ID学園高等学校

やる気が起きない・寝てばかりの中高生|親が知っておきたい4つのタイプと関わり方のヒント

「朝、何度声をかけても起きなくて…」
「学校から帰ると、部屋にこもって寝てばかり」

そんなお子様の姿を見ていると、

「このまま昼夜逆転してしまうのでは?」
「単なる怠け?」
「病気?」

と心配になったり、進級や将来のことが頭をよぎって落ち着かなくなったりすることもあるのではないでしょうか。
それは親として自然な反応です。

ただ、やる気が起きない・寝てばかりに見える背景は1つではなく、本人の中では「体が動かない」「回復が追いつかない」「ストレスでブレーキがかかる」といった状態が起きていることがあります。

大切なのは、お子様が「今どんな困り方をしているのか」を一緒に見つけていくこと。
何がしんどいと感じているのか理解することが、お子様が前に進む第一歩になります。

この記事では、「やる気が起きない・寝てばかり」の子によく見られる傾向を4つのタイプに分けて紹介します。
あわせて、お子様が安心感を持てる関わり方や相談の目安、体調に波がある子の高校選びの視点まで、順を追って整理していきます。

【この記事でわかること】

中高生の「やる気が起きない・寝てばかり」の背景を知る
「いつつらいか(朝/日中/特定の場面/生活全体)」で4つのタイプに整理する
「正しい声かけ」よりも、責めない+負担を減らすが最優先
食事・入浴・身だしなみ・会話・登校など生活の土台が崩れ2週間以上続く/悪化している
→すぐに相談する
「消えたい」「いなくなりたい」などの言葉が出る→すぐに専門機関に相談する
体調に波がある子の高校選びの視点

中高生の「やる気が起きない・寝てばかり」の背景はさまざま

「寝てばかり」「動けない」日が続くと、親としてはどうしても不安になりますよね。

このまま昼夜逆転してしまったら…

学校は大丈夫?
この先どうなるんだろう

こんなふうに頭の中が落ち着かなくなるのも、無理はありません。

ただ、同じように見える状態でも、お子様の中で起きていることは一人ひとり違います。
体調や睡眠リズム、学校での疲れや緊張などが重なって、「頑張りたいのに動けない」状態になっていることもあります。

この記事は、「やる気が起きない・寝てばかり」の原因を見つけて診断をすることが目的ではありません。

今の様子を整理し、しんどさの背景を理解することで、お子様の日常生活が少しラクになるヒント探しとして、読んでみてくださいね。

整理の手がかりになるのは、たとえば次の2つです。

いつしんどさが強いか(朝/日中/特定の場面/生活全体)
生活にどのくらい影響が出ているか(食事・入浴・会話・登校など)

この2つが見えてくると、声のかけ方や負担の減らし方、相談のタイミングや高校選びも、少しずつ整理しやすくなります。

では次は、「寝てばかり」に見える状態を4つのタイプに分けて見ていきましょう。

「寝てばかり」の4つのタイプ

「寝てばかり」と一言で言っても、そのしんどさの出方は一人ひとり違います。
朝が特につらい子もいれば、日中ずっと眠気が抜けない子、特定の場面になると動けなくなる子、生活全体のエネルギーが落ちているように見える子もいます。

ここで紹介するタイプ分けは、お子様を特定の型にはめるためのものではありません。
「今の様子にいちばん近いもの」を手がかりに、お子様がどこで一番しんどさを感じていそうかを整理するための目安です。

いくつかのタイプが重なって見えることもありますし、時期によって変わることもあります。

大切なのは「どのタイプか」を当てることではなく、「今、どんな場面で負担が大きくなっているのか」に気づくことです。

各タイプは、【お子様の様子 → 背景(主な要因/重なりやすい要因)→ 親がまず意識したいこと】の順で整理しています。(「主な要因」は中心になりやすいもの、「重なりやすい要因」はいっしょに影響しやすいもの)

ここではまず、親が焦ってズレた対応をしないための「見立てのポイント」を確認していきましょう。

タイプ① 朝が起きられない(午前中が動けない)

様子(見え方)

朝が特につらく、午前中はなかなか動き出せない状態です。
「起こしても起きない」というよりも、起き上がるまでに時間がかかる/体が重くて動かないといった様子が目立つことも。

登校準備に時間がかかる、朝食が入らない、朝に頭痛やだるさ、吐き気が出るなど、体の不調が出たりする場合もあります。

午前中は欠席や遅刻が多い一方で、午後から夕方にかけて少し回復し、「夜になると元気そう」に見えることも少なくありません。
そのため、「昼夜逆転している」「夜更かししているから朝起きられないのでは」と受け取られやすく、怠けや生活の乱れと誤解されてしまうこともあります。

背景(考えられる要因)

