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不登校で勉強しないと勉強や受験に影響は出るの?高校には入れるかを解説

何らかの事情で学校に行けなくなり、不登校になってしまう中学生・高校生は少なくありません。中学校は義務教育なので、仮に勉強しなかったとしても卒業はできます。しかし高校生は、学校に通えない・勉強に追いつけないとなると進学できなくなってしまうかもしれません。

今回は、不登校の子が勉強しない理由や勉強しない時の保護者が取る対処法、不登校の子ができる勉強の方法を詳しく解説します。将来に関わる大事なことと捉えて焦っている人もいるでしょう。ぜひこの記事を参考に対処法を知ってください。

不登校で勉強しないと勉強や受験に影響は出るの?高校には入れるかを解説

目次

不登校の子が勉強しない理由

全ての子が該当するわけではありませんが、病気やいじめなどで不登校になってしまうと同時に、勉強しなくなる子どもが一定数います。一方で「学校に登校できるようになった時のために」と熱心に勉強する子もいるでしょう。

勉強しなくなってしまう子どもは、次のように考えている可能性があります。

  • 勉強するほどの心の余裕がない
  • 苦手意識を持っている
  • 勉強する必要性を感じていない
  • 勉強のやり方がわからない
  • 将来のことを考えたくない
  • 現状維持のバイアスがかかっている

学校に通えている子どもたちと共通している事情もあれば、不登校になってしまった子に特有の理由もあります。それぞれどのような心理状態なのか、詳しく見ていきましょう。

勉強するほどの心の余裕がない

もしかすると、今は勉強に向かえるほどの心の余裕がないのかもしれません。不登校になってしまう子どもは、非常に頑張り屋さんです。多少辛いことがあっても、真面目に頑張るということを忘れません。

しかしその頑張りが積もり積もっていった結果、限界を超えてしまって心身に不調をきたし、不登校になってしまうのです。睡眠不足に陥ったり食欲がなくなったり、もともと興味があったものに対してそれほど熱中しなくなったりするのが、心に余裕がなくなっているサインです。

心と体が疲れている状態では、当然勉強を頑張ろうという考え方にはなりません。勉強をしないというよりは、したくてもできない・する余裕がないと考えた方がいいでしょう。

苦手意識を持っている

勉強に対して強い苦手意識を持っていて、勉強したくないと考える子どもも少なくありません。不登校の子どもだけではなく、登校できている子にも当てはまることかもしれませんが、その苦手意識がだんだんと強くなって学校に行けなくなってしまった可能性も考えられます。

あるいは勉強に対して強いトラウマを覚えてしまい、勉強嫌いになってしまった子や、。性格もありますが、周囲の大人が原因でトラウマになってしまった可能性もあるのです。

苦手意識に対しては、少しずつ勉強での成功体験を積み重ねる「スモールステップ」が有効だと言われています。もちろん「なぜ苦手意識を持ってしまったのか」が分からなければ適切な対処法が見えてこないため、まずは苦手になってしまった理由に目を向けてみると良いでしょう。

勉強する必要性を感じていない

勉強するという行為に対して、必要性を感じていないために勉強しないというケースもあります。不登校になると、学校からの宿題や課題がなくなるため、なおさら勉強しない子どもも出てくるのです。

そもそも学校に行っていると、半強制的に勉強しなければならない流れが出来上がっています。しかし、不登校になってしまったことで直近で課題を提示されなくなり、勉強をおろそかにしてしまうことも珍しくありません。

さらに不登校の場合は、心の余裕がないこともあって遠い未来のことを後回しにしてしまいがちです。直近で宿題をしなければならないという側面以外にも、進級や進学のために勉強が必要だということを考えられなくなってしまい、結果勉強の必要性を見出せなくなってしまいます。

勉強のやり方がわからない

勉強のやり方が分かっていないというケースもあります。不登校でもそうでなくても、勉強のやり方が分からなければ勉強したいとは思わないでしょう。あるいは、自分には合っていない勉強方法で勉強を進めようとして疲れてしまったというケースも考えられます。

人間は、やり方が分からなかったり迷ったりしてしまうと、そちらでエネルギーを消費してしまうそうです。結果、勉強していないのにエネルギーだけが消費されるため疲れてしまい、行動に移すことが出来なくなってしまうのです。

