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不登校の中学生女子をどう支える?不登校の原因と親の対応方法を紹介します

中学生で不登校になる子どもは、小学生の2倍近くいると言われています。

不登校はいじめなどによるものだと思われるかもしれませんが、原因はそれだけではありません。

特に、中学生女子は思春期であることや友人関係の密接さから、不登校になりやすい理由があります。

今回は、中学生女子の不登校の原因から、親の対応方法までを具体的に紹介します。

子どもの気持ちを支えながら、不登校の辛さや不安を軽減する方法を、ひとつずつ実践していきましょう。

不登校の中学生女子をどう支える?不登校の原因と親の対応方法を紹介します

目次

中学生になると不登校が増えるのはなぜ?

不登校児童の数は、小学生よりも中学生の方が圧倒的に多いです。

不登校児童数1,000人当たりの不登校児童数
小学校81,498人13人
中学校163,442人50人

参考:文部科学省.「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」.2022.10.27

https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_2.pdf

中学校の1クラスの人数は40人が基本とされているため、1クラスに1~2人が不登校ということになります。

中学に入ってから不登校児童の数が増加するおもな理由は、小学校との違いです。

  • 勉強が難しくなる
  • 宿題や課題が多くなる
  • 校則や部活でのルールが厳しくなる
  • 生徒数が増え先輩との関わりも増える
  • 教科担当制によって教師の数も増える
  • SNSなどによる複雑な人間関係
  • 思春期の体型の変化などによるコンプレックス
  • 高校進学に関する不安
  • 親が子どもに自立を促すようになる

このような急激な環境の変化が、不登校になりやすい原因の一部だと言われています。

女子中学生が不登校になるきっかけとは

女子中学生はちょうど思春期にあたり、ささいなことがきっかけで悩んだり傷ついたりしやすい年頃です。

そのため、誰でも不登校になる可能性があります。

不登校のおもな原因

不登校のおもな原因は、大きく3つに分けられます。

  1. 学校生活に起因するもの
  2. 家庭環境に起因するもの
  3. 本人に起因するもの

細かい内訳は以下のとおりです。

不登校児童生徒数163,442人
学校生活に起因いじめ271人
友人関係の問題18,737人
教職員との問題1,467人
学業不振1,0122人
進路への不安1,414人
部活動等への不適応843人
学校のルールをめぐる問題1,184人
入学・転編入学・進学時の不適応6,629人
家庭環境に起因家庭の生活環境の急激な変化3,739人
親子の関わり方8,922人
家庭内不和2,829人
本人に起因生活リズムの乱れ・あそび・非行18,042人
無気力・不安81,278人
その他7,966人
参考:文部科学省.「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」.2022.10.27
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002

不登校の原因で最も多いのが無気力・不安、次に多いのが友人関係のトラブルです。

生活リズムの乱れや学業不振も要因の多くを占めています。

学校だけでなくSNSなどでの友達付き合いが加わり、人間関係が複雑化していることから、友人関係のトラブルも引き起こしやすくなっています。

親が子どもに対して過干渉だったり、放任しすぎたりなど、親子の関わり方も不登校につながる要因のひとつです。

理由がわからないこともある

不登校の原因として最も多かったのが無気力と不安でした。

「よく分からないけど居心地が悪い」

「なんとなく疲れてしまった」

このように、はっきりとした理由が分からないまま「学校に行きたくない」と不安を感じたり無気力になったりする子どもが増えています。

さまざまなことがストレスとなり、原因をひとつに絞れないこともあります。

長い時間をかけて溜め込まれた複数のストレスが理由である場合、決定的な原因は特定できません。

そして、本人が理由を分かっていないのであれば、原因を聞かれても答えることができないのです。

不登校になりやすい女子中学生のタイプ

不登校になりやすい女子中学生は、小さい頃から育てやすく、真面目で成績が良い、繊細なタイプです。

このタイプの女子中学生は、親や世間からの目を気にしやすく、少しの失敗でひどく落ち込んでしまうことがあります。

「完璧な自分ではない」ということに自信を失い、過度なストレスを感じてしまいます。

また、友達からの目を気にしやすいのも、繊細なタイプの女子中学生です。

中学生になると気の合う友達内でグループを作ることが多く、関係が密接になります。

仲の良い友達に嫌われたくないという理由で、無理をして人と合わせることで心が疲れてしまいます。

また、思春期に入りコンプレックスを持ちやすいこの時期に、体型について指摘されたなど、友達との関わりの中で傷ついてしまうことも。

さらに、男子に比べて犯罪などに巻き込まれる危険性が高いことから、女子中学生は過保護に育てられがちです。

小さい頃から育てやすく真面目なタイプの子どもは、過保護な親の言うことにも応えようと努力します。

「親の期待を裏切るようなことは話せない」と悩みを溜め込み続けてしまい、気が付いたら学校に行けなくなっている子どもも少なくありません。

学校に行かないと高校受験に不利?

