
「どうせうまくいかない」
「また失敗するかも」
テストの前、友達との会話、SNSを見たあと。
ふとした瞬間に不安や心配が頭をよぎって、自分を責めてしまうことはありませんか。
でも、ネガティブになるのは、あなたが弱いからでも、性格が暗いからでもありません。
いくつもの理由が重なって、誰にでも起こる自然な反応です。
そして、ネガティブには実は役に立つ面もあります。
この記事では、「ネガティブとは何か」をやさしく整理しながら、ネガティブに振り回されすぎずに過ごすヒントを紹介します。
もし今、ネガティブな自分を責めてしんどいと感じているなら、この記事の中に、少しラクになるヒントがきっとあります。
【この記事でわかること】
ネガティブの本当の意味と、よくある誤解
中高生がネガティブになりやすい場面と理由
ネガティブと上手につきあう考え方や工夫
つらいときに頼れる選択肢
ネガティブとは?意味をわかりやすく解説

私ってネガティブだな



ネガティブな自分が嫌だ
こんなふうに感じたことはありませんか。
「ネガティブ」という言葉を聞くと、「暗い」「後ろ向き」「よくないもの」といったイメージを持つ人は多いかもしれません。
でも実は、「ネガティブ=悪いこと」というイメージは、ちょっとした誤解から生まれています。
そこで、この章では、「ネガティブ」という言葉が本当は何を意味しているのか、日常ではどんなふうに使われているのか、そして、似た言葉とどう違うのかを、わかりやすく整理していきます。
言葉の正確な意味を知ることで、「ネガティブな自分はダメなんだ」という考えから、少し距離を取れるようになるかもしれません。
辞書的な意味と、日常で使われるニュアンス
辞書で「ネガティブ」を調べると、「否定的」「消極的」といった意味が出てきます。
つまり、「賛成ではない」「積極的ではない」という、立ち位置や向きを表す言葉です。
(コトバンク「デジタル大辞泉」)
一方で、日常会話で「ネガティブ」という言葉が使われるときは、
性格が暗い
後ろ向きなことばかり言う
悪い結果ばかり想像する
といったイメージで使われていることが多いかもしれません。
そのため、「ネガティブ」と言われると、まるで性格そのものを否定されたように感じてしまうこともありますよね。
でも、本来の「ネガティブ」という言葉は、「マイナス側」「プラスではない側」を表しているだけで、必ずしも「悪い」「ダメ」という意味ではありません。
言葉の意味を少し丁寧に見ていくと、「ネガティブ=悪い」というイメージが、実はかなり強調されすぎていることが分かります。
英語の「negative(ネガティブ)」は”悪い”だけじゃない
英語の「negative」という言葉には、「反対」「否定」「マイナス側」といった意味があります。
たとえば、数学で使われる「negative number(負の数)」は、0より小さい数を表しているだけで、悪い数という意味ではありません。
また、英語では「yes」ではない答えを「negative answer」と表すこともあります。
これも、「悪い答え」ではなく、「当てはまりません」という意味です。



