ID学園高等学校

高校生の起業の始め方|アイデア8選+【無料DL】お金の3ステップ管理シート

「自分の好きなことで、お金を稼いでみたい」
「何か新しいことに挑戦してみたい」

高校生でも、そんな夢を『起業』という形で実現できる時代になりました。

しかし、いざ挑戦しようと思っても、「何から始めたらいいの?」「失敗したらどうしよう…」と、不安や疑問で一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。

この記事は、そんなあなたにぴったりの『起業準備ガイドブック』です。

安全に、そして着実に夢への挑戦を始めるために、具体的なアイデアの探し方から、失敗しないためのお金の計画術、そして起業に役立つ3つのオリジナルシート(無料ダウンロード可)まで、必要な情報をすべて詰め込みました。

この記事を読めば、漠然としていた『起業』が、ぐっと身近なものになるはずです。

【この記事でわかること】

高校生でも始めやすい、安全な起業アイデア8選
起業に必要な、年齢や税金の基礎知識
失敗のリスクを減らす、お金の計画の立て方(シート付)
起業の具体的な6つの準備ステップ
先輩たちが語る、リアルな学びの体験

高校生の『起業』、最初の一歩を踏み出そう

自分のビジネスを始めてみたい!

そんなふうに考えている高校生は、実はあなただけではありません。

ある調査では、将来起業してみたいと考える高校生は約14%となっています。
これは大学生の約12.4%を上回る数字で、高校生の起業への関心が高まっていることがわかります。
株式会社ペンマーク「高校生活実態調査」2023年

でも、自分には特別な才能なんてないし、お金もないし…

そう考えてしまうのも無理はありません。

しかし、大切なのは、才能やお金以上に、夢をかたちにするための『正しい知識』と『しっかりとした準備』です。

その準備を一緒に進めてくれる一番の味方が、すぐそばにいる保護者の方です。

起業しようと挑戦を続けていくと、難しい契約やお金のことで悩む場面も出てくるでしょう。
そんな時、社会経験の豊富な保護者の方は、あなたを様々なトラブルから守り、力を貸してくれる最高のパートナーになります。