ひと口に勉強のやり方と言っても、何でつまずいているのか、どんなことで悩んでいるのかは人によって異なります。保護者は何でつまづいてしまったのか、どんなことで悩みを抱えているのかを確認してあげるようにしてください。子どもの方も、悩む前に周囲の大人に相談するようにすると良いでしょう。

将来のことを考えたくない

心に余裕がない状態に関連する理由として、将来のことを考えたくないという心理が働いて勉強しないという選択をしてしまっている子どももいます。内心では不登校になったこと、勉強しなくなったことに焦りや不安を感じているものの、勉強することで自分の実力を知ってしまう恐怖心から勉強と向き合えない子どものことです。

言うなれば現実逃避ですが、この状態が長く続くと学習無力感となり、やがて勉強しようという気持ちもなくなってしまいます。

自分の未熟さや限界を見てしまうのは勇気のいることです。しかし、そのまま放置しておいていい理由にはならないでしょう。仮に偏っていたとしても、自分の好きな教科・興味のある内容に向き合うようにすると、将来に対して明るく考えられるようになるかもしれません。

現状維持のバイアスがかかっている

現状維持バイアスとは、今の状態に安心をして変化することを嫌うという性質のことです。人間は脳の構造的に、現状維持に安心するという特性があり、不登校生活に慣れてくると「このままでも生活できる」と考えてしまうようになります。

言い換えれば「学校に行かなくても勉強はできる」と考えてしまうと、それが現状となってしまい、現状維持バイアスがかかるようになってしまいます。学校に行くことでかえってリスクを感じてしまう子どもも珍しくなく、結果的に不登校で勉強しないという状況になってしまうのです。

確かに家でも勉強はできます。しかし、学校の授業に追いつけているかどうかは話が別です。家庭学習だけでは勉強が遅れてしまうかもしれないと考えるだけでも、勉強に対する意識が変わるかもしれません。

不登校の子が勉強しないときの保護者の対応

自分の子どもが不登校になってしまうと、保護者はどう対処していいのか分からなくなってしまうでしょう。不登校になってしまった原因にもよりますが、自分の子どもが不登校になって勉強しなくなってしまったらどうすればいいのでしょうか。

代表的な対処方法として、4つの方法を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

「勉強しなさい」とは絶対に言わない

保護者の焦る気持ちから、不登校の子に対して「勉強しなさい」と言ってしまいがちです。「こんなに心配しているんだから」という気持ちから発せられる言葉ですが、この「勉強しなさい」という言葉は発してはいけません。

保護者からすれば子どもが勉強しないのは、ただ単に怠けているからという可能性も考えられます。しかし実際にはあらゆる心のストレスが関係して、勉強したくてもできない状況に陥っているだけという可能性も考えられます。

後者の子どもに「勉強しなさい」と言ってしまうと、子どもを追い詰めてしまうことになりかねません。状況にもよりますが、安易に勉強しなさいというのは、控えたほうがいいでしょう。

子ども以上に焦らずに待つ

不登校で勉強しない状況が続いていると、当事者の子どもよりも保護者が焦ってしまうというのはよくあることです。気持ちは分からなくもありませんが、子ども以上に保護者が焦ってしまうと、子どもの気持ちや心理状態を考えないまま勉強を強制することになってしまいます。

勉強しない状況は、もしかしたら一時的なことかもしれません。親は子ども以上に焦るようなことはせず、いきなり無理をさせないように対応するのがベストです。

現在では、勉強に追いつくための手段やツールが数多く存在しています。焦って無理やり勉強させようとするよりも、自分のペースで勉強したり勉強以外で自信を付けられることを一緒に行ったり、困っていることのサポートに入ったりすることの方が大事な場合もあります。

ほかの子どもと比較しない

他の子どもと、不登校になってしまった自分の子どもを比較しすぎないことも重要です。勉強の進み具合や理解度は、どうしても他の子どもと比べてしまいがちです。それ以外に判断材料がないというのもありますが、もしかすると子どもは比較されることを嫌がっているかもしれません。

不登校になってしまう原因のひとつに、周囲と比較されることに疲れてしまうというものがあります。そんな中で「Aくんはここまでやっている」「Bさんのほうが成績がいい」と比較してしまうと、それを気にしている子どもにとってはプレッシャー以外の何者でもありません。

