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子供の不登校・原因と日常生活や親の対応方法とは

不登校になると、子どもは自宅で多くの時間を過ごすこととなります。

仕事などで家を空けなくてはならない親は、不登校の子どもが家でどう過ごしているか気になるのではないでしょうか。

この記事では、年代ごとの不登校の主な原因と家での過ごし方、親の対応の仕方についてご紹介します。

不登校の子どもと接するために意識すべきポイントをしっかり押さえておきましょう。

子供の不登校・原因と日常生活や親の対応方法とは

子供の不登校の原因トップ3

不登校の原因はさまざまで、1つのきっかけによるものではなく、いくつもの要因が重なり合って子どもが負担を感じている場合があります。

年代別に子供の不登校の原因上位を見てみましょう。

小学校の場合

2020年の文部科学省のデータによると、小学生の不登校原因の上位は、「無気力・不安」「親子の関わり方」「生活リズムの乱れ・遊び・非行」の順となっています。

【小学生の不登校原因上位】
・無気力・不安 ……46.3%
・親子の関わり方 ……14.6%
・生活リズムの乱れ・遊び・非行 ……14.0%

参考:「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」.文部科学省初等中等教育局児童生徒課.2021-10-13
https://www.mext.go.jp/content/20211007-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

ストレス耐性がまだできていない小学生年代では、学校や家庭での小さな不満やストレスが積み重なって不登校へ発展してしまうことが少なくありません。

また、家庭とのつながりも強いため、親と離れたくないあるいは家庭での問題が学校生活にまで影響してしまうケースもあります。

中学校の場合

中学生の場合も原因1位は「無気力・不安」で、その割合は5割弱にのぼります。

学校に行きたくない明確な理由がなく、なんとなく行きたくないという無気力状態の子が多いのが特徴です。

【中学生の不登校原因上位】
・無気力・不安 ……47.1%
・いじめを除く友人関係をめぐる問題 ……12.5%
・生活リズムの乱れ・遊び・非行 ……11.0%

参考:「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」.文部科学省初等中等教育局児童生徒課.2021-10-13
https://www.mext.go.jp/content/20211007-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

2位・3位には、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」「生活リズムの乱れ・遊び・非行」が挙げられました。

小学校より人間関係も勉強も複雑になる中学校では、友人関係での問題が増えてきます。

同級生との横のつながりに加え、部活動で先輩後輩という縦のつながりが増えることが、人付き合いの難しさの一因といえるでしょう。

また、思春期・反抗期ともぶつかる中学生時期は、親や学校への反発心から遊びや非行に走りやすい傾向があります。

高校の場合

高校生の1位も「無気力・不安」ですが、行動範囲も交友関係も広がる年代であるため「生活リズムの乱れ・遊び・非行」が増えているのも特徴的です。

【高校生の不登校原因上位】
・無気力・不安 ……37.7%
・生活リズムの乱れ・遊び・非行 ……15.4%
・入学・転編入学・進級時の不適応 ……9.2%

参考:「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」.文部科学省初等中等教育局児童生徒課.2021-10-13
https://www.mext.go.jp/content/20211007-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

高校生は、進学や就職といった自分の将来を常に意識しながら過ごすこととなります。

大変な受験を経て入学した高校が理想と違ったり、頑張ることに疲れてしまったり、環境が大きく変わる高校入学時期を境に不登校となってしまうケースが多く見られます。

不登校が留年や中退にも結びつくため、1年生で退学してしまう生徒も少なくありません。

不登校の子供の日常生活とは?

では、不登校の子どもは家でどのように過ごしているのでしょうか。

学校へ行かないため、決められた時間に何かをするという縛りはなくなります。
1日を通して読書や動画鑑賞、ゲームなど、自分の好きなことをしているという子が多いようです。