この記事は、そんな心強いパートナーと一緒に、安心して『好き』や『情熱』をかたちにする、最初の“地図”となるものです。

何から始めるか、どうやってお金の計画を立てるか、一つひとつ順番に解説していきます。

焦らなくて大丈夫。
一緒に、あなたの「やってみたい!」を、実現可能な一歩へと変えていきましょう。

高校生でも始めやすい!起業アイデア8選

では、実際にどんなことをビジネスにできるのか、具体的なアイデアを見ていきましょう。

『起業』と聞くと、誰も思いつかないような、すごいアイデアが必要だと考えてしまうかもしれません。
しかし、そんなすごいことでなくても大丈夫です。

ヒントは、あなたの『身の回り』や『好きなこと』、そして『誰かを助けたい』という気持ちの中に隠されています。

ここでは、高校生でも始めやすい8つのアイデアを、3つのカテゴリに分けてご紹介します。

「これならできそう!」を見つけてくださいね。

身近なモノや『好き』をかたちにするアイデア

まずは、自分の家にあるモノや、自分の『好き』という気持ちを出発点に始められるアイデアです。

①フリマアプリ販売

最も身近なところから始められる方法です。

家にある、もう使わなくなった服や本、グッズなどをフリマアプリで販売

商品を撮影し、説明を書き、購入されたら梱包して発送する。
この一連の流れは、商売の基本そのものです。

リスクなく『ビジネスの最初の体験』ができる、素晴らしい第一歩になります。

②ハンドメイド作品の販売

アクセサリー作りや小物作り、イラストを描くことが好きなあなたにぴったりのアイデアです。

『BASE(ベイス)』や『minne(ミンネ)』といったサービスを使って、自分の『好き』を込めて作った作品を、ネットショップで販売

世界に一つだけの商品を、あなたを待っている人に届けましょう。

③スマホ写真の販売

特別なカメラがなくても、スマホで撮った写真で収入を得る方法があります。

『写真AC』などのストックフォトサイトに登録し、自分で撮った写真を販売

何気ない日常の風景や、綺麗な空の写真が、誰かのWebサイトや資料で使われるかもしれません。
趣味の延長で、気軽に挑戦できるのが魅力です。

④イラスト受注・アイコン制作

絵を描くのが得意なら、そのスキルを直接誰かのために役立ててみませんか。
SNSのアイコンや、ちょっとした挿絵など、「イラストを描いてほしい」という需要はたくさんあります。

『ココナラ』などのスキルマーケットに登録、自分のスキルを出品して依頼を受ける

スマホやパソコンでスキルを活かすアイデア

スマホやパソコンを使って、自分の知識や技術を提供するアイデアです。

⑤動画編集・サムネイル制作

YouTubeやTikTokが身近になった今、動画編集のスキルは非常に価値があります。

動画をカットしたり、テロップを入れたり、視聴者の目を引くサムネイル画像を作ったりするお仕事

最初は難しく感じるかもしれませんが、将来性も高く、『仕事をしたい人』と『仕事をお願いしたい人』をインターネット上でつないでくれる専門のWebサイト(クラウドソーシングサイト)などで、自分に合った仕事を見つけやすい分野です。

⑥Webライター

文章を書くことが好きな人におすすめなのが、Webライターです。

企業や個人のブログ記事、Webサイトの紹介文などを、依頼に沿って執筆するお仕事

在宅で、自分のペースで進められるのが魅力です。
様々な業界の文章を書くことで、社会の仕組みを学ぶよい機会にもなります。

⑦デジタルコンテンツ販売(勉強ノートなど)

自分の得意なことを、データにして販売するユニークな方法です。

テスト前にまとめたわかりやすいノートや、問題集を解いたときのポイント集などをPDFデータにして販売するお仕事

一度作ってしまえば、在庫を持つことなく、あなたの知識が必要な人に届き続けます。

誰かの『困った』を解決するアイデア

⑧高齢者向けスマホ・PC操作サポート

あなたの『当たり前』が、誰かにとっては『難しいこと』かもしれません。

祖父母や近所の方に、スマホの使い方を教えたり、パソコンでの調べ物をお手伝いしたりするお仕事

直接「ありがとう」と言ってもらえる喜びを感じられる、やりがいのある大きな挑戦です。

始める前に知っておきたい、起業の基礎知識

具体的なアイデアが見えてくると、「何か始めたい!」という気持ちも高まりますよね。

実は、国も起業を目指す若者を応援しています。
中小企業庁では、若い世代が将来の起業に関心を持ち、実践的な力を育てられるよう、学校での起業家教育や起業家を目指す人への支援プログラムを紹介したりしています。(中小企業庁「起業家教育支援」

でも、アイデアだけでうまくいくほど、起業は甘くありません。

例えば、商品を売るには『法律』や『契約』のルールを守る必要がありますし、お金をやり取りするなら『税金』のことも避けて通れません。
知らなかったでは済まされないことも、たくさんあります。

とはいえ、今すぐ全部を完璧に理解する必要はありません。
まずは「こんなルールがあるんだ」と知ることが、最初の大事な一歩です。

この章では、起業を考える高校生が知っておくべき基本的なルールや考え方を、できるだけわかりやすく紹介していきます。

あなたの「やってみたい」が、ちゃんとかたちになるように。
まずはここから、一緒に始めてみましょう。

『会社(法人)』と『個人事業主』、どっちを選ぶ?

