皆さんはLibrariEというサービスを知っていますか?
電子書籍を貸し出してくれるインターネット上の図書館で、現在多くの高校や大学、図書館で利用できるようになっています。
ですが実際にどれくらいの電子書籍が読めるのでしょうか。
また、敢えてLibrariEを使って読むメリットがあるかも知りたいところです。
今回は、LibrariEの基本的な内容と導入している機関、LibrariEを利用するメリットと注意点を解説します。
図書館に行かずに本が読みたい、どんなサービスなのか気になるという人は、ぜひ参考にしてください。

目次
- LibrariEとは
- LibrariEが注目・導入された背景
- LibrariEを導入している機関
- LibrariEのコンテンツ数
- LibrariEを利用するメリット
- LibrariEを利用するときの注意点
- まとめ
LibrariEとは
LibrariEとは、株式会社日本電子図書館サービスが提供している、クラウド型電子図書館サービスのことです。
2015年4月からサービスの提供を開始しており、多くの高校や大学、図書館で導入が進められています。
2016年には大日本印刷株式会社と株式会社図書館流通センター納車と資本提携し、利用者も図書館も著作者も、そして出版社も全員が満足できるシステムとサービス提供を続けています。
LibrariEが注目・導入された背景
LibrariEを導入している学校や図書館は近年増加しています。
詳細な数字は後ほど解説しますが、2023年1月時点で650以上の学校や図書館で導入されているのです。
LibrariEが注目され導入が進んだ背景には、2020年春に発生した新型コロナウイルスが関係しています。
緊急事態宣言が発令されたことで、それまで図書館や学校に行っていた人々が外に出られなくなり、自由に本を借りることができなくなってしまいました。
事態がやや落ち着いた頃でも、図書館も入館できる人数に制限を設けるなど、コロナ禍以前のように自由な図書館の利用や貸し出しができなくなってしまったのです。
この状況を打開できるコンテンツとして、LibrariEが注目されました。
学校や図書館がLibrariEに利用料を支払うことで、登録されているコンテンツがクラウド上で自由に貸し出しできるようになります。
ログインするためのアカウントを持っていれば、誰でも自由に電子書籍を借りることができます。
これにより2020年3月時点での登録機関数が約150件であったのに対し、2年後の2022年3月には500件を超える期間で利用ができるようになりました。
現在も導入は進んでおり、2023年1月時点で650件の学校や図書館で導入されることとなったのです。
LibrariEを導入している機関
株式会社日本電子図書館サービスの公式サイトによると、2023年6月時点でのLibrariEの登録件数は合計679件となっています。
内訳は以下の通りです。
- 学校図書館 171件
- 大学図書館 160件
- 公共図書館 341件
- その他 7件
公共の図書館を中心に、北海道から沖縄まで幅広い地域でLibrariEが導入されています。
学校図書館は、公立の中学校・高校もありますが、主に私立の学校がメインで導入している状況です。
大学での導入件数がやや控えめな数字となっていますが、こちらも全国の大学で導入が進んでおり、これからも数を増やしていくでしょう。
最寄りの図書館や高校・大学でLibrariEが利用できるかどうかは、公式サイトや図書館のホームページで確認できます。
詳細な使い方は貸し出し窓口などで説明を受ける必要がありますが、自宅にいながら電子書籍を閲覧できるため、登録しておいて損はないサービスと言えるでしょう。
LibrariEのコンテンツ数
利便性の高いクラウド型電子図書館サービスのLibrariEですが、気になるのはコンテンツ数、つまり貸し出しされている本の冊数です。
どれだけ利便性が高くても、蔵書数が少なければあまり使う理由が見出せないでしょう。
LibrariEのコンテンツ数は、2023年2月に公式サイトで発表された数字によると12万点を超えているとされています。
LibrariEで借りられる電子書籍は、出版社の協力のもと搭載が進んでいる状況です。
そのため、今後多くの出版社から力を借りることができれば、今まで以上に借りられる蔵書数が増えるでしょう。
LibrariEを運営している日本電子図書館サービスも、引き続き幅広い分野や年齢層の利用に答えるべく、新しい電子書籍コンテンツの搭載を進めると表明しています。
図書館と同じく新しい本と出会えるチャンスであるため、積極的に利用してみると良いかもしれません。
LibrariEを利用するメリット

LibrariEを利用するメリットとして、次の4つが挙げられます。
- いつでもどこでも利用できる
- 外出する必要がない
- 文字拡大や音声読み上げなどの機能で読みやすい
- 図書館の新着情報が受け取れる
従来の図書館サービスのような制限がなかったり、電子書籍特有のメリットを受けることができるという点がLibrariEを利用する最大のメリットです。
それぞれどのような内容なのか、詳しく掘り下げてみましょう。
