夏休みの宿題などで出される読書感想文は毎年多くの中学生を悩ませています。
「何を書いたらいいか分からない……」
「億劫に感じてなかなか手がつけられない……」
そんな風に悩んでいる人も多いと思います。
しかし、実は書き方のコツを知っていると驚くほどスラスラと書けるようになるんです！
この記事では、読書感想文の構成の組み立て方や書き方の手順を、順を追って丁寧に解説しています。
書き方のコツを知って、評価される素敵な読書感想文を目指しましょう！
目次
読書感想文とは
読書感想文とは、読んだ本や文学作品について自分の感想や考えを文章にまとめたものです。
読書感想文は、授業や夏休みの宿題などでおなじみの課題ですが、読書好きな人たちが本の魅力を共有する手段としても使われています。
読書感想文を書く目的の一つは、読解力を向上させることです。
本の内容を理解し、要約することで、読んだものを深く理解するスキルが身につきます。
さらに、自分の感想や意見を表現することで、表現力も養えます。
読書感想文は、自分の言葉で本の内容や自分の思いを伝える練習にもなります。
読書感想文の構成
読書感想文は、「序章」「本文」「まとめ」の三つの要素から構成されています。
序章では、対象となる本の基本情報の他に、その本を選んだ理由やきっかけ、そして本のあらすじなどを書くのが一般的です。
読者に本の背景を紹介し、物語の導入をおこないます。
この部分を通じて、なぜその本を選んだのか、どのような期待を持って読み始めたのかを伝えます。
本文では、特に印象に残ったシーンやエピソードに焦点を当て、それらの理由を詳しく説明します。
どのシーンが感動的だったのか、登場人物の行動や変化をどのように感じたのかを読者に伝えます。
具体的なエピソードや感想を通じて、本の内容に深く入り込んでいく部分です。
まとめでは、本を読んだ後の印象や、本から得た教訓、そして自分自身の感想を述べます。
読者に本を通じて何を学んだのか、どのような気づきを得たのかを共有します。
また、他の人に向けて本を勧める場合、その理由を簡潔に説明することも含まれます。
1000字の読書感想文を書く場合、それぞれの部分に200字・600字・200字くらいの割合を考えると、バランスの取れた文章ができるでしょう。
それぞれの要素について、さらに詳しく解説します。
読書感想文の書き方：序章
まず、感想文の序章では、読んだ本の基本情報（タイトル、著者名など）を明確に記述します。
これにより、どの本についての感想文なのかを読者に伝えます。
次に、なぜその本を選んだのか、理由を説明しましょう。
例えば、以下のような理由が挙げられます。
- 好きなジャンルの本だったから
- 勧められたから
- 登場人物に興味を持ったから
自分が読む前の気持ちや本の印象についても触れましょう。
例えば、楽しみにしていた、興味津々だった、初めて読む著者だったなど、読書前の感情を表現します。
さらに、本のあらすじを簡潔に紹介します。
登場人物や物語の中心的な出来事など、物語の要点をシンプルにまとめます。
長々と細かく説明して文字数を稼ぐのではなく、重要なシーンをピックアップして要約することが大切です。
序章は読者に対して本の背景を紹介し、興味を引く役割を果たす重要な部分です。
読者は序章を読むことで、文章全体の流れや文脈を理解しやすくなり、本文やまとめに進む準備が整います。
読書感想文の書き方：本文
本文は読書感想文の中でも特に重要なパートです。
ここでは、特に印象に残ったシーンやエピソードに焦点を当て、それがなぜ印象的だったのか、その理由を詳しく説明します。
読者にそのシーンをリアルに感じさせるために、具体的な描写や感情を盛り込むことが大切です。
この部分では、自分の意見や感情を素直に具体的に表現することが鍵となります。
自分が本を読んでどのように感じたのか、どのシーンが感動的であったのかを率直に書きましょう。
また、自分が経験したことに絡めて書くと、読者により深い共感を呼び起こすことができます。
主人公が体験した出来事と自分の経験を結びつけ、それに対する感想や考察を加えると良いでしょう。
