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うつ病で学校に行けない高校生の原因と対処法

何かしらの事情で精神的に不安定になり、病気を発症して学校に行けなくなる高校生がいます。原因は人によって違いますが、中にはうつ病を発症し、学校に行けなくなってしまう高校生もいるようです。

心の中では学校に行かないといけないと葛藤する高校生もいるでしょう。そんな子どもの状況を見て、どのように関わったらいいかわからないという親御さんもいると思います。特に親御さんは、学校に行けない焦りとうつ病になってしまったという事実に落ち込んでいる我が子にどう声をかければいいかわからないというケースも少なくないかもしれません。

今回は、高校生がうつ病になってしまう原因と学校に行けなくなった場合に起こりうること、親が子どもに対してできる対処法について解説します。うつ病以外の理由で学校に行けない高校生を抱える親も、ぜひこの記事を参考にして接し方や関わり方を考えてみてください。

うつ病で学校に行けない高校生の原因と対処法

目次

高校生が不登校になる割合

文部科学省が2020年に実施した「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」では、不登校になる高校生の割合が1.57%となっています。単純計算ですが、60人に1人は不登校になっていることを示しており、決して少ない数字とは言えないのが現状です。

中学生の不登校が3.9%という数字であるため、一見すると不登校の数は減っているように見えます。しかしこの調査では、以下の条件の生徒が不登校として扱われていません。

  • 年間欠席が29日以下
  • 発達障害などの特性を持っている
  • すでに中退している

これらの条件も全て総合すると、実際の不登校の生徒数は多くなるのではないかと言われています。また、そもそも高校は義務教育ではないため、進学する・しないは個人の自由です。厳密には高校生ではないものの、同じ年代で不登校になる要因を持っている生徒はもっと多いのではないかと憶測できます。

中程度以上のうつ病と診断される割合は30%程度というデータも

国立成育医療研究センターが発表した「コロナ×こどもアンケート」第4回調査報告書では、高校生の約30%が中等度以上のうつ症状を持っていることが明らかになりました。

引用:国立生育医療研究センター「コロナ×こどもアンケート第4回調査報告書」

調査結果はあくまでもアンケートの結果で判断されているものですが、可能性がある生徒の割合が調査対象のカテゴリの中でもっとも高い数字となっています。アンケートの調査を行ったタイミングが新型コロナウイルスの感染流行第3波の真っ只中であったことも加味しなければなりませんが、うつ病の症状を抱えている子どもが一定数いる現状が浮き彫りになりました。

この結果と文部科学省の調査報告書の結果に直接の関連性はないものの、少なくともうつ病を理由に学校に行けない高校生がいる可能性は高いと考えられます。

適応障害や自律神経失調症が原因の可能性も

不登校になる高校生の中には、適応障害や自律神経失調症が原因となっている場合もあります。

適応障害とは、自分の周囲の環境に適応できずにストレスがたまり、心身に悪影響を及ぼし日常生活に支障をきたす状態です。自律神経失調症も、ストレスを原因として心身に何かしらの不調が出てきている状態を指します。

うつ病ではないものの、精神的・肉体的に不調を抱えて学校に行けなくなる高校生は少なくありません。自分がうつ病なのか、それ以外の病気なのかを判断するためには、医師の診断を受ける必要があります。気になるようであれば、心療内科や精神科に相談し診察を受けるようにしましょう。

いずれにしても、心理的な要因で学校に行けなくなるというのは珍しいケースではないようです。悩んでいるのであれば、自己判断をせず、病院を受診するようにしてください。診断書などをもらうことで、周囲の理解が得られるようになるかもしれません。

高校生がうつ病になる原因

高校生がうつ病になる原因

高校生がうつ病を発症するのはありえない話ではありません。ではどのような状況でうつ病になってしまうのでしょうか。個人差はありますが、代表的な要因として次の5つが挙げられます。

  • いじめや人間関係
  • 勉強への焦り・ストレス
  • 問題行動や昼夜逆転の生活スタイル
  • 周囲との比較による自己肯定感の低下
  • 将来や進路に対する不安

