ID学園高等学校

通信制高校から大学進学は可能?|親が理解しておきたい3つの進学ルートと高校の選び方

「通信制高校からでも、大学に進学できるのだろうか…」
お子様の進路を考えるとき、そんなふうに感じる親御さんは少なくありません。

「全日制よりも不利なのでは」「受験で評価されにくいのでは」といった心配の声もよく聞かれます。

結論からお伝えすると、通信制高校からの大学進学は十分に可能です。

文部科学省の「学校基本調査(令和6年度)」によると、通信制高校の卒業生の約4人に1人が大学へ進学しています。
文部科学省:「学校基本調査(令和6年度)」

割合としては全日制より少ないものの、年々増加傾向にあり、通信制からでも大学進学を実現している生徒は着実に増えています。

通信制高校の卒業資格は、全日制・定時制とまったく同等です。
入試方式も、総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜・一般選抜など、すべてに出願できます。

大切なのは、「通信制だから」ではなく、「どんな学び方をするか」「どんなサポートを受けるか」です。

通信制高校の柔軟な時間割や個別対応の学習環境は、むしろ受験準備に有利に働くこともあります。
自分のペースで基礎から学び直したり、探究活動にじっくり取り組んだり、興味を深めながら志望理由を明確にしたり―そうした学びが、大学入試で評価される時代になっています。

この記事では、通信制高校から大学進学を目指すために知っておきたい3つの進学ルートと、進学を見据えた高校の選び方をわかりやすくお伝えします。

【この記事でわかること】

通信制高校からでも大学進学が「十分に可能」な理由と最新データ
3つの進学ルート(総合型・推薦型・一般選抜)の仕組みと違い
大学入試で求められる力と、通信制でその力を伸ばす方法
進学を見据えた通信制高校・コースの選び方のポイント
通信制での受験勉強・進学対策の進め方
通信制から大学に合格した先輩たちの事例紹介

通信制高校からでも大学進学は「十分に可能」です

かつては“通信制高校=進学に不利”というイメージを持たれていた時代もありましたが、今はその認識が大きく変わりつつあります。

まず、文部科学省が発表している最新のデータ(令和6年度)を見てみましょう。

(出所:文部科学省「学校基本調査」より筆者が作成)

通信制高校から大学に進学している生徒は26.5%。

つまり、約4人に1人以上が大学に進学していることになります。 

 全日制と比べると大学進学率は低いものの、定時制よりも高い進学率であり、通信制高校が「大学進学を目指せる学びの場」となっていることが読み取れます。

さらに、この数字は「通信制高校全体」の平均値です。

実際には、大学進学に力を入れている通信制高校も多く、進学対応コースや個別指導体制が整った学校を選べば、進学率はより高くなります。

たとえばID学園高等学校の進学率は70.1%、大学進学率は50%を超えています(2024年度実績)

通信制高校も、全日制・定時制と同じく、学校教育法に基づく「高等学校」です。
卒業すれば「高等学校卒業資格」が得られ、大学入試の出願資格も全日制とまったく変わりません。

つまり、“通信制だから出願できない大学”、“通信制だから不利になる入試”は存在しないのです。

ここまで見てきたように、通信制高校から大学進学を果たす生徒は確実に増えています。
大切なのは、「通信制か全日制か」という違いではなく、

どんな学校・コースを選ぶか
どんなサポートを受けるか
どのように準備するか

という点です。

通信制高校には、次のような特徴があります。

通信制高校の特徴

自分のペースで基礎から学び直せる
興味のあるテーマをじっくり探究できる
個別面談や進路指導で丁寧なサポートが受けられる

こうした環境を活かして、自分らしい学びを積み重ねることが、大学進学への確かな道につながります。
“通信制だから無理”ではなく、“通信制だからこそできる準備”があります。

次の章では、なぜ通信制高校から大学進学が可能なのか―その具体的な理由を詳しく見ていきましょう。

通信制高校でも大学進学できる理由

前の章で見たように、通信制高校から大学に進学している生徒は約4人に1人以上います。
では、なぜ通信制高校からでも大学進学が可能なのでしょうか?

