「もう高校3年生なのに、進路が決まらない」
「やりたいことがないから将来を考えられない」
高校卒業時期が近くなると、その後の進路を嫌でも意識しなくてはなりません。
どこの大学のどの学部に行くかという迷い以前に、大学なのか専門学校なのか、そもそも自分はどうしたいのかもわからない、という方も少なくないでしょう。
今回は、進路がなかなか決められない高校生へ向けて、進路決定のためにすべきことをご紹介します。
悩んでいても時は過ぎていくばかり。
さまざまな方面から自分の興味へアプローチして、将来の目標を決めていきましょう。
目次
- 進路が決まらなくても焦らないで
- 進路が決まらない4つの理由
- 高校卒業後の進路とは
- 進路が決まらないときにおすすめ!7つの行動
- 「ライフスタイル」や「嫌いなこと」から進路を見出すポイント
- 一度決めた進路は後で変えてもいい?
- 進路が決まらないなら行動してみよう!好きから未来が見えてくる
進路が決まらなくても焦らないで
この記事を読む多くの高校生が、周囲の友達が進路を決めていく中、なかなか進路を決められずに不安を抱えているのではないでしょうか。
小学生のときは中学校へ、中学生のときは高校へ行くのが道筋としてありました。
しかし、高校卒業後の進路は人によって人生の大きな分かれ道となります。
それを理解しているからこそ適当に決めるわけにもいかず、焦り悩んでしまうのも無理はないでしょう。
進路が決まらないのは、実は珍しいことではありません。
自分だけ友達に置いて行かれているように感じるかもしれませんが、決して恥ずかしいことではないと覚えておきましょう。
まだ十数年しか生きていない中で、自分に何が合っているかを理解して進路を決めることはとても難しい選択です。
趣味がない大人もいますし、30歳でも40歳でも夢を追いかけたり、路線変更したりしている大人も数多くいます。
大切なのは一歩を踏み出すこと。
思い悩むよりもまずは行動に移してみましょう。
進路が決まらない4つの理由
では、なぜ進路選択で足止めされてしまうのでしょうか。
進路が決まらないのにはいくつかの理由があります。
おもな4つの理由について見ていきましょう。
やりたいことがない
まずは、やりたいことがないという場合です。
将来の夢から逆算して進路を決めるのが一般的であるため、やりたいことがないと進路選択にも迷いが生じてしまいます。
その結果、現在の成績・親の意見・友達に合わせるといった決め方となるでしょう。
もちろんそれが悪いわけではありませんが、学習意欲やモチベーションの維持を考えると自分の意思で決める方が望ましいです。
自分に向いているかわからない
将来の夢ややってみたいことはあるのに、自分に向いているのかわからず躊躇してしまうというケースがあります。
たしかに自分の適性を診断して、それに合った進路を選ぶのがよいかもしれませんが、実際には何事もやってみなければわかりません。
「合わないかも」「自分にはできないかも」と頭で思っていることでも、いざ挑戦してみるとしっくりくるかもしれないのです。
希望する進路を選べない事情がある
大学や専門学校は義務教育ではないため、進学にはお金がかかります。
また、受験に合格しないと入学することはできません。
希望する進学先があったとしても、自分の成績や経済的な理由で進学を目指せない場合があります。
しかし、奨学金制度や同じ学部を持つ他の学校など、リサーチの幅を増やすことで進学の可能性は広がります。
夢の実現のための進路がわからない
将来の夢や憧れのライフスタイルがあっても、そこにたどり着くにはどんな進路を選べばいいのかわからないというケースがあります。
例えば「将来は海外で働きながら暮らしたい」という夢がある場合、いくつもの選択肢が考えられます。
- 海外で暮らすために外国語を勉強できる学科を目指す
- 海外でバリバリ仕事をするために、海外拠点のある企業への就職を目指す
- その国のことをよく知りたいので大学在学中に留学を目指す
- 各国を飛び回れるように航空関連の就職を目指す
- 自分でビジネスを起こしたり、フリーランスになったりして海外拠点を目指す
どれも海外を視野に入れた目標ですが、進むべき学部・学科、目指すべき職業は大きく変わってきます。
高校卒業後の進路とは
高校を卒業すると、おもに進学か就職かに分かれます。
進学といっても大学・短大・専門学校など各分野で多岐にわたりますし、就職でもあらゆる業界・職種があって絞るのは大変です。
ここでは進学と就職について、改めてご紹介します。
大学・短大
高校卒業後の進路で多いのが大学進学です。
大学は4年制(学部により6年もあり)で、短大は2年が一般的とされています。
自分が興味のある専門分野に特化して学びつつ、一般教養として幅広い範囲の知識を吸収し、就職時にさまざまな職に就けるのが特徴です。
時間に余裕が生まれるため、アルバイトやサークル活動を通して学校生活を充実させられるのもメリットでしょう。
