「頑張っているのに成果が出ない」「とにかく何もする元気がない」と感じる場面は多々あります。しかしその状態があまりにも長く続くと、徐々に不安を覚えていくことでしょう。やる気が出なかったり、何かをする気力がない、その原因は何なのでしょうか。
今回は、やる気が出ない原因とその対処法を詳しく解説します。気力がない時に考えがちなネガティブな思考についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
やる気が出ない原因は?
少し難しい話になりますが、やる気が出ない原因は人間の脳から分泌される神経伝達物質と呼ばれるものが関係しています。具体的にはアドレナリンやドーパミン、セロトニンといった物質です。これらをまとめて神経伝達物質といい、私たちの気力や感情をコントロールしています。
後ほど詳しく解説しますが、大きなストレスや疲れ、好ましくない環境での生活が続くと神経伝達物質のバランスが乱れてし舞うと言われています。その結果メンタルや体にさまざまな症状となって表面化するのです。
やる気が出ない・気力がないというのもそのひとつ。医学の世界では無気力といい、自律神経の不調によって発生するものだと言われています。これらがひどくなると、うつなどの病気につながるため、早めの対処が必要です。
何もする気力がないのは甘えではない
何もする気力がない、やる気が出ないというのは甘えなのでしょうか?学校に行きたくなかったり、勉強したくなくなったりすることも珍しくありませんが、これを甘えと捉えてしまう人も少なくありません。
結論から言えば、気力がないのは甘えではなく、体から発せられている「休息を取りなさい」というサインです。やる気が出なくなるのは主に疲れが原因であり、その疲れが回復しきっていないために起きる状態です。裏を返せばきちんと疲れを取ってあげれば、やる気がない状態を解消できます。
対処法はさまざまで人によって異なるため、後で解説する対処法の中から自分に合ったものを探してみてください。もちろんひとつではなく、複数のものがあっても構いません。
やる気が出ない・何かをする気力がない主な原因
やる気が出なかったり、何かをする気力がなかったりする原因はさまざまなものがあります。主には何かしらの疲れが原因となることがほとんどで、その原因を突き止めて対処することで改善されるでしょう。
今回は無気力になってしまう原因を6つ解説します。自分の無気力の原因は何なのかを突き止めてみてください。
ストレスや疲れがたまっている
人間関係や周囲からのプレッシャーでストレスを感じると、心に負担が発生します。過度にストレスがたまっていると、周りのことなどに対して無関心になってしまいがちです。これは心を守るための本能的な防御ですが、それと同時に無気力になってしまうと言われています。
また自律神経の乱れにも直結するのが、ストレスや疲れの恐ろしいところです。自律神経が乱れてしまうと、無気力なだけではなく精神が不安定になることもあります。
あまり激しくストレスがかかり続けてしまうと、心の病を発症してしまう可能性もあります。しっかりと休養をとって、心にたまったストレスを少しでも解消することが大切です。
睡眠不足や身体的な疲れがたまっている
心のストレスだけではなく、睡眠不足や肉体的な疲労といった体のストレスも無気力になってしまう原因のひとつです。朝から夕方まで部活動に明け暮れていたり、学校行事で土曜日や日曜日も登校したりするのは素晴らしいことですが、休む時間が取れていないと無気力になってしまうかもしれません。
熱中していたり集中していたりする時には疲労を感じないため、たいして大きな問題と捉えていない人が多いのも特徴です。自分が気が付かないうちに限界を超えてしまうことも珍しくなく、結果心の病に繋がってしまう可能性も否定できません。
何かに熱中することはとても良いことです。しかし一方で自分の体が発している「疲れている」サインに目を向けることも忘れないようにしてください。
目的を見失った・思った通りに行かない
「何のために頑張っているのか」「頑張っているのに思った通りにいかない」など、何かの拍子に頑張る目的を見失って無気力になっている可能性もあります。
これは小さな不満や我慢、努力に見合った成果を得られなかったことが積み重なった結果、無気力となって表面化するパターンです。学校で言えば部活動やテストで思った通りの結果が得られなかった時に起こりやすいといえるでしょう。
「自分なんかダメだ」とネガティブ思考になる前に、どんな不満や我慢をしてきたのかを冷静に分析することが重要です。原因が分からなければ、満足いく対処も出来なくなってしまいます。
環境や生活リズムが変わった
進学やそれに伴う引っ越しで環境の変化が起きたという人も、やる気が出なくなることがあります。仲の良かった友達と離れたり、慣れ親しんだ環境が一変したりしたストレスで起こるものです。
また生活リズムが変わったことで睡眠時間や食生活が不規則になり、疲れが蓄積されていくことで無気力になってしまうことも珍しくありません。