競争は大事なことですが、比較ばかりされていると疲れてしまう可能性もあります。また、比較されることでなおさら勉強しなくなってしまう子どももいるため、他の子どもと比較しないようにすると良いでしょう。

生活リズムや学習環境を整える手伝いをする

不登校になってしまっている子どもは、生活習慣や学習環境が整っていないケースもあります。叱ったり、勉強の必要性を説いたりする前に、一緒に生活リズムや学習環境を整えるようにすると良いでしょう。

例えば毎朝同じ時間に起きる、散歩などの軽い運動をするなどを、決まった時間にするようサポートすることです。また勉強したくても、学習環境が整っておらず勉強できないと言うのであれば、それらの準備をすることも対策になります。

勉強と直接関係がないように見えても、実はこれらの対処法で解決する可能性も考えられます。周囲のことからひとつずつできるようにしていくことが、不登校や勉強しないという問題の解決につながるきっかけになるかもしれません。

不登校で勉強しない状態でも受験は大丈夫?

不登校の生徒が勉強しない状態が続くと、進級や受験に対して不安を覚える保護者もいるでしょう。それは子どもも同じことですが、状況は中学生と高校生で大きく違います。それぞれどのように何が違うのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

中学生は不登校でも勉強すれば高校進学の希望はある

中学生で不登校になり勉強しない状況になっても、義務教育であるため進級はできます。中学校には留年や退学の制度がないため、出席日数が少なくても、学校の成績が悪くても関係ありません。

ただしネックになってくるのは高校進学、つまり受験です。お住まいの都道府県によって高校受験の要件は変わりますが、学校の通知表が受験に大きな影響を与える地域の場合、希望した高校に進学できない可能性もあります。

また基本的に高校受験で出題される問題は、中学校で習った勉強から出題されます。学校の勉強に追いつけていない状況になると、受験も不利になる可能性は十分にあるでしょう。

大学受験ほど手広い範囲が出題されるわけではないため、不登校でもきちんと勉強に取り組んでいれば高校進学できる可能性はあります。ただし全日制の学校であったり、進学校であったりすると進学できないかもしれません。高校の選択肢が少なくなるということは覚えておきましょう。

高校生は欠席が多すぎると進級できなくなる可能性がある

高校生になると事情が大きく変わります。高校によって異なりますが、全出席日数の1/3以上欠席してしまうと、進学はおろか進級ができなくなってしまう可能性があるのです。これを留年といい、再度同じ学年として高校に在籍しなければなりません。

また出席日数はクリアしていたとしても、定期テストで結果が出せず原級留置(留年)となる可能性もあります。普通科なのか総合学科なのかなどで必要な単位数は異なりますが、中学生とは違い、成績次第で進級に影響が出るということは覚えておきましょう。

仮に留年しなかったとしても、大学や専門学校を受験するとなれば、勉強しないまま進学するのはかなり難しくなるでしょう。特に四年制大学を目指す場合は、出題範囲が非常に広く、高校受験の時よりも時間をかけて受験勉強に取り組まなければならないのです。

不登校になってしまうこと自体は悪いことではありません。しかし、高校生で不登校になってしまうとあらゆるところで苦労をする可能性が高いでしょう。行けるタイミングで学校に行き、勉強は地道にでも続けておくことが、進級や進学で極力苦労をしないための対策です。

不登校の子ができる勉強方法

不登校の子ができる勉強方法

不登校になってしまっても、実践できる勉強方法はいくつか存在しています。代表的なものは以下の通りです。

  • 自主学習(家庭学習)
  • 学習塾
  • 家庭教師
  • 通信教育
  • 適応指導教室

それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。

自主学習(家庭学習)

家庭学習などとも言われる、自分の力で勉強をしていく方法です。学校の教科書や問題集を使って、自力で勉強していくことを指します。

メリットとしては自分の好きなタイミングで好きな科目を勉強できる点が挙げられます。何かしらの事情で学校に通えなくなってしまったものの、いつかは復帰したいと考えているのであれば、学校の授業に合わせて勉強することもできるでしょう。

ただし自主学習では、質問をぶつける相手がいないため分からないところがそのままになってしまうデメリットもあります。分からないことがそのままになってしまうため、それがストレスになって勉強が嫌になってしまうリスクもある点は、しっかりと覚えておきましょう。

