挙げて説明しなさい
  • 解決策を述べよ
  • 賛成・反対の立場を明確にして説明しなさい
  • 資料から読み取れることを説明しなさい

問題で聞かれていることに対しては、答えを先にメモしておくことで抜けを防げます。

何を聞かれ、どんな条件が出されているのかを最初に理解して、次のステップへ進むことが大切です。

また、どんな設問の小論文でも基本の書き方は変わりませんが、出題傾向にはいくつかのパターンがあります。

出題形式内容
テーマ型与えられたテーマに沿って、自分の意見を述べていく。もっとも一般的な小論文の形式。
課題文読解型課題文が与えられ、それを読んで説明を述べたり要約したりする。
図表分析型図表や写真などを読み取り、問題提起や解決策について論述する。
英文型英文の課題文に対して、自分の意見を述べていくもの。
教科論述型専門知識が必要であり、理数系の記述問題に近い。

大学入試の場合、自分が志望する学部学科でどんな出題傾向があるか、過去問題を確認して対策を練りましょう。

文章は要点を押さえて簡潔に

文章を書いていると、回りくどい表現になったり情報を詰め込みすぎたりする場合があります。

せっかく書いた文章の意図が伝わらないのでは残念ですよね。

長い文だと何を言いたいのかわからなくなってしまうため、1文の文字数は50文字以内に納めるよう意識しましょう。

読み手にとってすっきり読みやすい文になります。

内容を膨らませていく3つのコツ

「小論文の基本やルールはわかったけれど、やっぱり手が止まってしまう」ということもあるでしょう。

そんなときは、次の3つの方法を取り入れてみてください。

反論を入れてメリットを強調

小論文では、問題に対して根拠を提示しながら自分の意見を主張し、結論を見出していくのが正攻法ですが、本論の中であえて反論を紹介するという方法もあります。

自分の意見のメリットを挙げたうえで反論について触れ、「やはり○○である」という方向に持っていくのです。

反論を入れることで、メリット部分の強調や説得力アップにつながります。

自分の意見を客観的に捉える

自分で導き出した結論に対して、もう1人の自分とディベートをするようなやりとりを想像してみましょう。

「運動会での順位付けは必要ない」

『どうして順位が必要ないのか』

「失敗の経験や劣等感が生まれ、その後の成長に影響を与えるため」

『では、競争のメリットはないのか』

このような流れで疑問と答えを繰り返していくと、主張と根拠に深みが得られます。

自分の意見は正しいという見方だけでなく、客観的な目をプラスすることでさらに論理的な文章に近づくでしょう。

具体例で説得力アップ

小論文では説得力が大切です。

主張の根拠を述べる際には、具体例が説得力アップのための大きな役割を担います。

具体例が読み手の想像力と知識の後押しとなり、さらに裏付けとなる公式なデータがあれば主張の信頼性が一気に高まるのです。

自身の体験談を例として使うのもよいでしょう。

小論文の書き方には型がある!基本を押さえて対策しよう

小論文は書き慣れていないと難しくて苦手意識を持ってしまいます。

しかし、小論文の構成には型があり、それに沿って書く練習を積んでいけばスムーズに書けるようになります。

出題形式に慣れておけば、テーマが変わっても焦ることなく取り組むことができるでしょう。

小論文に必要なのはセンスではありません。

読解力も文章力も論理的な考え方も、時間はかかりますが必ず身につきます。

「苦手だから」「書き慣れていないから」と小論文を敬遠してしまわずに、3ヶ月以上を目安としてコツコツ準備を始めていきましょう。

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