『起業する』と聞くと、立派な『会社』を作ることをイメージするかもしれません。
しかし、起業のかたちには、大きく分けて2つの種類があります。

会社(法人)
法人とは、法律上『人』として認められた組織のこと。
株式会社や合同会社などの形があります。

難しく聞こえるかもしれませんが、スポーツで言えば『自分のチームを作る』ようなものです。
会社というチームをつくり、その名前で活動し、責任もチームとして負っていきます。

あなた個人ではなく、『会社』というまとまりが社会に向かって動いていく―そんなイメージです。

設立には費用や手間がかかりますが、社会的な信用度は高くなります。

個人事業主
個人が事業を行う、というかたちです。

スポーツで言えば、自分ひとりで大会に出場するようなもの。
チームを作るのではなく、あなた自身の名前でビジネスの勝負に挑むスタイルです。

税務署に『開業届』という書類を出せば、費用をかけずにすぐ始められます。

『会社』と『個人事業主』の違い

会社(法人)個人事業主
始めやすさ手間と費用がかかるとても簡単
社会的信用高い会社よりは低い
責任の範囲会社の責任は、会社全体で負う事業の責任は、すべて自分個人が負う

最初は、手続きが簡単で、自分のペースで始められる『個人事業主』からスタートするのが、最も現実的でおすすめの方法です

『18歳』が分かれ道。契約で何が変わる?

『会社を作る』『個人事業主になる』―実際にその一歩を踏み出すには、契約や手続きが必要になります。

そのときに大きなカギを握るのが、『あなたが18歳かどうか』というポイントです。

18歳未満の場合

法律上、18歳未満の人が結んだ契約は、保護者などの『法定代理人』の同意が必要

もし同意がなければ、あとからその契約を取り消すことができる、というルールになっています(民法第5条)。

これは、社会経験の少ない未成年者をトラブルから守るための、大切な仕組みです。

たとえば、開業届を出す、銀行口座を開く、何かを仕入れて販売するなど、起業に関わる多くの行為は保護者の協力が前提となります。

18歳以上の場合

18歳からは親の同意がなくても、自分で契約を結べる(2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げ)

個人事業主としての開業届や法人設立の手続き、銀行口座の開設なども、基本的にはすべて自分で行えます。

ただし、それは『契約に対するすべての責任を自分で負う』ということでもあります。
契約内容をよく理解せずにサインしてしまえば、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクもあるのです。

どちらの場合も、大事な契約を結ぶ前には、保護者の方に相談することがトラブルを未然に防ぐための最も確実な方法です

税金ってどうなる?親の扶養との関係

事業でお金を稼ぐようになると、避けて通れないのが『税金』の話です。

特に保護者の方が気にするのは、あなたが『扶養』に入っているかどうか。
これは税金に大きく関わってきます。

『扶養』とは?

『家族を支えている人の税金を少し安くする』という仕組みです

『親があなたの生活をサポートしているあいだは、親の税金が少し安くなる』ということですね。

【重要ルール】覚えておきたい『58万円の壁』

事業で得た利益(売上−経費)が年間58万円を超えると、税法上は扶養の対象から外れます

そうなるとどうなるか?
保護者の方が支払う税金が増えてしまう可能性があるのです。

また、アルバイトの収入がある人は、それも合計して58万円を超えないように気をつける必要があります。

難しい話に聞こえるかもしれませんが、最初は「利益が大きくなると、税金の扱いが変わることがあるんだな」と覚えておくだけでOKです。
細かいことは、大人に相談しながら少しずつ知っていけば大丈夫。

まずは『58万円』という数字を、頭の片隅に置いておきましょう。

起業をかたちにする6つのステップ|保護者と一緒に

さて、ここからは、あなたの「やってみたい!」という気持ちをかたちにするため、一歩ずつ具体的に進めていきましょう。

どんなに大きな夢も、その始まりは、小さなステップの積み重ねです。

この章でご紹介する6つのステップが、あなたの挑戦の確かな道しるべとなります。
一つひとつのステップを、ぜひ保護者の方と話し合いながら、着実に進めていってください。