【主な要因】

起立性調節障害など、自律神経の働きが関係していることがある
睡眠リズムや体内時計のズレで、朝にスイッチが入りにくい状態

起立性調節障害については、「起立性調節障害でも遊びに行けるのはどうして?」の記事で詳しく整理しています。
気になる場合は、あわせて参考にしてみてください。

【重なりやすい要因】

夜のスマホや強い光刺激、就寝時間の後ろ倒し
休日と平日の生活リズムの差(社会的時差ボケ)
厚生労働省「知っているようで知らない睡眠のこと」
早い登校時間、満員電車、長い移動など通学の負担
朝の登校に対する不安や緊張が、腹痛や吐き気など体の症状として出ることも(「心の問題」と決めつけないことが大切)

親がまず意識したいこと

「やる気がない」と考える前に、朝は体が動きにくい可能性があることを頭に入れておく
叱って起こすよりも、「朝がつらい状態かもしれない」という視点を持つ

タイプ② 起きても日中ずっと眠い(疲れが抜けない)

様子(見え方)

朝は起きられても、日中の眠気が強く、授業中にぼーっとしたり、眠ってしまったりする状態です。
帰宅後にぐったりしてすぐ横になる、休日は長時間寝て終わってしまうなど、「休んでいるはずなのに回復しない」感じが続きます。

「家に帰ると何もできない」「週末は寝てばかり」という様子から、親としては「寝る時間はあるのに元気が出ない」と感じやすいタイプです。

背景(考えられる要因)

【主な要因】

睡眠の質の低下(途中で目が覚める、浅い眠りなど)
慢性的な疲労の蓄積(学校生活の負荷が大きい、体力が追いついていない)

【重なりやすい要因】

夜型生活や昼夜逆転
刺激の多い生活(光・音・情報量)で、休まりにくい状態
部活、通学、人間関係などで起きる見えにくいエネルギーの消耗(気疲れ・緊張)
学校では踏ん張れても、家で反動が出る“頑張りすぎ”の状態

親がまず意識したいこと

「寝ている=サボり」と考えず、回復が追いついていない可能性を見る
学校には行けていても、帰宅後に動けない場合は、頑張りすぎているサインかもしれない
通学、課題量、予定の詰め込みなど、生活の負担を減らす視点が大切

タイプ③ しんどいことから距離をとる(ストレス反応)

様子(見え方)

学校や進路の話題になると急に眠くなる、予定が近づくと動けなくなるなど、特定の場面やタイミングでしんどさが強く出るのが特徴です。

日曜の夜から月曜の朝にかけてつらそうになる、行事前に体調を崩すなど、波が見られる場合もあります。
眠気だけでなく、腹痛・頭痛・吐き気・イライラといった形で表れることもあります。

こうした心や体のサインは、厚生労働省でも「ストレスのサイン」として紹介されています。
厚生労働省「ストレスのサイン」

背景(考えられる要因)

【主な要因】

ストレス反応として、心身がブレーキをかけている状態
学校とのミスマッチや登校負荷が大きい(授業のペース、評価、人間関係、刺激など)

【重なりやすい要因】

ストレスが続くことで自律神経が乱れ、眠気やだるさとして出る
安心できる居場所の少なさ
家庭内の緊張や、休む余白の少なさ

親がまず意識したいこと

原因を問い詰めるより、まず安心できる関わりと環境調整を優先する
「怠け」ではなく、ストレス反応の可能性を候補に入れる

タイプ④ 起きても何もしたくない(無気力・エネルギー切れ)

様子(見え方)

起きてはいるものの、動けない、何もする気になれない、ずっと寝ていたい状態が続きます。

好きだったことへの反応が薄くなる、会話が減る、身だしなみを整えたり食事をすることが面倒になるなど、生活全体に影響が出てくることもあります。
「やりたくない」というよりも、「やりたくてもできない」に近い状態として見えることが多いタイプです。

背景(考えられる要因)

【主な要因】

心身のエネルギー切れ(消耗が強く、回復が追いついていない)
抑うつ状態の可能性も視野に入れる(断定はせず、目安として考える)

【重なりやすい要因】

慢性的なプレッシャー
休めない環境、安心できる時間の少なさ
睡眠リズムの崩れ、疲労、栄養・体力の低下が重なっている場合

親がまず意識したいこと

「やる気の問題」と片づけず、生活が保てているか(食事・入浴・会話など)を丁寧に見る
生活全体に影響が出ている場合は、早めの相談も選択肢に入れる

子どもの様子を整理する4つのポイント

ここからは、これまで見てきた4つのタイプをもとに、「今のお子様の様子」を整理するためのポイントをまとめます。

これは、診断や判定をするためのものではありません。
「この子はこのタイプ」と決めるためでもありません。

「今、どこが一番しんどそうか/どんな場面で困りやすいか」を整理するための目安です。

1つのタイプだけに当てはめる必要はありませんし、いくつか重なっていても大丈夫です。
日によって波があるのも自然なことなので、「最近よく見られる様子」「平均するとこんな感じかな」という視点で読んでみてください。

