「SDGs教育日本一」を掲げる学校法人郁文館夢学園。
ID学園高等学校でも本格的にSDGsに関する授業に取り組み始めました。
SDGs(=Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)とは、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であり、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
SDGsについて授業で学び普段から意識することで、「持続可能な社会づくり」への意識が高まるだけでなく、自ずと国際理解や時事問題にも詳しくなり、「課題解決力」が養われます。
今回は初めて外部の講師をお招きし、「2030 SDGs」というカードゲームを行いました。
講師を務めるのは「未来創造サポート」代表の寺島義智様。
SDGsイノベーションファシリテーターやワークショップデザイナーなどとして様々な企業・団体・学校を対象に、
SDGsの浸透やCSR、CSV創出を手掛けられています。毎日イベント続きというご多忙の中
「SDGs教育」を学ぶID学園高等学校の生徒たちに期待を寄せて今回講師を請け負ってくださいました。
そもそものSDGs設立の背景や17項目の概要をわかりやすくご説明いただいたあとは、いよいよカードゲームです。
ゲームとなると目の色が変わるID生たち。2~3人一組のグループに分かれゲームスタートです!
「2030 SDGs」では、カードゲームを通じて、実際の社会で起きている流れを体感することできます。
各チームがゲームのミッションである、建物や道路の建設など行動をおこしていくと、
世界の状況を示す「経済」「環境」「社会」の点数に影響を及ぼし、世界の均衡が変わっていくというゲームです。
ゲーム前半を終え16チーム中3チームのみが目標達成という状況。
また、全体(世界)の状況を示すメーターも「経済」の点数のみが極端に増えた一方、「社会」「環境」の点数が下がり、
実社会に当てはめて考えると、経済は発展しているものの、環境汚染が悪化し、社会の治安が悪化するという、バランスの悪い状況となってしまいました。
「やばいじゃん!こんな世界で暮らせていけないよ!」と焦る生徒たち。
寺島先生のアドバイスをもとに、もう一度カードを読み直します。すると、ミッションクリア条件の最後に、
「得た富を十分に利用できる豊かな世界が整っている」
「ゲーム終了時にバランスの取れた豊かな世界に住んでいる」
という言葉が書かれているのを発見しました。
「社会全体の状況を見た方がいいのかも・・・」
「ほかのチームと協力したほうがいいのかな・・・?」
生徒たちが何かに気づいて後半のスタートです。
前半に比べて、チームの垣根を超えてコミュニケーションをとり協力し合っているため、盛り上がりが出てきました。
後半戦を追え、16チーム中11チームが達成。
世界の状況を示すメーターも、「環境」と「社会」の点数が増え、前半の結果に比べてバランスが良くなりました。
「前半は自分たちのことだけを考えて行動していましたが、他のチームとも協力しないと最終ゴールは達成できないということが分かり、他のチームとコミュニケーションを積極的に取りました」
「後半では、常に『世界の状況メーター』を見るようになり、今社会がどんな状況なのかバランスを確認しながら行動するようになりました。自分が行動することで間接的にいろいろなチームに影響がでることに驚きました。」
と様々な気づきを得た生徒たち。
最後に寺島先生から「SDGsの本質」は、「世界はつながっている」ということ、
そして「自分も起点になるということ」と、世界が目指す目標を「見える化」し、
共有することによって「行動が変わる」ということを教えていただきました。
「SDGsって最初はよく分からなかったけど、自分の行動が世界に影響を及ぼすということが分かりいろんなことが自分事になった気がします」
「いろいろな人とコミュニケーションをとり、協力して取り組むということが大切だとわかりました」
ID学園初の外部講師を招いたSDGs授業。
カードゲームを通じて楽しみながらSDGsの本質を体感できる大きな学びとなりました。
少しでも日々の生活に活かしてもらえればうれしいです。