つまり「negative =悪いもの」ではなく、「プラスではない側」「反対の立場」を表しているだけの言葉なのです。
日本語で「ネガティブ」というと、「悪い性格」「直さなきゃいけないもの」のように聞こえやすいですが、本来はそこまで強い否定の意味を持つ言葉ではありません。
よくある誤解:「ネガティブ=ダメ」「ポジティブでいなきゃ」
多くの中高生が、
「ネガティブでいるのはよくないこと」
「ポジティブでいなきゃダメ」
と思い込んでしまいがちです。
SNSでも「前向きに!」「ポジティブに生きよう!」といった言葉を見かけることもありますよね。
でも、不安や心配を感じて、ネガティブな感情や考えが出てくるのは、誰にでもある自然な反応です。
ずっと前向きでいようとすると、本当はしんどいのに無理をしてしまったり、「ネガティブな自分を隠さなきゃ」と苦しくなってしまうこともあります。
「ネガティブ」と「ポジティブ」は、どちらか一方だけが正しいものではありません。
そのときの状況や気持ちによって、どちらも大切な役割を持っています。
感情は、「0か100か」「白か黒か」のように、はっきり分かれるものではなく、いろいろな段階があります。
だから、「いつもポジティブでいなきゃ」と思わなくても大丈夫です。
似た言葉との違い
「ネガティブ」と似た言葉に、「負の感情(マイナスな感情)」や「マイナス思考」といった言葉があります。
なんとなく同じ意味のように使われがちですが、実は、それぞれ指しているものが少しずつ違います。
この違いを知っておくと、「今の自分は、何がしんどいのか」を整理しやすくなり、気持ちとのつきあい方も考えやすくなります。
表で違いをまとめてみましょう。
| 言葉 | 何を指す? | 具体例 |
| ネガティブ | 受け止め方の特徴 | 失敗しそうなことを先に心配してしまう |
| 負の感情マイナスな感情 | そのときに感じている気持ち | テストに失敗して悲しい、不安になる |
| マイナス思考 | 物事を悪い方に考えやすいクセ | 「どうせ自分はダメだ」と決めつける |
ではここから、ひとつずつ見ていきます。
【負の感情・マイナスな感情】不安や悲しみなど
表で整理したように、負の感情(マイナスな感情)とは、不安や悲しみ、怒り、恐怖など、つらいと感じやすい気持ちのことを指します。
「ネガティブ」という言葉が、考え方や受け取り方を含めて使われることが多いのに対して、「負の感情」は、そのときに感じている「気持ちそのもの」を表す言葉です。
たとえば
テストで失敗して悲しい
友達に無視された気がして不安になる
こうした気持ちは、その場の出来事に反応して、自然にわいてくる感情です。
感情は、自分で選んで出すものではありません。
うれしい気持ちがあるように、悲しい気持ちや不安な気持ちが出てくるのも、とても自然なことです。
「感じてしまうこと」自体は、決して悪いことではありません。
【マイナス思考】考え方のクセ
マイナス思考は、物事を悪い方向に考えやすい思考のクセを指します。
たとえば
「どうせうまくいかない」
「自分はダメだ」
と、まだ起きていないことや、一部の出来事から、悪い結論を先に決めつけてしまう考え方です。



良いことがあっても「でもきっと…」と打ち消してしまうのも、マイナス思考の特徴です。
ここで大事なのは、マイナス思考は「感情」ではなく、考え方のパターンだということ。
「ネガティブ」が、物事を受け止めるときの特徴を指すのに対して、「マイナス思考」は、頭の中でくり返される考え方のクセを指します。
考え方のクセは、気づいて、少しずつ練習することで、ゆるめていくことができます。
ネガティブな感情とマイナス思考は、似ているようで、実は別のものです。
中高生がネガティブになりやすい場面
ネガティブな気持ちや考えが出てくるのは、特別なことでも、弱いからでもありません。
学校生活の中には、多くの中高生がネガティブになりやすい場面がいくつもあります。
ここでは、「こういうとき、ネガティブになりやすいかも」という、よくある場面を具体的に紹介します。
読んでいて、「これ、自分にもあるかも」と感じるところがあるかもしれません。
ネガティブに感じるのは自分だけじゃないと知ることで、少し気持ちが軽くなることもあります。
テスト・成績|失敗が怖くて手が止まる
テスト前になると、「勉強しなきゃ」と思うのに、なぜか手が止まってしまう。
そんな経験、ありませんか?
過去に悪い点を取った経験があると、



また失敗するかもしれない



どうせ今回もできない
といった不安が先に浮かびやすくなります。
「失敗したらどうしよう」という想像がどんどん広がって、勉強そのものが怖くなってしまうこともあります。
このとき、頭の中では、
「前回も悪かったし、今回もきっとダメだ」
「勉強してもどうせできない」
「もう時間がないから無理」
「頑張っても意味ない気がする」
といった考えがぐるぐる回りがちです。
これは、頭の中で次のような流れが起こっている状態です。
① 以前、テストでうまくいかなかった経験がある
② 「また失敗するかも」という不安が出てくる
③ その不安から、「どうせ今回もダメだ」など、ネガティブな考え方が浮かびやすくなる
④ 怖くなって、勉強に手がつかなくなる
つまり、やる気がないわけではなく、失敗を避けようとする気持ちが強くなった結果、ネガティブな捉え方が前に出てきている状態なのです。
友達・SNS|気にしすぎて疲れる
友達とのやりとりやSNSで、あとからどっと疲れてしまうことはありませんか。
たとえば、
既読がついたのに返信が来ない
グループでの会話に入れなかった気がする
自分の発言のあと、空気が変わった気がする
そんな小さな出来事をきっかけに、