大切なのは、お子様を問い詰めるための材料にするのではなく、親が状況を整理し、これからの関わり方を考えるための材料として使うことです。

この整理が、このあとの「親の関わり方」「相談のタイミング」「高校選びの考え方」につながっていきます。

① 朝がつらい・午前中に動けない(朝が起きられないタイプが気になる場合)

朝が起きられないタイプ

 朝、起き上がるまでにかなり時間がかかる
 起きても、頭痛・だるさ・気持ち悪さなどが出やすい
 朝食がほとんど取れない、または食べると気分が悪くなる
 午前中は動けないが、午後〜夕方になると少し楽になることが多い
 遅刻・午前欠席が増えている

② 日中の眠気・疲れが抜けない(起きてもずっと眠いタイプが気になる場合)

起きてもずっと眠いタイプ

 日中、強い眠気が続くことが多い
 授業中に眠ってしまう/集中が続かない
 学校から帰るとぐったりして、すぐ横になってしまう
 休日は長時間寝てしまうことが多い
 寝ている時間はあるのに、疲れが取れた感じがしない

③ 特定の話題や予定でしんどくなる(ストレス反応タイプが気になる場合)

ストレス反応タイプ

 学校や進路の話題になると、急に眠くなる・動けなくなる
 登校予定や行事が近づくと、体調が崩れやすい
 日曜の夜〜月曜の朝が特につらそう
 眠気以外にも、腹痛・頭痛・吐き気・イライラが出ることがある
 「学校に行かなきゃ」と思うほど、体が動かなくなる様子がある

④ 生活全体の元気がなくなっている(無気力・エネルギー切れタイプが気になる場合)

無気力・エネルギー切れタイプ

 起きても何もする気になれない日が続いている
 好きだったことへの反応が薄くなっている
 会話が減った/表情が乏しくなったと感じる
 身だしなみや入浴、食事が面倒そう
 「疲れた」「何もしたくない」という言葉が増えている

【チェックを見るときのポイント】

このチェックは、「いくつ当てはまるか」を数えて判定するためのものではありません。
当てはまる項目が多いからといって、「重い状態」とは限りません。

大切なのは数よりも、しんどさの強さや生活への影響の大きさです。

「どう声をかけたらいいか」「どこまで様子を見るか」「どんな環境が合いそうか」を考えるための土台として、役立ててくださいね。

「やる気が起きない・寝てばかり」をラクにする、親の関わり方

この章では、 お子様のしんどさをこれ以上強めないために、保護者としてできる関わり方を整理していきます。
「すぐに起こす方法」「やる気を出させるコツ」を紹介するものではありません。

子どもが動けないとき、親としては「このままで大丈夫?」「何とかしなきゃ」と焦りが出るのは自然なことです。
ただ、その焦りがそのまま言葉や関わり方に出てしまうと、子どもにとっては負担が増えてしまうこともあります。

「正しい対応」を探すのではなく、「避けたい関わり」と「安心を増やす関わり」を知ることで、お子様のしんどさを強めない関わり方を一緒に考えていきましょう。

つい言ってしまいがちな言葉

お子様が動けない状態が続くと、親の不安や焦りから、つい言葉がきつくなってしまうことがあります。

たとえば、

やる気あるの?

いつまで寝てるの?

このままで大丈夫なの?

こうした言葉は、親の心配の表れでもありますが、お子様にとっては「責められている」「追い詰められている」と感じやすいことがあります。

特に、「将来」「進路」「単位」といった言葉は、ただでさえ不安を抱えているお子様にとって、プレッシャーになりやすいことも知っておいてください。

もし、こうした言葉を言ってしまったとしても、それは失敗ではありません。
「今、親も不安になっているサイン」として、立ち止まって見直せば大丈夫です。

代わりに使える声かけ

原因を問い詰める言葉よりも、「今のしんどさを一緒に確認する言葉」の方が、お子様には届きやすいことがあります。

大切なのは、

頑張らせること
納得させること

ではなく、安心して話せる雰囲気をつくることです。

「どうしてできないの?」ではなく、「今、どの時間帯が一番しんどい?」と聞くことで、状態を整理しやすくなります。

また、「できていないこと」よりも、「少しできていること」「少し楽な時間」に目を向けると、回復の足がかりが見えやすくなります。

質問例

状態を整理する(責めない・短い)

「今日はどこが一番しんどい?」
「朝と昼だと、どっちがつらい?」
「今できそうなのは、①顔を洗う ②水を飲む?どっちが楽?」(2択で負担を下げる)

共感+ハードルを下げる

「起きられないの、つらいよね。今できそうなことだけでいいよ」
「学校の結論は急がなくて大丈夫。まず負担を減らそう」

会話のコツ(型)

会話は、「質問 → 提案(2択)→ できた事実を言葉にして伝える」という流れがおすすめです。
2択を出すときは、どちらも”ハードル低め”のものから始めると、お子様も答えやすくなります。

【例】

おはよう。今日は朝がしんどそうだね。今いちばんつらいのって、体?それとも気持ち?