ステップ1:やりたいことを1枚の紙にまとめてみる

まずは、あなたの頭の中にある素敵なアイデアを、目に見えるかたちにしてみましょう。

『事業計画書』なんて、難しく考える必要はありません。
お気に入りのノートや、真っ白な紙を1枚用意してください。

そして、そこに4つの質問の答えを、自由に書き出してみましょう。

【4つの質問】
 ① 何を届けたい?(商品やサービス)
 ② 誰に届けたい?(お客さま)
 ③ どうやって届ける?(販売方法)
 ④ いくらで届ける?(価格)

完璧な答えでなくても大丈夫です。
「こんな感じかな?」と、今の気持ちを言葉にしてみることが、何よりも大切な第一歩。

この一枚の紙が、あなたの夢の設計図になります。

ステップ2:一番の応援団!保護者に計画を話してみる

設計図が描けたら、次はその計画について相談しましょう。

あなたの挑戦における、最も重要で、心強い味方―それは、保護者の方です。

ステップ1で書いた紙を見せながら、「自分はこんなことをやってみたいんだ」というあなたの想いを、自分の言葉で伝えてみましょう。

大切なのは、「許可をもらう」という姿勢ではありません。
「自分の計画の、最初の協力者になってもらう」という気持ちです。

そのためにも、学業との両立をどう考えているかなど、保護者の方が安心できるような計画も一緒に伝えられると、あなたの本気度がより伝わるはずです。

ステップ3:失敗しないためのお金の計画を立てる【シート付】

情熱と同じくらい大切なのが、お金の計画です。

多くの起業がうまくいかなくなる原因は、この『お金の計画』の準備不足にあると言われています

でも、心配はいりません。
ステップ3では、お金の計画を立てるための3つのシートを用意しました。

このシートが、あなたの挑戦を失敗から守る、強力な武器になります。

【準備①】まず自分を知ることから。毎月のお金の出入りを把握しよう!

Money Tracker Sheet:毎月のお金管理シート
(シートはこちらからダウンロードできます)

まずは、自分自身のお金の『現在地』を知ることから始めましょう。
このシートは、あなたのお金の流れを“見える化”するための、最初の道具です。

一緒に書き込んでみましょう!

STEP
『月間収入』を書き出そう

まず、ピンク色の『月間収入』の欄からです。
お小遣いやアルバイト代など、1ヶ月の間に入ってくるお金を、思い出せる範囲で書き込んでみてください。
『その他』の欄には、お年玉や臨時収入などを書きます。

すべて書けたら、一番下の『合計収入』を計算してみましょう。

STEP
『月間支出』を正直に書き出そう

次に、水色の『月間支出』の欄です。
何にどれくらい使っているか、正直に書いていくことが大切なポイント。

このシートでは、支出を2つのタイプに分けて考えます。

左側の『固定費』は、スマホ代や動画・音楽のサブスク料金など、毎月だいたい決まって出ていくお金のこと。
まずはここから埋めると、考えやすいですよ。

右側の『変動費』は、月によって変わるお金です。
友達と遊んだり、好きな服を買ったり。
項目を見ながら、先月1ヶ月のことを思い出して、わかる範囲で書き込んでみましょう。

STEP
『使途不明金』は、改善のヒント!

「何に使ったか覚えていない…」というお金は、変動費の『その他(使途不明金)』の欄へ。
もしここにたくさんのお金が集まるようなら、それがあなたの無駄遣いのクセを知るヒントになるかもしれません。

STEP
『今月の収支』を計算してみよう

すべて書き出せたら、下の『今月の収支』で計算します。
『収入』の合計から『支出』の合計を引くだけです。

プラスになりましたか?それとも、マイナスでしたか?
どちらの結果でも、良い悪いではありません。

自分の今の状況を、数字でちゃんと知ることが、何より大きな一歩です。

STEP
一番大切な『気づき』をメモしよう

最後に、一番下の『気づき・反省点』の欄。
ここが一番大切かもしれません。

「思ったよりお菓子に使っていたな」「来月はもう少し貯金に回せそう」など、感じたことを自由にメモしておきましょう。
この小さな気づきが、あなたの夢を支えるお金を貯める力につながっていきます。

【準備②】次に夢をかたちに。やりたいことにいくらかかるか計画しよう!

