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高卒での就職は後悔する?「やめとけ」と言われる理由や現実を解説

高卒で就職するか進学するか悩んでいる人は、インターネット検索で「高卒での就職はやめとけ」と書かれている記事を見たことがあるかもしれません。大学全入時代と言われる昨今ですが、なぜ高卒で就職することに対してネガティブな情報が飛び交っているのでしょうか。

今回は高卒で就職する人の割合や男女別の就職率、高卒での就職はやめておけと言われる理由について詳しく解説します。高卒者の需要が高い業界についても触れています。高校卒業後の進路を決めかねている人や、就職を決めている人は是非参考にしてください。

高卒で就職するか進学するか悩んでいる人は、インターネット検索で「高卒での就職はやめとけ」と書かれている記事を見たことがあるかもしれません。大学全入時代と言われる昨今ですが、なぜ高卒で就職することに対してネガティブな情報が飛び交っているのでしょうか。

今回は高卒で就職する人の割合や男女別の就職率、高卒での就職はやめておけと言われる理由について詳しく解説します。高卒者の需要が高い業界についても触れています。高校卒業後の進路を決めかねている人や、就職を決めている人は是非参考にしてください。

目次

高卒で就職するのは全体の約15%程度

高卒で就職する人は、文部科学省が後悔している報道発表資料によると、令和3年度で16.2%という結果になりました。

引用:文部科学省「令和3年度学校基本調査(確定値)報道発表資料

厳密には大学や専門学校に進学しなかった高校を卒業した人が16.2%という数字であり、全員が就職したというわけではありません。しかし大学全入時代と呼ばれる現代でも、全体の約15%は進学を希望していないことが分かります。

中には高校卒業後に自営業やフリーランスとして働く人もいるでしょう。決して多くないとはいえ、高校卒業後は何らかの仕事に就く、あるいは起業すると決めている生徒もいるようです。

ちなみに令和3年度のこの数字は過去最低であり、毎年高卒で就職を希望する生徒が少なくなっていることがわかります。一方で、大学に行くのが当たり前となった昨今でも、就職を希望する高校生が一定数いるという事実も判明しました。

大学・専門学校への進学率は過去最高

一方で大学や専門学校への進学率は、過去最高の数字を叩き出しています。同じ資料では、全体の83.9%は高校卒業後もさらに学び続けていることがわかります。

内訳としては大学や短大への進学率は58.9%、専門学校への進学率は24.0%です。特に大学・短大への進学は過去最高を記録しており、掲載されている昭和60年から毎年伸び続けています。

一方の専門学校は例年20%台で推移しており、傾向としては横ばいです。高校を卒業してすぐに就職するよりも、大学や専門学校で専門知識を身につけたり、資格を取得したりしてから就職するケースが増えていると考えられます。

【男女別】高卒者の就職率

高校卒業する生徒の中で就職を希望する生徒の割合は、全体の約15%前後であることがわかりました。では実際の就職率はどうなのでしょうか。男女それぞれに分けて解説します。

男性

男性の高卒での就職率は、希望者全体を100%とした場合、98.4%に上ることが文部科学省の調べで分かっています。別の統計に大卒での就職率が記載されていますが、こちらは95.0%と高卒者よりも低い数字です。

【高卒での男子の就職率】

引用:文部科学省「令和3年3月高等学校卒業者の就職内定状況調査

【大卒での男子の就職率】

引用:文部科学省「令和2年度大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在)

考えられる原因としては、高卒男子の方が現場で働く人材として工業系や農業系、水産系の業界で就職できているのではないかというものです。第1次産業・第2次産業ともに力仕事がメインであり、若い男性の労働力を求めているためではないかと考えられます。

女性

一方の女子に関しては、高卒は97.1%、大卒は97.2%です。

【高卒での女子の就職率】

引用:文部科学省「令和3年3月高等学校卒業者の就職内定状況調査

【大卒での女子の就職率】

男子ほど大きな差がなく、年度によっては大卒女子の方が就職率が高い場合もあります。男子とは異なり、介護福祉業界をはじめとする第3次産業での求人が男子より多いため、このような結果になったのではないかと考えられます。

もちろん、中には工業系や農業系などの業界に就職した女子もいるでしょう。しかし、高卒女子に求める能力が男子とは異なる点、高卒でも大卒でも女子に求める能力が大きく変わらない点などから、就職率に大きな差が出なかった可能性があります。