体…。動けない

そっか。じゃあ今できそうなのは、① ベッドで座るだけ、② そのまま横になってる、どっちが楽そう?

…座るだけなら

(少しして)
しんどいと思うけど、座れたね。このまま少し様子見ようか。

こういった流れで、小さな「できた」を積み重ねていくことが、少しずつ安心感につながっていきます。

生活の負担を小さくする

声かけと同じくらい大切なのが、生活の負担そのものを見直すことです。

睡眠時間だけでなく、

スマホや周囲から入る情報などの刺激
予定の詰め込み
人との関わりの多さ

も、知らないうちに負担になっていることがあります。

「毎日同じようにこなす」よりも、「今日はどこを休むか」を一緒に考える視点を持ってみてください。
動けない日があっても、「ゼロに戻った」のではなく、「回復の途中にいる」と捉え直すことで、親子ともに気持ちが少しラクになります。

声かけ・関わりのポイント|中学生と高校生の違い

同じように動けない状態でも、親が感じやすい不安は、中学生と高校生で少し違います。

中学生の親は、
「このまま高校に行けるのかな」
「将来どうなるんだろう」
と、先の不安が強くなりやすい傾向があります。

一方、高校生の親は、
「欠席が増えている」
「単位は大丈夫?」
「留年や退学にならない?」
と、制度面の不安が前に出やすくなります。

その心配が大きいほど、親は気づかないうちに、急かす言葉や結論を迫る言葉が増えてしまうことがあります。

中学生の場合

中学生のお子様には、「進路の話を急がない」「今の生活を整える」関わりが合いやすいかもしれません。

「高校に行けるのか」と不安になるのは、親としてとても自然なことです。
ただ、その不安をそのままぶつけると、お子様はプレッシャーを強く感じてしまうことも

まずは生活リズムや体調を整えることを優先し、進路の話は焦らず、少しずつ進めていきましょう。

高校生の場合

高校生のお子様には、「単位の話で追い込まない」「選択肢を増やす」関わりが合いやすいかもしれません。


「このままだと単位が取れない」「留年になるよ」といった言葉は、不安をさらに強めやすくなります。
それよりも、今の学校で続けられる形があるのか、別の選択肢(通信制高校など)も含めて考えるのかを、一緒に整理していく姿勢が大切です。

共通するのは「安心を増やす関わり」

中学生でも高校生でも、大切なのは「安心を増やす関わり」です。

お子様が「このままではダメだ」と追い詰められるのではなく、「今の状態でも大丈夫」「一緒に考えていける」と感じられることが、回復と次の選択につながっていきます。

受診や相談のタイミングは?|「病気かも?」と迷ったときの判断ポイント

「病院に行くほどではない気もするけれど、このままで大丈夫?」
「相談した方がいいのか、もう少し様子を見た方がいいのか…」

「やる気が起きない・寝てばかり」の状態が続くと、受診や相談のタイミングを迷う保護者の方は少なくありません。

そんなときは、まず生活がどのくらい回っているかを判断のポイントにしてみてください。

相談することは、決して大げさなことでも、失敗を認めることでもありません。
選択肢を増やし、親子で抱え込まずに済むようにするための、前向きな行動です。

相談先は、学校・医療機関・外部の相談窓口など、さまざまです。
「どこに相談すればいいかわからない」という場合も、まずは身近なところに声をかけてみると、適切な相談先につながることもあります。

早めに相談を考えたいサイン

目安のひとつは、状態が2週間以上続いている、または少しずつ悪化していると感じる場合です。
「朝起きられない・寝てばかり」に加えて、生活の土台が崩れてきていないかを見てみてください。

たとえば、次のような変化が重なっていないでしょうか。

食事量が極端に減る/増える
入浴や身だしなみを整えることが難しくなっている
昼夜逆転が続き、整え直すのが難しい
家族との会話がほとんどなくなる

また、表情が乏しくなったり、悲観的な言葉が増えたりして、心のエネルギーがかなり下がっているサインが見られる場合も、早めの相談を考えてよいタイミングです。

厚生労働省も、「食欲の変化」「眠れない/寝すぎる」「疲れやすい」「集中しにくい」など、気分の問題だけでなく生活に影響する変化が続くときは、専門家への相談をすすめています。
厚生労働省「うつ病|こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」 