嫌われたかもしれない



変なことを言ってしまったかも
と、不安が頭に浮かびやすくなります。
SNSでも、
投稿したのに「いいね」が少ない
他の人の投稿は反応が多い
といったことから、



自分の投稿、つまらなかったのかな



みんな自分に興味ないのかも
と、悪い方に考えてしまうこともありますよね。
気にしすぎて疲れているのに、スマホを見るのをやめられず、さらに考え込んでしまうことも少なくありません。
このとき、頭の中では、
「嫌われたかもしれない」
「無視されている気がする」
「自分だけ仲間外れなんじゃないか」
といった考えが、ぐるぐる回りがちです。
こうしたとき、頭の中では次のような流れが起きていることがあります。
① 友達の反応が少ない、返信が遅いなどの出来事がある
② 「何か悪いことをしたかも」という不安が出てくる
③ その不安から、「嫌われたに違いない」などとネガティブに受け止めてしまう
④ 気になって何度も考えてしまい、心が疲れていく
つまり、人との関係を大事にしたい気持ちがあるからこそ、相手の反応に敏感になり、ネガティブな受け止め方が、強く出やすくなっている状態だと言えます。
部活・習い事|比較して自信がなくなる
部活や習い事で、周りと比べて落ち込んでしまうことはありませんか。
たとえば
同じ時期に始めたのに、上達のスピードが違う
周りはできているのに、自分だけうまくできない気がする
練習しているのに、なかなか結果が出ない
そんな場面が続くと、



自分だけできていない



向いていないのかもしれない
と、不安や焦りが出てきやすくなります。
周りの成長が早く見えるほど、自分の足りないところばかりに目が向いてしまい、



自分は下手だ



才能がないんだ
と、必要以上に自分を低く見てしまうこともあります。
先輩や友達に褒められても、



たまたまだよね



お世辞に決まっている
と、素直に受け取れず、かえって自信をなくしてしまうことも少なくありません。
こうしたとき、頭の中では次のような流れが起きていることがあります。
① 周りの上達や結果と、自分を比べる場面がある
② 「自分だけ遅れているのでは」という不安や焦りが出てくる
③ その不安から、「自分は向いていない」「才能がない」とネガティブに受け止めてしまう
④ 自信がなくなり、練習や挑戦が怖くなっていく
つまり、「もっと上手くなりたい」「ちゃんとやりたい」という気持ちがあるからこそ、周りと比べてしまい、ネガティブな受け止め方が前に出てきている状態なのです。
ネガティブになりやすい人の特徴
ネガティブになりやすい人には、いくつか共通しやすい考え方や反応の仕方があります。
ただし、ここで紹介する特徴に当てはまったとしても、それは「ダメな性格」ということではありません。
「そういう傾向がある」というだけです。
大切なのは、自分のクセを知ることで「あ、今はいつものパターンに入っているな」と気づけるようになることです。
自分を理解するヒントとして、当てはまる特徴があるか、見ていきましょう。
「どうせ無理」が頭に浮かぶ|最悪を先に想像する
何かを始めようとしたときに、



どうせ無理だと思う



きっとうまくいかない
と、「失敗するイメージ」が浮かんでしまうことはありませんか?
たとえば
テストを受ける前から「どうせできない」と思ってしまう
新しいことに挑戦する前に「失敗したら恥ずかしい」と想像してあきらめる
「もし間違えたら」「もし笑われたら」と最悪の展開ばかり考える
といったように、良い結果よりも、悪い結果のほうが先に目に入ることがあります。
すると、「失敗したらどうしよう」という不安が出てきて、考えれば考えるほど、気持ちが落ち着かなくなっていくこともあります。
「もし〜だったらどうしよう」と考え始めると、頭の中で最悪のシナリオばかりが広がり、うまくいく可能性には目が向きにくくなります。
この考え方は、脳が「危険を避けよう」としている防衛反応のひとつです。
失敗して傷つかないように、先にブレーキをかけている状態なので、決して怠けているわけではありません。
他人の評価が気になる|一歩踏み出せない



どう思われるかな



変だと思われないかな
そんなふうに、周りの目が気になって動けなくなることはありませんか?
たとえば
授業で手を挙げたいけど、「間違えたら恥ずかしい」と思って挙げられない
新しい趣味を始めたいけど、「下手だと思われたら…」と踏み出せない
意見を言いたいけど、「変なこと言ったと思われないかな」と黙ってしまう
発表の前に「みんなにどう見られるか」ばかり気になって緊張する
といったように、評価を気にしすぎて、自分がやりたいことより「人にどう見られるか」が優先されてしまうことがあります。
すると、新しいことに挑戦したい気持ちはあるのに、「うまくできなかったら…」という不安が先に立ちやすくなります。
「評価されたい」というよりも「否定されたくない」という気持ちが強いと、どうしても安全な道を選ぼうとして、一歩踏み出すのが難しくなってしまいます。
これは、人との関係を大事にしようとする気持ちが強く出ている状態とも言えます。
失敗を引きずってしまう|反省が止まらない
一度の失敗を、何度も何度も思い出してしまうことはありませんか?



