高校に入学したと思ったら、あっという間に進路を考える時期がやってきます。
「将来の夢も、やりたいこともない」
「何を基準に進路を決めたらいいんだろう?」
答えが出ずに悶々としてる方も多いのではないでしょうか。
高校進学を決めるときとは打って変わり、高校卒業後の進路は将来に直結する局面です。
明確な目標がない生徒が悩むのも無理はないでしょう。
夢に向かって真っ直ぐに進む同級生を見ると焦りを感じるかもしれませんが、今やりたいことがなくても悲観する必要はありません。
今回は、将来の夢がない高校生でも自信をもって進学できるよう、やりたいことの見つけ方、そして大学の選び方について解説します。
目次
- やりたいことを見つけるためのポイント
- 「やりたくない」が大きなきっかけとなることもある
- 将来の夢がないなら大学進学がおすすめ
- 5つの悩みを解決!自分に合った大学の選び方
- 将来の夢がないならこれから作ればいい!焦らず自分と向き合おう
やりたいことを見つけるためのポイント
誰しも子どもの頃には「アイドルになりたい」「野球選手になりたい」「宇宙に行ってみたい」など、将来の夢を持っていたはずです。
年を重ねる度に、夢や目標も変わっていったかもしれません。
ただし、高校生での進路選択時まで何らかの夢を持ち、その実現のために進路を決められるかというと、多くの生徒は立ち止まり、迷ってしまうのではないでしょうか。
やりたいこととは、必ずしも職業であるとは限りません。
どんな暮らしがしたいか、どこにいたいか、どのような人間でありたいかといった生き方自体を掲げるのも立派な夢です。
やりたいことを見つけるために、まずは自分自身と向き合ってみましょう。
興味のあることを洗い出す
将来の職業を思い浮かべるとき、多くの方は「好きなことを仕事にしたい」と考えるでしょう。
これから、長ければ一生をかけて付き合っていく仕事です。
自分の好きな分野に携わることができれば、モチベーションも充実度も高まります。
そのためには、まずは興味のあることを洗い出してみましょう。
紙とペンを用意して、好きなこと・興味のあることからどんどん派生していく事柄を書いていきます。
文字にしてみると、いつもより客観的に自分と向き合えます。
仕事にまったくつながらないような内容でもかまいません。
今現在だけでなく、幼少期に好きだったことなども挙げられるだけ挙げてみましょう。
「あなたはこれが好きだよね」「あれが得意だよね」と家族や友達に過去に言われた経験も、自分で気付けなかった部分を知れる大きなヒントとなります。
職業を知る
興味があること・好きなことをリストアップしたら、次は関連した業界や職業を考えていきます。
例えば、野球が好きな場合は「プロの選手になる」ということだけに目が行きがちですが、実は野球を取り巻く仕事はたくさんあるのです。
- プロ選手
- 指導者
- スポーツトレーナー
- 栄養士
- 通訳
- スポーツショップ店員
- 球団スタッフ
- 野球メディア関連(テレビ・雑誌・web)
- カメラマン
- 記者
- 球場スタッフ など
好きなこと1つを例にとっても、さまざまな角度から関われる仕事があるとわかります。
大人になってから「こんな職業もあったのか」と知っても、資格や年齢の関係で既に目指せない場合があるため、できるだけ多くの選択肢をこの時期に見つけておくのがよいでしょう。
趣味を仕事とするのかどうかを選択
趣味は子どもから大人まで持っており、勉強や部活、習い事などに追われる高校生にとっても非常に大切なものだと思います。
好きなことに没頭する時間は自分らしくいられて、誰にも邪魔されない落ち着くひとときではないでしょうか。
そんな趣味を仕事にできたら、いつまでも夢中になって働くことができるでしょう。
そう感じる一方で、仕事で行き詰まった際に逃げられる息抜きがなくなってしまうという懸念もあります。
仕事となると、何でも楽しく自分のやりたいようにやるわけにはいきません。
時に理不尽で、悩み、好きなことすら嫌いになりそうになることもあるでしょう。
趣味を仕事にする場合は、楽しいだけではやっていけないという覚悟が必要になります。
趣味は趣味として仕事とは分けるのか、あるいは趣味を仕事として徹底的に取り組むのか、自分にはどちらが向いているかを一度考えてみましょう。
自分の長所と短所を把握する
誰にでも長所と短所はあります。
自分の長所と短所を知っておくと、仕事においても活躍の場を広げられる可能性があるのです。
例えば、「人前で話すのが得意」だとしましょう。
そこから連想されるのは司会者やアナウンサーという言葉を操る職業かもしれません。