100%起きるわけではありませんが、環境や生活リズムの変化はそれだけ体に大きな負担を与えます。メンタル・フィジカルともに心当たりがない場合は、環境や生活リズムは変わっていないかを確認しましょう。
優先順位が付けられない
宿題や取り組むことが非常に多く、優先順位がつけられない状態が続くと無気力になってしまうと言われています。問題のひとつひとつが小さなものでも大きく捉えてしまったり、解決方法を見失ってしまったりすると、徐々にやる気がなくなってしまうでしょう。
リーダーシップをとって、さまざまなことにトライしようとする人は特に注意が必要です。最初は「よし頑張るぞ!」と思っていても、時間が経って冷静になるにつれてどうしていいか分からなくなるのはよくある話です。
このパターンの場合は「自分で解決しなければいけない」と思い込みがちですが、決してそんなことはありません。周囲の力を借りて解決するようにすれば、無気力になる可能性も低くなるでしょう。
燃え尽き症候群になっている
燃え尽き症候群とは、何かの目的を達成するために集中してひとつのことに取り組み、その目的を達成したりイベントが過ぎたりすると急激に無気力になる状態のことです。病気のような名前がついていますが病気ではなく、ひとつの状態を表す言葉です。
対象の物事に一生懸命取り組んできたからこそ起きる状態であり、それに一区切りついて体の力が抜けてしまっています。長く張り詰めていた緊張感から解放されることから、一気に無気力になってしまうのです。
この場合は何よりも休息が大事になります。燃え尽き症候群を解消しないまま新しいことに取り組んでも、きっと身が入らないことでしょう。しっかりと休息を取りつつ、新しい目標を探すようにすると良いかもしれません。
やる気が出ないと感じた時の対処法
やる気が出ないと感じた時には、次に紹介する方法を試してみてください。どの方法が最も効果があるかは個人差があるので、いろいろ試してみて自分に合ったものを見つけるといいでしょう。
とにかく休む
最もシンプルで効果的な方法が、とにかく休むことです。1日に何も考えずに休息を取ると、ある程度気力が戻ってくるでしょう。学校に行きたくなければ、1日休んでしまうのもひとつの方法です。
1日の休息だけで気力が戻ってこなかった場合は、しっかりと休むために長い休みを取るのも良いでしょう。平日に学校を休んでいると罪悪感を感じる人もいるかもしれませんが、心の病になってからでは手遅れです。
自分の体が悲鳴をあげていると感じたら、無理をせずじっくりと休むことがとても大切です。
ストレスの原因を取り除く
ストレスの原因がはっきりしており、かつ取り除けるものなのであれば、それを取り除いてしまうのも効果的です。自分の無力の原因をはっきりさせなければ対処できませんが、原因さえはっきりすればそのストレスを取り除けるかどうか、どうやったら取り除けるかがはっきりするでしょう。
自分ひとりでストレスの原因が見つからない場合は、家族や友人の力を借りてください。相談をすることで自分ではストレスだと感じていなかったものが、実は無気力の原因だったと気がつくことができるかもしれません。
生活習慣を整える
環境の変化があった場合は、生活習慣を整える努力をしましょう。特に高校に進学したてであったり、部活動が始まったばかりで慣れるのに苦労していたりする場合は、1日のスケジュールを見直すといいかもしれません。
またそのスケジュールの中に、食事の時間や寝る時間など、基本的なことを入れ込むのも効果的です。当たり前のことでもスケジュールの中に入れ込んでしまえば、自然と生活習慣が整っていくでしょう。新しい環境に慣れるまではこの方法を採用するのもひとつの方法です。
軽い運動をする
軽く体を動かしたりすると良い気分転換になり、気力がない状態を脱することができるかもしれません。激しい運動をする必要はなく、ストレッチや20分程度の散歩など、本当に軽いものでも効果を発揮することがあります。
趣味でスポーツをやっている人は、それに打ち込むのもいいでしょう。好きなことをしているとセロトニンが分泌され、心と体を安定させてくれます。
人と会う・会話する
もし運動が苦手なのであれば、短時間でも人と会ったり会話をしたりすると良い気分転換になります。こちらも運動と同様、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを増やすのに有効です。
逆にひとりで悩んでいると悪循環に陥ることも珍しくありません。気のあう友達と話をしたり遊びに行ったりすると、気力回復につながるでしょう。
まとめ
やる気が出なかったり、何かに対して気力がない状態になるのは決して珍しいことではありません。しかしそれが慢性的に続くようであれば、明らかに体が危険な信号を発している証拠です。放置していると心の病になる可能性もあるため、無視をせず向き合うようにしてください。
今回の記事で紹介した内容は、皆さんの心と身体の健康を守るためにとても大切なことです。頑張ることは素晴らしいことですが、体が休むようサインを出しているのであればそれに従うことも大切なことだと理解するようにしましょう。