特に、「消えたい」「いなくなりたい」といった言葉が出ている場合は、迷わず、できるだけ早く相談してください。
この段階では「様子を見る」よりも、「専門家につながる」ことが大切です。 

相談や受診の目安「迷った時の相談表」

状態メモしておくと良いこと目安まず相談する先(例)
状態が2週間以上続く/悪化いつから・頻度・波様子見より相談を検討学校(担任・養護教諭・SC)/外部相談窓口
食事・入浴・会話が崩れてきたできていること・できないこと早めに相談医療/外部窓口
朝の不調(頭痛・吐き気・だるさ)が強い朝と午後の差、症状の種類体の不調として相談してOK小児科/内科など(地域事情に合わせて)
学校の話題・予定で悪化するつらくなるタイミング(話題・曜日)環境調整が必要なサイン学校/SC
「消えたい」などの言葉が出るいつ・どんな言葉・頻度急いで相談医療/外部窓口(緊急性が高い場合は速やかに)

相談先の選び方

相談先はひとつに決める必要はありません。
学校・医療・外部の窓口など、複数の選択肢があることを知っておくだけでも、気持ちが少し軽くなります。

学校

担任、養護教諭、スクールカウンセラーなどは、配慮や調整の窓口になりやすい存在です。
「どうすれば登校できるか」だけでなく、「今の負担をどう減らせるか」という視点で相談してみてください。

医療

朝起きられない、だるさが強いなど、体の不調が目立つ場合は、まず体の面から相談するのも一つです。
最初から「こころの病気かもしれない」と決めつける必要はありません。
まずは体の不調として相談し、専門家の判断をあおぐ形で進めていきましょう。

外部の相談先

自治体の教育相談や子ども相談窓口など、学校以外のルートもあります。
「学校には相談しづらい」「まずは話を聞いてほしい」
そんなときの選択肢として、覚えておいてください。

厚生労働省でも、相談窓口を紹介しています。
▶︎ 厚生労働省|こころの相談窓口

診断や治療を前提としたものではなく、「とりあえず話を聞いてほしい」「何から始めたらいいかわからない」という段階でも利用できる相談先です。

相談の前に整理しておくとよいこと

相談の前に、次のポイントを簡単に整理しておくと、話がスムーズになります。

いつ頃から、どんな様子が続いているか(期間・頻度)
特につらそうな時間帯や場面(朝/学校の話題など)
できていること・できないこと
親として一番困っていること、知りたいこと

きちんとまとめなくても大丈夫です。
「今、何が一番心配か」を言葉にできれば、それで十分です。

「やる気が起きない・寝てばかり」でも通いやすい高校選びの視点5つ

ここまで、お子様の様子を整理し、親としてできる関わり方、相談のタイミングについて見てきました。
それでも、「やる気が起きない・寝てばかり」の状態が続くと、

「このままで高校に通えるのだろうか」
「今の学校に合わせられるだろうか」

と不安がよぎることもありますよね。

ただ、ここで大切なのは、お子様が「頑張って学校に合わせる」ことを前提にするのではなく、今の状態に合わせて通い方を調整できる学校を選ぶという視点です。

偏差値や知名度だけでなく、

どんな通い方ができるか
欠席や遅れが出たとき、どう立て直せるか
困ったときに相談できる人がいるか

などを見ることで、お子様が安心して学びを続ける環境が見つかりやすくなります。

進路を見直すことは、「逃げ」でも「諦め」でもありません。
今の状態でも学びをつなぐための、「工夫」のひとつです。

ここでは、高校選びを考えるときに大切にしたいポイントを、5つの視点にまとめて整理しました。
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

【高校選びの5つの視点】

見る視点確認したいポイント
① 通学の柔軟さ登校時間・日数を調整できるか/午後・オンライン中心も可能か
② 学習の進め方体調に合わせてペースを組み直せるか/遅れたときのフォローがあるか
③ 単位・評価欠席が続いても立て直す仕組みがあるか/卒業までの見通しが立てられるか
④ サポート体制担任・相談担当が明確か/学習・気持ち・進路を相談できるか
⑤ 環境・居場所刺激が強すぎないか/安心して過ごせる場所があるか

視点① 通学の柔軟さ(時間帯・日数・オンライン)

午前中が特につらいお子様にとって、「決まった時間に毎日登校すること」自体が、大きなハードルになることがあります。
たとえば「朝8時30分に学校に行く」という前提を崩せない学校では、どれだけ頑張っても通い続けるのが苦しくなる場合があります。