具体的にどのような状況でうつ病を発症してしまいがちなのでしょうか。詳しく解説します。

いじめや人間関係

うつ病になる・ならないに関わらず、高校生が不登校になってしまう原因の代表的な存在がいじめや人間関係の問題です。政府主導でいじめに対する対策措置が取られていますが、それではカバーしきれていないいじめを受けている生徒たちがいるとも言われています。

また、いじめではなかったとしても、友達や教師との人間関係に悩んだ末にうつ病を発症する高校生もいます。「なんとなく気が合わない」「苦手意識がある」という状態を我慢していると、徐々に学校に足を向けるのが難しいと感じるようになってしまう傾向にあるようです。

いずれも人に起因する問題であるため、解決は一筋縄ではいきません。根本的な解決をしたいのであれば、自身の環境を変える以外に方法はないと考えられるでしょう。

勉強への焦り・ストレス

勉強の進み具合などの関係で、焦りやストレスを感じてうつ病になってしまうケースがあります。「自分は勉強についていけていない」と感じるようになってしまうと、徐々に学校に行きづらくなってしまい、最終的に不登校となってしまうのです。

よく見られるのは進学校で、授業のペースも早いことから、あっという間に成績が下がってしまう可能性があります。中学校では成績が上位だったはずなのに、高校に進学してから成績が下がってしまったという挫折を味わい、ストレスを感じてしまうのです。

特に大人の言うことをよく聞く高校生によく見られる傾向です。「優等生の息切れ」とも呼ばれることがありますが、これが原因でうつ病を発症し高校に行けなくなってしまう生徒がいます。

問題行動や昼夜逆転の生活スタイル

うつ病と言うと、真面目な子が発症しやすいという考えを持たれがちです。しかし、非行や問題行動に走る高校生がうつ病を発症して学校に行けなくなることがあるという事実も忘れてはいけません。

うつ病を発症する原因の中に、生活習慣の問題があります。睡眠時間が短かったり、日光を浴びる時間が少なかったりすると、うつ病を発症しやすいと言われています。問題行動に走る高校生の中には昼夜逆転の生活を送っており、学校に通えなくなってしまう生徒もいるでしょう。

このような生活を続けることで、徐々にうつ病になってしまうと言われています。一方で本心ではよくないと思っているにもかかわらず、仲間はずれや周囲の大人からの叱責を気にしてこの生活を改善できないという状況も見られるようです。

うつ病は真面目な生徒だけがなる病気ではありません。問題行動に走っている高校生でも、十分にうつ病を発症してしまうリスクがあることを覚えておく必要があるでしょう。

周囲との比較による自己肯定感の低下

周囲の友達と勉強や部活動の成績を比較して自己肯定感が低下してしまい、うつ病を発症して学校に行けなくなる高校生がいます。特に勉強に関しては、中学校とは違ってある程度同じレベルの生徒が集まっている状況です。中学校と比較すると、いわゆる落ちこぼれになりやすい環境であり、実際にそうなってしまう生徒もいます。

また、部活動に関しても、高校に入ったことで新たなライバルと出会う機会が増えます。それがプラスに作用することもあれば、反対に作用してしまうこともあるようです。

高校生になって周囲と比較するようになり、自己肯定感が低下してしまうのは珍しい話ではありません。今までの生活圏よりもより広い地域から生徒が集まるため、自分より優れている人に会う機会も多くなります。

「自分は自分」と割り切るのがベストですが、どうしても比較してしまう場合もあるでしょう。過度に落ち込んでしまいそうな時は、仲のいい友人や親御さんなどに相談してみるといいかもしれません。

将来や進路に対する不安

特に高校3年生が抱えがちな不安として、卒業後の進路や将来に対するものがあります。同時に受験も、高校生が不安を抱えてしまいがちな要素のひとつです。

進路は自分の人生を決める、非常に重要なものです。しかし、一方で「この決断が間違っていたらどうしよう」などの不安に駆られることも少なくありません。進学や就職を控えた高校3年生は、特にこの影響を強く受けがちで、最悪の場合うつ病を発症することもあるようです。

もちろん全員が不安を持っているわけではありません。しかし、高校卒業後の自分の人生を決める大事な選択ということを重く考えすぎてしまった結果、学校に足が向かなくなって不登校になってしまうケースがあるのです。