ここでは、「制度」と「学びの環境」の両面から、その理由を整理していきます。

① すべての入試方式に出願できる

通信制高校の卒業資格は、全日制・定時制とまったく同等です(学校教育法施行規則第97条)。

これは単に「卒業資格が得られる」というだけでなく、大学入試のすべての方式に出願できることを意味します。

途中で高校を辞めた場合でも、通信制高校に編入し卒業要件を満たせば大学受験は可能です。
手続きや単位の引き継ぎなど、詳しい流れについてはこちらをご覧ください。

たとえば通信制高校の生徒も、次のような入試方式を選ぶことができます。

総合型選抜(旧AO入試)
学校推薦型選抜(旧推薦入試)
一般選抜(一般入試)

これらすべての入試方式で、通信制高校の生徒は全日制と同じ条件で受験が可能です。
“通信制だから受けられない大学”、“通信制だから不利になる入試”は、制度上存在しません。

通信制高校でも、全日制と同じように大学入試のすべての方式で大学進学を目指すことができます。

② 柔軟な学び方が受験準備に活かせる

通信制高校の大きな特徴は、時間の使い方を自分で調整できること。

この柔軟さは、実は大学受験の準備にも大きな強みになります。

たとえば、次のような学び方が可能です。

午前中は自宅で受験勉強、午後は学校のオンライン授業
苦手科目は基礎から時間をかけて学び直す
得意科目は先取りして志望校対策に集中する
模試の結果を見ながら学習計画を柔軟に調整する

全日制のように決まった時間割に縛られないため、自分の課題や目標に合わせた学びができます。
また、多くの通信制高校では個別面談や進路指導が丁寧に行われ、先生と一緒に「今、何をすべきか」を整理しながら進められる環境が整っています。

③ 「学力の遅れ」を取り戻す時間がある

中学の内容からつまずいている

勉強にブランクがあって不安

というお子様にとって、通信制高校は自分のペースで学び直せる貴重な場です。

全日制では授業が一斉に進むため、わからない部分をそのままにしてしまうこともあります。
しかし通信制では、基礎から時間をかけて復習し、理解を積み重ねることができます。

このように自分のペースにあった確実な積み重ねが、お子様にあった大学受験の土台をつくります。

④ 大学入試が求める力が変わってきている

近年、大学入試は大きく変化しています。
文部科学省が公表した「令和8年度大学入学者選抜実施要項」では、大学入試で「学力の3要素」を重視する方針が明示されています。

その3要素とは次のとおりです。

1. 知識・技能
2. 思考力・判断力・表現力
3. 主体性・多様性・協働性

つまり、単なる「知識の量」ではなく、「どう考えたか」「どのように学びに取り組んだか」「どんな行動をしてきたか」が重視されるようになっています。

多くの通信制高校でオリジナルのカリキュラムが組まれ、学力だけでなく、意欲・経験・探究心を育む教育が行われています。

通信制だから不利”ではなく、“通信制だからこそ

ここまで見てきたように、通信制高校の学びは決して大学進学に不利ではありません
むしろ、自分のペースで学び直せる環境や、主体的に学ぶ経験は、これからの大学入試で求められる力と重なっています。

“通信制だから無理”ではなく、“通信制だからこそ伸ばせる力がある”

このことを、ぜひ知っておいてください。

次の章では、通信制高校から大学進学を目指す具体的な3つのルートを見ていきましょう。

通信制高校からの3つの進学ルート

通信制高校から大学を目指す場合、どの入試方式を選ぶかはとても重要です。

大学入試には大きく分けて以下の3つのルートがあり、それぞれ評価されるポイントが異なります。

① 総合型選抜(旧AO入試)
② 学校推薦型選抜(旧推薦入試)
③ 一般選抜(一般入試)

文部科学省「令和8年度大学入学者選抜実施要項」でも、「多様な学びを評価する入試制度」の推進が示されており、学力だけでなく、意欲・経験・探究心なども重視される方向に進んでいます。