学校で過ごすのが苦痛だった子どもにとって、自宅で好きなことをして過ごす時間は言わば心のリセットのとき。

学校や勉強から逃れたいという気持ちの強いあらわれです。

まずはつらさとストレスの緩和を一番に考えて過ごすとよいでしょう。

子供の不登校時の生活の注意点

学校へ行く場合は、毎朝起きて準備・登校し、学校でも夕方まで同級生とともに授業を受けます。

集団での学校生活は、子どもにとって面倒だったり授業の好き嫌いが別れたりすることもありますが、この「規律を守る」という練習が将来にも大きく役立つのです。

一方で、不登校で自分の好きなことだけをする毎日が続くと、昼夜逆転や生活リズムの大きな乱れ、学力の低下などが危惧されます。

学校の現場へ戻る際の弊害となるため注意が必要です。

少しずつ自信と生活リズムを取り戻すために、家での過ごし方も不登校解決への一歩と捉えていきましょう。

不登校時の生活において、親が意識すべきポイントは次の4つです。

無理やり学校へ行かせようとしない

まずは、無理に学校へ行かせようとしないこと。

不登校はさぼりたいという単純な理由から起きているわけではありません。

学校へ行きたいのに行けないというジレンマを抱えている子どもも多くいるため、登校の強要は子どもをさらに苦しめてしまいます。

さらに「家族も自分のことを認めてくれない」と感じ、心を閉ざしてしまう危険性があります。

ゆっくり休ませる

不登校の回復は、階段を上るように少しずつ進んでいきます。

学校に行けなくなってしまった状態の子どもにまず必要なのは、学校生活から離れてゆっくり休ませることです。

この時期に生活リズムが乱れてしまっても、無理に整えさせるべきではありません。

子ども本人の意思を尊重し、やりたいこと、やれることだけをして過ごすようにしましょう。

「好きなことばかりさせたら、どんどんダメになってしまうのでは」という心配が親にはありますが、実際はそうとは限りません。

自由にできる時間の中で気持ちを整理し、考えをまとめ、興味のあることを見つける第一歩ともなり得ます。

結果としてこの休息が、後で動き出すための充電となるのです。

専門のカウンセラーなどに相談するのも○

自分の気持ちを口に出すのは抵抗があるかもしれませんが、相手が肯定的に聞いてくれると心が軽くなるものです。

「ただ聞いてくれる」という存在は、子どもの大きな支えとなります。

親に気持ちを吐き出すのはもちろん、スクールカウンセラーや不登校サポート施設、フリースクールに相談するのも一つの方法です。

子ども本人だけでなく、親の心をケアしてくれる場所でもあるため、一度相談してみることをおすすめします。

生活のリズムをつける

子どもがやりたいように過ごし、体調の回復がみえてきたら、少しずつ生活リズムを整えていきましょう。

「学校へ行くために朝起きる」という登校を前提としたルールではなく、子ども自身が決めた簡単なルールからでかまいません。

昼夜逆転してしまっている場合は、昼間しかできない目標を掲げると朝起きるきっかけとなります。

  • 朝は〇時までに起きる
  • 昼間に〇〇へ行く
  • 夕方に散歩をする
  • 3食決まった時間に食べる
  • 寝る時間を15分早める

小さな目標でも、達成できれば自信がつきます。

見守る親も焦らず、長期的にサポートしていきましょう。

不登校の子供の親におすすめの対応方法

不登校の子どもにどう接したらよいか、どんな対応をすべきなのか不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

自分の子どもが不登校になると不安が大きく、平常心でいられないのが親の心理です。

悲観的になる気持ちはよくわかりますが、まずは現状を受け止めて冷静になりましょう。

不登校は、学校や家庭環境あるいは本人の問題が絡み合い、どんな子どもでも起きる可能性があるものです。

  • イライラしがちである
  • 親に八つ当たりすることが多い
  • 食欲がない
  • 頭痛や腹痛を頻繁に訴える
  • 自室にこもりがちになる

これらの症状に当てはまるものがあれば、それは子どもからのサインかもしれません。

言葉でつらさを訴えるのは簡単そうで実は難しいもの。

子どもの様子が少しでもいつもと違うようであれば、気にかけてあげてください。ここでは、子どもが不登校になった際の親の対応を8つピックアップします。一つひとつ見ていきましょう。