あのとき、ああすればよかった



なんであんなことを言ったんだろう
と、反省が頭から離れず、時間がたっても気持ちが切り替わらない状態です。
たとえば
数日前、数週間前の失敗を、今でも何度も思い出してしまう
寝る前に「あのときこうすればよかった」と考えて、なかなか眠れなくなる
友達との何気ない会話を後から思い出して、「変なこと言ったかも」と不安になる
テストが終わった後も、「あの問題、違う答えにすればよかった」と引きずってしまう
といったことが続くと、周りの人はもう気にしていないのに、自分だけがずっと引きずっているように感じることもあります。
このとき、失敗を「次に活かすための反省」ではなく、「自分がダメだった証拠」のように受け取ってしまうと、自己否定が強くなる傾向があります。
振り返ったり、反省したりすること自体は大切です。
ただ、反省しすぎて、必要以上に自分を責め続けてしまうのも、ネガティブになりやすい特徴のひとつです。
ネガティブになるのはどうして?|性格のせいじゃない
ネガティブになりやすいと、



自分の性格が悪いのかな



前向きになれない自分はダメなのかな
と感じてしまう人は少なくありません。
でも、これまで見てきたように、ネガティブな考えや気持ちは、特定の場面や考え方の特徴から出てきているものです。
そしてもうひとつ大事なのは、ネガティブになりやすさは、性格だけで決まるものではないということ。



実際には、脳の仕組み、これまでの経験、体のコンディションなど、いくつもの要因が重なって影響しています。
こうした仕組みを知ることで、「だからこうなりやすいんだ」「ここを整えればいいんだ」と、対処のヒントが見えてきます。
ネガティブが強くなる3つの理由
ネガティブになりやすいのは、あなたが弱いからでも、考え方が間違っているからでもありません。
多くの場合、次の3つが重なっています。
① 脳の防衛本能
② 過去の経験・環境
③ 心身のコンディション
どれも特別なことではなく、誰にでも起こりうるものです。
では、順に解説していきます。
① 脳の防衛本能|危険を避けるために強く感じやすい
人間の脳には、危険を避けるためにネガティブな情報を優先的に記憶する仕組みがあります。
楽しかったことや成功よりも、嫌だったことや失敗のほうが、強く印象に残りやすいのは、そのためです。
たとえば、テストで9問正解して1問間違えたとき、正解した問題よりも、間違えた1問のほうが頭に残ってしまうことはありませんか。
本当はうまくいった部分もあったはずなのに、どうしても「できなかったところ」ばかり気になってしまいます。
これは、心理学で「ネガティビティ・バイアス」と呼ばれる脳の特性で、誰の脳にも備わっています。
(十文字学園女子大学「錯思コレクション100|ネガティビティ・バイアス」)
つまり、ネガティブなことに目が向きやすいのは、性格が悪いからでも、考え方が間違っているからでもなく、脳が危険を避けようとしている自然な反応なのです。
② 過去の経験・環境|否定されやすい体験や期待のプレッシャー
これまでの経験や、置かれてきた環境も、ネガティブになりやすさに大きく影響します。
たとえば
失敗したときに強く責められた
否定されることが多かった
「ちゃんとしなさい」「期待している」と言われ続けてきた
こうした体験が重なると、「また怒られるかも」「失敗したら嫌われるかも」と感じやすくなります。
また、テストの点が悪いと怒られ、良い点を取っても「もっとできるはず」と言われ続けてきた場合、「結果を出さないと認めてもらえない」と感じるようになることもあります。
きょうだいや友達と比べられて、「あの子はできるのに」と言われてきた人は、無意識のうちに「自分は足りない」「どうせ比べられる」と考えやすくなることもあるでしょう。
こうした反応は、ネガティブに感じるように学習してきた結果であって、性格の問題ではありません。
心が傷つかないように、先にブレーキをかけるようになっただけなのです。
環境が影響している場合は、関わり方や場所を変えることで、気持ちがラクになることもあります。
「自分を変えなきゃ」と思い詰めなくても、環境を見直すという選択肢があることも覚えておいてくださいね。
③ 心身のコンディション|睡眠不足・疲労・ストレスで増幅する
ネガティブな気持ちは、体の状態にも大きく左右されます。
体が疲れているとき、脳は余裕を失いやすく、普段なら気にならないような小さなことでも、つい悪い方へ考えてしまうことがあります。
厚生労働省も、睡眠時間が足りない状態が続くと、気分が落ち込みやすくなることがあると述べています。
(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)
たとえば、次のような状態が続いていると、ネガティブな気持ちは強くなりやすくなります。
夜遅くまでスマホを見て、睡眠時間が足りていない
テストや部活が続いて、疲れがたまっている
人間関係や勉強のプレッシャーで、気が休まらない
体調がすぐれず、気持ちまで落ち込んでいる
このようなときは、「性格」の問題ではなく、「今、体を休めてほしい」というサインかもしれません。
しっかり眠ったり、少し休んだり、体を整える時間をとるだけで、ネガティブな気持ちが和らぐこともあります。
ネガティブは悪いことじゃない
ここまで読むと、