通信制高校での学びは、こうした「新しい入試」と相性が良い面も多くあります。

それぞれの特徴を理解し、お子様の強みや学び方に合った方法を選ぶことが、進学成功への第一歩になります。

① 総合型選抜(旧AO入試)

「自分の興味や目標をどう深めてきたか」を重視する入試

学力テストだけでなく、探究活動・ボランティア・課外活動など、“自分らしい学びの姿勢”が評価されます。

通信制高校では、自由な時間を活かして興味のあるテーマを探究したり、地域活動やボランティアに参加したりといった経験を積むことができます。

総合型選抜では、志望理由書や活動報告書、面接・小論文などを通して「自分の学び方」や「将来の目標」を伝える力が問われます。

出願にあたっては、次のような準備が必要になります。

志望理由書で「なぜその大学で学びたいか」を明確に伝える
面接で「自分の学び方」や「将来の目標」を自分の言葉で話す
探究活動や課外活動の記録をまとめる

通信制高校では、こうした準備に時間をかけやすい環境があります。

「何を学んできたか」だけでなく、「どう学んできたか」を表現できることが、合格への大きな武器になります。

② 学校推薦型選抜(旧推薦入試)

学校長の推薦を得て出願できる入試

通信制高校でも、学校長の推薦によって出願できる大学が多数あります。
以前は「出席日数」が重視される印象もありましたが、近年は「学習意欲」「課題への取り組み」「探究活動の成果」など、努力のプロセスを評価する大学が増えています。

通信制高校では、レポート提出やオンライン面談を通じて、自分で学びを管理する力が身につきます。

この「計画性」「継続力」は、推薦入試でアピールできる大切な要素です。

推薦入試で評価されやすいポイントには、次のようなものがあります。

学習意欲をもって課題に取り組み続けた姿勢
自分で立てた目標に向けてコツコツ努力してきた過程
探究活動や学校行事などで発揮した責任感や主体性

面接や書類では、こうした日々の取り組みを具体的に伝えることが大切です。
通信制高校での学び方そのものが、推薦入試で評価される強みになります。

通信制高校から指定校推薦で大学に進学する方法については、こちらで紹介しています。

③ 一般選抜(一般入試)

共通テストや大学独自の筆記試験など、学力を中心に評価する入試

一見すると通信制高校の生徒にはハードルが高いように感じるかもしれませんが、実際には「時間の使い方を自由に設計できる」という強みがあります。

たとえば、次のような学習スタイルが可能です。

午前は受験科目の勉強に集中し、午後にオンライン授業を受ける
予備校や映像授業を組み合わせ、自分のペースで受験対策を進める
通信制高校のレポート提出やスクーリングと並行して、計画的に学習時間を確保する

また、通信制高校の中には、進学指導専門のスタッフがサポートしてくれる学校もあります。
苦手科目の克服や志望校別対策を一人で抱え込まず、サポートを受けながら進めることができるのも安心です。

通信制高校の柔軟な学習環境は、「自分の力で学びを設計する力」を育てます。

この力こそが、大学進学後にも活きる大きな財産になるでしょう。


このように、大学入試にはそれぞれ特徴があります。
通信制高校での学び方やお子様の得意分野に合わせて、最も力を発揮できる方式を選びましょう。

意欲や活動実績を活かしたい → 総合型選抜
継続的な学びと学校の評価を活かしたい → 学校推薦型選抜
学力試験で勝負したい → 一般選抜

どの方式を選んでも、通信制高校の柔軟な学び方は進学準備の大きな味方になります。

大学入試で求められる力と通信制での伸ばし方

近年の大学入試では、「学力の3要素」と呼ばれる3つの力が重視されています。
文部科学省の「令和8年度大学入学者選抜実施要項」でも、次のように示されています。

知識・技能
思考力・判断力・表現力
主体性・多様性・協働性

これは単に「点数を取る力」だけでなく、学びに向かう姿勢や自ら考える力を評価する方向へ変化していることを意味します。
通信制高校の学びは、この3要素を自然に育てる環境にあります。