そのため、週に数回の登校、午後からの登校、オンライン中心といった、通い方を段階的に調整できる学校であれば、相性が合いやすくなります。

「最初から毎日行く」ことを前提にせず、慣れてきたら少しずつ増やすという考え方ができるかどうかも、大切なポイントです。

視点② 学習の進め方(ペースの組み直し・個別フォロー)

体調に波があると、学習が遅れることがあります。
その「遅れ」が新たな不安になってしまうことも。

「みんなについていけない」
「もう取り戻せない」

と感じてしまうと、ますます動けなくなってしまうこともあります。

そのため、学校選びの段階で、

学習計画を学校と一緒に組み直せるか
個別にフォローしてもらえる体制があるか

といった点を確認しておくと安心です。

「遅れ=責められる」雰囲気があると、それだけで動きづらくなってしまいます。

学習が遅れたときに、「どうすればペースを戻せるか」を一緒に考えてくれる学校であれば、安心して学び続けやすくなります。

視点③ 単位・評価の仕組み(欠席が続いた場合の見通し・卒業までの道筋)

特に高校生の場合、「欠席」「単位」という言葉が、大きなプレッシャーになりやすいものです。

「このままだと単位が取れない」
「留年になるかもしれない」

という不安が、さらにお子様を追い詰めてしまうこともあります。

そのため、欠席が続いた場合、

どのように学習を補うのか
評価や単位はどう扱われるのか

など、卒業までの見通しを具体的にイメージできると、不安を整理しやすくなります。

「今の状態でも、卒業までの道筋が描けるかどうか」を基準に考えてみましょう。

視点④ サポート体制(学習・気持ち・進路)

困ったとき、「誰に相談すればいいのか」がはっきりしているかどうかも重要です。

担任、支援担当、相談室など、相談の窓口がわかりやすいかを確認してみてください。
学習面だけでなく、気持ちのことや進路についても相談できると、家庭だけで抱え込まずにすみます。

「相談しやすい空気」「つながりやすさ」も、大切なポイントです。

視点⑤ 環境・居場所(刺激の強さ・少人数・安心できる場)

人の多さや音、視線など、刺激の多い環境が負担になるお子様もいます。

少人数のクラス、個別スペース、安心して過ごせる居場所など、お子様がホッとできる工夫があるかどうかを見てみましょう。

また、「頑張れない時期があっても、否定されにくい雰囲気かどうか」は、見学や相談の場で感じ取ることができます。

「ここなら、今の自分でもいられそう」とお子様が感じられる環境であることが、何よりも大切です。

中学生と高校生で変わる「視点の優先順位」

ここまで紹介した5つの視点(通学の柔軟さ/学習の進め方/単位・評価/サポート体制/環境・居場所)は、中学生でも高校生でも共通して大切なポイントです。

ただし、中学生と高校生では、「今どこで困っているか」「何が一番不安か」が違うため、優先順位が変わりやすいことも知っておくとよいでしょう。

【中学生】まずは「通いやすさ」と「安心できる環境」を優先

中学生の場合、入学前から「自分に合う条件」で学校を選べるのが強みです。

生活リズムや体調に波がある場合は、まず「視点① 通学の柔軟さ(時間帯・日数・オンライン)」を優先してみてください。

次に、「視点⑤ 環境・居場所(刺激の強さ/少人数/安心できる場)」を確認し、「学校にいるだけで消耗しないか」を考えることが大切です。

学習の進め方や単位ももちろん重要ですが、まずは「通える形」をつくることを優先する、という順番で整理してみましょう。

【高校生】「単位の見通し」と「立て直しやすさ」を優先

高校生の場合は、在学中であることが多いため、欠席や単位への不安がプレッシャーになりやすい傾向があります。

そのため、まずは、「視点③ 単位・評価(欠席が続いた場合の見通し/卒業までの道筋)」を早めに確認し、不安を整理することが大切です。

そのうえで、「視点② 学習の進め方(ペースの組み直し/個別フォロー)」を見て、「続けられる形」があるかを探していきましょう。

通学の柔軟さや居場所も重要ですが、単位の不安で追い詰められない状態」を先に整えることで、立て直しやすくなります。

通信制高校という選択肢|体調に合わせて学べる仕組み

ここまで、高校選びの5つの視点を整理してきました。

これらの条件を満たしやすい選択肢のひとつとして挙げられるのが、通信制高校です。

通信制高校を検討するとき、

「逃げたと思われないかな」
「甘えに見えないかな」

と気になる方もいるかもしれません。

でも通信制高校は、今の状態に合わせて学び方を組み替え、学びをつなぐための選択肢です。

大切なのは、今のお子様の状態でも学びを続けられる形があるかどうかという視点を持つことです。

ここからは、通信制高校が合いやすいケースと、検討するときに確認しておきたいポイントを整理します。
「合う・合わない」を判断する材料として、参考にしてみてください。