学校に行かないと高校受験に不利?

不登校の経験があっても、高校へ進学する方法はたくさんあります。しかし、中学校にはできるだけ通った方が良いとも言われています。不登校は高校受験に不利になるのでしょうか。

内申点の壁

内申点とは、高校受験の際に中学校の先生が記載する「成績や学校生活の態度についてまとめた文書(調査書)」のことです。

内申点に記載されるおもな項目は以下の通りです。

  • 学校での成績
  • 出席日数
  • 学級・生徒会・学校行事・部活動での役職や活動内容
  • 中学校生活の様子(おもな性格、授業態度や提出物、素行など)
  • 英語検定や漢字検定などの資格取得歴
  • コンクールなどの受賞歴

中学1年生、2年生の内申点は受験に関係しないことが多いとされていますが、各都道府県でルールが違います。

基本的に、中学3年生の内申点は受験の合否に影響します。

不登校になっても自宅で学習を続ければテストで良い点を取れるかもしれません。

しかし、学校での活動ができない、授業態度などが評価されないという点で、内申点に影響が出てしまいます。

※私立高校には、内申点よりも当日の試験結果を重視している学校があります。

出席日数の壁

出席日数は内申点に関わる項目のひとつです。

公立高校では「欠席日数が3年間で30日を超える」ことが受験の審議対象です。私立高校は学校によって、さらに一般入試・推薦入試によって対象になる欠席日数が異なります。

規定の出席日数をクリアしていない場合は、受験資格がもらえない可能性があります。規定日数をクリアしていても、欠席日数が多い場合は内申点が期待できません。

欠席理由を調査書に記載することになるため、理由によっては受験が厳しくなる場合もあります。

※欠席の理由を説明する「自己申告書」を提出したり、内申点を重視しない私立高校や、不登校生に考慮した選考方法を取り入れている学校を選ぶことは可能です。また、フリースクールなどに通って出席日数を稼ぐ方法もあります。

学力の壁

中学校では小学校よりも勉強が難しくなるため、学校の授業から離れてしまうと勉強についていけないケースが多いです。

自宅学習では分からないことを質問できない、集中できないなどの理由から、よほど勉強が好きでなければ、だんだんと学力に差がついてしまいます。

また、学校での成績には授業日数や提出物・授業態度などの総合評価が含まれます。

そのため、自己学習をして受けたテストの点数が良くても、成績自体は下がる可能性があります。

※私立高校は公立高校より受験科目が少なく、比較的勉強の負担が少なく受験に臨めます。また、フリースクールであれば出席日数をカウントしながら学校外での学習が可能です。