物語の主人公の選択や困難な状況について、自分がどのように感じるかを具体的に語り、共感を示します。
最も重要なのは、自分が本に対してどのように感じたかを具体的に示すことです。
自分の感想や意見に根拠を持たせるために、物語の具体的な要素やシーンを引用したり、登場人物の行動や変化に言及したりすることが大切です。
読者にとって、あなたの感想が具体的で説得力のあるものとして伝わるように心がけましょう。
読書感想文の書き方：まとめ
まとめは、読書感想文の最後の部分で、自分の主張を伝えることが目的です。
ここでは、本に対する全体的な印象を述べましょう。
読者に対して、物語全体に対する感想を率直に伝えます。
読む前の印象と絡めると、話を膨らませやすくなります。
読者に、物語を読む前と読んだ後で、自分の気持ちや考えがどのように変わったのかを具体的に示します。
自分の学びになったことや影響を与えたことについても触れます。
本を読んで得た新しい考えについて述べ、それらを今後の生活にどのように活かしていくのかを書きましょう。
読者に、本から得た価値や示唆について考える機会を提供します。
まとめは全体の統括として機能するため、序章や本文で語られていない新しい情報を入れないようにしましょう。
読書感想文をスムーズに書くための5ステップ
あなたは、読書感想文を書く時にいきなり原稿用紙を広げていませんか？
最初から文章を書こうとすると、時間がかかってしまったり、何を言いたいのか分からない文章になってしまったりします。
読書感想文をスムーズに書くためには事前準備が欠かせません。
手順を5ステップで簡単に解説します。
興味の持てる本を選ぶ
読書感想文は、「読書」と「文章を書く」という2つのタスクが組み合わさるため、多くの人が難しさを感じる作業です。
しかし、興味を持てる本を選ぶことで、このプロセスを楽しみながら進めることができます。
興味を持てる本を選ぶ利点は大きいです。
なぜなら、興味深い本なら「読書」そのものが楽しみで、モチベーションが高まるからです。
読書感想文は長文の文章を書く作業でもあるため、モチベーションを維持することは重要です。
さらに、興味を持てる本を読むと、感想や考えが自然に湧き上がります。
共感できる本を読むことで、物語やテーマに対する深い理解と共感が得られるでしょう。
逆に、共感できない本を読んでも、感動や気づきは得にくいです。
本の選択が読書感想文の難易度に大きな影響を与えることも事実です。
指定された課題図書から選ぶ場合でも、できるだけ自分の興味に合った本を見つけることが重要です。
本を選ぶ際には、あらすじを確認し、自分のレベルに合っているかどうかも考慮しましょう。
読書に慣れていない人や苦手意識を持っている人には、内容が難しすぎない物語調の作品がおすすめです。
中身を一部めくってみて、文字の大きさやページ数、挿絵の有無なども確認しましょう。
これによって、読むのに時間がかからない本を選ぶことができます。
もし読書感想文で特定のテーマを掘り下げたい場合、そのテーマに合った本を選ぶのも有効です。
テーマに合わせて本を選ぶことで、文章を書く際のアイデアや方針を明確にする手助けになります。
じっくり本を読む
本を精読することは、優れた読書感想文を書くために欠かせないステップです。
本文に含めたい要素に注目しながら、本を読む際に付箋を使用することで、後で感想文を書く作業がスムーズになります。
特に、登場人物の感情が変化する出来事や、心に響いた場面に付箋を貼っておくと非常に役立ちます。
これを怠ると、感想文を執筆する段階で何度も本を読み返す手間がかかる可能性があるため、気をつけましょう。
付箋を貼る際には、適度な数に抑えることが重要です。
付箋を過剰に使いすぎると逆に混乱してしまうことがあるため、要点を絞って貼るようにしましょう。
また、同じ本を2回読むことをおすすめします。
この際、作者が伝えたいメッセージを意識して読むことが肝心です。
じっくり本を読むことは、読書感想文をより深化させ、感想をより豊かに表現するための重要なステップです。