じゃあ、ネガティブってなくしたほうがいいの?
と思うかもしれませんね。
でも、ネガティブは、必ずしも悪いものではありません。
見方を変えると、役に立つ面もあります。



ネガティブは、使い方次第であなたの強みにもなるんです。
リスクに気づける|準備やミス防止に役立つ
ネガティブな人は、「もし失敗したらどうしよう」と先に考えられる分、リスクに気づきやすい特徴があります。
その不安は、
事前にしっかり準備をする
ミスを防ぐ工夫をする
といった行動につながりやすく、結果的に物事がうまく進むことも少なくありません。
たとえば、テスト前に「できなかったらどうしよう」と不安になるからこそ、早めに勉強を始めたり、苦手なところを何度も見直したりする人もいます。
発表の前に、「忘れ物はないかな」「言いたいことをちゃんと整理できているかな」と何度も確認するのも、失敗を避けたい気持ちがあるからです。
旅行前に持ち物リストを作って何度もチェックしたり、「もし予定どおりにいかなかったら」と考えて、代わりの計画を用意しておくのも、同じ慎重さからくる行動です。
このように、不安を感じやすいからこそ、準備に手を抜かず、ミスを防ぐことができる。



その慎重さは、大きな強みのひとつです。
人の痛みに気づける|共感力・やさしさにつながる
ネガティブになりやすい人は、不安や悲しみを感じやすい分、人の気持ちの変化にも気づきやすいところがあります。
自分がしんどい気持ちを知っているからこそ、相手の表情や雰囲気のちょっとした変化に、「何かあったのかな」と気づくことができるのです。
たとえば、友達が元気がないとき。
まわりの人よりも早く違和感に気づいて、「大丈夫?」と声をかけたり、話を聞いてあげられる人もいるでしょう。
自分も同じように悩んだ経験があるからこそ、ただ励ますだけでなく、相手の気持ちに合った言葉をかけられたり、「一人じゃないよ」とそっと寄り添ってあげられることもあります。
こうした共感力ややさしさは、誰にでも簡単に身につくものではありません。



共感力ややさしさは、ネガティブになりやすいからこそ育ってきた、大切な強みのひとつです。
慎重さが強みになる|使い方次第で武器にもなる
ネガティブになりやすい人は、物事を進めるときに、自然と「もしこうなったらどうしよう」と先を考えることが多いです。
そのため、グループで何かを決めるときに、



ここはうまくいかないかもしれない



このやり方だと困る人が出そう
と、事前に気づけることがあります。
また、計画を立てるときにも、流れだけで進めるのではなく、細かいところまで考えて、抜けがないように確認できるのも特徴です。
「もし予定どおりに進まなかったら」
「この方法がダメだったら」
と、あらかじめ別の案や備えを用意しておけるのも、慎重さがあるからこそできることです。
勢いで進むタイプではない分、大きな失敗を避けやすく、周りから「安心して任せられる」と思われることもあります。