男女共に言えることは、就職率だけ見れば高卒の方が高いという点です。ただし、特に男子は高卒者と大卒者に求める仕事の領域が異なるという点が大きな違いとして存在することを覚えておきましょう。

高卒での就職が「やめとけ」「後悔する」と言われる理由

高卒者の就職率が高いということは、世間が就職する難易度で高卒での就職を勧めないというわけではありません。一般的に「やめとけ」「後悔する」と言われる理由は、次の5点が関係していると考えられます。

  • 業界や業種によっては就職できない場合がある
  • 転職する場合の選択肢が少ない
  • 大卒者に比べて出世しにくい
  • 結婚が遅くなる可能性がある
  • 生涯賃金が相対的に低い

それぞれどういうことなのか、具体的な数字を使いながら見ていきましょう。もちろん、大前提として個人差があるという点は覚えておいてください。

業界や業種によっては就職できない場合がある

業界や業種、企業によっては高卒での採用を行っていない場合があります。求人票の応募条件に「大卒以上」と書かれているものには、高卒者は応募ができません。

「学歴差別だ」と感じる人もいるかもしれませんが、大卒以上を企業や業界が求めるにはれっきとした理由があります。応募条件に大卒以上と指定しているものは、大学などの高等教育機関で専門的な勉強を修めた人材にしかできない高度なスキルを要求しているためです。

特に総合職や開発職などは顕著にその傾向が表れており、高校を卒業したレベルの知識では対応できない業務も存在します。業界や業種、それに企業は学歴差別をしているわけではなく、求めているスキル的な問題で高卒者を受け付けていないと理解しておきましょう。

転職する場合の選択肢が少ない

高卒で就職をすると大卒者よりも社会人経験が長くなるため、自ずと転職の機会も増えます。しかし、就職の時と同様に高卒者は転職の際も不利になる場合があります。

理由は同じく、専門性や知識によるものです。ただし、高校卒業したてで就職をした時よりも、転職の方がハードルが下がっている事実も知っておいてください。一部の企業では「実務経験がある場合、学歴不問」としていることもあり、企業によっては希望する職種に転職できる可能性もあるのです。

もしどうしても特定の業界や業種に転職をしたい場合は、実務経験の有無で学歴が問われないという記載があるかを確認しましょう。また、別の方法として一旦別の職種で就職をし、社内異動で希望する職種に移動するのもひとつの方法です。

大卒者に比べて出世しにくい

高卒で就職した人は、大卒組よりも会社で出世しづらいと言われています。また出世だけではなく、昇給の割合も大卒者が平均+6%なのに対し、高卒は+2%という結果が厚生労働省から示されました。

引用:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況

また、学歴だけではなく男女でも昇給の割合に差が出ています。最大の理由として考えられるのは、総合職と一般職の違いです。

総合職はもともと管理職候補として、社内の様々な仕事を経験するような職種と位置づけられています。ところが一般職はひとつの業務をこなす職種とされており、こちらに高卒者が配属されているのです。

これらの採用される職種の関係で、高卒者の方が出世に不利であるという風に言われています。

生涯賃金が相対的に低い

生涯賃金とは、一人が一生かけて働いた場合に得られる賃金の総額のことです。独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した資料によると、高卒と大卒の生涯賃金の差は約6,000万円と言われています。

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計ー労働統計加工指標集ー2021

この統計の中には大学院生も含まれているため、実際の差は6,000万円を下回る可能性も考えられます。あくまでも平均であるため、一概に同じだけの差が生まれるとは言えないものの、生涯賃金に多少なりとも差が生まれる可能性はあるでしょう。

自身のキャリアプランをしっかりと計画し、資格取得や転職、場合によっては起業独立などで収入を増やす努力が必要となります。特に女子は高卒と大卒で比較すると約7,000万円もの差が開いているため、キャリアプランの組み立てが重要となるでしょう。

結婚が遅くなる可能性がある(大卒と比べて)

高卒だから、というわけではありませんが、ここまで紹介してきた「やめとけ」と言われる理由が関係して結婚が遅くなる可能性が考えられます。大卒者と比べて収入が少なく、出世や昇給も難しいとなると、相手はもとより自分自身が結婚を決断できなくなってしまうかもしれません。

大卒者と比較した場合に、学歴別結婚率を比較した場合は以下のようになっています。

結婚率大学卒・大学院卒大学卒・大学院卒
1990年結婚率95.67%97.14%
2000年結婚率88.09%92.39%
※参照:未婚率の増大要因の分析「学生別未婚率」