通信制高校が合いやすいケース

次のような様子がある場合、通信制高校が合いやすいことがあります。

朝が特にしんどく、決まった時間の登校が負担になっている

午前中に体が動きにくい、朝の登校時刻に間に合わせることがプレッシャーになっている、といった場合、通信制高校の「登校時間を調整しやすい仕組み」が助けになることがあります。

人の多さや音などの刺激で消耗しやすく、「学校に行くだけで疲れる」感じがある

教室の人数、騒がしさ、周囲の視線などが負担になりやすいお子様は、少人数での学習や、自分のペースで学べる環境のほうが落ち着けることがあります。
また、安心して過ごせる居場所があるかも、あわせて見ておけると安心です。

体調や気持ちに波があり、毎日同じペースで通うのが難しい

日によって動ける・動けないの差が大きい、週によって調子が変わる、といった場合、週に数回の登校や、オンライン中心の学習など、ペースを調整できる仕組みが合いやすくなります。

いったんペースを落としても、少しずつ学習を立て直していけそうな感覚がある

今はしんどくても、少しずつ回復の兆しが見える、無理のないペースであれば続けられそう、という場合、通信制高校の「焦らず立て直せる」仕組みが力になることがあります。

これらに当てはまるからといって、必ず通信制高校が向いている、というわけではありません。
「今の状態に合う条件が多いかどうか」を考える手がかりにしてくださいね。

オンライン制の通信制高校が合いやすいケース(例)

朝が特にしんどく、決まった時間の登校が負担になっている
刺激(人の多さ・音・視線)で消耗しやすい
体調や気持ちに波があり、毎日同じペースで通うのが難しい
いったんペースを落としても、少しずつ立て直していけそうな感覚がある

「合いやすいかも」と感じた方は、通信制高校のメリット・デメリットも先に整理しておくと安心です。
通い方の柔軟さだけでなく、注意点や合わないケースも含めて確認できます。

通信制高校を検討するときのチェックリスト|説明会・見学で確認

通信制高校と言っても、学校ごとに仕組みやサポート体制はさまざまです。
ここで紹介するのは、前の章で挙げた「5つの視点」を、通信制高校の説明会や個別相談で確認しやすい形にしたチェックリストです。

気になる学校が見つかったら、この項目に沿って質問してみてください。

チェックリスト

 困ったときの相談窓口が分かりやすいか
 学習が止まったときに、計画を組み直したりフォローしたりする仕組みがあるか
 登校頻度・時間帯・オンラインなど、通い方の選択肢がどの程度あるか
 子どもが「ここなら少しラクかも」と感じられる雰囲気・居場所があるか
 欠席が続いたときの単位や評価について、具体的に説明してもらえるか
 卒業までの見通しを、誰に相談すればよいかがはっきりしているか

Q&A|「やる気が起きない」「寝てばかり」についてよくある質問

「寝てばかり」は怠け?それとも病気?

「怠け」と考える前に、「体が動かない」「回復が追いついていない」「ストレス反応が出ている」といった可能性も候補に入れてみてください。
同じように見える状態でも、朝が特につらい子、日中の疲れが抜けない子など、しんどさの出方はさまざまです。

まずは「いつ・どんな場面でつらいか」を整理することで、関わり方や次の判断がしやすくなります。

詳しくはこちらで解説しています。
 「寝てばかり」の4つのタイプ

ゲームやスマホは楽しめるのに、学校は頑張れない…どう考えたらいい?

ゲームやスマホは「楽しい」「安心できる」「現実のつらさを忘れられる」ため、しんどいときほど手が伸びやすいことがあります。一方、学校は人間関係や評価、遅れへの不安など、本人にとって負担が大きい要素が重なりやすく、「頑張りたいのに頑張れない」状態になることもあります。
だから「楽しめている=元気」「行かない=怠け」とは言い切れません。
大切なのは、学校の何が一番しんどいのか(人・授業・課題・教室の刺激など)を整理し、負担を減らす方向で考えることです。

このような“しんどいことから距離をとる反応”については、こちらでまとめています。
 タイプ③ しんどいことから距離をとる(ストレス反応)

起立性調節障害かも?受診・相談のタイミングは?

朝のだるさや頭痛、吐き気などが続き、午前中に動きにくい状態が見られる場合は、「体の問題かもしれない」という視点で相談して大丈夫です。
「気のせい」「甘え」と決めつけず、まず状態を見てもらうことで、親子ともに安心材料が増えることもあります。
受診の際は、「いつ頃から続いているか」「朝と午後で差があるか」「一番困っていること」を簡単に整理して伝えるとスムーズです。

起立性調節障害については、「なぜ朝は起きられないのに、外出できるのか」といった誤解されやすい点も含めて、「起立性調節障害でも遊びに行けるのはどうして?」の記事で詳しく整理しています。

昼夜逆転は、無理にでも戻した方がいい?