学費の面をクリアでき、学びたい意欲がある、大卒・短大卒の資格が欲しいという場合は、とりあえず大学を選んでおくのもおすすめです。
やりたいことが今決まっていなくても、「これからの4年間で探し、決める」という強い意志を持って進学すると興味の幅も自然と広がります。
短大は、大学より2年ほど早く社会に出られるため、学費を抑えることができます。
短大卒業後は大学への編入も可能。
デメリットとしては、入学してから2年間の中で就職活動もおこなうため、大学生のような余裕のある時間の使い方ができないという部分です。
専門学校
専門学校は2年制が一般的ですが、1〜4年まで学校によって開きがあります。
専門分野の知識を深め、実習を含めた実践的な授業で即戦力となる人材を育てていく環境です。
卒業後も専門知識を活かした職に就くことができます。
資格試験が必要な専門職を目指すのであれば、専門学校に進むとよいでしょう。
就職
進学の他に、高校を卒業して就職するという選択肢があります。
早く社会に出たい、経済的な理由で早く働きたいという場合は就職するのもよいでしょう。
技術職のような専門的な職業では、早くから現場経験を積んでいた方が一人前になるまでが早くなり、出世にもつながるという考え方もあります。
しかし、高卒での就職には注意すべきポイントもあります。
現在では大学や専門学校を卒業してから就職する割合が高まっており、高卒の求人数が多いとはいえません。
それと同時に働く業界や職種も大卒に比べて限られてしまうという面があるのです。
収入に関しても、初任給・生涯年収が大卒に比べて低くなるといわれています。
「働くのであれば自分のやりたい仕事を!」と考える場合は、多少遠回りしてでも専門学校でスキルをつけたり、大学で興味のある分野を学んだりするのがおすすめです。
進路が決まらないときにおすすめ!7つの行動
進路が決まらないと頭を抱えていても、ただ時間が過ぎていくだけです。
今できる最善の進路選択を目指し、できることから始めてみましょう!
進路探しにおすすめの7つの行動
- 身近な大人にインタビューする
- 自己分析をする
- 好きなことや学びたいことを考える
- 気になる業界や職業を調べる
- その分野はどんな学校で学べるか調べる
- 家から通うか一人暮らしかを考える
- 自分の優先順位から学校を絞り込む
ひとつずつご紹介します。
身近な大人にインタビューする
興味のある職業や進学先について考えるとき、経験者の生の声を聞くのはとても参考になります。
- 現在の職種を選んだ理由
- 仕事内容
- いつなりたいと思ったのか
- この職業に就くまでにどんな学校で学んできたのか
- 仕事の楽しいこと
- 仕事のつらいこと
- 進路選択時に考えておくべきこと
進路選択や仕事に関する質問を何でもぶつけてみましょう。
卒業生や自分と年の近い方だけでなく、家族や親戚といったごく身近な大人は貴重な情報源でもあります。
より偏りのない見方ができるよう、できるだけ多くの大人から話を聞くのが理想的です。
自己分析をする
進路を決めるには、自己分析をする必要があります。
興味があることはもちろんのこと、得意・不得意も知っておくことで職業の適性を知るきっかけにもなります。
長所・短所に関しては、自分自身で考えるのと同時に、家族や友達といった自分をよく知る存在にも質問してみましょう。
自分では気付けなかった特性を教えてもらえるかもしれません。
好きなことや学びたいことを考える
進学を少しでも考えているのであれば、それは「学びたい意思」があるということです。
目指す学科が浮かばないときは、自分が好きなことや趣味から職業を連想して、関連する学問を導き出していくとよいでしょう。
好きなことは何かひとつに絞るのではなく、過去から今までに興味を持ったことがある分野を中心に、選択肢を増やしていくのがポイントです。
子どもの頃になりたいと思っていた職業、好きだったものなども含めて書き出してみてください。
気になる業界や職業を調べる
テレビを観たり本を読んだり、これまでに何らかの業界や職業に興味を持ったことがあると思います。
医師になるためには大学の医学部を受けなくてはいけない、ということはすぐに想像できますが、どうやってなるのかわからない職業も多々あるでしょう。
気になる業界にはどんな職種があり、そこで働くためにはどんなルートを辿ればよいかをひとつずつ調べていくことで、非現実的だった職業が現実的に目指せるものとなっていきます。
その分野はどんな学校で学べるか調べる
少しでも興味を持った分野について、どんな学校で学べるのかを調べていきます。
大学でも専門学校でも、まずは資料請求するところから始めましょう。
何が学べるのか、どんな特色があるのか、自分に合っていそうかどうか、いくつもの学校を比較するうちに徐々に絞れてくるはずです。
そして、資料ではわからない実際の学校の様子を自分の目で確かめることをおすすめします。
オープンキャンパスや学園祭に参加して学校の雰囲気を体感すると、進学への不安が払拭されて、進路決定へ一歩前進できるためです。
