2020年以降、すべての小学校で3年生からの英語教育が開始されました。
国際社会におけるコミュニケーション手段やビジネススキルのひとつとしても、英語力向上の重要性は高まるばかりです。
デュアルディプロマプログラム(DDP)は、日本の高校に通いながら本格的に英語を学習でき、同時に海外の高校卒業資格も取得できる英語教育カリキュラムです。
このプログラムを通して世界で通用する英語力を身に付けることは、進路の選択肢や将来のチャンスを広げることに繋がるでしょう。
この記事では、デュアルディプロマプログラム(DDP)についての基礎知識やメリットについてお伝えします。
また、国内で初めてデュアルディプロマプログラム(DDP)を導入した通信制高校「ID学園高等学校」のプログラム概要も紹介します。
海外の大学進学を視野に入れている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
- デュアルディプロマプログラムとは?
- デュアルディプロマプログラムの3つのメリット
- 海外大学への進学を目指すなら要チェック
- 留学とデュアルディプロマプログラムの違い
- 【通信制高校初】ID学園高等学校でのデュアルディプロマプログラム
- デュアルディプロマプログラムに参加するなら通信制がおすすめ!
デュアルディプロマプログラムとは?
デュアルディプロマプログラム(以下DDP)は、日本の高校に通いながら、日本の高校卒業資格と海外の高校卒業資格を2つ同時に取得できるプログラムです。
デュアルと同様に「2重の、2つの」という意味の「ダブル」を用いて「ダブルディプロマプログラム」とも言われます。
本格的な英語教育を通して英語力を高めることを目的とした、高校卒業後の可能性を大きく広げるプログラムです。
現在、世界24ヶ国で実施されています。
DDPはPCDグローバルキャンパスJAAC校によって運営されています。
アメリカの高校卒業資格を取得するためには、PDCグローバルキャンパスJAAC校が実施する授業を2年間履修することが必要です。
PCDグローバルキャンパスとは | アメリカのロードアイランド州にある名門進学校「PCD(プロビデンス・カントリー・デイスクール)」と、アメリカ最大規模の高校教育オンラインプログラムを運営している会社「HGS(ハドソン・グローバル・スカラーズ)」が共同開発したオンラインプログラム |
PCDグローバルキャンパスJAAC校とは | PCDグローバルキャンパス初の日本校のこと |
このPCDとHGSが手がけるグローバルキャンパスを2020年に日本で開設し、運営しているのが、JAAC日米学術センターです。
JAAC日米学術センターはハーバード大学との連携プログラムなどで高い評価を得ている国際教育のスペシャリストと言われています。
日米両国の英語やオンライン教育、国際教育のスペシャリストによって開発・実施されているのが、英語で学ぶアメリカ高校教育カリキュラム「DDP」なのです。
現在、東京をはじめ、大阪や京都、広島などのグローバル人材教育に力を入れている進学校で導入されています。
デュアルディプロマプログラムの3つのメリット
DDPでは、日本と海外の高校卒業資格を同時に取得する他にも、できることがいくつかあります。
プログラムを取得することで得られるメリットを紹介します。
1.19大学への指定校推薦が得られる
DDPを取得すると、アメリカの大学約4,000校の中でもトップ5%に入る名門校(19校)への指定校推薦が受けられます。
- マサチューセッツ大学(アムハースト校)
- イリノイ大学(シカゴ校)
- ユタ大学
- アメリカン大学
- カンザス大学
- ゴンザガ大学
推薦を受けるには指定された条件を満たす必要があります。
- DDPで4段階中2.5以上
- 高等学校で5段階中3.5以上
海外大学の入試では、TOEFLやIETLS(英語能力測定試験)、SATやACT(学力測定試験)で高いスコアや得点を求められることが多いです。
しかし、DDPを取得し成績の条件を満たしていれば、TOEFLなどの得点に関わらず100%学部入学が保証されます。
高校在学中に海外で通用する英語力を得られ、さらに名門校への推薦が受けられるのは、DDPの大きなメリットでしょう。
2.アメリカ大学給付型奨学金の受給資格が得られる
DDPでは、全米200大学が加盟する給付型奨学金制度の参加資格がもらえます。
アメリカ大学給付型奨学金は、授業料が30%~60%免除される制度です。
DDP4段階中2.5以上、高校5段階中3.5以上の成績を収めている必要があります。
基準を満たせば、大学卒業までの4年間、奨学金を受けることが可能です。
海外の大学へ進学する場合、授業料だけでなく滞在費や食費も必要になります。
奨学金を受給するには基準を満たす必要がありますが、授業料が免除されれば金銭的な負担を軽減することに繋がります。
高校生が海外の大学へ進学する手助けとなる点も、DDPを取得するメリットのひとつです。
3.世界最先端の教育に触れられる
DDPでは、世界最先端のハイレベルな学びに触れることができます。
- ハーバード大学との協力でおこなわれる特別プログラム
- 国際教育のスペシャリストを講師に招いておこなわれるワークショップ
- ボストン海外研修プログラム