Money  Planner Sheet:やりたいことにかかるお金計画シート
(シートはこちらからダウンロードできます)

自分のお金の現在地がわかったら、次はいよいよ、あなたの『やりたいこと』の計画を立てていきましょう。
このシートは、漠然としたアイデアを、具体的な目標に変えるための道具です。

STEP
あなたのプロジェクトに名前をつけよう

まず、シートの一番上に、あなたの『アイデア/事業名』と、いつ頃までにそれを実現したいか『目標の実現時期』を書き込みます。
名前と期限を決めることで、計画がぐっと具体的になり、やる気も湧いてきます。

STEP
『必要な費用リスト』を埋めていこう

次に、中央の『必要な費用リスト』を埋めていきます。
あなたのアイデアをかたちにするために、何が必要になるか、保護者の方とも相談しながら、思いつく限り書き出してみましょう。

『概算金額』は、ネットで調べたりして、だいたいの金額でOKです。

『優先度』の欄には、それが『絶対に必要か(高)』『後でもいいか(中)』『なくてもいけるか(低)』を考えながら記入します。
このひと手間で、お金を使う順番が決めやすくなります。

STEP
一番のキモ!『チェックリスト』で計画を磨こう

リストが埋まったら、一番下の『チェックリスト』に進みます。
ここが、あなたの計画を、より安全で現実的なものにするための、とても大切な“作戦会議”です。

チェックリストでは、一つひとつの質問に、正直に答えてみましょう。
そうすることで、本当に必要なものだけにお金を使う、賢い計画に磨き上がっていきます。

最初のうちは、できるだけお金をかけずに『小さく始める』ことが、失敗のリスクを減らす一番のコツです。

STEP
『合計概算費用』を計算しよう

最後に、チェックリストで計画を見直した上で、優先度の高いものを中心に『合計概算費用』を計算します。

さあ、数字が見えてきましたね。
これが、あなたの夢を実現するために、まず集めるべき具体的な目標金額になります。

【準備③】ビジネスのメイン。お金の流れを設計しよう!

Money Flow Sheet:黒字ラインチェックシート
(シートはこちらからダウンロードできます)

いよいよ、お金の計画の総仕上げです。

この最後のシートは、あなたのビジネスがきちんと利益を出して、継続していけるかどうかをシミュレーションするための、とても大切なものです。

少し難しく感じるかもしれませんが、ここが一番の頑張りどころ。
保護者の方と一緒に、挑戦してみましょう。

【パート1】黒字ライン(損益分岐点)を計算しよう

まずは、シートの1枚目、『損益分岐点』を計算します。
これは、『最低いくつ(いくら)売れば、赤字にならないか?』という、あなたのビジネスの“黒字ライン”のことです。

STEP
『基本情報』を埋め

まず、あなたの商品やサービスの『販売価格』と、それを1つ作るのにかかる『材料費・原価』を書き込みます。
その差額が、あなたの『1つあたりの利益』になります。

STEP
『固定費』を計算する

次に、ネットショップの月額利用料など、毎月必ずかかってくる『固定費』を書き出し、合計額を出します。

STEP
いよいよ、黒字ラインを計算!

シートの計算式に沿って、『固定費の合計』を『1つあたりの利益』で割り算してみましょう。

出てきた数字が、あなたが1ヶ月に売るべき最低限の個数(回数)です。
下の『つまり、月に〇個以上売れば黒字!』の欄に、その数字を書き込んでみてください。

これが、あなたのビジネスにおける、最初の具体的な販売目標になります。

【パート2】お金の流れ(キャッシュフロー)を予測しよう

次に、シートの2枚目、『キャッシュフロー』の予測です。
ビジネスで一番怖いのは、計算上は利益が出ているはずなのに、支払いのタイミングでお金が足りなくなる『資金ショート』です。
そうならないために、お金の『入るタイミング』と『出るタイミング』を予測します。

STEP
『入金予定』と『出金予定』を書き出す

いつ、いくらくらいお金が入ってきそうか(売上など)。
いつ、いくらくらいお金が出ていきそうか(材料費の支払いなど)。

それぞれ、カレンダーを見ながら、具体的な日付のイメージと共に書き込んでみましょう。

STEP
『収支予測』で、未来の残高をチェック!