付箋を活用し、本を注意深く読み込むことで、感想文の質を向上させましょう。
感想や考えをまとめる
付箋を貼った箇所を読み返しながら、本を読んだ感想や考えをメモに記録しましょう。
感想文に取り入れたい要素として、以下の点を中心に検討します。
| 内容の要約 | 物語やテーマに関する簡潔な説明を記録します。 |
| 全体的な感想 | 物語全体に対する印象や感情をまとめます。 |
| 印象的な場面 | 特に印象に残ったシーンやエピソードをメモし、その理由も一緒に記述します。 |
| 共感と異なる点 | 物語や登場人物に共感した箇所と、共感できなかった箇所について考えます。 |
| 気づきや学び | 本から得た新たな洞察や教訓について整理します。 |
自分の言葉を使い、感想や考えを具体的に記述することが重要です。
他の人の意見や表現を模倣するのではなく、自分が感じたことを率直かつ独自の言葉で伝えることを心がけましょう。
このステップではまだ文章を書く段階ではありません。
感想や考えをメモにまとめることで、後で感想文を執筆する際に役立ちます。
3つの構成に当てはめて感想文を書く
ここまでくれば読書感想文は簡単です。
メモを参照し、「序章」「本文」「まとめ」の構成に当てはめながら感想文を書き始めましょう。
前述しましたが、それぞれの要素で書く内容は次の通りです。
| 序章 | 基本情報、あらすじ、その本を選んだ理由 |
| 本文 | 特に印象に残ったシーンや感想 |
| まとめ | 全体の印象、本から得た学び |
このように、3つの構成要素を順番に埋めていくことで、感想文が論理的かつ読みやすい構造を持ち、読者に感想や考えを伝えやすくなります。
全体としてまとまりのある感想文を作成しましょう。
客観的な視点で推敲（すいこう）する
感想文を書き終えたら、次は推敲（すいこう）の作業に入ります。
推敲（すいこう）とは、書いた文章を何度も見直し、より質の高い文章に仕上げる作業です。
自分の文章が他人に伝わるかどうかを確認しながら、表現を工夫したり追加したりします。
推敲作業は表現力を高める素晴らしい機会でもあります。
また、家族や友達に読んでもらい、フィードバックを受けるのもいいでしょう。
他の人の意見を聞くことで、文章の改善点や伝えたいメッセージの明確化に役立つことがあります。
推敲作業では主に以下の点をチェックします。
| 文章の一貫性 | 文章全体につながりがあり、読みやすいかどうかを確認します。 |
| 誤字脱字 | 文章中に誤字や脱字がないかを慎重にチェックします。 |
| 感想の表現 | 自分の感想や意見が適切に表現されているかを確認します。 |
最終的な修正を行い、伝わりやすく魅力的な読書感想文に仕上げましょう。
推敲作業は文章力の向上にもつながりますし、読者により良い印象を残すことができます。
読書感想文ではどこを見て評価しているの？
せっかく読書感想文を書くのであれば、いい評価をされる質の高い感想文を書きたいですよね。
評価のポイントを知り、そのポイントを押さえた読書感想文を書けば入賞も狙えます。
評価者が読書感想文のどこを見て評価するのかを知っておきましょう。
自分の意見が述べられているか
自分の感想や考えを、自分自身の言葉で表現できているかが評価の要点です。
自分の意見を率直に述べることによって、読んだ本を深く理解していることが伝わります。
また、印象的だった場面やセリフを具体的に挙げ、それに対する感想を詳しく具体的に書くことも大切です。
読者にその瞬間を共有するような表現を心掛けましょう。
さらに、感想や意見に根拠や説得力を持たせることが求められます。
そのためには、自分の経験に基づいて本との関連性を示すことが重要です。
読んだ本がなぜ自分にとって特別で、どのように自分の生活や価値観に影響を与えたのかを説明しましょう。
自身の体験や感情が感想文を豊かにし、他の人にも共感を呼ぶ要素となります。
作者の伝えたいことを読み取っているか
読書を通して、作者が伝えたいメッセージを読み取ることが非常に重要です。
