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ID学園高等学校
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子どもに「学校に行く理由」を聞かれたら?

お子様から「どうして学校に行かなければならないの?」と質問された場合、その背後にはどのような思いや感情が隠れているのでしょうか?

この質問が、単純に学校の存在意義に対する好奇心から来ているのか、それとも睡眠不足で疲れているために学校への意欲が湧かないのか。はたまた、学校生活での何らかの問題に直面しており、それがストレスとなっているのか、それともただ単に気力が湧かない無気力状態の表れなのか。

本記事では、なぜ子どもが「学校に行く意味」について問いかけるのか、そのような質問にどう応じるべきかのヒントとともに、学校教育が持つ深い価値について掘り下げていきます。

学校に行く理由を聞く子どもの背景

そもそも、なぜ「学校に行く理由」を聞いてくるのでしょうか。その背景から考えていきましょう。大きく分けて3つの背景があるかと思います。

勉強が苦手でついていけなくなっている

考えられる背景の一つ目は、勉強に苦手意識があり、授業についていけなくなっているということです。授業のペースについていけず、自己評価が下がることで、恥ずかしさや自信の喪失につながりがちです。さらに、テストの成績や学業成績が、教師や保護者、友人から指摘されると、学校生活自体が苦痛なものになることもあります。

このような場合には、学校の外で追加の学習支援を受けることも一つの解決策です。塾や家庭教師の利用が効果的かもしれません。

また、保護者が成績のみに焦点を当てていると、子どもが「ついていけない」「わからない」と表現するのが難しくなることも。日常的に子どもの感情に耳を傾け、オープンなコミュニケーションを心掛けることが大切です。

人間関係に悩みがある

学校における友人関係は、お子さんにとって非常に重要です。些細な仲間はずれや友達の何気ない一言によって、お子さんが深く傷つくこともあります。また、このような問題は家族や先生に相談しづらいものであり、保護者が気付かないことも少なくありません。

お子さんが学校で過ごす時間は多いため、クラスメートとの関係は非常に重要です。何か悩んでいる様子があれば、しっかりと話を聞いて支えてあげることが大切です。また、気になることがある場合には、積極的に学校の先生と連絡を取り、情報を共有することも有効です。

小学校卒業後は、「先輩・後輩」という新しい関係性に直面することもあり、この変化に戸惑う子どももいます。学校や部活動によっては上下関係が厳しく、これが原因で学校生活が苦痛になることもあります。

さらに、教師に対する好き嫌いも自然に生じるため、特定の教師が怖いと感じたり、注意されたことをきっかけにコミュニケーションが難しくなることもあります。

POINT

学校は子どもにとって小さな社会のようなものであり、多くの人との関わりがあるため、人間関係で悩むことは珍しくありません。こうした悩みが原因で学校への意欲を失うことも少なくないのです。

身体に不調がある

お子さんが「朝起きるのが辛い」「頭痛や腹痛が頻繁に起こる」と訴える場合、これらは「起立性調節障害」という病気の兆候かもしれません。この病気は自律神経の不調から生じるもので、特に自律神経が不安定になりやすい思春期に症状が現れやすくなります。朝の起床困難、持続するけん怠感、頭痛などが主な症状です。中学生の約10%がこの問題を抱えており、学校を休む一因にもなっています。

注意

疑わしい症状が見られる場合には、医療機関での診断を受けることをお勧めします。日常生活でできる対策としては、暑さを避けたり、水分をこまめに取ることで低血圧を予防し、症状の軽減を図ることが可能です。

また、身体的な問題がないにも関わらず「だるい」「面倒くさい」といった気分が続き、学校へ行く気力が失われてしまう子どももいます。その原因は多岐にわたることがありますが、学業や部活動による過度なストレスや、何らかの理由で自尊心が低下していることが背景にあるかもしれません。

このような場合、子ども自身もはっきりとした原因が分からず、どう対処していいかわからないことが多いです。そのため、保護者の皆さんは、非難するような言葉を控え、理解と支援を示すことが重要です。

さらに、病院での診断は受けていないものの、実は以下のような発達障害を抱えている可能性のある子どももいます。

  • 学習障害
  • 注意欠陥・多動性障害(ADHD)
  • 自閉症スペクトラム(ASD)

「グレーゾーン」と呼ばれる、発達障害の診断には至らないが、特性をいくつか持つ子どももいます。これらの状態は、生まれつきの脳の発達の特性によるもので、他の子どもが容易にできることが難しい、または周囲との違いによって生きづらさを感じることがあります。

親が質問に答える際の重要な考え方

子どもから「学校に行きたくない」と言われた時、親としては戸惑いや不安を感じてしまうのは当然のことでしょう。しかし、大切なのは、まずは子どもの気持ちを理解しようと努めることです。

ここでは、親がこういった質問に答える際の注意点を解説します。

1. 子どもが「学校に行きたくない」と伝える背景を理解する

子どもが学校に行きたくないと訴える理由は様々です。勉強が苦手でついていけない、いじめを受けている、人間関係に悩んでいる、将来への不安を感じているなど、考えられる理由は多岐にわたります。