学力の要素内容通信制高校での育ち方
知識・技能各教科で学んだ知識や、それを活用する技能レポート・スクーリング・テストで基礎から確実に習得
思考力・判断力・表現力知識を使って考え、判断し、自分の言葉で表現する力自分で調べ、考え、まとめる経験の積み重ね
主体性・多様性・協働性自ら学ぶ意欲、多様な人と協力する姿勢、社会に関わろうとする態度自分で計画を立て、選び、行動する日々の経験

通信制高校では日々の学習や活動そのものが、大学入試で評価される「学びのプロセス」につながっています。

自由な時間の中で、自分のペースで学びを積み上げ、探究を深める経験は、「自ら考え行動できる力」として大学が重視するポイントです。

今の大学入試では、“どれだけ学んだか”よりも“どのように学び、考えてきたか”が問われています。
通信制高校の学びはまさに、その力を育てるための環境なのです。

“通信制だから不利”ではなく、“通信制だからこそ育てられる力がある”―それが今の入試で求められる学び方なのです。

大学進学を見据えた通信制高校・コースの選び方

通信制高校から大学進学を目指すとき、最も重要になるのが「どんな学校・コースを選ぶか」です。

同じ「通信制高校」でも、進学サポートの内容や学習環境には大きな違いがあります。
つまり、“通信制高校に通う=進学できる”ではなく、選ぶ学校によって進学への道のりが変わるのです。

ここでは、大学進学を見据えて確認しておきたい3つのポイントを紹介します。

進学対応コースを選ぶ

通信制高校の中には、「大学進学コース」「進学専攻」「特別進学クラス」など、受験対策に特化したコースを設けている学校があります。
これらのコースでは、大学入試に必要な教科(英語・数学・国語・小論文など)を重点的に学べるカリキュラムが組まれています。

選ぶ際は、次のような点をチェックしてみましょう。

主要教科の授業が基礎から順に学べるように組まれているか
模試や過去問演習、受験講習などの支援があるか
授業スタイル(通学・オンライン・ハイブリッド)が自分に合っているか
映像授業や外部講師による講義が受けられるか

通信制高校の強みは、自分のペースで学べる自由さと、目的別にコースを選べる柔軟さにあります。

大学進学を明確に目指す場合は、「進学対応コース」を検討しておくと安心です。

進路サポート体制を確認する

進路支援の手厚さも、学校選びの重要なポイントです。
特に通信制高校では、個別の進路相談や受験準備のサポートがあるかどうかが大きな差になります。

次のような仕組みが整っているかを確認しておきましょう。

担任やカウンセラーとの定期的な進路面談
総合型・推薦型入試に向けた「志望理由書」や「面接練習」のサポート
探究活動やレポートを入試に活かすための指導
推薦書や調査書の作成サポート

通信制高校では、担任・カウンセラー・学習を支援するスタッフが連携し、一人ひとりの進路を伴走型で支援する仕組みを持つ学校も増えています。
こうした体制が整っていると、受験準備の見通しが立ちやすく、安心して学びを続けられます。

通信制+外部講座を併用する選択肢

最近では、通信制高校の自由な時間を活かして、外部の塾やオンライン予備校を併用する生徒も増えています。
特に、英語や数学など特定科目を強化したい場合や、志望大学別の対策をしたい場合には効果的です。

予備校やオンライン講座で演習量を補う
家庭教師・映像授業で個別フォローを受ける
志望大学に特化した講座を活用する

学校によっては、こうした外部講座の併用をサポートする仕組み(時間割調整や教材連携など)を整えているところもあります。
通信制高校の柔軟な学習システムは、塾やオンライン講座などの学びを組み合わせることで、より確実な受験準備につなげることができます。


進学を目指す上で大切なのは、「通信制高校に通うこと」そのものではなく、どんな環境でどんなサポートを受けるかです。
親御さんが情報を整理し、お子様に合った学び方を選べるようサポートすることが、大学進学への第一歩になります。

