「高校が楽しくないから辞めてしまいたい」
「今の学校はつらいから、他の学校を選べばよかった……」
入学した時には高校生活が楽しみで仕方なかったのに、いつの間にか学校がつらくなって転校(転学)したいと悩んでいませんか?
しかし、転校したいと思っても、具体的にどうすればよいのかわからずに不安に思うこともあるでしょう。
高校の転校は、義務教育である小学校や中学校の転校と同じなのでしょうか。
今回は、高校での転校における条件や手続きについて詳しくご紹介します。
転校するなら全日制と通信制のどちらがよいかという点にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 高校の転校って?知っておくべき基礎知識
- 転校のメリット
- 全日制高校に転校するための条件
- 【全日制・通信制】転校までの流れをチェック
- 高校を転校したいなら通信制高校がおすすめ
- 転校のタイミングによって卒業時期が変わる
- 高校を転校したいなら早めの準備が肝心!
- ID学園高等学校では転入は毎月OK
高校の転校って?知っておくべき基礎知識
まず、「今の学校に通うのが精神的につらいから転校したい」というのは、咎められることでも恥ずべきことでもありません。
無理して学校に通い続けては、もっと精神的に追い詰められてしまったり、長期的な不登校となってしまったりする可能性が高くなります。
合わないから離れるのは有効な選択肢のひとつです。
転校にまつわる基礎知識として、学校を移るには「転入」と「編入」という2つの方法があります。
よく似た言葉ですが意味は大きく異なるため、正しく覚えておきましょう。
転入とは
転入とは、高校在籍中の生徒が別の学校に移ることを指し、転校とも言います。
高校生活を辞めることなく学校を変えるだけなため、在籍日数の引き継ぎができ、スムーズに次の学校生活を始められ、前籍校の同級生と同じタイミングでの卒業を目指すことが可能です。
編入とは
編入とは、高校を中退した生徒などが、これまでに獲得してきた単位や在籍日数を活かして高校に入り直すことを指します。
前籍校で修得した単位をある程度新しい高校へ引き継ぐことが可能です。但し、年度の途中で退学している場合はその年の単位が修得できていないため、1年次の途中で退学している場合は、編入扱いではなく再入学となる可能性があります。
また、転入に比べて編入は入学時期が指定されている場合が多いです。(ID学園での編入は4月です)
退学してから手続きを行い、決められた編入時期に新しい学校へ入ることとなるため、どこにも属さない空白の期間ができてしまいます。
卒業時期に影響が少なく済むよう、編入可能時期と手続き期間など、事前にスケジュールを逆算しておきましょう。
転校のメリット
高校にはさまざまな個性を持つ生徒たちが集まっており、中には自分とそりの合わない人もいるでしょう。
勉強が急に難しくなってついていけないことに多大なストレスを感じたり、部活動での上下関係に疲弊してしまったりというケースも少なくありません。
または、「もっと違うことを学びたい」など前向きな理由で転校を意識する場合も考えられます。
理由がはっきりしているならば、転校によってより充実した学校生活を送れる可能性があります。
見たもの、感じたもの、友達と一緒に過ごした時間など一つひとつが、将来の夢や目標にもつながるかもしれません。
高校生活は人生のほんの数年間ですが、過ごし方によってはとても濃厚な期間となり得ます。
学校がつらいという問題を自分で解決できない場合、卒業のために無理に現状を維持し続けることが良いとは限りません。
転校が逃げだと悲観的に捉えずに、選択肢のひとつとして意識していきましょう。
全日制高校に転校するための条件
全日制高校への転校は簡単ではありません。
高校は義務教育ではないため、転校の際には基本的に次の3つの条件を満たさなくては転校できないのです。
- 転校先に欠員があるか
- 転居などの事情があるか
- 転入試験に合格しているか
地域の違いや、学校が公立か私立かなどによっても条件が異なるものの、最低限この3つの条件に関しては共通とされていることが多いです。
1つずつ見ていきましょう。