では一歩踏み込んで、「なぜ人前で話すのが得意なのか」まで考えてみるとどうでしょうか。
- 自分に自信があるから
- よく通る声質だから
- 臨機応変にその場で話す内容を決められるから
- その場をうまくまとめられるから
- 文章を短時間で暗記できるから
- 緊張しないタイプだから
- 人と接するのが好きだから
- 人に注目されるのが好きだから
人前で話すという特技の中に、多くの特性が隠されているとわかります。
「人と接するのが好き」「臨機応変に対応できる」「その場をまとめてリーダーシップを取れる」といった面は、先に挙げた司会者やアナウンサーといった職業以外にも幅広く役立つものです。
自分の長所を洗い出していくと、意外な職業にまでたどり着けることがあり、それが天職かもしれないのです。
また、短所も考え方を変えれば長所となり得ます。
「優柔不断である」という短所は「直感で動かずに慎重に物事を考えられる」、「マイペースである」は「どんなときも落ち着いて対応できる」と捉えることが可能です。
自分のできなさを嘆いてしまいそうなときは、見方を少し変えて長所に置き換えてみてください。
「やりたくない」が大きなきっかけとなることもある
将来の夢は、職業である必要はありません。
「海外で暮らしたい」「家で仕事がしたい」「毎日海に行けるところに住みたい」など、理想の暮らし方や生き方でもよいでしょう。
もし、夢や自分のやりたいことが浮かばない場合は、「やりたくない」ことについて考えてみます。
「単純作業の継続が苦手」「人前に出るのはひどく緊張する」「数字に弱い」など、苦手なことや絶対に避けたいということならば比較的すぐに浮かんでくるのではないでしょうか。
自分にとっての「やりたくないこと」を把握しておけば、おのずと向いている仕事ややってみたい仕事が導き出せるはずです。
将来の夢がないなら大学進学がおすすめ
「やりたいことがないのに、大学に行ってもいいの?」と思われるかもしれませんが、専門分野でなければ、多くの生徒が学歴や就職のために大学進学を決めているというのが一般的です。
大学進学には、いくつかのメリットがあります。
まずは「大卒」という学歴は就職時に大きな力を発揮するということ。
高卒に比べて幅広い業種・職種への応募が可能になり、職業選択の幅が広がります。
大卒でなければ受けられない企業もありますし、高卒と大卒とでは初任給や出世の面でも差がつけられている場合が多いのです。
学歴社会は古いと言われているものの、まだまだ大卒が強いことに変わりはありません。
「先のことはわからないけれど、とりあえず大学にいこう」
この考えは間違っていません。
大学4年間での勉強と出会いを通じて、興味のあることを少しずつ増やしていけばよいでしょう。
5つの悩みを解決!自分に合った大学の選び方
大学は学校ごとに特色があり、将来の夢ややりたいことがない場合、どう決めたらいいか迷ってしまうものです。
ここからは、具体的に次の5つの悩みに沿って、やりたいことがなくても自分に合った大学選びをするためのポイントをお話しします。
- やりたいことがなくて将来が見えない
- 大学?短大?専門学校?進学先に悩む
- 大学選びのポイントがわからない
- 学部・学科を決められない
- 進学先について親と意見がぶつかる
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
やりたいことがなくて将来が見えない
さまざまなことに興味がある、大学に行く意味を見出せないという方もいるでしょう。
将来の目標は今日明日で決定できるものではありませんし、数年後に変わるかもしれません。
後から目標が変わったとしても学んだことは無駄にはならないと信じ、大学選びは現状の興味で考えていくのがおすすめです。
まずは、自分の最も興味があることと大学で学べる分野・系統とを結びつけます。
漠然とした興味から、それについて学べる学部・学科の把握、関連する仕事、必要なスキルまで導き出せると大きく世界が広がります。
大学?短大?専門学校?進学先に悩む
どんな分野について学びたいかが決まっても、国公立大学・私立大学・短大・専門学校では学校のシステムも学び方も大きく変わってきます。
通う年数も違うため、もちろん費用面でも差が出てきてしまいます。
気になる職業がある場合は、大学で専門的な勉強や資格取得ができなくては意味がありません。
それが可能な進学先を選ぶことが大切です。
大学へ入ることに力を注ぎがちですが、学校は入学して終わりではありません。