あまり厳しい言葉を言わない

「学校に行きたくてもいけない」「自分ではどうにもできない」という状態の子どもに対し、厳しい言葉や強い励ましはかえって逆効果となってしまいます。

子ども自身も不登校によるデメリットや将来への影響を理解しているため、親からの強い言葉は負担にしかならないのです。

心身ともに疲れている子どもに対し、休息を一番に考えることで子どもの心も落ち着くはずです。

一般論や世間体を口にしたい気持ちを抑え、今の子どもをそのまま受け入れましょう。

無理に登校させない

不登校の子どもは、「学校に行きたくない」気持ちと「学校に行かなくては」という気持ちに常に板挟みにされている状態です。

その答えは出ずに精神的に追い込まれているため、心が消耗してしまっています。再び学校へ通うためには、行動を起こす大きなエネルギーが必要です。

つらいときに登校させることは解決とはならないため、休むことは悪くないと認めてあげましょう。

否定せずに話を聞く

早く学校へ復活してほしい親にとって、子どもの話は否定したい内容が多いかもしれません。

親の方からあれこれ質問したくなる気持ちもわかります。しかし、そこはこらえて上手な聞き役を目指しましょう。

悩みや不安を抱え、学校へも行けない子どもにとって、親は大切な話し相手です。
子どもが話したいタイミングに、内容を否定せず聞くという流れが子どもの心を軽くします。

十分に悩み、頑張りぬいてきた子どもに対し、「頑張ったね」「大変だったね」とねぎらいの言葉をかけてあげてください。

それと同時に、何でも話せると信頼してもらえるよう、「いつでもあなたの味方だよ」と伝える姿勢も必要です。

家に居場所を作ってあげる

自宅にこもりがちな子どもの場合、家庭は唯一の行動の場であり対人コミュニケーションを取れる場でもあります。

朝と夜のあいさつをはじめ、興味のあることを親と語り合える、家庭の中で役割を与えられるということが自分の存在価値を認めるきっかけとなります。

役割は小さなお手伝い程度からでかまいません。自らできた、という達成感と親からの感謝が、自信の積み上げになります。

不登校だからといって腫れ物に触るような態度を取られると、子どもは傷ついてしまいます。

以前と態度を変えることなく、何気ない声かけをしながら親子の信頼関係を築いていけると、子どもも心を開きやすくなるでしょう。

学校によく相談する

不登校でも、学校への相談はプラスとなる要素があります。

  • 自宅学習するための授業の進捗状況
  • 不登校状態をふまえた進路の選択肢について
  • 進級や卒業の方法について

子どもの心理としては、学校へ行かない安堵感と同時に、勉強や将来への不安も募っています。

定期的に学校へ連絡し、相談することで抱えている焦りを解消していけるのです。

別室登校(保健室登校)ができないか確認する

子どもによっては、教室への登校には抵抗があっても、保健室や別室への個別登校であれば可能だという場合があります。

別室登校は、自習や先生との会話を通して登校への大きなステップになると考えられています。

すべての学校で可能なわけではないため、まずは学校へ連絡し、別室登校の有無やできる内容などを確認する必要があります。

その上で、子どものペースに合わせて取り入れていくのがよいでしょう。

サポート機関を利用する

スクールカウンセラーなど学校で相談できる場所のほかに、不登校を専門とするサポート機関が存在します。

【公的団体】
・子育て相談窓口
・児童相談所
・教育支援センター
・小児科 など
・発達障害支援センター

【民間団体】
・カウンセラー
・フリースクール
・不登校対応の塾や家庭教師 など

不登校は解決までの期間が長期に及ぶ場合もあり、親が抱え込みすぎると親子ともども心身の不調を訴えてしまう危険性があります。

大切なのは、問題を家庭だけで解決しようとせず、頼れる部分は積極的にサポートを求めていく姿勢です。

話を聞いてもらうことで親の心が軽くなりますし、現在の症状や特徴によってどのような対応が必要か、適切な解決策を提案してもらえるメリットもあります。

転校を検討する

不登校の中高生には、通信制高校へ進学・転校するという選択肢があります。

通信制高校では不登校の生徒を多数受け入れており、中学時代の復習や就職についてのサポートが整った学校も多く存在します。

毎日の通学が必要なく、自分のペースで勉強を進められるため、これまで人間関係に悩まされていた場合は、つらさから解放されるでしょう。

通信制高校には学校によってさまざまな特色があります。

譲れない条件から、あるいは興味のある分野から自分に合った学校を見つけて、新たな学校生活を始めてはどうでしょうか。

まとめ

不登校はいつ誰がなってもおかしくありません。

勉強やスポーツができる子も友達が多い子も、些細なきっかけで不登校になってしまう可能性があります。

不登校の初期では学校から離れて休息を取るのが重要です。

自宅で好きなことをして過ごすのが一般的ですが、それもエネルギーを回復させるには必要な時間だと捉え、無理に登校を促したりしないように心がけましょう。

親が子どもにできるのは、話を聞いてすべて受け止め、支えること。「不登校をどうにかしたい」と感じているのは親も子どもも同じです。

自宅で過ごせる時間を活かし、子どもの自信の積み上げや親子の信頼関係アップを目指してみてください。

学生時代の過ごし方は、みんなと同じが正解とは限りません。子どもの数だけ将来があると考えることで、挑戦できることは広がります。

不登校状態の将来は暗いと悲観せず、使えるサポートを積極的に利用しながら、通信制高校への転校など前向きな選択肢を検討しましょう。

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