通信制高校の仕組みやサポート体制については、こちらの記事も参考になります。

通信制高校での受験勉強・進学対策の進め方

通信制高校に入学したあとに大切なのは、「どんな勉強や準備をすれば大学進学につながるのか」を早めにイメージすることです。
通信制の学びは自由度が高い分、計画とサポートの活用が大きな鍵になります。

ここでは、受験を見据えて意識しておきたい4つのポイントを紹介します。

受験スケジュールを早めに把握する

通信制高校では、学年制ではなく「単位制」で学ぶ学校が多く、進級や卒業のタイミングが全日制とは異なります。
そのため、受験スケジュールを早めに把握することが成功の第一歩です。

大学入試の主なスケジュールは次の通りです。

総合型選抜(旧AO入試) … 夏〜秋に出願、秋に試験
学校推薦型選抜(旧推薦入試) … 秋〜冬に実施
一般選抜(一般入試) … 翌年1月以降

通信制では授業や課題の進行を自分で調整できるため、「いつまでに何をするか」を逆算して計画を立てる力が求められます。

学校によっては、進路指導部が「受験カレンダー」や「総合型選抜対策講座」を提供している場合もありますので、早めに確認しておきましょう。

探究・レポート活動を志望理由書に活かす

通信制高校では、レポート学習や探究活動を通して、興味のあるテーマを深く掘り下げる経験ができます。
こうした学びは、志望理由書や面接での自己PRに直結する大切な材料になります。

たとえば

「地域の課題解決」など社会的テーマに取り組んだ探究活動
ボランティアや学校・地域での取り組みで得た経験
興味分野を深めたレポートや発表内容

これらを通して「なぜその大学で学びたいのか」「通信制でどう学んできたか」を具体的に伝えられると、強い印象を与えられます。

通信制でのレポート学習や探求活動は、自分らしい経験を積み重ねるとともに、それを“言葉で表現する個性あふれる魅力的な志望理由書”を手に入れるチャンスでもあります。

オンライン教材や外部予備校の活用

映像授業やオンライン教材、外部予備校をうまく組み合わせることで、志望校に合わせた学びがしやすくなります。
ただし、どんな教材を使うか以上に大切なのは、学びを続ける力を支える環境です。
親御さんがスケジュールを共有したり、声をかけて見守ることで、継続力がぐっと上がります。

通信制高校の中には、こうした外部講座や予備校と連携して受験を支援している学校もあります。
「どんな学び方が合うか」をお子様と一緒に考える時間が、進学への大きな後押しになります。

模試・検定・資格を活用する

模試は、学習の到達度を測るだけでなく、推薦入試や総合型選抜での資料として活用されることがあります。
また、英検・数検・漢検などの資格は、評価項目に加点される大学も増えています。

通信制高校の中には、検定受験や資格取得をサポートする学校もあります。
資格や模試を上手に活用することで、受験への自信や具体的な目標を持ちやすくなります。

事例で見る|通信制高校から大学進学した先輩たち

制度やデータで「通信制からでも大学進学は可能」とわかっても、実際にどのように進学しているのか気になる親御さんも多いでしょう。

ここでは、実際の通信制高校でよく見られるケースをもとに、個人を特定できないよう配慮し再構成した2人の先輩のストーリーをご紹介します。
登場する生徒の名前はすべて仮名ですが、どちらも通信制で学びながら大学進学を叶えた生徒のリアルな姿です。

それぞれのケースを通して、努力とサポートがどのように進学につながっていったのかを見ていきましょう。

ケース①:通信制で基礎から勉強を立て直し、一般入試で志望大学に合格したユウマさん(19歳)

中学生のころから人との関わりが苦手で、高校に入学したものの、集団授業の雰囲気になじめずに退学したユウマさん。
「もう一度勉強したいけれど、また同じように続けられなかったらどうしよう」―そんな不安を抱えながら、通信制高校への編入を決意しました。

入学後は、週2日の登校とオンライン授業を組み合わせ、自分のペースで学び直しをスタート。
英語と国語の基礎を一からやり直し、分からないところは先生に質問したり、映像授業を繰り返し視聴したりして少しずつ自信を取り戻していきました。