卒業後の進路まで考えて、自分にとって選択肢の多い学校を選ぶとよいでしょう。
大学選びのポイントがわからない
大学へ進学する!と意気込んでみたものの、肝心な学校選びで悩んでいるという生徒も多いでしょう。
大学選びで意識したいポイントは次の通りです。
- 自分が学びたい(興味がある)分野か
- 自分の成績に見合った偏差値か
- 大学の雰囲気が合うか
- 就職状況はどうか、就職サポート体制が整っているか
- 無理なく通い続けられる環境か
パンフレットやホームページでは魅力的に感じる学校でも、「思っていたのと違う」と入学後に感じる場合があります。
大学選びに迷った際は、ぜひオープンキャンパスに参加してみてください。
大学の雰囲気や、先生・学生の様子などは実際に体感するのが一番です。
オープンキャンパス時に個別相談をおこなっている学校もあるので、気になる疑問はこの機会に解決させましょう。
学部・学科を決められない
学部・学科選びの基本は、自分が興味のあるものにすることです。
得意、好き、以前から勉強を続けている、就職に生かしたいなどの思いがなければ、勉強のモチベーションを維持するのは大変です。
では、興味がある職業、あるいは自分が進みたい分野はわかったものの、学部・学科を決めかねている場合はどうしたらいいのでしょうか。
医療系を目指す場合などは、高校生の時点から理系に進んでおかないと受験科目の勉強が網羅できないことがあります。
大学選びの際は、雰囲気や校風だけでなく気になる学部・学科の授業内容もできる限り調べましょう。
同じ名前の学科や授業名でも、学校によって授業内容が異なります。
演習を多くやりたいのに講義ばかり、英会話をやりたいのに実践が少ないなど、想像と違うというケースがあり得ます。
体験授業を受けられる大学であれば、参加することで入学後のイメージがつかめます。
「こんなはずじゃなかった」というギャップを減らせるでしょう。
進学先について親と意見がぶつかる
進学について、親と意見が合わないという家庭は少なくありません。
人生の先輩であり、我が子のことを心配する親の意見に耳を傾けるのはよいですが、最終決定は自分の意思でするのが大切です。
「親に言われたから決めた」という進路では、後々自分の首を絞める結果となりかねません。
いくら就職率がよくても、家から通いやすくても、興味のある分野でなければ勉強を続けるのは苦痛です。
せっかく大学に入学できたのに、休学や退学になってしまっては意味がありません。
大学なのか短大なのか、国公立大学なのか私立大学なのかでもかかる費用が変わります。
学びたい分野や取りたい資格、気になる授業などやここだけは譲れない、というポイントを先に自分なりにまとめることが大切です。
熱意を持って自分の意思を伝えながら、親との話し合いを進めていきましょう。
将来の夢がないならこれから作ればいい!焦らず自分と向き合おう
周りの友達が明確な夢を持っていると、ついつい焦ってしまうものです。
しかし、高校生の時点でやりたいことがなくても焦る必要はありません。
興味のあることにはどんどんトライして、じっくりやりたいことを見つけていきましょう。
「これはこうだから」と安易に決めつけず、好きなものから職業の選択肢を増やしていくと新たな発見があります。
「スポーツが好きだけど、選手以外の仕事ってどんなものがあるの?」
「海外で仕事がしたいと思っているけど、どんな仕事があって、そのためには何の勉強が必要?」
きっかけは1つの好きなことでかまいません。
幅広い職業の存在を知らずに損をしてしまわないよう、まずは知ることに貪欲になりましょう。
現在では大卒が一般的となり、就職の際にも高卒より好条件の求人を見つけられます。
今後の人生を考えると、大学進学が自分の可能性を広げてくれるのは間違いないでしょう。
明確な夢がなくても、可能であれば大学へ進学しておくことをおすすめします。
ただし、大学に合格することがゴールではありません。
そこからの4年間で得た知識・出会い・興味を夢へと繋げられるよう有意義に過ごしていきましょう。
ID学園高等学校では、探究活動やNewsPicksを活用したNIE(News in Education)、またSDGs実現に向けて実際に活動されている外部の方をお招きした特別授業などを通じて、生徒の視野を広げ好奇心を増やすきっかけを提供しています。様々な分野で働く方の講演や、世界のニュースにふれることで、興味範囲を広げ、より幅広い視点から自身の進路を検討することができます。また授業で学んだ知識や活動経験を総合型選抜入試(旧AO入試)に活用し、大学進学を目指すことも可能です。