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これって登校拒否!?不登校との違いは?年代別の原因と対応方法を解説

小学生や中学生の子どもが学校へ行きたがらないと、親は困ってしまいますよね。

「うちの子は登校拒否なの?」「登校拒否って不登校なの?」と焦る方も多いでしょう。親の対応の仕方によっては状況を悪化させてしまう可能性があります。

今回は、登校拒否の定義や不登校との違い、登校拒否の原因や対応方法について解説します。

親に大切なのは「どんなときも子どもの味方であること」。登校拒否について知り、子どもに寄り添った対応ができるようになりましょう。

これって登校拒否!?不登校との違いは?年代別の原因と対応方法を解説

目次

登校拒否と不登校は何が違うの?

登校拒否と不登校、この2つは同じ意味なのでしょうか。

「何日休んだら登校拒否なのか」「原因が何なら不登校なのか」と不安を抱えている方も多いかもしれません。

よく似ていると捉えられますが、厳密には登校拒否と不登校は少々異なります。

登校拒否はもともと「学校恐怖症」とも呼ばれており、厚生労働省では次のように定義されています。

何らかの心理的、情緒的、身体的若しくは社会的要因又は背景によって、児童生徒が出席しない又はすることができない状況(病気又は経済的理由による場合を除く。)

引用:e-ヘルスネット「不登校 / 登校拒否(ふとうこう / とうこうきょひ)」.厚生労働省.
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-056.html

不登校はというと、文部科学省の定義で欠席日数の基準がより具体的に示されています。

不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、心身的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。

引用:「不登校の現状に関する認識」.文部科学省.
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/futoukou/03070701/002.pdf

厚生労働省の定義でわかるように、現在では登校拒否も不登校もほぼ同義として扱われています。

以前は「登校拒否」と言われていたものが、1990年代後半に広く「不登校」と呼ばれるようになりました。

しかし厳密には、登校拒否は「何らかの理由により学校へ行くことを拒否している状態」を指し、不登校は「学校へ行かない状態が30日以上続いている状態」を指すことから、2つの言葉の意味は異なるという考え方もあります。

この記事では、登校拒否は不登校とおおよそ同じ括りとして進めていきます。

【小学生】登校拒否の実態と原因

子どもの年代によって、登校拒否・不登校の原因は異なります。

まずは小学生の実態から見ていきましょう。

登校拒否の人数

文部科学省が2021年度におこなった調査によると、登校拒否・不登校の人数は次のような結果となりました。

小学校2020年度2021年度
不登校の人数63,350人81,498人
1,000人当たりの不登校人数10人13人
参考:「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」.文部科学省.2022-10-27
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf

前年度と比較しても、人数は約2万人増加し、1,000人当たりの不登校人数も10人から13人へ増えています。

登校拒否・不登校は9年連続で増加の一途を辿っており、2021年度時点で過去最多の人数となっています。

登校拒否の原因

登校拒否・不登校の原因をまとめた調査では、「無気力・不安」が49.7%でトップとなっており、「親子の関わり方」13.2%、「生活リズムの乱れ・遊び・非行」13.1%と続きます。

2021年度小学校
学校に係る状況いじめ0.3%
いじめを除く友人関係をめぐる問題6.1%
教職員との関係をめぐる問題1.9%
学業の不振3.2%
進路に係る不安0.2%
クラブ活動・部活動への不適応0.0%
学校のきまり等をめぐる問題0.7%
入学・転編入学・進級時の不適応1.7%
家庭に係る状況家庭の生活環境の急激な変化3.3%
親子の関わり方13.2%
家庭内の不和1.5%
本人に係る状況生活リズムの乱れ・遊び・非行13.1%
無気力・不安49.7%
上記に該当なし4.9%
参考:「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」.文部科学省.2022-10-27
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf

登校拒否・不登校の原因はひとつとは限りません。

いくつもの要因が複雑に重なり合っているケースも多くあります。

小学生の場合、学校のルールに適応するのが大変、親と長時間離れるのがつらいなど環境の変化がストレスへ発展しやすいのが特徴です。

親から離れて学校へ行くのが苦痛で、泣き出したり、頭痛や腹痛といった症状が出たりすることもあります。

【中学生】登校拒否の実態と原因

続いて、中学生の実態について見ていきます。

登校拒否の人数

中学校の場合は、小学校に比べて登校拒否の人数が大きく膨れ上がっています。

中学校2020年度2021年度
不登校の人数132,777人163,442人
1,000人当たりの不登校人数40.9人50人
参考:「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」.文部科学省.2022-10-27
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf

1,000人当たりの不登校人数を見ても、50人という数字は小学校の比ではありません。

1クラスが40人程度であれば、クラスに2人の不登校生徒がいてもおかしくないという計算です。

このことからも、登校拒否・不登校は決して珍しいことでも他人事でもなく、どんな子どもにも起こりうるとわかります。

登校拒否の原因

原因の上位は、「無気力・不安」が49.7%と最も多く、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」11.5%、「生活リズムの乱れ・遊び・非行」11%と続きます。

2021年度中学校
学校に係る状況いじめ0.2%
いじめを除く友人関係をめぐる問題11.5%
教職員との関係をめぐる問題0.9%
学業の不振6.2%
進路に係る不安0.9%
クラブ活動・部活動への不適応0.5%
学校のきまり等をめぐる問題0.7%
入学・転編入学・進級時の不適応4.1%
家庭に係る状況家庭の生活環境の急激な変化2.3%
親子の関わり方5.5%
家庭内の不和1.7%
本人に係る状況生活リズムの乱れ・遊び・非行11.0%
無気力・不安49.7%
上記に該当なし4.9%
参考:「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」.文部科学省.2022-10-27
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf

