「学校に行きたくない」
「毎日めんどくさい、だるい」
そんな気持ちを抱えて毎日を過ごしていませんか?
この記事では、学校がめんどくさいと感じる中学生とその親に向け、めんどくさい感情の奥に潜む原因に迫ります。
正しい情報を知った上で自分に合った選択ができるよう、学校に行かないデメリットについても触れています。
これからの学校生活のヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
- 学校に「行きたくない」「めんどくさい」のはごく自然な感情
- 学校に行かないという選択肢もある
- 学校を休むデメリット3つ
- 中学生になって学校に行くのが「めんどくさい」の背景にあるものとは
- 学校に行きたくない中学生に親ができること
- 頑張りすぎる前に休息を
- よくある質問
学校に「行きたくない」「めんどくさい」のはごく自然な感情
学校での人間関係やいじめ、勉強についていけないなど、苦痛を感じて学校に行けない場合は不登校に発展する危険性をはらんでいます。専門機関を交えた早急な対応が必要です。
そうではなく、なんとなく行きたくない、別に学校が嫌いなわけでもない、友達もいるけれどなんだかめんどくさい、という日もあるものです。
朝になると学校に行きたくなくなる、それは珍しいことではなく、誰にでも起こりうる感情だといえます。
そのため、めんどくさいと感じる自分は恥ずかしい、ダメなんだと、落ち込む必要はありません。
自分の気持ちに嘘をつかず、一日一日を過ごしていくようにしましょう。
学校に行かないという選択肢もある
学校に行くのがめんどくさいなら、行かないというのも選択肢のひとつです。
「えっ、行かなくていいの?」と驚いたでしょうか。
登校するのが苦痛で精神を病んでしまったり、体調を崩してしまうくらいであれば、学校から少し離れてみるのも悪くはありません。
ただし、中学校は勉強はもちろん、集団の中で過ごしながらルールを学ぶことができる環境です。
その学びの機会を失う可能性があるということは頭の片隅に入れておきましょう。
学校を休むデメリット3つ
学校を休むと、具体的にどんなデメリットがあるのでしょうか。
代表的なのは次の3つです。
- 勉強に遅れをとる
- 社会性を養えない
- 進学に影響を及ぼす
どれも中学生には大切な要素で、学校以外で補うにはそれなりに時間がかかってしまうものでもあります。
勉強に遅れをとる
中学生は、高校受験あるいはその先の大学受験、就職を視野に入れた将来に向け、学力の基盤を作る時期です。
授業は単元ごとに進むものの、わかるところとわからないところが極端では受験勉強をカバーできるとはいえません。
特に数学や英語などでは、理解を深めるために中学1年生からの小さな積み重ねが重要になってきます。
学校を休みがちになるということは、スピードの速い授業に置いていかれてしまうため、自習や学校外でのフォローが必須といえるでしょう。
社会性を養えない
私たちは、学校に通うことで家族以外の他者との関わりを学んでいます。
多くの人が集まる学校という場所には、自分からは進んで声をかけないような価値観の違う生徒ももちろんいます。
クラスメイトや先生の他、部活動を通して先輩や後輩とも関わりを持たなくてはなりません。
中学卒業後はさらに行動範囲が広がり、多様な人とコミュニケーションをとる必要が出てきます。
相手に合わせた関わり方を通じて、学校では社会性と多様性を養っているのです。
進学に影響を及ぼす
学校に行かないと、出席日数が足りなくなる可能性があります。
仮に何日学校を休んだとしても、中学校では一般的に留年になることはありませんが、高校受験の際に大きなウエイトを占める内申書には大きく関わってきます。
内申書は、出席日数と各教科の成績をまとめた評価書類であり、高校側が学力試験の点数とともに合否の参考にするものです。
特に公立の全日制高校を目指すのであれば、避けて通ることはできません。
年間30日の欠席がひとつのボーダーラインとなっている学校が多く、休みがちな場合は注意が必要です。
中学生になって学校に行くのが「めんどくさい」の背景にあるものとは
子どもが「めんどくさい」と言うと、周囲の大人は「何を言っているんだ!」と怒り出しそうなものですが、実はこの言葉には複雑な意味が含まれていることがあります。