担任の先生との面談では、学習計画を一緒に立てて進み具合を確認。
模試を受けて弱点を分析しながら、受験勉強を「できることから少しずつ積み重ねる」習慣に変えていきました。

最初は「大学なんて無理かもしれない」と言っていたユウマさんでしたが、努力を重ねるうちに「ここまでできた」という手ごたえが増え、表情も前向きに変化していきました。

そして迎えた一般入試では、志望していた地方の国立大学に合格。
通信制での学び直しが、自信と成果につながりました。

通信制高校でも、学びを積み重ねれば確実に力はつきます。
焦らず、自分のペースで進める環境だからこそ、学び直しが実を結ぶことも多いのです。

ケース②:探究活動をきっかけに進路を見つけ、総合型選抜入試で教育学部に合格したメイさん(18歳)

高校1年の途中で通信制高校に転入したメイさん。
全日制では人間関係の悩みから登校が難しくなり、「このまま進路が見えないまま終わってしまうのでは」と不安を感じていました。

通信制に転入後、少人数の探究授業で「子どもや発達」に関するテーマを調べたことがきっかけで、教育の分野に興味を持つようになります。
担任の先生との面談では、「将来、人の成長を支える仕事に関わってみたい」という気持ちが少しずつ明確に。

その後は、探究でまとめた内容をもとに志望理由書を作成。
面接練習や小論文の添削を繰り返しながら、秋の総合型選抜入試に挑戦しました。
これまでの学びを自分の言葉で丁寧に伝えた結果、私立大学の教育学部に合格。

通信制での探究活動や先生との対話を通じて、進路への意欲と自信を育てることができました。

通信制高校では、探究活動や面談を通して「自分は何に興味があるのか」を見つけることができます。
総合型選抜では、このような経験が強みになり、学びのプロセスそのものが評価されるのです。

Q&A|通信制高校からの大学進学に関するよくある質問

通信制高校の卒業でも大学に出願できますか?

はい、通信制高校の卒業資格は、全日制・定時制とまったく同等です。
卒業要件を満たせば、すべての大学入試(一般選抜・総合型・学校推薦型など)に出願できます。

途中で高校を辞めてしまった場合でも、通信制高校に編入して卒業すれば大学受験が可能です。

手続きや単位の引き継ぎについては、こちらで詳しく紹介しています。

なお、「転入」と「編入」の違いがよく分からないという方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

通信制高校に通いながら受験勉強は大変ですか?

学習時間の管理は必要ですが、通信制の柔軟な時間割を活かし、受験勉強や苦手科目の克服に時間を使いやすくなります。
学校や先生のサポートを受けながら、計画的に進めれば十分対応可能です。

受験勉強の進め方についてはこちらをご覧ください。
通信制高校での受験勉強・進学対策の進め方

通信制高校でも指定校推薦はありますか?

はい、あります。
通信制高校でも、大学や短大と提携して指定校推薦枠を設けている学校があります。
ただし、学校によって対象大学や推薦条件が異なります。

ID学園高等学校でも指定校推薦の制度があり、生徒の進路希望に合わせたサポートが行われています。
詳しくはこちらをご覧ください。

通信制高校の成績は推薦入試に影響しますか?

はい、影響します。
推薦入試では、調査書(成績)や学習態度、レポートの提出状況が評価対象になります。

ただし、通信制高校では一人ひとりの状況を考慮して指導が行われるため、「どれだけ意欲的に取り組んでいるか」が重視される傾向にあります。
日々のレポート提出や探究活動への取り組みが、そのまま評価につながります。

通信制高校でも塾や予備校に通う必要がありますか?

必ずしも必要ではありません。
通信制高校の中には、映像授業やオンライン教材、進学特化コースを備えている学校もあります。

学校のサポートだけで受験対策が可能な場合も多いです。
ただし、志望校や学部によっては、外部講座を併用することで理解を深めやすくなります。

詳しくは、こちらの章をご覧ください。
オンライン教材や外部予備校の活用

総合型選抜ではどんな経験が評価されやすいですか?