履修科目以外のスペシャルプログラムとして、ハーバード大学の生徒と直接交流しながらの英語研修や、国内・国外から招かれた講師(ハーバード大学生など)によるセミナーへの参加が可能です。
世界トップレベル大学の入学審査には、課外活動の実績も重要であるとされています。
DDPによる最先端のプログラムは、自身の体験をグレードアップさせるだけでなく、大学入試にも役立つメリットになるでしょう。
海外大学への進学を目指すなら要チェック
海外の大学へ進学したい場合、高校の成績や志望動機・推薦状を準備して直接出願することで審査を受けられます。
しかし、出願時にはTOEFLスコア61以上、IELTSスコア5.5以上の語学力を求められることがほとんどです。
学校の授業や塾でも英語を学ぶことは可能ですが、英語を使ってアウトプットする機会は多くはありません。
DDPによって実践的な学びや英語を使ったコミュニケーションに慣れることは、英語力の向上に大変効果的です。
高校在学中に高い英語力を身に付けられれば、海外大学への進学も夢ではありません。
また、DDPを取得すれば、指定校推薦を受けられたり、大学進学に役立つ奨学金の受給資格を得られたりと、独自で海外大学を受験するよりも多くのメリットがあります。
日本にいながら海外大学への進学を目指すのであれば、DDPの取得を検討してみることをおすすめします。
留学とデュアルディプロマプログラムの違い
高校生が留学をする場合、春休みや夏休みの短期留学と、現地の高校に入学する高校留学があります。
DDPと同様に海外の高校卒業資格を得るには、高校留学が必要です。
高校留学では現地に住みながら学校へ通うため、海外の高校だけでなく滞在先などの手配も不可欠でしょう。
留学中の費用は学費だけでなく、滞在費や食費などがかかることになります。
【1年間にかかる留学費用の例】
国名 | 高校留学費用の目安 |
---|---|
アメリカ | 約200~600万円 |
イギリス | 約300~500万円 |
オーストラリア | 約200~600万円 |
カナダ | 約200~450万円 |
※国や学校・為替レートによって変動あり
高校卒業までには早くて2年、単位が取れなければ3~4年かかることもありえます。
卒業まで2年と考えても、卒業資格が得られるまでには平均800万円ほどの金額が必要だと考えられます。
DDPでは、海外の高校とのやり取りや滞在先の手配などの手間なく、日本の高校に通いながら自宅での学習が可能です。
高校授業料以外に授業料がかかりますが、留学費用ほどお金はかかりません。
プログラムすべての授業料が通常2,100,000円に加え、入学金や諸費用がかかるのが一般的です。
日本にいながら海外留学の4分の1ほどの金額で本格的な英語教育を受けられ、海外の高校卒業資格を得られるのが、DDPのお得なポイントです。
【通信制高校初】ID学園高等学校でのデュアルディプロマプログラム
ID学園高等学校では、通信制高校で初めてDDPを導入しています。
DDPでPCDグローバルキャンパスの授業を履修し、卒業資格を得るには24単位が必要です。
- ID学園高等学校で取得した18単位
- PCDでの9科目6単位
ID学園高等学校での18単位だけでなく、PCDでの6単位の授業もID学園高等学校で実施します。
履修科目の例 | 学ぶ事柄 |
---|---|
EAPアカデミックイングリッシュ | アカデミックイングリッシュのスキル向上 |
メディアとコミュニケーション | メディアが生活にどう関わり影響を与えているかの考察 |
再生可能エネルギー | 再生可能エネルギーの未来について考える機会 |
美術鑑賞教育 | 美術に関する疑問への答えを見出す |
英文学と英語表現 | 英語の特徴への理解を深め、活用できる |
世界史コース | 地球上の多様な文化や宗教・ライフスタイルを探索 |
音楽鑑賞教育 | 楽器や歴史などび基本的な要素を学び、音楽全般に関する理解を深める |
PCDの履修科目はオンラインでの学習です。
1週間の学習時間は6時間で、週4時間の自己学習と週2時間のオンラインライブ授業をおこないます。
毎年1単位取得に4ヶ月ほどの期間が必要ですので、6単位の取得には2年間が必要だと考えておきましょう。
ID学園高等学校を通じてDDPに参加すると、特別価格での受講が可能です。
コース | ID学園特別価格 | 通常料金 |
---|---|---|
本コース(英検2級以上) | 1,810,000円 | 2,500,000円 |
準備コース+本コース(英検準2級・3級レベル) | 1,975,000円 | 2,747,500円 |
対象学年は高校1年生と2年生で、5月・9月・1月の入学が可能です。
出願時からさかのぼって2年間の成績平均値が5段階中3.0以上必要なため、入学希望がある方は確認をしておきましょう。
デュアルディプロマプログラムに参加するなら通信制がおすすめ!
実際に全日制の高校に通いながらDDPを取得している生徒からは「2つの学校に通っている感じなので、時間が足りず両立が難しく、とても忙しい」といった意見も聞かれます。
通信制高校は、全日制高校と比べて、通学時間や部活に充てる時間を効率的に活用できるという特徴があります。
高校在学中に世界に通用する英語力を身に付けたい、将来の可能性を広げたい方は、通信制高校で学びながらDDPの取得をぜひ検討してみてください。