昼夜逆転が続くと、「このままで大丈夫?」と不安になりますよね。
ただ、無理に生活リズムを戻そうとしても、体や心がついてこず、思うようにいかないことが少なくありません。
うまくいかないことで、子どもも親も「できない」「戻せない」と感じ、消耗が重なってしまう場合があります。

そのため、まずは「朝が特につらいのか」「日中ずっと疲れているのか」など、しんどさの出方を整理することが大切です。
戻す必要がある場合も、結論を急がず、できる範囲で少しずつ整えていきましょう。

高校生で欠席が増えてきた…単位は大丈夫?

欠席が続くと、「単位は取れるのか」「留年や退学にならないか」と、制度面の不安が強くなりやすいですよね。
大切なのは、不安をご家庭だけで抱え込まず、「今の状態から立て直せる道筋があるか」を早めに整理することです。
学校に相談することで、意外と選択肢が見えてくることもあります。

欠席が続いた場合の見通しについては、こちらで整理しています。
視点③ 単位・評価の仕組み

通信制高校だと生活リズムはもっと崩れる?

通信制高校を検討すると、「生活リズムがさらに乱れるのでは」と心配になる方も少なくありません。
ただ、朝の登校や毎日同じペースが負担になっているお子様にとっては、通い方を調整できることで消耗が減り、少しずつ整っていくケースもあります。
大切なのは、「通信制かどうか」ではなく、「今の状態に合う環境かどうか」を見極めることです。

通信制高校を検討するときに確認しておきたいポイントは、こちらでチェックリストとしてまとめています。
 通信制高校を検討するときのチェックリスト

まとめ|「やる気が起きない・寝てばかり」の背景を知って、よりよい高校生活へ

お子様の「やる気が起きない・寝てばかり」といった様子が続くと、親として不安になってしまいますよね。
でも、今は「やる気の問題」ではなく、体調やストレス、これまでの消耗が重なって「動けない」状態になっているだけかもしれません。

大切なのは、原因を決めつけることではなく、「どんな場面でしんどさが強いのか」を整理して、負担を減らす関わり方に切り替えていくこと。

進路を考えるときも、「今の状態で頑張って合わせる」だけが正解ではありません。
通い方や支え方を調整できる環境を選ぶことで、学びをつなぎ、少しずつ立て直していくことができます。

【この記事のポイント】
体調・睡眠・ストレス・消耗が重なって動けないことがある
「寝てばかり」に見えても、朝/日中/特定の場面/生活全体など、しんどさの出方はさまざま
原因を探すより、「いつ・何がつらいか」を整理して、負担を減らす関わりに切り替えるのが近道
しんどさが長引き、生活に支障が出ているときは、早めに相談する
進路を考え直すことは「逃げ」ではなく、今の状態でも「続けられる形」を探すための選択肢

【ID学園】体調に合わせて学びをつなぐ「3つの安心」

「やる気が起きない・寝てばかり」の背景は一人ひとり違い、無理に頑張らせるよりも、しんどさが強く出る場面を整理して負担を減らすことが大切です。
進路も同じで、「今の状態で合わせる」より「続けられる形」を探す視点を持つことで、少しずつ立て直しやすくなります。

ID学園には、体調に波があるお子様でも学びをつなぎやすい、次の3つの安心があります。

① 朝が弱い・体調に波がある前提で、通い方を調整しやすい

午後から/オンライン中心/週◯回からなど、いきなり“毎日”に合わせず、段階的にペースを調整しやすい環境です。(コースは毎月変更可:対象4月~12月)
朝が特につらいタイプや、日によって波があるお子様でも、「今できる形」から始めやすくなります。

② 欠席や遅れが出ても、立て直しの見通しをつくりやすい

ID学園は単位制なので、留年という概念がなく、学習の遅れがあっても、焦らず学習計画を組み直し、卒業までの道筋を整えていくことができます。
「遅れ=終わり」ではなく、立て直す手順が見えることで、単位や将来の不安を抱え込みにくくなります。
単位を途中で多少落としてしまっても、3年間での卒業をあきらめる必要はありません。

③ 相談先がわかりやすく、家庭だけで抱え込まなくていい

担任を中心に、学習・気持ち・進路の相談を整理し、状況に合った相談先につながりやすい体制です。
「どこに相談すればいいかわからない」という状態を減らし、親子で抱え込まずに進めます。

もし「今の状態でも続けられる形を探したい」と感じたら、まずは説明会や個別相談で、お子様に合う通い方やサポート体制を一緒に整理してみてください。

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