まずは、子どもの話をよく聞き、どのような理由で学校に行きたくないと感じているのか理解しようと努めましょう。子どもの話を遮ったり、否定したりせず、真剣に話を聞いてあげることで、子どもは安心して自分の思いを伝えることができます。

2. 子どもに寄り添い、共感を示す

子どもの話を聞いた後は、子どもに寄り添い、共感を示すことが大切です。「つらいよね」「大変だったね」など、子どもの気持ちに共感することで、子どもは安心して気持ちを打ち明けることができます。

また、共感を示すためには、子どもの目を見て、うなずきながら話を聞く、子どもの気持ちに寄り添った言葉をかけるなど、非言語的なコミュニケーションも重要です。

3. 学校生活について具体的に話を聞く

子どもが学校で具体的にどのような問題を抱えているのか、話を聞いてみましょう。例えば、いじめを受けている場合は、誰が、いつ、どこで、どのようなことをしたのか、具体的に聞き出します。

具体的な話を聞くことで、問題の本質を理解し、解決策を考えることができます。

学校に行く意味

それでは、本題の「学校に行く意味」について考えていきましょう。

社会の一員として必要な知識とスキルを身につける

学校では、国語、算数、理科、社会など、様々な科目を学ぶことで、将来社会で必要となる知識とスキルを身につけることができます。

  • 読解力・論理的思考力: 国語や理科を通して、文章を読み解いたり、論理的に思考したりする力を養うことができます。
  • 計算力・数学的思考力: 算数や数学を通して、計算したり、数学的な問題を解いたりする力を養うことができます。
  • 科学的知識・探究心: 理科を通して、自然科学に関する知識を身につけ、探究心を育むことができます。
  • 歴史的・社会的理解: 社会科を通して、歴史や社会に関する知識を身につけ、社会の一員としての責任感や協調性を育むことができます。

これらの知識とスキルは、将来の仕事や生活において、様々な場面で役立ちます。

非認知能力を獲得する

近年、非認知能力(学力以外の能力)の重要性が注目されています。学校では、学習活動や部活動、委員会活動などを通して、以下のような非認知能力を獲得することができます。

  • コミュニケーション能力: グループワークや議論を通して、自分の意見を伝えたり、相手の意見を聞いたり、協働したりする能力を養うことができます。
  • 問題解決能力: 課題に直面したとき、自分で考え、解決策を見つける能力を養うことができます。
  • 創造性: 様々なことに挑戦し、新しいアイデアを生み出す能力を養うことができます。
  • 協調性: 仲間と協力して一つの目標を達成するために、協調性を養うことができます。
  • 時間管理能力: 計画的に行動し、時間を有効活用する能力を養うことができます。

これらの非認知能力は、将来社会で活躍するために必要不可欠な能力であり、学校生活を通して自然と身につけることができます。

身体を動かすことを通して身体的に成長する

体育の授業や休み時間を通して、体を動かしたり、友達と遊んだりすることで、心身の健康を育むことができます。

  • 体力向上: 運動を通して、体力や筋力、持久力を向上させることができます。
  • 運動習慣の形成: 規則正しい運動習慣を身につけることで、将来の健康維持に役立ちます。
  • ストレス解消: 運動はストレス解消効果があり、心身の健康を維持するために重要です。
  • 協調性・競争心: 運動を通して、仲間と協力したり、競争したりすることで、協調性や競争心を育むことができます。

特に、成長期である子供にとって、身体を動かすことは非常に重要です。学校生活を通して、自然と体を動かす機会を設けることで、心身の健やかな成長を促すことができます。

学校以外にも選択肢はある

現在の学校に通うことは、1つの選択肢であり、義務ではないことを認識しておくことも重要です。文部科学省は2019年から、フリースクールなどでの教育確保を求めており、今年3月には「誰一人取り残されない学び」を掲げ、学校外にも多様な学びの場を整備していくことを発信しています。(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)

学校に行くことは義務ではなく権利

そもそも「学校を休む」、つまり不登校は日本国憲法に違反しているわけではありません。義務教育とは教育の機会を与える義務であり、学校へ行くことは義務ではなく、お子様の権利です。

通信制高校という選択肢

近年は通信制高校を選ぶ児童生徒も増えてきています。通信制高校は、時間や場所に縛られない学習スタイルや、自分に合った学習スタイルを選択できるなどのメリットがありますが、自己管理能力が求められる、学習内容によってはサポートが充実していない場合があるなどのデメリットもあります。

通信制高校が適切な選択肢かどうかは、個人の状況やニーズによって異なります。通信制高校を選ぶ際には、メリットだけでなくデメリットも理解した上で、慎重に判断することが重要です。また、学習内容やサポート体制、登校日数、学習スタイルなどを確認し、学校説明会や体験入学に参加するなど、十分な情報収集を行った上で、自分に合った学校を選ぶようにしましょう。

まとめ

今回は、「学校に行く理由」について解説いたしました。特に、お子様から学校に行く理由について問われたケースを想定し、その背景を考えることの重要性や、伝え方についても説明しました。

学校は、社会で生き抜くために必要な知識やスキル、社会性を磨くほか、身体的な成長も育むことができる教育機関です。ただし、実際に行くかどうかを決めるのはお子様自身です。

お子様のありのままの姿を認め、受け入れてあげることが何より重要です。

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