ネガティブになりやすいという特徴は、見方を変えると、慎重で計画的に物事を進められる力です。
使い方次第で、あなたの大きな武器になります。
ネガティブと上手につきあう方法
ネガティブな気持ちは、無理になくそうとする必要はありません。
大切なのは、ネガティブに振り回されすぎず、上手につきあえるようになることです。
ここでは、「リフレーミング(言い換え)」という方法を中心に紹介します。
考え方や見方を少し変えるだけで、気持ちがラクになることがあります。
リフレーミング(言い換え)|見方や考え方を少し変える



リフレーミングとは、同じ出来事や自分の特徴を、別の角度から見てみることです。
たとえば、半分だけ水が入ったコップを見たとき、あなたはどう感じますか。


「もう半分しか残っていない」と思うか、「まだ半分残っている」と思うか。
コップの水の量は同じなのに、どこに目を向けるかで、感じ方が変わりますよね。
これと同じように、「自分はダメだ」と思ってしまったときに、「慎重に考えられるタイプなんだ」と、少し言い換えてみることもできます。
起きている出来事は同じでも、どう受け止めるかを変えるだけで、気持ちが少し軽くなることがあります。
言い換えが効果的な理由
人の脳は、自分が使っている言葉の影響を強く受けます。



自分はダメだ



どうせうまくいかない
と考え続けていると、脳はそれを事実のように受け取り、「そうか、自分はダメなんだ」と信じ込んでしまいます。
逆に、



慎重なだけかもしれない



失敗を避けようとしているだけかも
と少し言い換えると、脳は「それも一つの見方だ」と認識し始めます。
言葉が変わると、自分への見方も、少しずつ変わっていきます。
その結果、「いつも同じ考えに引きずられる」状態から、別の選択肢を考えられるようになるのです。
ネガティブを「強み」に変える言い換え例
ここでは、具体的な言い換え例を紹介します。
自分に当てはまるものがあれば、試してみてくださいね。
| 今の見方・考え方 | 言い換えの例 | そう言える理由 |
| 心配性 | 準備ができる人リスクに気づける人 | 心配だからこそ、先のことを考えて準備ができる。 「もし〜だったら」と考えて、トラブルを避けられる。 |
| 考えすぎる | よく考えて行動する人計画的な人 | すぐに飛びつかず、じっくり考えてから動ける。 いろいろな可能性を想定して、失敗を防ぎやすい。 |
| 人の目が気になる | 周りに配慮できる人空気に気づける人 | 相手の気持ちや場の雰囲気を考えて行動できる。 人間関係でのトラブルを防ぎやすい。 |
| 優柔不断 | じっくり考える人慎重に選ぶ人 | すぐに決めず、よく考えてから行動できる。 あとで後悔しにくい選択ができる。 |
| 失敗が怖い | 真剣に取り組んでいる人大切に考えている人 | どうでもよければ、失敗は怖くならない。 それだけ本気で向き合っている。 |
言い換えのコツ
無理に前向きな言葉にしなくていい
性格ではなく、行動や特徴として見てみる
「なぜそうしているのか」を考える
「〜かもしれない」と少し幅を持たせる
どれも、「こう考えなきゃいけない」というものではありません。
「今はそう思えないな」と感じても大丈夫です。
大切なのは、「ネガティブ=ダメな自分」と決めつけてしまう前に、別の見方もあるかもしれない、と知っておくことです。
他にも試せる方法
ネガティブとつきあう方法は、言い換えだけではありません。
そのときの状態に合わせて、いろいろな工夫があります。
まずは気持ちを落ち着かせたいとき
気持ちがザワザワしているときは、考え方を変えようとする前に、体や環境を整えることが助けになることもあります。
たとえば
呼吸を整えたり、体をゆるめたりして落ち着く
SNSとの距離を少し調整する
一日の中で、安心できる時間を作る
といった工夫です。
もう少し詳しく知りたい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。






「考えすぎて動けない」「何もうまくいかない」と感じるとき
また、



何をしても、うまくいかない気がする



考えすぎて動けなくなっている
というときには、少し違うアプローチが役立つこともあります。
たとえば
考えを書き出して、頭の中を整理する
「100点じゃなくてOK」という、自分なりの基準を作る
といった方法が役立つこともあります。
詳しくは、「『何もうまくいかない』と感じる3つの理由」の記事で紹介しています。


どれも、「今の自分に合いそうなもの」を選べば大丈夫です。
もっと他の方法を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。