評価のポイントの一つは、本の全体の内容を正確に把握できているかどうかです。
そのために、ひとつひとつの場面を入念に読み込むことが必要です。
物語の展開や登場人物の言動から、作者が何を伝えたいのかを推測しましょう。
また、自分の意見を表現する際に、必ずしも作者に共感する必要はありません。
反対の意見や異なる視点からの理解も歓迎されます。
自分の考えを率直に述べ、その考えを根拠や具体的な例で裏付けることが評価されます。
作者のメッセージに対する自分自身の意見をしっかりと伝えることが大切です。
表現豊かに書けているか
読書感想文を執筆する際には、表現力が非常に重要です。
自分が感じたことや考えを鮮やかな言葉で表現することが求められます。
具体的な例を挙げたり、比喩を用いることで表現力を高めることができます。
単調な表現を避けるために、豊かな語彙を積極的に活用しましょう。
同じ言葉やフレーズを繰り返すのではなく、多彩な表現を用いることが良い感想文へとつながります。
文章を簡潔かつ分かりやすく構築するために、無駄な表現を削減します。
要点を簡潔に伝えられるよう工夫し、読者にとって分かりやすい文章を心掛けましょう。
読み手を惹きつけるポイント
読書感想文の基本的な書き方に慣れたら、読み手を惹きつけるような魅力的な読書感想文にチャレンジしてみましょう。
読み手の興味を引く読書感想文のポイントについて解説します。
問題提起から始める
文章の冒頭で問題提起をおこなうことは効果的です。
問題提起では、本の内容に関連した現実社会の問題を指摘したり、読み手に問いかけたりします。
たとえば、「人はなぜ夢を追うのか」「あなたは今の人生に満足していますか？」などの問いかけを通じて、読み手の関心を引き寄せるとよいでしょう。
問題提起によって、読み手は自分に関連するテーマだと感じたり、自分の考えや答えを探すようになります。
この手法は、読み手に物語やテーマについて考えさせ、興味を持たせる役割を果たします。
印象的だった会話文を引用する
読み手を引き込むために、物語や本の中で印象的だった会話文を引用することが効果的です。
これにより、本の内容や登場人物の性格や感情を具体的に示すことができます。
また、引用文を挿入することで、物語の雰囲気やテイストも読者に伝えることができます。
引用文を挿入する際には、その文の背後にある物語の文脈や意味を簡単に説明すると、読み手にとって理解しやすくなります。
読み手が引用文の重要性や意味を理解しやすいように工夫しましょう。
ただし、引用する際には正しく引用することが重要です。
正しく引用しないと、意味が伝わらないだけでなく、著作権の問題も生じる可能性があります。
引用する部分を選ぶ際には、ポイントを絞り、引用部分に対する自分の考えや感想をしっかりと書き加えましょう。
自分の体験や社会問題などの内容も取り入れる
読み手を引き込むために、自分の体験や社会問題を本の内容と結びつけてみましょう。
本の内容やテーマに対する自分の考えや感情を具体的に示すことができ、読者の関心を高める手助けとなります。
自分の体験や社会問題を取り入れることで、読み手はより深く物語や本のテーマに共感したり、考えたりすることができるでしょう。
読者との共感や共鳴を生み出すために、自分の個人的な経験や考えを積極的に文章に取り入れてみましょう。
読書感想文は難しくない！コツを覚えて今後に生かそう
読書感想文は初めて書くと難しく感じるかもしれませんが、書き方のコツを覚えれば楽しく書けるものです。
まずは興味を持てる本を選ぶところから始めましょう。
作者のメッセージを読み取りながらじっくり読み、自分の感想や考えをまとめます。
3つの構成に当てはめながら文章を組み立てれば読書感想文の完成です。
書き方に慣れたら、評価のポイントを意識しながら、読み手を引き付ける魅力的な読書感想文にも挑戦してみましょう。
読書感想文は、本や物語との対話の場でもあります。
これらのコツを活用して、自分の表現力を高めていきましょう。
読書感想文のスキルは、文章を書く力や読解力を向上させる手助けとなり、さまざまな場面で役立ちます。