転校先に欠員があるか
最初の条件は「転校先に欠員があるか」です。
全日制の場合、転校を希望する高校に欠員がないと転入することができません。
そのため、自分が行きたい高校を選ぶというより、自分を受け入れてくれる高校を見つけると考えた方がよいでしょう。
転居などの事情があるか
2つめは「転居などの事情があるか」です。
公立の全日制だと、県外から転居してきた・海外から帰国した・いじめや不登校といった理由がない限り、転校は受け入れられません。
細かな条件については、転入先の教育委員会や都道府県私学協会に問い合わせることをおすすめします。
転入試験に合格しているか
最後の条件は「転入試験に合格しているか」です。
欠員の高校を見つけられても書類を揃えるだけでは入学できません。
転校先の試験に合格する必要があります。
転入試験では国語・英語・数学などの学力試験がおこなわれ、学校によっては面接や作文がプラスされることもあります。
試験の難易度は学校の偏差値に見合ったものとされており、自分の学力よりもレベルの高い学校へ転入したい場合は試験勉強にも力を入れましょう。
【全日制・通信制】転校までの流れをチェック
「転校したい!」と思ってすぐに実行できるわけではありません。
在籍する学校と転校先の学校、それぞれとの書類のやりとりなどなにかと時間がかかるものです。
少しでもスムーズに進められるよう、ここでは、転校のために必要な準備と転校までの流れを確認していきましょう。
転校までの5ステップ
転校の手続きは全日制と通信制で異なります。
転校手続き | 全日制高校の場合 | 通信制高校の場合 |
ステップ1 | 転校したい全日制高校を決める ★欠員があるか | 転校したい通信制高校を決める |
ステップ2 | 在籍校に転校の意思表示 ★認められる理由か | 在籍校に転校の意思表示 |
ステップ3 | 書類の用意 | 書類の用意 |
ステップ4 | 転入試験を受ける ★試験に合格できるか | 転入先で書類審査と面接 |
ステップ5 | 入学手続き | 入学手続き |
行きたい高校を選んで必要書類を用意し、試験を受けて転入へ、という流れは全日制も通信制も同じように見えます。
しかし、その難易度は同じではありません。
前述した通り、全日制高校の場合は転校に条件が設けられているため、希望する高校に転校するには越えるべきハードルが高いのです。
一方の通信制高校は、転入時期に制限を設けず、全国の生徒を受け入れている学校が多いため生徒自身が希望する高校へ入りやすいといえます。
通信制でも転入試験は用意されているものの、ふるい落とすためではなく、どの程度の学力か学校側が知るための判断材料と捉えておきましょう。学力に不安がある人は学科試験がない学校を探すのがおすすめです。
書類や手続き時期も確認を
転校の手続きで大切なのが書類関係です。
在籍している高校に用意してもらう書類と、自分で用意すべき書類とがあるため、事前にすべて把握してスケジュールの逆算が必要となります。
必要書類 | 全日制高校の場合 | 通信制高校の場合 |
現在在籍する学校が発行 | ・在籍証明書(在学証明書) ・成績証明書(単位修得証明書) ・校長の転学照会書 ・転校の事情が分かる書類 | ・在籍証明書(在学証明書) ・成績証明書(単位修得証明書) ・校長の転学照会書 |
自分で用意 | ・入学願書 ・住民票などの証明書 ・保護者の同意書 | ・転入学願書 ・証明写真 ・入学検定料 ・作文(動機など決められたテーマ) |
特に学校に発行してもらう書類は、1週間以上の日数を要する場合が多いです。
早めに準備に取りかかるようにしましょう。
高校を転校したいなら通信制高校がおすすめ
転校してやり直したい、後悔したくない、そう考えるなら通信制高校がおすすめです。
学校によって通学日数も授業内容も行事も大きく異なる通信制は、特色も多彩な分「自分に合った学校」を見つけやすくなっています。
通信制がおすすめな次の4つのポイントについてご紹介します。
- 自分のペースで卒業が目指せる
- 全日制にない専門的な授業が受けられる
- 好きなこととの両立が可能
- 自分以外にも転入生がいるから周りからのプレッシャーを感じにくい