ネガティブな自分を責めすぎてしまうときは



ネガティブな自分が嫌だ



性格を直さなきゃ
そんなふうに思って、つらくなっていませんか。
しんどいときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
誰かに話してみるだけでも、少しラクになることがあります。
人に相談することは、「弱いから」でも「甘え」でもありません。
今の気持ちを言葉にしながら、自分とどうつきあっていけばいいかを一緒に考えていく、大切な一歩です。
相談を考えるタイミング
「これくらいで相談していいのかな」と迷うこと、ありますよね。
でも、迷ったときこそ、それは相談していいサインです。
次のような状態が続いているなら、誰かに話してみてください。
無理をしすぎて、心や体が疲れているのかもしれません。
「自分はダメだ」「性格が悪い」と、自分を責める気持ちが続いている
ネガティブな考えが止まらず、眠れなかったり、食欲が落ちたりしている
学校に行くことや、人と関わることがしんどく感じる
何をしても楽しいと感じられず、やる気が出ない状態が続いている
「消えてしまいたい」「いなくなれたらいいのに」と思うことがある
相談できる場所
相談できる場所は、いくつもあります。
「今しんどい」「最近つらいことがある」と伝えるだけでOKです。
学校で相談できる人
- 担任の先生
-
学校生活で困っていることを相談できます。
座席や発表の仕方など、具体的な配慮をお願いすることも可能です。
「今しんどいことがある」と伝えるだけで大丈夫です。 - 保健室の先生
-
体調だけでなく、気持ちのしんどさも相談できます。
教室がつらいときに、少し休める居場所になることもあります。
「なんとなくしんどい」という話でも聞いてもらえます。 - スクールカウンセラー
-
心の悩みを聞く専門家です。
先生や家族には話しにくいことも、安心して相談できます。
家庭で相談できる人
- 保護者・親戚・信頼できる大人
-
「自分がおかしいと思われるかも」と不安になるかもしれませんが、「最近しんどい」「今困っている」と伝えるだけで大丈夫です。
直接話しにくいときは、メモやメッセージで伝える方法もあります。
学校以外で相談できる場所
- 医療機関(心療内科・精神科)
-
話を聞いてもらうために受診しても問題ありません。
すぐに薬が出るとは限らず、相談だけでも大丈夫です。
眠れない、食欲がない、学校に行けない状態が続くときは、早めの相談がおすすめです。 - カウンセリングルーム
-
時間をかけて、じっくり話を聞いてもらえる場所です。
今の自分を否定せず、受け止めてもらえます。 - 電話・SNS相談
-
匿名で相談できる窓口もあります。
名前を言わずに、今の気持ちを吐き出すだけでも大丈夫です。
誰にも話せないと感じたときの、最初の一歩になります。
▶ 文部科学省:子供のSOSの相談窓口
もし、今の学校や環境そのものが合っていないと感じる場合は、学び方や環境を見直す選択肢もあります。
環境を変えることは「逃げ」ではなく、自分に合う場所を選ぶ前向きな選択です。
Q&A|ネガティブに関するよくある質問
- ネガティブって直した方がいいの?
-
ネガティブを無理に直す必要はありません。
ネガティブな考え方には、リスクに気づける、慎重に準備できるなど、役に立つ面もあります。
大切なのは、なくそうとすることではなく、ネガティブに振り回されすぎないようにすることです。▶ネガティブの良い面については「ネガティブは悪いことじゃない」の章で詳しく紹介しています。
- すぐネガティブになってしまってしんどいです。ラクになるコツは?
-
「自分はダメだ」と決めつけてしまうときは、言い換え(リフレーミング)が役立ちます。
たとえば「自分はダメ」ではなく、「慎重に考えられるタイプかも」と、少し見方を変えるだけでもOKです。
完璧に前向きになる必要はありません。▶具体的な方法は、「ネガティブと上手につきあう方法」で紹介しています。
- ネガティブになりやすいのはどんな人?
-
ネガティブになりやすい人には、いくつか共通しやすい考え方のクセがあります。
たとえば、「どうせ無理」と最悪を先に想像する、人の評価が気になる、失敗を引きずりやすいなどです。
ただし、当てはまったとしても、「ダメな性格」というわけではありません。
そういう傾向があるだけです。▶ 詳しくは「ネガティブになりやすい人の特徴」を参考にしてください。
- 友達やSNSのことでネガティブになったとき、どうしたらいい?
-
友達の反応やSNSが気になってネガティブになるのは、多くの中高生が経験することです。
「嫌われたかも」「無視された」と不安になってしまうこと、ありますよね。
