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ID学園高等学校
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不登校になりやすい家庭の特徴

「子どもの不登校の原因は、もしかしたら家庭環境にあるのかも?」

そんな悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

不登校の原因はさまざまであり、学校での出来事、子ども本人の問題などとともに、家庭環境も要因の1つとして考えられます。

そこで今回は、不登校になりやすい家庭環境にスポットを当て、掘り下げていきます。

家庭環境が子どもに悪い影響を与えているとしたらどのように変えていくべきか、親が知っておきたいポイントもお伝えしますので、ぜひご覧ください。

目次

不登校の原因となる「家庭に係る状況」とは

文部科学省では、不登校の原因を「学校に係る状況」「家庭に係る状況」「本人に係る状況」の3つに大きく分類しています。

不登校の原因について調べた2020年の調査において、「家庭に係る状況」に該当する要因が占める割合は次の通りです。

【家庭に係る状況(小学生)】
・家庭の生活環境の急激な変化 ……3.8%
親子の関わり方 ……14.6%
・家庭内の不和 ……1.6%

【家庭に係る状況(中学生)】
・家庭の生活環境の急激な変化 ……2.5%
親子の関わり方 ……6.2%
・家庭内の不和 ……1.8%

参考:「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」.文部科学省初等中等教育局児童生徒課.2021-10-13
https://www.mext.go.jp/content/20211007-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

年齢が小さいほど、親と子の関わりはより密接であるため、中学生より小学生の方が、親子関係が学校生活に影響を及ぼす影響が大きいと考えられます。

決して多い割合ではありませんが、家庭環境によって不登校となっている子どもが一定数いることは否定できません。

では、「家庭に係る状況」とは具体的にどんなことを指すのでしょうか。

項目としては次の3つが挙げられています。

  • 家庭の生活環境の急激な変化
  • 親子関係をめぐる問題
  • 家庭内の不和

今より親子ともによい状態へ進むため、それぞれの状況を詳しく見ていきましょう。

家庭の生活環境の急激な変化

生活環境がこれまでと急に変わってしまうことで大きなストレスを感じ、不登校につながってしまう例です。

両親の別居や離婚、身近な人との死別などによって、生活環境は大きく変化します。

大人でも気分が落ち込み、日常生活にまで影響を及ぼすものです。

特に子どもの場合、立ち直れないほどの大きなショックを受け、不登校となることがあります。

また、両親のリストラや転職によって子どもへの接し方が変わったり、親が不安な様子を見せたりすると、微妙な変化を感じ取った子どもが知らず知らずのうちにストレスをため込んでいく可能性があります。

親子関係をめぐる問題

親と子の関わり方は、子どもの気持ちに直接的な影響を及ぼしやすいです。

特に中高生を持つ親の場合、思春期の子どもとどう向き合うべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

「心配性で手を出しすぎ」「放っておきすぎ」「なんでも先回りする」といった親の行動は、結果として子どもを縛り付け、不登校へ発展させる可能性があります。

ただし、こういった親の行動が必ずしも不登校を招くというわけではありません。

気にしない子もいますが、子どもの特性や性格によっては、精神的に過度な負担となり得るということを覚えておきましょう。

無関心

親からの積極的な関わりを感じられず、子どもが「親は自分に興味がない」「何もしてくれない」「愛情を与えられていない」と思ってしまう状況です。

ひどい場合は衣食住がおろそかになって、ネグレクトと呼ばれる育児放棄に該当してしまうことも。

褒められることもなければ叱られることもないという状況は、子ども自身が存在価値を感じられなくなる危険性があります。

これまで過ごしてきた自分の家庭に違和感を持っていなくても、友達の親子関係と比べるきっかけがあった際に、親の自分への無関心さに気付くことがあるのです。

自分と友達との大きな違いにショックを受けることも少なくありません。

親の愛情を感じられないと自己肯定感が下がり、何をするにも自分に自信が持てなくなってしまいます。

過干渉

本来、親が関わるべきではないことに対してまで、子どもより先に手出し口出ししてしまうのが「過干渉」です。

日常生活では、次のような行動に心当たりがある方も多いのではないでしょうか。

  • 宿題を親がやる
  • 時間をかければ子どもが自分でできる準備を親が全部やってしまう
  • 子どもの行動を先読みして細かな指示出しをしておく
  • ちょっとした選択肢を親が選んでしまう