スクールカウンセラーなどに相談しつつ、気負いすぎないことが重要です。親御さんにも不安を伝えることで、寄り添ってもらえるかもしれません。相談を受けた両親は、頭ごなしに否定するのではなく、まずはどんな不安を抱えているのかを知るところから始めましょう。

高校生が学校に行けなくなると起こりうること

高校は義務教育ではないため、学校に行けなくなってしまうと次のようなことが起こるかもしれません。

  • 単位が足りず留年してしまう
  • 志望校に挑戦できなくなる
  • 退学せざるを得なくなってしまう

中学生の時は大きな問題にはならなかったものも、高校生には自身の将来に関わる大きな問題になってしまう可能性があります。それぞれの内容を詳しく見てみましょう。

単位が足りず留年してしまう

高校を卒業するためには、単位が必要です。各学年で必要な単位数が定められており、出席日数やテストの点数などの目標をクリアしなければならないのです。単位制とそれ以外でやや異なる部分はあるものの、どの高校も卒業に必要な単位取得が求められている点に違いはありません。

高校に行けず授業に出席できなかったり、テストを受けられなかったりすると、この単位が取得できないままになってしまいます。結果的に進級に必要な単位が足りず、原級留置、つまり留年をしてしまう可能性があるのです。

志望校に挑戦できなくなる

高校生に限った話ではありませんが、必要な成績基準を満たせないために志望校に挑戦できなくなってしまう可能性があります。高校受験よりも選択肢の多い大学受験では、指定校推薦や公募制推薦などには学校の推薦状が必要です。ここに記載される内容に、出席日数や学校の成績があるため、基準を満たしていなければ志望校に挑戦できなくなってしまうでしょう。

また、学校の授業に追いつけていないため学力が伴っておらず、志望していた大学や専門学校を受験できないというケースもあります。

退学せざるを得なくなってしまう

最悪のパターンとして、退学を余儀なくされるケースがあります。高校によっては明確な基準を設けていない場合があるものの、一部の学校ではある条件に達すると強制的に退学となってしまう場合があります。

自分の状況を俯瞰して、自主退学という選択をとる可能性もあるでしょう。そうなると最終学歴は中学校卒になってしまうため、その後の就職や社会復帰が難しくなる可能性があります。

一概には言えませんが、高校に行けない状態を放置しておくといいことはあまりありません。しかし、学校に行けるようなメンタルではないことも事実です。周囲の人の力を借りつつ、どのように動けばいいか模索するようにしましょう。

学校に行けなくなった高校生に対して親ができること

我が子が学校に行けなくなってしまうと、不安にかられる親も少なくないでしょう。特に症状が軽いうちは、ただ甘えているだけに見えてしまうため、子どもに厳しい言葉をかけがちです。

普段は何事もなく学校に通っていたのに、ある日突然「学校に行きたくない」と申し出るようであれば要注意です。そんな時に親は、子どもに対して何ができるのでしょうか。親ができることと注意点を詳しく解説します。

無理やり学校に行かせようとしない

大前提として、無理やり学校に行かせようとはしないでください。単なる甘えだと捉えて「早く学校に行きなさい」と言ってしまうと、子どもは両親や家でさえも安心して過ごせる環境ではないと捉えてしまうためです。

高校生で、ある程度自立していると考えていても、まだまだ親に甘えたい側面はあるでしょう。本人は学校に行きたいと思っていても、色々な感情が重なって学校に行けないというケースも考えられます。「学校に行きたくない」という申し出があれば、まずは話を聞いてあげることが重要です。

子どもの気持ちを最優先にする

学校に行くかどうかの最終判断は、子どもの気持ち次第です。普段は何の問題もなく学校に行けている子どもが「学校を休みたい」と言い出したら、頭から否定せずにその気持ちを優先させてあげましょう。

もしかすると、学校を休むことに対して罪悪感を持っているものの、どうしてもその日は行きたくない事情があるのかもしれません。しかし、その理由を深堀しようとすると、余計に子どもが塞ぎ込んでしまう可能性があります。

心配で質問したい親の気持ちはわかりますが、無理に理由を問い詰めたりせず、学校に行かないという選択をした子供の気持ちを尊重してあげましょう。子どもが相談したいタイミングで相談しに来るまで待つことも重要です。叱ったり「頑張ってみたら?」と発破をかけたりするのは良くありません。