いつでもどこでも利用できる
スマートフォンやタブレット、パソコンなどの電子書籍を閲覧できるデバイスを持っていれば、24時間365日、いつでもどこでも電子書籍を借りることができます。
公共の図書館の場合、開館日は開館時間に制限がかかっているため、忙しい人は図書館に行くことができないというケースも珍しくありません。
LibrariEはクラウド上で管理されている図書館サービスであるため、アクセスできる環境とアクセスするデバイスが揃っていれば、自分の好きなタイミングで電子書籍を借りて読むことができるのです。
また、独自の電子資料を搭載することもできるため、図書館によってはそこだけでしか読むことのできない本に出会える可能性もあります。
外出する必要がない
前の章の内容と少しかぶるところがありますが、図書館まで足を運ばなくてもインターネット環境とアクセスできるスマートフォンやタブレットなどがあれば、誰でもLibrariEで本を読むことができます。
新型コロナウイルスが登場した際にLibrariEが注目を集めた理由の一つでもあり、現在でも支持されているメインの理由でもあります。
物理的に図書館に通えないという人や、何らかの事情で外出するのが難しいという人も、LibrariEを利用すれば図書館の本を借りられるようになるのです。
文字拡大や音声読み上げなどの機能で読みやすい
本を読んでいて「字が小さい」「返却期日までに読めそうにない」と言ったケースに遭遇したことはないでしょうか。
本である以上仕方のないことですが、LibrariEに搭載されている電子書籍であればこれらの問題を解決することができます。
例えば字が小さくて読みづらい場合は、文字の拡大機能を使って大きな文字で本を読めるようになります。
読んでいる時間がない場合も音声読み上げ機能を活用することで、耳から電子書籍を楽しむことができるようになるでしょう。
この他にも多くの機能が活用できる点が、LibrariEの強みです。
高齢者や障害者にとってありがたい機能でもあり、一般の人でも快適に読書ができるような仕組みとなっています。
新着情報が受け取れる
図書館や学校の方針にもよりますが、図書館で行われるイベントや新着図書の情報などをLibrariE上で受け取ることができます。
図書館側が利用者ポータルの編集を行うことで可能になる機能であるため、全ての図書館でお知らせを受け取れるわけではありません。
しかし、図書館に足を運ぶ大きな理由にはなるでしょう。
図書館によっては季節の特集や、時事ネタに合わせた企画のアピールをしているところもあります。
電子書籍で本を読みつつも、図書館に足を運んで本も読みたいという人にとっては非常にありがたい機能と言えます。
LibrariEを利用するときの注意点
利便性が非常に高いLibrariEですが、注意しなければならない点もあります。
具体的には次の2つです。
- 借りられる冊数には上限がある
- システムメンテナンス中は利用できない
図書館によって違うものと、LibrariE全体に共通して言えるものの2種類があります。
それぞれの詳細を見てみましょう。
借りられる冊数には上限がある
電子書籍であるため無制限に借りられるイメージを抱きがちですが、LibrariEを契約している学校や図書館によって借りられる冊数と期間が決められています。
基本的には1週間に1冊の貸し出しが基本で、延長はできず、期限が来れば自動的に返却される仕組みです。
中には貸し出し可能な冊数がもう少し多く設定されている場合もありますが、1つの目安として1週間に1冊というルールが設けられていることを覚えておきましょう。
また誰かが借りている間は、図書館の本と同様予約をして実際に借りられるタイミングを待たなければなりません。
本の状況についてはLibrariEのログイン画面から確認できます。
予約している本があれば、こまめにチェックすることをおすすめします。
システムメンテナンス中は利用できない
LibrariEに限った話ではありませんが、クラウド上で提供されているサービスであるため、定期的にシステムメンテナンスが行われます。
システムメンテナンス中はLibrariEが利用できなくなってしまうため注意しましょう。
システムメンテナンスのお知らせは、図書館やLibrariEの提供元である日本電子図書館サービスのホームページから確認できます。
システムメンテナンスは、セキュリティの強化やバグの修正のために必要な作業です。
通常数時間で終わることが多いため、その期間は少し待機するようにしましょう。
まとめ
いくつかの注意点はあるものの、非常に利便性の高いLibrariEは、今後もコンテンツ数や利用できる機関数が増えていくことでしょう。
スマートフォンが1人1台の時代になって、それまであまり本に触れなかった人や、本から離れてしまっていた人も再び読書を楽しむことができるようになるかもしれません。
ID学園高等学校もLibrariEに加入しており、通学型コースの生徒だけでなくオンライン学習コースの生徒も多数の蔵書を楽しむことができます。
新しい小説や実用書、問題集など、勉強にも普段の趣味としても楽しめるコンテンツばかりです。
この機会にぜひLibrariEを活用してみてはどうでしょうか。