「めんどくさい」に隠された感情についてひとつずつ紐解いていきましょう。
うまく伝えられない
理由があっても素直に話せるとは限りません。
- なぜ学校に行きたくないのかがよくわからない
- 親や先生に言えるような理由ではない
- 人に相談するのは自分のプライドが許さない
- 親に心配をかけたくない
- 誰にも言いたくない
これらの感情が巡り巡って、「めんどくさい」という一言に行き着いているケースがあります。
子どもに対しては理由を話すよう問いただしてしまいがちですが、大人もさまざまな事情で本当のことを話せないということがあるはずです。
話しやすい雰囲気を作りつつ、子どもが言える状態になるまで気長に待つしかありません。
考えることに疲れた
学校に行きたくない、もともとのきっかけが何だったかは人それぞれです。
しかし、昨日今日ではなく何ヶ月もの間悩み抜いた結果、どうにもならずに「めんどくさい」にだどりついた可能性があります。
誰かに相談して解決すればよいのですが、長く悩んでいるということは解決できていない、あるいは誰にも話せていないということが考えられます。
傷つきたくない
傷つくことを恐れるあまり「めんどくさい」と言うのがこのケースです。
意を決して自分の意見を口にしても、同意が得られなかったり馬鹿にされたりしたという経験がありませんか?
その内容が思い切ったものであればあるほど、子ども本人は深く傷ついています。
できれば、二度と同じ思いはしたくないと感じているはずです。
学校に行けない理由に関しても、本当ははっきり伝えたいと考えているかもしれません。
しかし、「話しても理解されないかも」「また馬鹿にされるんじゃ……」という怖さが邪魔をして話すタイミングから逃げている場合があるのです。
心が悲鳴を上げている
精神的につらい、深く傷ついているような状態だと、学校どころか生活自体に気力がなくなってしまうことがあります。
場合によっては、昼間でも起きられなかったり、衣食住をまともにできないような事態も考えられます。
このようなときの「めんどくさい」は、そう答えるので精一杯であると捉えられます。
少しでも心の負担を軽くしてあげられるよう、専門機関に相談するなどして解決策を見出していく必要があります。
怠惰
規則正しい生活、学校の勉強、部活、守るべきルールなどすべてに対して「めんどくさい」と逃げに走るタイプです。
投げやりになっていることが多く、学校を休んでも遊び歩くなど非行につながる傾向がみられます。
学校に行きたくない中学生に親ができること
学校がめんどくさいという子どもに対し、親が避けたいのは無理矢理登校させることです。
ただ怠けて行きたくないと言っているのか、本当につらくて行きたくないと言っているのかは簡単に判断がつきません。
怠け癖だと思って厳しく対応していると、親に心を開いてくれなくなり、長引く不登校に発展してしまう危険性もあります。
常に子どもを心配する親が、冷静にかつ客観的に子どもと向き合うのは簡単ではありませんが、問題の核心を捉えるためにもできるだけ感情的にならずに対応しましょう。
大切なのは次の2つです。
- 子どもの話を聞く
- つらいときは休んでいいと伝える
簡単そうで実は難しいこの親の対応を、いざというときに思い出せるようにしておいてくださいね。
ただ話を聞く
心がけたい対応の1つ目は、子どもの話を聞くことです。
人生の先輩である親にも、学生時代のエピソードがあると思います。学校に行きたくなかった経験のひとつやふたつ、同じようにあるはずです。
しかし、子どもが学校に行きたくないと言っているタイミングでは、親の武勇伝を話すのはNGだと意識してください。
「お母さんが中学生の頃はこうやって乗り越えたよ」という成功者のアドバイスは子どもにとってプレッシャーとしかなりません。
必要なのは、子どもの言葉に共感して肯定する姿勢です。何かをしながら聞き流すくらいの返事でもかまいません。
余計なアドバイスをせずに話を聞いてくれるだけの存在が、子どもの気持ちをスッキリさせることでしょう。
将来について話せる余裕があれば、やってみたいこと・興味のある職業について話してみるのがおすすめです。
「看護師になりたいから、高校では理系に進んで大学進学を目指す」
「一人暮らしがしたいから、東京の大学に行きたい」
