高校や大学を選ぶとき、一つの基準となるのが志望校の「偏差値」です。多くの人が、自分の学力を偏差値に当てはめ、どのレベルの学校を受験できるか検討するところから始めるのではないのでしょうか。実は、通信制高校にはこの偏差値という考え方自体がありません。
そこで今回は、入学を検討している通信制高校の偏差値がどの程度か気になる方へ、何を基準に通信制高校を選んだらよいのかを解説します。通信制高校から偏差値の高い大学へ進学するためのポイントもお伝えしますので、一緒に進学の夢を叶えましょう!
通信制高校には偏差値が無い!?
高校入学といえば「試験に合格しなくてはいけない」「自分の学力や偏差値に合った学校を選ばなくては」と思うのが一般的でしょう。しかし、通信制高校は全日制と違い、学力試験を受けることなく入学できるところが多いのです。
基準となる学力試験がないため、偏差値を割り出すことはできません。仮に試験が必要な学校の場合でも、作文の提出や面接のみが主流。学力によって合否を決めているわけではないため、共通の数字を用いて通信制高校を比べることは難しいです。
中には偏差値を設けている通信制高校もありますが、それはごくわずか。通信制高校は、さまざまな理由によって全日制高校に入学しない生徒を、できるだけ多く受け入れようとしているので、偏差値をあえて公表していないという側面もあるでしょう。
通信制高校から大学進学を狙うなら学校選びが重要
通信制高校から大学進学を狙うには、学校選びが最も重要です。
自分でカリキュラムを決め、学習を進める通信制高校で、学力をアップさせることは可能なのでしょうか。もちろんそれは可能で、通信制高校でも学力を高めることはでき、大学進学を目標に勉強する仲間は全国に数多くいます。
意識しておきたいのは、学校の授業を聞いていれば学力が上がるのではなく、自分で目標を定めて勉強スケジュールを組み、日々の勉強成果をコツコツ積み重ねていく必要があるということ。その際、学校側の学習や進路に関するサポートがあるのとないのとでは、自分自身にかかってくる負荷が大きく違います。
したがって、大学進学を目指すなら通信制高校選びが大切な要素となってくるのです。
目的に合わせた通信制高校を選ぼう
ひと昔前の通信制高校は、主に高校卒業資格を取ることが目標とされていました。学校自体の数も少なかった印象ですが、今やさまざまな特色を打ち出した通信制高校が登場しています。
偏差値がないということは、すべての通信制高校へ入学できる可能性があるということ。通学重視、オンライン授業の充実、難関大学への進学実績など、生徒の目的に合わせて学校を自由に選ぶことができます。
まずは、自分がどんなことを学びたいのか、そしてどんな道へ進みたいのかを考えてみると、少しずつ興味のある学校が絞られてくるはずです。
WEB上でたくさんの情報を得ることができますが、それだけでは想像と実際とのギャップはどうしても生じてしまいます。入学してから後悔しないよう、資料請求や学校見学を通して、自分が納得できる通信制高校をじっくり探しましょう。
偏差値を知りたい場合は予備校の模試をうけてみよう
通信制高校から大学進学を意識すると、自分の偏差値がどのくらいなのか知りたくなるかもしれません。その場合は、予備校が開催する公開模試を受けることをおすすめします。
この模試は、全国の高校生や大学進学を目指す人たちが、自分が今どのあたりにいるのかを把握するために受ける試験です。
自分の偏差値がわかると、志望大学へ進学するための受験勉強の目安が見え、今後のモチベーションアップにつながります。あるいは、自分の学力で合格できそうな大学はどこかということを探る重要な判断材料となります。
偏差値のない通信制高校から大学進学はできるのか?