主体性・多様性・協働性が重視されます。
具体的には、探究活動・ボランティア・課外活動など、「自分で考えて行動した経験」や「継続して取り組んだ姿勢」が高く評価されます。

通信制高校の学びは、このような経験を積みやすい環境です。
レポート課題や探究テーマへの取り組み、オンライン面談で自分の考えを整理しながら言葉にするなど、日常の学びがそのまま大学入試で評価される力につながっていきます。

まとめ|通信制でも全日制と同じ。「学び方」次第で大学進学は十分可能

通信制高校の卒業資格は、全日制や定時制とまったく同じ「高等学校卒業資格」です。
つまり、大学進学のチャンスは誰にでも開かれています。

かつては“通信制=進学に不利”というイメージがありましたが、今はその認識が大きく変わりつつあります。
大学入試では、学力だけでなく「探究」「課外活動」「志望理由の明確化」といった、“自分らしい学び”が評価される時代になっています。
通信制高校の柔軟な学習スタイルは、こうした学びを深めるための大きな強みです。

大切なのは、“通信制かどうか”ではなく、“どんな環境で、どう学ぶか”。
お子様のペースに合わせて学べる環境で、自分の興味や目標を育てていくことが、進学への確かな道につながります。

この記事のポイント

通信制高校でも、全日制・定時制と同じ卒業資格で大学進学が可能
総合型・推薦型など多様な入試方式に出願できる
「探究」「課外活動」「自己PR」が評価される時代に変化
進学対応コースやサポート体制のある学校選びが重要
保護者が「焦らず、見守る」姿勢が、進学への最大の支えになる

【ID学園】安心して大学進学を目指せる学習サポート体制

ID学園は大学進学をしっかりサポートする体制が整っています。

「河合塾マナビス」との提携により設置された「大学受験特化コース」では、一つ上の大学進学を目指している生徒が「河合塾マナビス」の映像授業を活用して、自分のペースで志望校に向けて学んでいます。
授業後には先生からのアドバイスタイムがあり、理解度を確認しながら次のステップへ進めます。

面談では学習内容のフォローに加えて、進路相談や勉強方法のアドバイスも行われ、生徒の学習状況や生活リズムに合わせたサポートが受けられます。

「一人で勉強を続けられるか不安」というお子様でも、伴走してくれる先生の存在が心の支えになります。
だからこそ、安心して受験勉強に集中できる環境が整っているのです。

ID学園の進学実績(2025年度入試)

ID学園では、約8割の生徒が進学を目指して学んでおり、2025年度入試でも多くの生徒が志望校への進学を実現しました。

生徒インタビュー

【小論文、面接まで受験対策サポートが手厚く、大学に合格することができました】

〈抜粋〉
ID学園は、ハイレベル授業や学び直しの機会が充実しています。受験対策の手厚いサポートも魅力です。受験対策としては、志望理由書やレポート、小論文の添削があり、面接についても実践を交えたアドバイスをしていただきました。オンラインでもサポートを受けられ、おかげで志望大学に進学することができました。ID学園は、いい意味で自由度がある高校で、生徒とも先生ともちょうどいい距離感で学校生活を送ることができます。自分で時間を作ることができるので、自分のペースで学びたい人、極めたいことがある人、夢や目標に向かって走り抜けたい人にはおすすめの環境です。

実際に多くの生徒が志望校への進学を叶えているように、ID学園では一人ひとりに寄り添った受験サポートが行われています。
インタビューで紹介した生徒のように、先生との面談やオンラインサポートを通じて、自分のペースで夢を実現したケースも少なくありません。

学校説明会や個別相談では、
大学受験特化コースの学び方
受験対策(小論文・面接・志望理由書添削など)の具体的な内容
在校生のリアルな進学事例
などを、実際の先生から直接聞くことができます。

お子様の可能性を一緒に広げる第一歩として、ぜひ学校説明会や個別相談にご参加ください。

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