学習塾

集団塾や個別指導など、様々な形態で授業を展開しているのが学習塾です。進学するために通う場所というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、中には補習塾と呼ばれる、学校の授業についていくためのサポートをする塾も存在しています。

自主学習とは違い質問できる相手がいるため、分からないところで躓いたりストレスを抱えたりする心配が少なくなります。学校の進路に関しても把握している先生がおり、授業についていけなくなるリスクを減らすこともできるでしょう。

一方で学校に通っている友人と顔を合わせる可能性が高くなり、結果的に塾も行けなくなってしまうリスクがあるのも事実です。個別指導塾であればその限りではない可能性もありますが、100%知り合いに会わない保証はありません。周囲の目が気になる人にはあまりおすすめできない方法です。

家庭教師

決まった時間に先生が自宅にやってきて、自分の部屋で勉強のサポートをしてもらうのが家庭教師です。

塾と同じように質問ができるのはもちろん、知り合いや友人に遭うリスクも避けられるため、人目を気にする必要もなくなります。デメリットとしては先生のレベルに差があり、思ったような学習効果を期待できない可能性がある点です。

また多くの場合、大学生がアルバイトで家庭教師をしていることも珍しくなく、卒業と同時に先生が変わってしまうという可能性もあります。継続して同じ先生に勉強を教えてもらいたいという人にとっては、やや不向きかもしれません。

通信教材

テキストや専用のタブレットを通じて、自宅で学校以外の問題集や教科書を使って勉強する方法が通信教材です。一昔前までは質問などができない一方通行型の教材でしたが、オンライン授業の普及でこれらの問題を解決した双方向型の教材もあります。

最大のメリットは、学校の授業にプラスアルファの勉強ができる点です。専用のアプリやタブレットを介して学ぶ場合は、学校では教えてくれないような内容を学べる可能性もあるでしょう。

デメリットは自宅学習にも同じことが言えますが、やらないという選択ができる点です。ある程度強制力がないと勉強しないという人には、通信教材はあまりおすすめできません。自主的に勉強に取り組める人であれば、やってみる価値はあるでしょう。

適応指導教室

適応指導教室とは、不登校の子どもを対象に集団生活への適応や基礎学力の向上を目的に設置される施設のことです。各自治体の教育センターや教育委員会が管轄しており、適応指導教室で出席すれば在籍している学校に出席したのと同じ扱いになります。

授業以外にもカウンセリングや心理的ケアが受けられるというメリットがあり、学習塾や家庭教師にはない観点でサポートしてもらえるのが特徴です。ただし、学校の授業をリカバリできるほどの学力差が埋まらないというのがデメリットでもあります。

地域によりますが、一定の費用がかかる場合もあるため、利用する場合は事前に問い合わせするようにしてください。

不登校で勉強しない理由によっては通信制高校が良い

どうしても学校に行けない、勉強ができないという人は、通信制高校に進学や編入をするという選択も考えてみてください。勉強しなくていいというわけではありませんが、自分に合った環境で勉強ができるようになるかもしれません。

ID学園高等学校では、完全オンラインのコースもあれば、通学して授業を受けるコースも用意されています。月に1度コース変更をすることができるため、自身の体調や心境に合わせて通学方法を変えることもできます。

完全オンラインで授業を受けて分からないところがあっても、オンライン職員室などの機能で質問ができる環境にあるのもポイントです。塾や予備校との併用も可能なため、自分の生活に合った無理のない勉強で高校卒業の資格を取得できます。

ID学園高等学校では、オンラインでの説明会や相談会も実施しています。不登校だけど高校には進学したい、勉強を続けたい、進学に向けて勉強したいという人はぜひ一度問い合わせしてみてください。

まとめ

不登校でも勉強を続けられる子もいれば、不登校になってしまった原因と同じ理由で勉強をしなくなってしまう子もいます。それぞれ理由はあるでしょうが、少しずつでも出来る範囲で勉強を続けておくことが、将来の可能性を広げる手段のひとつです。

不登校の子を持つ保護者も過度に焦ることはせず、子どもと一緒に原因究明や勉強以外の環境整備のサポートなどをしていきましょう。心や環境が変化すれば、自然と不登校や勉強しないという問題を解決できるかもしれません。

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