入金の合計から、出金の合計を引き算します。
もし、この数字がマイナスになる場合は要注意。
月の途中で、お金が足りなくなってしまう危険信号です。

STEP
最後の『チェックリスト』で、危険を回避しよう

もし資金ショートの危険があったら、このチェックリストが役に立ちます。

これらの質問に一つひとつ答えることで、どこに危険が潜んでいるか、どうすればそれを避けられるかの対策を考えることができます。

お疲れ様でした!これで、3つのシートがすべて完成です。
この計画書は、あなたの夢を、単なる憧れから『実現可能なビジネスプラン』へと変えてくれた、何よりの証明です。

ステップ4:事業の元手となる資金を集める

ステップ3でお金の計画を立てたら、次は『そのお金をどうやって用意するか』を考えます。
高校生でも挑戦できる、資金集めの方法をいくつかご紹介します。

お小遣いやお年玉を貯める

まずは基本の自己資金。目標額を決めて貯金を始めることで、お金の大切さを実感できます。

プレゼンして支援をお願いする

ステップ1や3で作ったシートを見せ、保護者の方や親戚の方に、夢への支援をお願いしてみるのも一つの手です。

公的な制度やプログラムを活用する

日本政策金融公庫(新規開業・スタートアップ支援資金
国が運営する金融機関で、しっかりした計画があれば、高校生でも融資の相談に乗ってもらえます。

ビジネスプランコンテスト
自治体や企業が開催するコンテストに応募し、自分のビジネスプランを発表して、賞金を得る方法です。

たとえば、東京都が主催する高校生向けの起業家養成プログラム『K-START DASH』のように、行政が若者の挑戦を応援する動きも活発になっています。

J-Net21』のような情報サイトで、お住まいの地域でも同じようなプログラムがないか、探してみるのも良いでしょう。

クラウドファンディング
CAMPFIRE」などに代表される、自分の夢を発信し、共感してくれた多くの人から少しずつ資金を支援してもらう新しい方法です。

ステップ5:まずは小さくテスト販売してみる

計画が固まり、資金のめどが立ったら、いよいよ実践です。

でも、最初から完璧なお店や商品を目指す必要はありません。
大切なのは、『まずは小さく試してみる』こと。

たとえば

ハンドメイド作品なら、まずは1つだけ作ってフリマアプリで売ってみる。
Webライターなら、まずは1つの記事を書いて、誰かに読んでもらう。

その小さな一歩で得られるお客さまからの反応が、何よりの学びとなり、あなたのサービスをより良くするためのヒントになります。

ステップ6:必要なら開業の手続きをする

ビジネスが軌道に乗り、継続的に収入が得られるようになったら、最後の仕上げとして『開業届』を税務署に提出することを考えましょう。

これは、「私は、個人事業主として、正式にビジネスを始めました」という宣言のようなものです。
手続きのタイミングや方法でわからないことがあれば、保護者の方と一緒に、税務署に相談してみるのもよいでしょう。

焦る必要はありません。
あなたのビジネスの成長に合わせて、適切なタイミングで一歩ずつ進んでいきましょう。

高校生の起業に関するQ&A

失敗したら、借金を背負いますか?