2000年の調べによると、高卒と大卒とで結婚率を比較した場合、4.3%の開きがあり、大卒者の方が結婚率が高くなっています。

確かに、高卒者と比較して大卒者の方が結婚をする機会に恵まれているともとらえることはできますが、大きな開きはありません。

もちろん個人の考え方や実際の給与額、お相手やそのご両親の考え方によって特に問題なく結婚したり子宝に恵まれたりする場合がほとんどです。

結婚などのライフイベントに関しては、全員が該当するのではなくあくまでも可能性があるということで覚えておいてください。

高卒で就職を選択するメリットもある

大卒者と比較した場合、高卒で就職するデメリットが多いと感じている人もいるでしょう。しかし、高卒で就職を選択したからこそ得られるメリットがある点も忘れてはいけません。

ここでは大卒で就職する人にはない、3つのメリットについて解説します。

大卒よりも早く社会人になれる

ひとつ目は大卒よりも早く社会人になれる点です。大卒で就職する場合は、高卒と比較して短くても4年の時間差が発生します。大学院まで進学すればさらに2年の差が開きます。ここまで時間差が発生すると、高卒で就職した人は仕事の要領も心得ている状態に育っているでしょう。

また、開いた時間差で経済的な自立ができるのも大卒者にはないメリットです。奨学金の返済など経済的な事情で早く就職したいという場合は、高卒で就職するのは有効な手段と言えます。

加えて、就職が早い分、転職の機会が大卒組よりも多いというメリットもあります。生涯賃金は大卒よりも低いとはお伝えしたものの、転職などで上手く立ち回れば、大卒者との差を埋めることも可能です。転職に必要な経験やスキルを早くから積み上げられるため、自身が希望するキャリアに到達できる可能性も高くなります。

大卒者より就職支援を受けやすい

高卒で就職を希望すると、大卒組よりも手厚い就職支援を受けられるのもメリットです。大学でもキャリア教育という名目で、作業試験対策や面接対策を行っている学校はあります。しかし大卒者はそのほとんどが進学ではなく就職を希望するため、母数が多く丁寧な指導を受けにくいというデメリットがあるのです。

それに対して高卒組は、少人数で就職活動のサポートを受けられるため、必然的に就職支援が手厚くなります。高卒で就職した人の方が就職率が高かった理由のひとつともいえるでしょう。

高卒者に対して求人を出している業種や業界が比較的少ないという理由もあります。大卒しかとらない企業にはそれなりの理由がありますが、当然その分の母数も数は少なくなります。大卒には大卒なりのデメリットがあることも忘れてはいけないポイントです。

就職時に手厚い研修が受けられる

就職した際の研修の手厚さにも違いがあると言われています。高卒で就職した場合は特に最初の研修が手厚く、企業側も教育制度を充実させている傾向にあるようです。

高卒で就職をしたばかりの人に、企業側もすぐ仕事ができるとは考えていません。そのため新人研修に力を入れ、少しでも早い段階で活躍してもらえるよう努めています。

ある程度自分で仕事ができるようになれば、自然と自信がついてくることでしょう。働き甲斐を感じたい、早く現場で活躍したいという人は高卒での就職に向いています。高卒のほうが比較的手厚い研修が受けられるのは高卒就職組の特権と言えるでしょう。

高卒者を求めている職業・業界

大卒者向けの求人が増えている一方で、高卒者を探している業界も存在します。それぞれの業者ごとに、なぜ高卒者が必要とされているのかを詳しく解説します。

営業・事務

営業職や事務職は、特別な場合を除いて資格などが必要なく、かつ若い戦力を探している業種でもあります。この2種類は業務内容こそ異なるものの、業界を問わず募集されている場合も珍しくありません。

どちらもコミュニケーション能力が求められる仕事であり、人と関わる仕事をしたい人にはおすすめです。また企業によりますが、営業職や事務職でも資格取得を推進している場合もあります。積極的に活用してキャリアアップすることも可能です。

公務員

公務員と言うと大卒者のイメージがありますが、地方公務員の一部は学歴を問わず受験することができます。民間企業への就職とは違い、試験対策が必須となる反面、安定した収入や充実した福利厚生を受けられるのがメリットです。

またひと口に公務員といっても、事務職だけではなく警察官や消防官になれる道もあります。慣れ親しんだ地元やその近隣の自治体で働ける可能性も高いため、地元に根付いた仕事がしたい、転勤などを伴わず働いて行きたいという人にはおすすめの就職先です。