通信制高校なら不登校でも無理なく進学できる

中学校で不登校になると、出席日数や学力不足によって進学できない高校があります。

しかし、学校の先生と相談したり、希望の高校へ直接問い合わせたりすることで、受験できる学校を調べることは可能です。

それでも難しい場合、通信制高校や定時制高校なら無理なく進学できます。

これらの高校は、出席日数がほとんど関係ない学校や、不登校の支援に力を入れている学校も多くあります。

特に、通信制高校は不登校の子どもにとって負担が少ない高校です。

  • 登校頻度が少ない
  • 面接や作文だけで入学試験をおこなう学校が多い
  • 不登校経験のある子どもを積極的に受け入れている学校が多い

これらの理由から、学習面だけでなく精神面でも無理なく通えることが期待できます。

不登校になると高校受験のハードルが上がるのは事実です。

しかし、進学する高校を選べば、高校受験自体が不利になるわけではありません。

子どものペースで無理なく受験でき、通える高校を選ぶことが重要です。

不登校の子どもに対して避けるべき言動

不登校の子どもに対する親の接し方は大変重要です。

まずは、不登校の子どもに対して避けるべき言動を知っておきましょう。

学校に行くことを強要しない

「学校へ行きなさい」と登校を強要することは絶対に避けましょう。

子どもは学校に行きたくないのではありません。

心の底に行きたい気持ちがあっても「行けない」のが不登校なのです。

「行きたくない」と声に出したときはすでに、子どもが散々悩んだり苦しんだりを繰り返した後であることがほとんどです。

「学校へ行きなさい」と言うことは、子どもが悩んだ末にたどり着いた出口を塞いでしまうことになります。

学校に行けないことを責めずに、「今まで辛かったね」「がんばったね」と、行けない辛さに共感することが大切です。

親が「しばらく休んでもいい」と伝えることで子どもの気持ちが軽くなります。

そして、「親は自分の味方なんだ」「自分はここにいてもいいんだ」と安心することができます。

原因を追及しすぎない

無理に不登校の原因を追求しすぎることも避けましょう。

特定の原因がある場合もあれば、さまざまな出来事が積み重なっているケースや、本人が不登校の原因を理解できていないケースもあります。

不登校は、ひとつの原因を取り除けば解決するというものではありません。
気長に子どもに寄り添う姿勢で、子どもが気持ちを打ち明けてくれるのを待つことが大切です。

親はどう対応すべき?中学生の娘との関わり方

避けるべき言動の次は、子どもへの対応の仕方を具体的に説明します。

子どもの話をよく聞く

子どもが話したい話をよく聞くことで、子どものストレスを和らげてあげましょう。

家事や仕事をしている手を少し止めて、しっかりと子どもの顔を見て「話を聞く」という意思を態度で伝えてあげてください。

何を話したらいいか分からない方は、挨拶やたわいもない話からでも構いません。

少しずつ、子どもが喜ぶ話題を探してみましょう。

子どもが関心を持っていること、将来の夢などについて親が興味を持ってくれることは、子どもにとってとても嬉しいものです。

なかなか自分の気持ちを話せない子どもであっても、親と会話する機会が増えれば、少しずつ気持ちを打ち明けてくれることも期待できます。

子どもを認め、意思を尊重する

子どもの好きなものや夢が分かったら、それを否定せずに尊重することが大切です。

不登校になる子どもは、親からどう思われているかを大変気にしています。

せっかく勇気を出して話をしたのに、自分の意見が否定されてしまうと、さらに心を閉ざしてしまうことになりかねません。

子どもが「何があっても認めてもらえる」「愛されている」「帰る場所がある」と感じられるように、子ども自身を認めて尊重してあげましょう。

不安な気持ちを和らげるとともに、子どもが自信を取り戻すきっかけにもなるでしょう。

得意なことや好きなことをさせる

学校へ行っていない間は、親以上に子ども自身が強い不安を感じています。

不安を少しでも軽くするために、得意なことや好きなことをさせるといいでしょう。

親から「これをやってみたら?」と勧めるのではなく、子どもが自発的に「したい」と思えることが大切です。

不登校だからといって絶対に家にいなければいけないことはありません。

外に出ることでストレスを解消できたり、家から出れた自分に自信を持つこともできるでしょう。

心ゆくまで趣味を楽しんだり、親と一緒に旅行へ行ったり買い物へ行ったり、気分転換になることをして、楽しい気持ちを感じることが大切です。

別室登校を提案する

別室登校とは、教室ではなく保健室などの別室に登校することを言います。

子どもは学校へ行けないということに不安や負い目を感じています。

教室までは無理でも別室であれば登校できる子どももいます。

少しでも学校へ足を踏み入れられれば、子どもは自信を持つことができ、罪悪感も和らげられます。

子どものペースで少しずつ行けるようになることが重要です。

登下校の時間をずらして短時間だけ学校で過ごすなど、本人の負担にならない範囲で始めるようにしましょう。

校舎に入るのが難しければ、学校が見えるところまで、校門まで、など、ひとつずつ目標を決めて徐々に段階を上げていくといいでしょう。

学校や相談機関と連携をとる

不登校になった理由を親に話しにくいと感じる子どももいます。

一度学校に足を運んで先生から話を聞くことで、親だけでは見つけられなかった原因や悩みに気付けることもあるでしょう。

もし子どもが意を決して学校へ行っても、原因となった出来事が取り除かれていなければ、不登校を繰り返してしまうこともあります。

学校の先生と連携して、登校後の学校での過ごし方を整えておくことも大切です。

また、不登校の解決には時間がかかることから、親の心が疲れてしまうこともあります。

親だけで抱え込まずに、学校やサポート団体を積極的に利用しましょう。

不登校支援をしている団体には、市区町村の子育て相談窓口や児童相談所などの公的団体や、不登校親の会やフリースクールなどの民間団体もあります。

さまざまな不登校の子どもを見てきているため、相談することによって具体的な解決策が見つかることも少なくありません。

また、話を聞いてくれる場所があるだけでも、子どもや親の不安軽減につながります。

学校以外の勉強方法を考える

学校以外の場所で勉強を進めることで、学習の遅れに対する不安を軽減できます。

学校へ行けない子どもは、同じ学校の生徒に会う可能性がある塾へも行けなくなることが多いと言われています。

塾が難しい場合は、他人の目を気にせずに勉強ができる家庭教師や、タブレット学習なども検討してみましょう。

フリースクールであれば不登校のサポートを受けながら勉強ができ、出席日数としてのカウントも可能です。

それぞれの子どもに合った学校以外での勉強方法をじっくり考えてみましょう。

学校に行くだけが解決策ではない!一歩ずつ前進しよう

学校へ行けないことに対して、辛さや不安な気持ちを感じていることと思います。

しかし、学校へ行くことだけが不登校の解決策ではありません。

時には学校以外に自分の居場所を見つけることで、解決の糸口を掴めることもあります。

焦らずに子どもと寄り添い一歩ずつ前進しながら、子どもも親も喜びを感じられ、安心して過ごせる道を考えていくことが大切です。

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