これは、多くの方が一番心配するところだと思います。

結論から言うと、この記事で紹介しているような『個人事業主』として、借金をせずに自己資金の範囲で小さく始めるなら、失敗しても借金を背負うことはありません。

もしうまくいかなくても、事業を『やめる』だけで、基本的にはすべてが元通りになります。
それが、小さく始めることの最大のメリットです。

トラブルが心配です

挑戦に、もしものトラブルはつきものです。
大切なのは、困った時に、一人で抱え込まずに相談できる場所を知っておくことです。

例えば、商品や契約に関するトラブルなら、全国どこからでも電話できる消費者ホットライン『188(いやや!)』があります。
また、法律に関する専門的な相談がしたい場合は、国が設立した『法テラス』という窓口もあります。

そして、何よりも忘れないでほしいのは、一番身近な相談相手は保護者の方だということです。
大事な契約書にサインする時や、お金のやり取りで不安な時は、必ず保護者の方と一緒に確認する。
それだけで、ほとんどのトラブルは未然に防ぐことができます。

学校の勉強と両立できますか?

もちろん、両立は簡単ではありません。
大切なのは、自分でルールを決めることです。
「平日は勉強に集中して、ビジネスに取り組むのは週末だけにする」「毎日1時間だけ、この作業をする」など、無理のない計画を立てましょう。

事業計画を立てる力や、お金を管理する力は、将来の大学受験や社会に出てから、どんな場面でも必ず役に立つ『実践的な学び』になります。

よいアイデアが思いつきません。どうすればいいですか?

最初から、誰も思いつかないような『すごいアイデア』は必要ありません。
ヒントは、あなたの日常に隠されています。

「自分が好きなこと、時間を忘れて熱中できることは何だろう?」
「友達や家族が、普段どんなことで少し困っているかな?」
そういったことを、スマホのメモ帳に書き出してみることから始めてみてはどうでしょうか。

素晴らしいビジネスの多くは、そんな小さな気づきから生まれています。

こちらも参考にしてください|ステップ1:やりたいことを1枚の紙にまとめてみる

親に反対されたら、どうすればいいですか?

感情的にならず、まずは保護者の方が「なぜ反対なのか」、その心配事にじっくりと耳を傾けることが第一歩です。

心配しているのは、勉強のことでしょうか。それとも、お金のことでしょうか。
その不安を一つひとつ解消できるように、この記事のステップ1やステップ3で作った『計画書』や『お金のシート』を見せながら、あなたの本気度と、しっかり準備している姿勢を、誠実に伝え続けてみてください。

大切なのは、一方的に説得しようとするのではなく、対話を重ね、一番の味方になってもらう努力を続けることです。

始めたけど、全然売れません。心が折れそうです。

その気持ち、とてもよくわかります。
そして、それはあなただけが経験することではありません。
どんなに成功している人でも、必ず通る道です。

『売れない』という事実は、失敗ではなく、『どうすればもっとよくなるか?』を考えるための最高のヒントです。 
「価格が高すぎるのかな?」「写真が魅力的じゃないのかな?」「説明文が足りないのかな?」などと、一つひとつ仮説を立てて、少しずつ改善を繰り返してみましょう。

その試行錯誤のプロセスこそが、何よりの学びになります。すぐに諦めないで、挑戦を続けてみてください。

まとめ|準備を整えて、自分だけの挑戦を始めよう

ここまで読んで、起業への道筋が少しクリアになったでしょうか。
『起業』というものが、遠い世界の特別な話ではない、と感じているかもしれませんね。

最後に、この記事でお伝えした大切なことを、もう一度振り返っておきましょう。

【夢をかたちにするための3つのステップ】
① やってみたいことを見つける
② お金の計画をしっかり立てる
③ そして、恐れずに小さく試してみる

しかし、「高校生でも、ちゃんと準備をすれば起業はできるんだ!」と希望を持つ一方で、やはり「でも、もし失敗したらどうしよう…」という不安な気持ちもあるのではないでしょうか。

その不安は、とても自然なものです。
そして、不安の正体の多くは、『準備不足』からきています。

何から手をつければいいかわからなかったり、お金の管理に自信がなかったり。
一人で進めるには、あまりにもわからないことが多すぎますよね。

もし、あなたが「挑戦してみたい。でも、やっぱり一人では不安だ」と感じ、失敗しないための準備を、専門家や仲間と一緒にもっと万全なものにしたいと願うなら―
ぜひ、ID学園の『起業・ビジネスコース』を、選択肢の一つとして考えてみてください。