そんなときは、たとえば次のようなことを試してみてください。距離を取る(通知をオフにする、少し見ない時間を作る)
相手の反応を深読みしすぎない
一人で抱え込まず、誰かに話す気持ちの切り替え方や人間関係のヒントは、こちらの記事も参考にしてみてください。
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-
同じことを何度も考えてしまって、頭の中がぐるぐる止まらない。
そんな状態になること、ありますよね。考えが止まらない状態は、心理学では「反すう思考(はんすうしこう)」と呼ばれることがあります。
これは、あなたが弱いからでも、考え方がおかしいからでもありません。
不安や疲れが強いときに、誰にでも起こりやすい反応です。そんなときは、次のようなことを試してみてください。
考えていることを、そのまま紙やスマホのメモに書き出す
→頭の中だけで考え続けるより、少し整理しやすくなります。
体を動かす
→散歩やストレッチなど、軽く体を動かすだけでも気分が切り替わりやすくなります。
誰かと話す
→一人で考え続けず、人に話すことで、考えが落ち着きやすくなります。眠れないときは、無理に寝ようとせず、一度起きて別のことをするのも一つの方法です。
「止めなきゃ」と頑張りすぎると、かえって考えが強まることもあります。考えがぐるぐる続いて、生活に支障が出ているときや、一人ではつらいと感じるときは、誰かに相談することも考えてみてください。
まとめ|ネガティブとつきあいながら、自分のペースで進んでいこう
ネガティブな気持ちや考えが出てくるのは、悪いことではありません。
それは、あなたが自分を守ろうとする自然な反応でもあります。
脳の仕組みを知り、自分の「受け止め方のクセ」に気づくことで、少しずつ自分を責める気持ちは軽くなっていきます。
無理に自分を変えようとしなくて大丈夫です。
もし、一人で抱えきれないほどしんどいときは、環境を調整したり、信頼できる人や場所を頼ったりすることも、忘れないでくださいね。
【この記事のポイント】
ネガティブな気持ちが出てくるのは、弱いからではない
ネガティブは、考え方や環境によって強くなったり、和らいだりする
無理に前向きにならなくても、進める道はある
大切なのは、今の自分に合ったペースや進み方を知ること
【ID学園】ネガティブなままでも進める「成長の3ステップ」
ID学園には、「最初から前向きになれなくても大丈夫」な成長のステップがあります。
夢がはっきりしていなくても、気持ちに波があっても、「見つける → 育てる → つなげる」という3つの段階を通して、少しずつ進んでいける環境です。
① 夢のきっかけを増やす:「何もない」は、出会いの始まり
ネガティブになりやすい人は、「将来の夢なんて考えられない」「自分には得意なことが何もない」と感じて、不安になることがあります。
でも、「何も見つかっていない」と感じる時間は、ダメな状態ではありません。
それは、これから出会うための準備期間でもあります。
ID学園では、最初から答えを出そうとせず、
「ちょっと気になる」
「これは嫌じゃないかも」
そんな小さな引っかかりを見つけるところから始めます。
考えすぎる前に、まず触れてみる。
それだけでも、「何もない」という不安は、少しずつほぐれていきます。
② 夢を育てる:「慎重さ」を、丁寧な自信に変える
ネガティブになりやすい人は、リスクに気づくのが早い慎重派でもあります。
「失敗したらどうしよう」と不安になるのは、それだけ真剣に考えている証拠です。
ID学園の夢教育・夢活では、その慎重さを否定せず、不安を「どうすればうまくいくか」という準備に変えていくことを大切にしています。
正解を当てることよりも、「考える → 試す → 振り返る」というプロセスを重ねながら、小さな「できた」を積み上げていく。
そうしていくうちに、ネガティブさは少しずつ、小さな成功体験に支えられた自信へと変わっていきます。


③ 夢を進路につなげる:一人で決めなくていい
将来のことを考えると、「この選択でいいのかな」「後悔したらどうしよう」と、不安が強くなるのは自然なことです。
ID学園では、担任の先生と一緒に、理想の姿から逆算しながら進路を考えていきます。
一人で答えを出す必要はありません。
誰かと整理しながら考えることで、「今できる次の一歩」が見えてきます。
それが、ネガティブに振り回されすぎない支えになります。
ネガティブな気持ちがあるからといって、成長できないわけではありません。
むしろ、慎重に考えられるからこそ、合ったペースや進み方を選ぶことができます。
今の自分に合う学び方が知りたくなったら、進み方を整理する時間として、ID学園の説明会や個別相談を利用してみてください。