自分のペースで卒業が目指せる
通信制高校は通学日数が学校やコースによって異なります。
多くて毎日、少なければ年に数日というさまざまな選択肢から通い方を決め、自分のペースで学習を進めていくことが可能です。
全日制高校でないと大学受験が難しいのでは?と感じるかもしれません。
しかし、時間を有効に使えるという利点を活かせば、受験勉強により多くの時間を割けることとなります。
大学受験に力をいれた通信制高校であれば、受験に関するサポートも受けられます。
自分一人ではモチベーションを維持できない場合は、塾や予備校、家庭教師の力を借りてみるとよいでしょう。
やり方次第で、通信制高校からでも難関大学への合格は狙えるのです。
全日制にない専門的な授業が受けられる
通信制高校には、全日制では受けられないような専門的な授業を展開している学校もあります。
プログラミングなど、専門分野を高校の段階から学べるとイメージするとわかりやすいかもしれません。
国語や数学といった勉強が好きになれなくても、自分が興味ある分野の勉強や実習なら、意欲的に取り組むきっかけのひとつとなるでしょう。
特に将来やりたい仕事が決まっている生徒にとっては、早くから専門的な勉強ができる環境は最適といえます。
好きなこととの両立が可能
好きなことに打ち込みたいのに、学校があるから制限しなくてはいけないというケースが考えられます。
「平日は毎日学校があるからレッスンには通えない」
「アルバイトができるのは夕方の数時間だけ」
趣味を突き詰めたい場合、スポーツや音楽・芸術面で技術を磨きたい場合、アルバイトで社会経験を積みたい場合など、通信制高校で時間を自由に使えることは大きな強みとなります。
自分以外にも転入生がいるから安心
新しい学校に転校する際、心配になるのが人間関係です。
「自分ひとり注目が集まるのは不安…」「すでにできている輪に入れなかったらどうしよう…」などと心配に思う方も多いのではないでしょうか。通信制高校は前述でも述べたように頻繁に転入生を受け入れているため、常に新しい生徒が増えることに、教員も生徒も慣れています。自分以外の生徒も自分と同じような環境であるため、転校生の割合が少ない全日制高校に転校するより、プレッシャーを感じずに転校できます。
転校のタイミングによって卒業時期が変わる
転校を考えたときに気になるのが「卒業の時期はいつになるのか」ではないでしょうか。
せっかく転校したのに、同じ学年だったみんなより卒業が遅れるのは嫌ですよね。
大切なのは転入手続きのタイミングです。
通信制高校では卒業までに74単位の修得と3年間の在籍が必要で、前籍校から引きついだ単位数と在籍日数を引いた分だけ修得&在籍しなくてはなりません。
転入先でうまく修得しきれるよう、学校選びはその学校の設定する年間の上限単位数も考慮して決めていきましょう。
また、高校には卒業単位の他にも「最低在籍月数」というものがあります。
「転入してきても、最低○ヶ月は在籍しないと卒業を認めないよ」というものであり、3年生での転入を考えている場合は注意が必要です。
高校を転校したいなら早めの準備が肝心!
さまざまな理由によって高校を転校したいと思うことがあるでしょう。
それ自体は否定されることではありません。
全日制への転校を希望する場合には条件があります。
転校準備を始めるタイミングも大切で、準備が遅れてしまうと転校先が決まらないという事態にもなりかねません。
希望する高校の資料は早めに取り寄せ、受け入れ状況についても確認をしておくことが大切です。
生徒一人ひとりの時と場合によるため、学校とよく相談してスムーズに転校手続きを進めていくのがおすすめです。
転校が自分の将来への前向きなステップとなるよう、自信を持って歩み出してくださいね。
ID学園高等学校では転入は毎月OK
ID学園高等学校は他校からの転入を毎月お受けしています。
原則として入学を希望する月の前月15日までにWEB出願と書類の用意をお願いしています。
現在、登校しているか、登校していないかに関わらず、高校に在籍中の状態であれば転入学として毎月入学することが可能です。
一度高校を退学されている場合は「編入」という手続きとなりますのでこちらのページをご覧ください。