親の態度や行動を一貫性のあるものにする

親の態度がその日によってバラバラでは、子どもを安心して相談をしたり、頼ったりすることができません。親御さんも人間なので、その日によって気分や考え方が多少変わってくることはあるかもしれませんが、子どもに対しては一貫した態度や考え方を示すようにしましょう。

子どもが親を頼れなくなってしまうと、いよいよ自分の状況を相談できる環境がなくなってしまいます。そうなってしまうと、子どもは親であっても自分の本心を打ち明けられなくなってしまうでしょう。

「学校に行きたくない」と口走る子どもには、安心して生活できる環境が必要です。そこには、安心して相談できる親という存在がいることを忘れてはいけません。高校生は多感な時期なので小さなことで悩んでしまう可能性はあります。しかし、そんなときのために親がどっしりと構えてあげると、子どもも安心感を得ることができるでしょう。

スクールカウンセラーなどの専門家に相談する

親の手だけではどうしようもできない場合、スクールカウンセラーなどの専門家に不登校について相談すると良いでしょう。学校に行けない子どもの中には、自分の親や学校の先生に対して相談ができないと感じている人がいます。

信頼関係の問題もありますが、単純に距離が近すぎる存在にはあまり話したくないという心理が働いている場合もあるのです。この場合はスクールカウンセラーなどの第三者、そして専門家に相談してみるといいでしょう。

スクールカウンセラーは、学校に配置されている場合もあれば、自治体が用意した窓口で相談を受け付けてくれる可能性があります。いずれにしても第三者に相談できる環境が整えられている可能性は高いため、近しい人への相談が難しいようであればスクールカウンセラーを活用することも検討しましょう。

家庭で勉強できる方法を模索する

学校の勉強についていけるか不安になっていく子どももいます。家にいることで安心ができる環境ではあっても、進級や進学に対して不安を抱えていると気持ちが休まらない可能性もあります。

その場合は家庭で勉強できる環境を整えてあげることも重要です。家庭教師や通信教材など、現代には家に居ながらでも学校の勉強をリカバリーできる方法が多くあります。これらの方法を取り入れながら、勉強に対する不安を取り除くことも大切です。

塾に通うという選択肢もありますが、子どもによっては「同級生に会ったらどうしよう」「ズル休みしていると思われるかも」と不安になる場合があります。可能であれば家の中で勉強できる方法を見つけてあげたほうが良いかもしれません。

学校の転入(編入)を検討する

どうしても学校に通えないようであれば、通信制の高校などに転入(編入)させることも検討しましょう。環境が変わるため通学できるようになる可能性もありますし、家に居ながらでも高校の授業を受けられるためです。

通信制高校によって異なりますが、スクーリングの頻度や進学するためのクラスの設置などをしている場合もあります。何よりも環境が変わって、子どもの気持ちが楽になるかもしれません。

ID学園高等学校では、さまざまなコースを用意しています。通学方のクラスもあれば、オンラインで完結するコースもあります。大学進学に特化したクラスも設置しており、自分の体調や将来の夢に対して必要なコース選択ができるのが魅力の一つです。

どうしても今在籍している高校には戻りたくない、高校には行きたいけど環境を変えたいと言う人には、転入や編入も視野に入れて検討してみるといいでしょう。

うつ病で学校に行けなくなったら無理をしない方法を探そう

うつ病と聞くと、この先は暗い将来しか待っていないように聞こえてしまう人もいます。しかし、そんなことはありません。高校生でうつ病になって学校に行けなくなっても、病院の治療で早期に解決できたり、自分なりの方法で解決して未来を切り開くことはできます。

そのためには自分一人で悩むのではなく、周囲の大人、特に親に相談することから始めましょう。親が難しい場合は学校の先生やカウンセラーでも構いません。まずは、あなたが何に対して不安を感じているのかを明確にすることから始めてください。

親御さんは、子どもがうつ病になっても過度に自分たちを責めてはいけません。子どもがどうやったら安心できる場を整えられるか、どうしたら将来に対する不安を取り除けるのかを一緒に考えることが重要です。

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