入学後に「こんなはずじゃなかった……」とギャップを感じる確率も格段に減ります。
大学であれば、学食を利用してみるのも学校の普段の雰囲気を知るひとつの方法です。
家から通うか一人暮らしかを考える
進学する地域も大切です。
自宅から通えるのであれば、余計な生活費がかからずに済みます。
アルバイト代を貯金に回すのも可能です。
家族に家事をしてもらえることで、勉強に集中できるでしょう。
なにより、家に帰ってきて誰か話し相手がいるというのは心が安らぐものです。
一方、一人暮らしをする場合は、学校に通いやすい立地を選べるのが魅力です。
学校から徒歩圏内に暮らせる可能性もあり、交通費の節約や時短にもつながります。
家事をすべて自分でこなさなくてはいけないものの、生活リズムを自分のペースで決められるためストレスなく過ごせます。
「自宅から通える学校がいい」
「憧れの地域に一人暮らししてみたい」
そんな思いも進学へのモチベーションになり得るでしょう。
一人という環境は時に寂しさを伴いますが、一人だからこそ自由に友達を呼ぶこともできます。
自分の優先順位から学校を絞り込む
学校に対しての優先順位は人によって異なるものです。
- 駅から近い
- 奨学金が充実している
- 施設・設備が充実している
- 学生寮がある
- 就職のサポートが充実している
自分が学校に対して求めるのはどんなことかを考え、希望に合わせた学校を選ぶとよいでしょう。
「ライフスタイル」や「嫌いなこと」から進路を見出すポイント
興味があることを見つける以外にも、理想の生き方や嫌いなことによって進路につなげていくことが可能です。
理想の生き方から導く進路
やりたいこと=職業とは限りません。
漠然と思い描いている理想の生き方も進路決定の重要なピースとなります。
- 家から通いたい
- 安定した仕事がいい
- 田舎に住みたい
- 音楽に関わりながら生きたい など
どんな風に暮らしたいかという希望は、誰でも持っている感情ではないでしょうか。
そこからイメージできる学校や職種が自分の目指すべき進路です。
嫌いなことから導く進路
ここまで、進路を決めるには好きなことを見つけて将来に結びつけていくとお話ししてきました。
しかし、その逆の考え方もあります。
「やりたくないこと」「苦手なこと」をピックアップして、消去法で消していくという方法です。
- 立ち仕事が苦手
- 平日休みは嫌
- 海外には住みたくない
- 地元を離れたくない など
消去法だと自らの選択肢を減らしているように感じますが、自分は無意識に何を嫌がっているのか、どんな系統ならOKかを自然と見極められるようになります。
一度決めた進路は後で変えてもいい?
前々から決めていた進路を、高校3年生になってから変えてもいいのか不安になることもあるでしょう。
さまざまなきっかけに刺激を受けて吸収できるのはよいことで、目指す道が変わるのは決して移り気なわけではありません。
卒業が近くなってからの進路変更自体は問題ないものの、次のどのタイプかによって対応は異なります。
- 同じ受験科目で、大学を変える場合:今までの受験勉強でOK
- 理系希望から文系希望になる場合:受験科目を履修できていれば受験できる
- 文系希望から理系希望になる場合:理数科目の履修・勉強が必要なため浪人の可能性も
「浪人の可能性があるなら、進路を変えないでおこうかな……」と思うかもしれません。
しかし、これまで考えていた進路とはまったくの別分野を目指したい場合、興味のない大学に4年間通うのは果たして自分のためになるのでしょうか。
大学入学後、あるいは大学卒業後に進路変更するほうが、時間的にも経済的にも効率が悪いといえるでしょう。
明確な目標がある進路変更であれば、進学までもう1年かかることになっても、親も理解を示してくれるはずです。相談してみてください。
進路が決まらないなら行動してみよう!好きから未来が見えてくる
今回は、高校卒業後のおもな進路と進路が決まらない際の原因、取るべき行動についてご紹介しました。
高校卒業後の進路がなかなか決まらないのは、決して珍しいことではありません。
進路を決めるには、将来の夢や興味があること、理想のライフスタイルをもとに、関連した学校を見つけていくのが近道です。
【進路が決まらない4つの理由】 やりたいことがない自分に向いているかわからない希望する進路を選べない事情がある夢の実現のための進路がわからない |
【進路探しにおすすめの行動】 身近な大人にインタビューする自己分析をする好きなことや学びたいことを考える気になる業界や職業を調べるその分野はどんな学校で学べるか調べる家から通うか一人暮らしかを考える自分の優先順位から学校を絞り込む 理想の生き方から将来を考える苦手なこと・嫌いなことから消去法で考える |
一度決めた進路を高校3年生になってから変更してもかまいません。
情報収集と自己分析を通して、将来の自分を想像してみることが大切です。
まずは少しずつ行動しながら自分だけの目標を見つけていきましょう。