「カフェでアルバイトをして、いつかパリに留学したい」
夢は大きくても、どんなものでもかまいません。結果として、目標達成のために学校へ行こうというモチベーションにつながれば理想的です。
つらいときは学校を休んでいいと伝える
対応の2つ目は、登校を無理強いしないことです。どうしてもつらいときは、学校を休んでいいと声をかけてあげましょう。
話しやすい先生やスクールカウンセラーがいるのであれば面談を、保健室登校で様子を見るのもよいかもしれません。
子ども自身も「本当は学校へいかなくてはならない」と頭ではわかっています。
そのうえで、休みたいと口に出すのには葛藤があることでしょう。
親は突き放す存在ではなく、どんなときも子どもの味方でいてあげてください。
親が寄り添ってくれると感じられる子は、その後の困難も乗り越えていけるようになるはずです。
人に会うこと自体が苦痛ではないのであれば、フリースクールに行ってみることを提案するのもよいでしょう。
フリースクールには、いろいろな場所から、学校に行きたくないという同じ思いを持った子どもたちが集まっています。
学校以外に世界を広げ、話の合う友達を作るチャンスです。
さらに、通っている中学校の校長が認めた場合は、フリースクールへの参加を学校の出席と同じ扱いにしてもらえるという連携もあるのです。
一時的に学校に行けなくても前を向ける選択肢が多くあると、子どもを一歩先へ導いてあげましょう。
頑張りすぎる前に休息を
学校に行きたくない、めんどくさい、と思ってしまうのは珍しいことではありません。
しかし、「めんどくさい」の裏側に学校に行けないつらさを抱えているのであれば、心と体に休養が必要なサインです。
もし、誰かにわかってほしいと少しでも感じているのであれば、素直な気持ちを打ち明けてみましょう。
親・先生・友達・スクールカウンセラー、話しやすい誰かでかまいません。
笑われそうな理由でも、些細なことでも、どうにか勇気を出して伝えられれば、きっと前向きに事態は変わります。
勉強の遅れや人との関わりが希薄になるなど、学校を休むデメリットはありますが、数日程度では高校進学に不利になるようなことはないでしょう。
「休むのはいけないことだから、どうにか学校に行かなきゃ」と無理をして精神的に疲れ切ってしまわないよう、適度な声かけが親にも求められます。
子どもが親に「行きたくない」「めんどくさい」と言えるのは、愚痴を言えるだけの信頼関係が築けている証拠です。
たまの休息は、これから不登校にならないためのガス抜き、そして再び学校へ行くためのエネルギー補給だと思って受け入れてあげましょう。
「めんどくさい」と感じながらも、将来に向かって何気ない一日を過ごしていけるよう応援しています。
よくある質問
- 学校に行きたくない、または学校が面倒くさいと感じるのは自然な感情ですか?
-
はい、それは自然な感情です。学校での人間関係やいじめ、勉強についていけないなど、苦痛を感じて学校に行けない場合は不登校に発展する危険性をはらんでいます。しかし、なんとなく行きたくない、別に学校が嫌いなわけでもない、友達もいるけれどなんだか面倒くさい、という日もあるものです。
- 学校に行かないという選択肢はありますか?
-
学校に行くのが面倒くさいなら、行かないというのも選択肢のひとつです。ただし、中学校は、勉強だけでなく集団の中で過ごしながらルールを学ぶことができる環境です。その学びの機会を失う可能性があるということは頭の片隅に入れておきましょう。
- 学校を休むとどのようなデメリットがありますか?
-
学校を休むと、具体的には次の3つのデメリットがあります。
- 勉強に遅れをとる
- 社会性を養えない
- 進学に影響を及ぼす
- 学校に行きたくない中学生に親ができることは何ですか?
-
学校が面倒くさいという子どもに対し、親が避けたいのは無理矢理登校させることです。大切なのは次の2つです。
- 子どもの話を聞く
- つらいときは休んでいいと伝える
- 「面倒くさい」という感情の背後にある可能性のある原因は何ですか?
-
「面倒くさい」という感情の背後には、以下のような原因がある可能性があります。
- うまく伝えられない
- 考えることに疲れた
- 傷つきたくない
- 心が悲鳴を上げている
- 怠惰