親が仕事などで忙しく時間に追われている場合に、行動の遅い子どもに対して先読み行動をし過ぎてしまうということがよく見られます。

中には生活面の域を超えて、子どもの将来や人付き合いにまで干渉する場合もあります。

  • 子どもの進路を親が決める
  • 子どもの友達を親が選ぶ

こういった内容にまで親が関わるのは、行き過ぎた内容です。

よかれと思って子どもの問題に口出ししてしまうと、自立性と協調性がうまく育まれません。

その結果、親への依存が強くなり、日々の生活の中で自発的に行動できない子になってしまうのです。

壁にぶつかったときに子どもが自分の力で解決できるよう、過度に手を差し伸べすぎない姿勢が必要です。

そして、親の助けが必要となった際に適切なアドバイスをしてあげられるようにしましょう。

過保護

過保護は「子どもが望むことをやってあげすぎること」を指します。

過干渉と異なる点は、忙しい親の都合で手を出すのではなく、子どもが可愛すぎてついつい何でもやってあげたくなってしまうということ。

幼少期に親に愛情を求めてくっついてくる、何かをしてほしがる子どもには、拒否せず対応してあげると承認欲求を満たすことができます。

しかし、あまりに甘やかしすぎると自己解決能力が不足し、自分で物事を考え、成功させたときの喜びを味わうことができません。

プライドが高くなる可能性もはらんでいるため、注意が必要です。

手を貸し続ける前にワンクッションおいて、子どもの将来に必要かどうかを考えましょう。

小学生まではよいとしても、中学生・高校生になるとほとんどの場面で自立が求められます。

何でも自分でこなさなくてはならないとき、できずに自信をなくさないよう、自分で頑張る経験を積ませるのも愛情です。

心配性

時間がなくてゆっくり子どもに付き合っていられないので手を出してしまう「過干渉」、子どもが可愛くて必要以上になんでもやってしまう「過保護」。

先に紹介した2つと少し異なる「心配性」は、子どもの行動を心配するあまり、失敗しないように先回りして手を出してしまうことを指します。

少しでも危ないことはさせない、失敗しそうな道は選ばせないなど、親の危険回避によって子どもの失敗経験が格段に減ります。

このタイプは責任感が強く、周りがよく見える親に多い傾向があります。

自立心を育む教育について学ぶことも大事

子どもは自分で問題について考え解決方法を見つけ出す「自己解決能力」を身につけなくてはいけません。

日常生活でも学校でも、壁に当たることは数多くあります。

自ら考えて行動し、時には失敗を経験値として大人になっていくのですが、過干渉や過保護、心配性の「先回り」により、残念ながらこの経験が奪われてしまいます。

そして、新しいことを始める際に「やってみよう!」という興味や好奇心よりも「失敗したらどうしよう」というマイナスな思いが強くなるのです。

何かをする度に子どもの心に芽生える大きな不安や心配は、親の心配性による行動が原因であるといっても過言ではありません。

自立するには、時間をかけて自分自身で考える必要があると親が理解し、手を出したくてもできる限り我慢する姿勢が大切です。

助けが必要になるまでは、一歩引いてそっと見守りましょう。

家庭内の不和

家庭内の不和は、親子以外の関係性も含みます。

例としては、両親の不仲、兄弟の不仲、両親と祖父母の不仲などが挙げられます。

自分が当事者でないとしても、仲の悪い関係性を目の当たりにするのは気持ちのいいものではありません。

家庭内不和により、子どもにとって安心できるはずの家庭が居心地の悪い場所となり、学校の疲れを家庭で回復することが難しくなります。

結果として、心身ともに疲れ切って学校にも行けず、自分の部屋でしか過ごせなくなる可能性があるのです。

家庭環境を改善させるには?

家庭環境を改善させるには?

不登校を引き起こしかねない家庭環境を、どのように変えていけばよいのでしょうか。

親が自分を責めても他人のせいにしても、不登校問題の根本的な解決にはなりません。

過去に縛られず、今後どうしていけば子どもが学校生活を楽しめるようになるかを考えていきましょう。

親自身のストレス発散や問題の解決

不登校問題を解決させたいと思いつつ、心に余裕がなくなって、知らず知らずに子どもに当たってしまっていませんか?

子どもが抱えるストレスを解消させるためには、親が心に余裕を持たなくてはなりません。

話を聞き、不安定な子どもをしっかり受け止めるため、まずは親のストレス解消が先決です。

毎日少しでもリラックスできる時間を作る、あるいは友達に話を聞いてもらうなど、親自身がストレスや問題から少しでも解放されるよう、いたわることから始めましょう。

親の心が軽くなると、結果として子どもへの対応にもよい影響を与えます。

子ども中心でなく親自身の人生に目を向ける

親の行動はそのまま子どもの行動となると心得て、自分の言動に行き過ぎた面がないか振り返ってみましょう。

例えば、過干渉になる原因は「子どものため」と思いがちですが、実際は「親の思い通りな子どもに育てるため」である場合が多いです。

不登校に関しても、復学を目指して子どもの行動一つひとつが気になってしまうかもしれません。

しかし、親の焦りや不安は子どもにも伝わってしまいます。

子どもが辛いときは、何でも話せる、落ち着ける、ゆっくり休める環境づくりが必要です。

問い詰めるのではなく聞く姿勢を持ち続け、親に何でも相談できるような関係性を目指しましょう。

親であれば子どものことが気になって当然です。

しかし、親と子の間には適度な距離感が必要であり、心配だからといって常にそばにいては、子どもに罪悪感を持たせてしまうかもしれません。

互いに1人の時間を持つことが事態を好転させる場合があります。

子どもと普段からコミュニケーションが取れている関係性であれば、親が自分の人生を楽しむ姿を通して前向きさを伝えることもできるでしょう。

子ども主体の生き方からの脱却も、不登校回復への一歩となり得ます。

まとめ

家庭環境が原因で不登校となる場合があり、親がその環境を良い方へ変えることで、不登校状態から回復する可能性があります。

ただし、家庭環境だけが原因ということは少なく、いくつもの要因が重なって不登校を引き起こしていることを忘れてはいけません。

  • 子どもに無関心ではないか
  • 過干渉になっていないか
  • 子どもにとって居心地のよい家庭か
  • 相談できる親子関係を築けているか

これらのポイントを意識して、日頃から子どもとコミュニケーションを取るようにしましょう。

子どもを思うあまり、親自身の希望を押しつけることのないよう、適度な距離感を持った親子関係が理想的です。

また、学校選びの際に心理カウンセラーやスクールカウンセラーがいる学校を一つの軸として情報収集することもおススメです。相談できる場所が学校内にあるという安心感が子にとっても親にとっても心のゆとりに繋がる場合もあります。

不登校の原因を取り除くことができれば、復学は手の届くところへやってきます。

家庭内だけで抱え込まず、不登校の支援機関やカウンセラー、スクールカウンセラーを頼りながら、次の一歩を探していきましょう。

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