不登校だけど留学できる？新しい選択肢 | 【公式】ID学園高等学校_生徒の個性を日本で１番大切にする通信制高校

近年、日本の教育現場において、不登校やひきこもりといった問題が深刻化しています。このような状況下で、一部の子どもたちは日本の学校から離れ、新たな環境である海外留学を選択するケースが増えています。

日本以外の国の学校での留学は、彼らにとって新たな可能性を切り開く道となる一方で、様々なメリットとデメリットを抱えています。留学は、不登校生やひきこもり、高校中退者といった日本の学校や社会の環境に馴染めない子どもたちが、状況を変える手段のひとつとして選択するケースも増えています。

そこで、この記事では不登校の生徒が留学を選択する際のメリットとデメリットについて探ってみます。留学のタイミングや期間、留学先の選択肢によっても異なるメリットとデメリットが存在し、その中には将来の進路に大きな影響を与える要素も含まれています。この記事を通じて、留学を検討する不登校の生徒やその保護者、教育関係者がより良い判断をする手助けとなれば幸いです。

不登校から留学のメリット

人間関係をリセットできる

不登校を経験した生徒にとって、留学は人間関係をリセットする絶好の機会となります。慣れ親しんできた学校環境や友人関係から離れ、全く新しい文化や価値観を持つ人々と出会うことで、自分自身を見つめ直し、新たな人間関係を築くチャンスが生まれます。

1. 新しい環境で、新しい自分と出会える

留学先では、日本とは異なる教育システムや文化、習慣に直面することになります。最初は戸惑いや不安を感じるかもしれませんが、こうした環境に適応していく過程で、新たな発見や成長を経験することができます。また、多様な価値観を持つ人々と交流することで、視野が広がり、寛容な心が育まれるでしょう。

2. 過去のトラウマから解放される

不登校の原因が、学校内での人間関係のトラブルであれば、留学という環境変化は大きな転機となります。新しい環境では、過去のしがらみや固定観念にとらわれることなく、ありのままの自分を受け入れてくれる人々と出会うことができるでしょう。

3. 帰国後の人間関係にも良い影響がある

留学を通して得た経験や自信は、帰国後の人間関係にも良い影響を与えるでしょう。困難を乗り越え、新たな価値観を身につけたあなたは、より強靭で柔軟な精神を持ち、周囲の人々とより良い関係を築いていくことができるようになるかもしれません。

価値観・考え方が変わる

不登校を経験した生徒にとって、留学は新たな価値観や考え方を獲得する貴重な機会となります。異なる文化や社会に触れることで、これまで当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなり、自分自身の生き方や価値観を深く考えるきっかけとなります。

1. 多様な価値観と出会える

留学先では、日本とは異なる文化や習慣を持つ人々と生活することになります。その中で、様々な考え方や価値観に触れることで、自分の視野の狭さにも気付くことができます。過去の悪い記憶も、悩みも、実は取るに足らないものだったと気づくかもしれません。

2. 異なる社会システムへの理解が深まる

日本の教育システムや社会システムとは異なる仕組みを体験することで、社会の多様性や複雑さを理解することができます。また、異なる社会問題や課題に触れることで、問題解決能力や主体的な思考力を養うことができるでしょう。

コミュニケーション力・言語力が飛躍的に向上する

留学は、英語（ここでは英語を代表的言語として取り上げます）を日常的に使うことで、自然と英語力が向上します。また、異なる文化や価値観を持つ人々と交流することで、コミュニケーション能力も向上するはずです。

コミュニケーション能力

留学先では、異なる文化や価値観を持つ人々と交流することになります。そのため、自分の考えや意見を相手に伝えるために、コミュニケーション能力を高める必要があります。また、相手の言っていることを理解するために、傾聴力や質問力も必要になります。これらのスキルを身につけることで、より円滑なコミュニケーションを図ることができるようになります。

英語力

留学先では、英語を話さなければ生活できません。そのため、必然的に英語を話す機会が増え、英語力が向上します。単語や文法なども勉強する必要がありますが、モチベーションを上手く維持することができれば、留学は飛躍的に英語力が向上するチャンスといえます。

留学先することのデメリット

留学することはメリットばかりではありません。見切り発車にならないよう、以下のデメリットを見ながら慎重に決断をして頂ければと思います。

高い費用がかかる

海外留学は、どうしても費用がかかってしまいます。一般的な留学費用は3か月で100万円前後、1年で300~600万円といわれています。

「授業料」＋「滞在費」＋「食費」の目安
アメリカ
12週間	122万～161万円
24週間	239万～310万円
48週間	459万～608万円
カナダ
12週間	86万～103万円
24週間	163万～189万円
48週間	318万～414万円
イギリス
12週間	151万～194万円
24週間	292万～361万円
48週間	573万～698万円
オーストラリア
12週間	84万～107万円
24週間	162万～200万円
48週間	319万～386万円
ニュージーランド
12週間	92万～100万円
24週間	179万～194万円
48週間	344万～382万円

留学ジャーナルより引用

文化の違いにより挫折してしまう可能性がある

メリットのところで、新しい価値観に出会えると説明しましたが、海外経験が乏しい方だと、カルチャーショックに耐えられず、挫折してしまう可能性も捨てきれません。

以下、いくつかの例を挙げます。

1. 言語の違い

母国語と異なる言語での生活は想像以上に大変なことが多いです。意思疎通がうまくできず、孤独感やストレスを感じてしまうことも少なくありません。また、授業や日常生活で必要な語彙や表現を習得するには時間と労力が必要です。

2. 習慣や価値観の違い

時間感覚、食事のマナー、宗教観など、文化によって習慣や価値観は大きく異なります。現地の習慣に慣れることができず、日常生活に支障をきたしたという例もあります。自分の価値観が否定されたと感じ、落ち込んでしまうこともあるでしょう。

3. 人種差別や偏見

残念ながら、人種差別や偏見は世界中に存在します。留学先で自らが差別を受けたり、誰かが差別されているのを目の当たりにし、傷つき、心を閉ざしてしまう可能性もあります。

4. 文化的孤立

現地の文化に馴染めず、孤立してしまうこともあります。マイノリティグループに属している場合は、周囲との文化的なギャップを感じやすく、孤独感に苛まれることがあります。

ただし、これらは事前の準備である程度防ぐことができます。例えば、現地文化についてあらかじめ学んだり、留学経験者の話をYouTubeなどで聞いておくなどです。これにより、ある程度マインドセットができ、何も対策しない場合よりギャップを和らげることができるともいえるでしょう。

日本の高校卒業資格認定にはならない場合もある

日本の高校に在籍していない中学卒業者や高校中退者が留学する場合は、留学先の高校卒業を目指す本格的な留学になるかもしれません。この場合、高校卒業資格は、海外校から与えられることになりますが、日本では海外の高校の取得単位が認められていないことがほとんどです。つまり、留学後に日本に戻って、日本の大学や短大に進学したい場合でも、海外の高校を卒業しただけでは、「高卒」という受験資格を満たしていないことになるのです。

中高生が何のサポートもなく留学すると、このようにキャリア形成の上で大きな失敗をしてしまうかもしれません。

留学支援を専門にしている学校やエージェントに相談し、必要なサポートを必ず受けるようにしましょう。