建設業

建設業界は慢性的に人不足が起きており、高卒者のような若さと体力を持っている人材を求めています。そのため高卒で就職する人材も積極的に採用している状況です。

完全未経験であっても、仕事を通して技術を身につけられるほか、需要が安定しているのも建設業の特徴です。実力が認められれば、きちんと昇格できる社内システムを設けている会社も少なくありません。

力仕事ということもあり、就職してすぐは心身ともに大変な思いをする可能性もあります。一方で若さを武器にできるという点では、非常に魅力的な就職先と言えるでしょう。

製造業

建設業と同様の理由で、製造業も高卒者を求めている傾向にあります。製造業は知識やスキルというよりは経験が重要となってくるため、高卒の若い間から育てる会社も少なくありません。

企業にもよりますが深夜や休日に稼働していることもあり、深夜手当などで基本給よりも高い給料がもらえる可能性もあります。また、場合によっては資格取得を推進している企業もあるため、積極的にスキルアップができるのもおすすめのポイントです。

資格取得後に転職をすることで、さらに上のキャリアに挑戦することも可能になります。ある程度の実務経験や勉強は必要ですが、転職などにも有利に働く場合も珍しくありません。

運輸業

トラックドライバーをイメージする人も多いかもしれませんが、運送業とは飛行機やバスの運転手も含まれる幅広い業界です。全てに共通しているのは人手が不足している点で、比較的就職のハードルは低いといえるでしょう。

運転免許は必要ですが高校卒業前に取得できるため、それほど大きな問題ではありません。仕事に就いてからより大きな車が運転できる免許を取得すれば、さらに活躍の場が広がります。

飛行機に関しては数は少ないものの、高卒で応募できるものもあります。ただしパイロットになるためには、高卒だけの学歴では目指せないため注意が必要です。

福祉介護事業

福祉介護事業は、高卒でも大卒でも給与体系に違いがないと言われている珍しい仕事です。高卒での採用を強めている事業所もあり、人と関わりながら仕事ができる、今後も社会から求められる大切な仕事です。

実務経験を積みながら介護福祉士の受験資格が取得でき、試験に合格すれば基本給とは別に手当が発生します。働きながら資格取得の要件を満たすことができる仕事です。

働き方が変則的で、慣れるまでは大変かもしれません。しかし、利用者やその家族から「ありがとう」と言ってもらえると、モチベーションも高まっていくでしょう。少子高齢社会においてこれからも需要のある仕事です。

販売接客業

特別な資格が必要なく、飲食や小売店でのアルバイトの経験があるのであれば、販売接客業も就職先も候補に入れてみてください。学歴よりもコミュニケーションスキルを重視しており、好きなものを扱う店舗であれば、毎日それに触れながら仕事ができるというメリットもあります。

高卒で就職する場合は正社員採用も珍しくなく、コミュニケーション能力の他にマネジメント能力も身についていくでしょう。将来的には店長やエリアマネージャーなど、昇進昇給の道も用意されている業種です。

IT関連

IT関連と聞くと専門的なスキルや知識が必要そうに感じますが、慢性的な人不足から高卒でも就職できる企業が多く存在しています。エンジニアやプログラマーなどがそれにあたり、入社後の人材教育で専門的な知識を身に付けることができます。

また、IT関連産業は年々需要が増加していることもあり、転職の際も有利です。即戦力として入社できないのがネックではあるものの、長期でキャリアを形成するという意味では非常におすすめ度の高い業界と言えるでしょう。

高卒での就職には大卒にはないメリットがある

高卒での就職に「やめとけ」と言われる理由は、確かに存在します。選択肢が少なかったり、大卒者と比較して生涯賃金に差が生まれたりと、あらゆる面から「やめとけ」と言われることがわかったと思います。

しかし高卒で就職を希望する人に対し、企業や業界が冷たい姿勢を取っているわけではありません。むしろ、高卒の若い人材を求めている企業は多く存在しています。高卒だからと引け目を感じる必要はなく、むしろ高卒であるメリットを最大限に活かしてキャリアアップにつなげましょう。

働き方やキャリアプランにもよりますが、今や高卒でも大卒でも就職と仕事に関しては関係なくなってきたと言われることもあります。大きな原因として転職が一般化したことが挙げられるでしょう。仮に高卒で就職したとしても、転職でのご縁に恵まれれば大卒者以上に充実したキャリアを形成できるかもしれません。

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