【ID学園】じっくり学びたい、仲間と挑戦したいあなたへ

ID学園の『起業・ビジネスコース』が、なぜあなたの力になれるのか。
それは、単に知識を教えるだけでなく、あなたの『不安』を『自信』に変えるための、3つの特別な環境が整っているからです。

まずは、実際にその環境で学んでいる先輩たちのリアルな声を聞いてみてください。

在校生のリアルな声を聞いてみよう【インタビュー動画】

「なんとなく」のアイデアが、リアルな体験を通して「視野を広げる学び」に変わった

〈抜粋〉
入学したのは、通信制高校を探しているときに、ID学園のパンフレットを見て「今までの通信制とは違う」と感じたのがきっかけでした。通信制と全日制のよいとこ取りのような仕組みで、自分のペースを大事にしながら通える点にひかれました。

説明会で対応してくれた先輩たちが本当に楽しそうに話していて、「ここなら自分らしくいられそう」と思えたことも決め手です。

総合進学コースでは物足りないと感じていたときに、先生に相談して知ったのが「起業・ビジネスコース」でした。実際に入ってみると、自分のアイデアを企業の方と一緒に形にしていく貴重な経験ができました。

授業が終わったあとも、先生にアイデアを相談したり、一緒に企画会議のような話をしたりすることもあり、すごく刺激的な毎日です。周りの生徒もフレンドリーで、静かに集中したい子もアクティブな子も、それぞれが尊重される環境があるのがいいなと思っています。

起業やビジネスと聞くと難しそうに思えるかもしれませんが、自分の「好きなこと」や「趣味」からでも始められます。高校で新しいチャレンジをしてみたい人には、ぜひおすすめしたいです。

不安だらけだった私の「起業したい」が、本気の「事業計画」に変わった場所

〈抜粋〉
高校に入ってすぐは全日制の学校に通っていましたが、人間関係や体調面でつまずいて不登校になりました。
通信制の学校をいくつか見学した中で、先生との距離が近くて雰囲気もアットホームなID学園に出会い、「ここなら自分らしく過ごせる」と感じたのが入学のきっかけです。

特にひかれたのが「起業・ビジネスコース」。私はオーガニックやビーガンの食品を広めたいという想いがあり、いつか起業できたらと考えていました。最初は知識もなく不安ばかりでしたが、授業を通して商品企画・販売・インターンなど本格的な体験を積むうちに、本気で事業計画を立てるようになっていました。実際にデザインやチラシを作って人に届ける経験は「仕事ってこういうことなんだ」と衝撃的で、もっと社会や人の役に立ちたいという気持ちが芽生えました。

先生も対等な目線で親身にアドバイスをくれますし、生徒も多様な価値観を認め合う雰囲気なので安心してチャレンジできます。

今は自分の“好き”を発信しながら、知識を増やし、夢に向かって準備しているところです。まだやりたいことが決まっていない人でも、ここで何かが見つかると思います。まずは見学に来て、自分に合う場所か感じてみてほしいです。

あなたの挑戦をサポートする環境が、ここにあります

インタビューの先輩たちのように、あなたも自分のアイデアをかたちにし、仲間と共に成長することができます。

ID学園の起業・ビジネスコースでは

① 現役の経営者や専門家から、ビジネスの最前線を学ぶ
② 企業と連携したリアルな商品開発やイベント企画を体験する
③ 同じ志を持つ仲間と、安全な環境で何度でも挑戦し、失敗から学べる

といった、あなたの「やってみたい!」を本気でサポートする、実践的な環境が整っています。

この記事で解説した『計画の立て方』や、先輩たちが体験した『リアルなビジネス』に少しでも心が動いたなら、ぜひ『起業・ビジネスコース』の詳しい内容を覗いてみてください。

あなたの未来を変える、新しい扉がそこにあるかもしれません。

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