「通信制高校に偏差値がないのに、そこから大学進学なんてできるの?」そんな不安が頭をよぎるのではないでしょうか。特に、難関大学への進学ができるものなのか、気になるところです。
通信制高校では、必要な単位を取得できれば、全日制と同じく高校卒業資格を得ることができます。高校卒業資格があるということは、大学受験が可能だということ。あとは、目標とする大学に合格できるだけの学力を身につけられれば、大学へ進学できます。
文部科学省による「学校基本調査」をもとに計算すると、令和2年度の通信制高校からの大学進学率は17.4%。近年は安定した数字となっており、毎年一定数の大学進学者を輩出していることがわかります。
さらに、総合型選抜(旧AO入試)の枠が徐々に広がっていることも、通信制高校からの大学進学をより身近なものにしてくれている要因の一つです。芸術やスポーツなど、学力以外で秀でた成績を収めている場合は、それが進学の大きなチャンスとなるかもしれません。通信制高校で自由に使える時間を利用し、自分の強みを増やしていくことができます。
難関大学へ進学している通信制高校もある
難関大学への合格は、すべて自分の頑張り次第です。通信制高校に偏差値はなくとも、難関大学へ合格している生徒は数多くいます。全日制からでさえ狭き門な東大への合格者もいるので、まさに通信制高校での成長率は無限大といえます。
- 大学受験に力を入れている
- ハイレベルな学習
- 過去の合格実績によるサポート体制が万全
- 一人ひとりに合わせた進路相談
以上のような特色を持った通信制高校なら、難関大学への受験を一緒に乗り越えられるのではないでしょうか。進学率や進学先の情報を公開している通信制高校も多いので、どのくらいの生徒がどんな大学へ進学しているのかを把握すると、実績を通してその学校の色が見えてきます。
ID学園高等学校を例にすると、担任とのカウンセリングでカリキュラムを作成し、大学進学までの学習をしっかりサポートしてくれる体制があります。系列の全日制高校のもつノウハウとも連携をとりながら学習プログラムを共有するので、受験勉強を多方面からバックアップが可能。進路指導担当の先生に相談できる環境があるのも心強いです。
通信制高校から大学進学を目指すメリットもある!
通信制高校は全日制と違って毎日通学する必要がありません。すなわち「多くの時間を自分のやりたいことに費やせる」というのが通信制高校の大きなメリットです。
入学前から大学進学という目標があるのなら、自分のペースで受験勉強に集中できる通信制高校の環境は魅力的です。
ただし、時間があるからといって、やるべきことをやらなかったりだらけていたりしていては、時間があるというせっかくのメリットがデメリットになりかねません。
通信制高校の「自分に決定権があり自由がきく」という面と、「学校が個別サポートしてくれる」という面をバランスよく使って、日々の勉強を進めていきましょう。
通信制高校で偏差値を上げる方法
入学時の学力に自信がなくても、進学のために偏差値を上げたい方もいるでしょう。通信制高校では、次の3つの方法で偏差値アップが見込めます。
- オンラインベースでじっくり学習
オンライン授業を行っている通信制高校であれば、自宅での受講が可能なので、集中力とモチベーションの維持さえできれば、誰にも邪魔されることなく勉強に取り組めます。
- 自分の学力に合った授業
通信制高校の授業の嬉しいところは、生徒の学力に合わせた授業を行ってくれること。そのため、ついていけないという感覚に陥る心配がありません。授業で基礎学力をしっかりつけ、どんどん自発的に上のレベルを目指していくのが効果的です。
- 学習と進学のサポート体制が手厚い学校を選ぶ
進学に力を入れている学校だと、わからないところはすぐに聞くことができ、よりハイレベルな授業や問題にチャレンジする環境やプログラムが整っています。
また、自由に時間を使えるというメリットを利用して平日昼間に予備校に通って受験勉強を強化してハイレベルな大学への受験対策も可能です。
まとめ
通信制高校には偏差値がありませんが、決して学力が低いという意味ではありません。偏差値に左右されない分、自分の目標に合わせた学校選びができるのです。
大学進学を意識している場合は、次のポイントで通信制高校を選びましょう。
- 進学コースがある
- 学習・進学のサポート体制が整っている
- わからないところはすぐに聞ける
- 大学進学率が高い
- 志望大学への進学実績がある
自分自身の偏差値が知りたいときは、予備校の模試でチェック。通信制高校入学後の頑張り次第では、難関大学への進学も決して夢ではありません。
通信制高校を調べる際は、自分の将来を見据えて目標に合った学校選びが大切です。入学してから後悔しないよう早めに説明会やオープンキャンパスなどで情報を集め、じっくり吟味すると、結果として満足できる学校が見つかるはずです。
自分の得意と苦手をサポートしてくれる学校と出会い、今後のあらゆる可能性を開花していってください。