中学校に入学するとこれまでとは環境が大きく異なり、友達同士の横のつながりだけでなく、新たに部活動で先輩との人間関係も生まれます。

それにより、過ごしにくさを感じる子どもも増えていることがわかります。

小学生があまり感じていない新しい環境に対しての適応や、難易度とスピードが上がった授業に対する不安も目立ってきています。

年代によって内容に違いはあるものの、子どもたちはさまざまなストレスを抱えながら学校生活を過ごしていると考えられるでしょう。

登校拒否の子どもへの接し方

登校拒否の子どもへの接し方

登校拒否・不登校の子どもに対し、どのように接したらいいか悩んでいる方も多いかもしれません。

ここでは、親が意識しておきたい4つのポイントをご紹介します。

  • 登校を強要しない
  • 子どもの意思を尊重する
  • 生活リズムを整える
  • 子どもが話しやすい環境をつくる

ひとつずつ見ていきましょう。

登校を強要しない

子どもたちは、「学校へ行かなくてはいけない」と頭でわかっているため、行けない自分に罪悪感を持っているケースが少なくありません。

登校できなくなった際は、学校を休んでもいいと伝えましょう。
登校の強要は解決には結びつかず、かえって子どもを苦しめ、状況を悪化させてしまう可能性があります。

「休んでも大丈夫なんだ」「親は味方なんだ」と子どもが感じられるよう、親子の信頼関係を築くことが大切です。

子どもの意思を尊重する

「学校へ行きたくない」という子どもの気持ちを理解し、その奥にあるつらさを受け入れてあげましょう。

何らかの原因があるはずですが、子どもが自分から言わないようであれば、問いただすことは避けます。

肯定的に受け入れる姿勢を見せていれば、休息を取ることで心に余裕が生まれた際に話してくれるタイミングが来るはずです。

生活リズムを整える

学校に行けなくなった当初は、現実逃避の意識が強くなり、どうしても昼夜逆転のような生活になってしまうものです。

まず大切なのは心の休息であるため、子どもがパワーチャージできるよう静かに見守りましょう。

少し落ち着いてきたら、家での過ごし方を考えます。

学校復帰だけでなく、次の一歩を踏み出すには生活リズムを整える必要があります。

就寝時間・起床時間・食事のタイミングなどの小さな目標を立てて、少しずつ昼型の生活へ移行するとよいでしょう。

子どもが話しやすい環境をつくる

普段から子どもが親に何でも話しやすい環境であれば、何か壁にぶつかったときも気軽に相談できるでしょう。

さらに、親にとっても密なコミュニケーションは「この様子はいつもと違う」と深刻さを推測する尺度のひとつともなります。

登校拒否や学校に関する話題には一切触れなくてもかまいません。

子どもの趣味やテレビの話題など、ちょっとした会話を大切にしていきましょう。

家庭で抱え込まずに相談しよう

「うちの子が登校拒否なんて、誰にも言えない」と抱え込んでしまう親も多いのが実情です。

しかし、登校拒否・不登校は今や珍しいことではなく、親や周囲の対応が子どもの回復にも関わります。

問題を長期化させないためにも、周囲に相談しながら対応していきましょう。

病気や発達障害が隠れていることもある

授業についていけなかったり、学校への強い不安を抱えていたりする背景には、うつ病や発達障害などが隠れている可能性があります。また、貧血やめまい等の症状で何か行動をしようとした時に自身でコントロールできない体調の悪さが原因という場合もあります。

日常生活の中で何か気になる点があれば、医療機関を受診してみましょう。

適切な対応によって、子どもの過ごしにくさを軽減できるかもしれません。

学校やスクールカウンセラーと連携を

学校に行けない状況でも、家庭と学校との連携はとるようにしておいてください。

学校とのやりとりから、家庭では見えない子どもの様子がわかることもあります。

また、スクールカウンセラーの存在は親にとっても心強いものです。

どこに相談すればよいか迷った際は、まずはスクールカウンセラーを頼ってみるとよいでしょう。

専門機関に相談する

登校拒否・不登校には、知識と経験を持った専門機関が存在します。

教育委員会が設置する教育センター、各都道府県の児童相談所など相談できる場所があるため、悩み過ぎる前に打ち明けてみるのがおすすめです。

第三者に話すことで親の心の負担を軽くしていきましょう。

学校以外の学びの場を知ろう

「学校に行けない=早く学校復帰させなくては」と復帰ばかりを考えがちですが、子どもによってはそれが最善策とは限りません。

学校への復帰を目指す教育支援センター(適応指導教室)では、遅れを取り戻すための授業やカウンセリングを受けられます。

フリースクールも勉強を進める、同じ境遇の仲間と出会うという面で社会性を養える選択肢のひとつです。

高校受験を視野に入れる際は全日制だけでなく、登校拒否・不登校経験があっても無理なく続けられる通信制高校も視野に入れてみてはどうでしょうか。

多様な選択肢は子どもの将来の幅を広げてくれます。

まずは親自身が学校復帰だけに縛られないようにしましょう。

登校拒否は子どもと二人三脚で乗り越えていこう

登校拒否も不登校も、周囲の対応の仕方が鍵となります。

状態を改善させて学校へ復帰、あるいは違う道を選択するのにも長い時間がかかるものです。

何でも話しやすいと思える、家族は味方だと思えれば、家庭は子どもにとって落ち着ける場所となります。

自分たちだけで抱え込まずに、学校や専門機関に相談するのも問題解決のためには大切です。

子どもは1人ひとり特性も向いていることも違うもの。

他の子と比べて落ち込む必要はありません。

プレッシャーを与えたり登校を強要したりせず、親は根気強く子どもに寄り添っていきましょう。

その子なりの次の一歩は、必ず見えてきます。

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