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SDGs特別授業「子ども食堂」が存在しなくてもいい社会を目指して~ NPO法人「らいおんはーと」代表理事講演~

ID学園ではSDGs教育の一環としてSDGs授業を実施しており、定期的に外部講師を招いた特別講演を開催しております。

本日は江戸川区で「子ども食堂」や「フリースクール」「フードパントリー」を運営されているNPO法人「らいおんはーと」理事長の及川信之様を特別講師としてお招きし、SDGs17目標の一つである「1.貧困をなくそう」に関連する授業として、子ども食堂の日々の活動や活動背景などをお話し頂きました。

 

子ども食堂とは、地域住民や自治体が主体となり、無料または低価格帯で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場のことです。食事提供の場としてだけでなく、地域住民のコミュニケーションの場となり、子ども含めた家庭全体のサポートにもつながっています。

 

及川様は自身の子供を学校に通わせている過程でPTA会長を務めたことから、

学校に通う様々な子どもが、いじめや不登校、ネグレクト、DVなど家庭の問題を抱えていることを知り、この課題に立ち向かうべく、周囲の方々と協力して「子ども食堂」を始めたそうです。次第に、周囲の学校やお寺、様々な企業が及川様たちの活動に賛同し支援をする中で、「子ども食堂」を365日毎日運営するほか、食料品の配布や学習サポート、フリースクールなども行っています

 

 

 

 

楽しそうに料理をしたり、ごはんを食べる子どもたちの写真。

しかし話をきいてみると、お父さん/お母さんもしくは両親がいない子や、経済的に厳しく給食費を払えない子、ネグレクト(育児放棄)を受けてしまっている子などもいるとのこと。

 

 

 

 

「ネグレクトを受けていた子がいます。その子の母親に話を聞いてみると、母親自身もネグレクトを受けて育ってきたため、どう子どもを育てていいか分からないとのこと。そういう方に対し私が伝えるのは『子育ては親だけが負担するものではなく、私たち周りが協力して一緒に育てていくから一人で背負わなくていいんですよ』ということです。子どもだけでなく親たちが、人とつながり悩みを共有できる場所を必要としています。ちなみにその子は、ネグレクトとは言えお母さんが大好き。子ども食堂に通い、社会とつながる中で、親子関係も深まり、母の日にはお小遣いで花束をプレゼントしていました。お母さんからも感謝の連絡をいただきました。」

 

 

 

 

生徒から「献立はどう決めているんですか?」という質問。

 

「献立は決まってないんですよ。というのは理由があって、フードロスでいただいた食材や周囲の農家さんからいただいたお野菜などを見て、冷蔵庫をあけながら子どもたちと『今日の献立何にしようか?』と決めています。子ども達と一緒に準備し、調理することも大切にしています。」

 

 

 

 

 

上記の質問以外にも、

「運営資金はどのようにされているんですか?」

「どのように『子ども食堂』認知活動をされているんですか?」

「明らかにDVをされていると分かる生徒にはどのように対応していますか?」

「心が弱っている子どもに対してどのように対応していますか?」

などなど、様々な質問が生徒から出ました。

 

 

 

「子ども食堂は子どもが対象の支援ですが、根本的には家庭へのサポートが大切です。子ども食堂が子どもたちの居場所となり、そこに親を巻き込むことで、親たちが人とつながり悩みを共有したり、何かに気づける場所となる。そういった居場所づくりを意識しています。また、『子ども食堂=貧困』という偏ったイメージを持ち、子ども食堂の利用に抵抗がある方もいます。そのため、私たちは学習サポートを行い、学習支援のあとに食事もできるという活動をしています。」

 

 

 

 

 

 

 

最後に及川様の今後の夢をお聞きしました

「一番の希望は『子ども食堂』という言葉を世の中からなくすことです。ひと昔前は、ちょっと困ったら近所に相談したり、近所のおじさん・おばさんが子どもたちの面倒を見るなど、子育てを家庭だけで背負わないコミュニティがありました。『子ども食堂』という言葉がなくても当たり前のようにみんなでサポートしていく、そんな社会になることが私の夢です。

 

 

 

 

 

生徒からは

「身近にも貧困問題があること、そしてそこから派生する様々な社会課題があることを知りました」

「自分にできることはないか考えるきっかけとなりました」

「実際に子ども食堂に行ってボランティアなどを通じて子どもたちとかかわりたいです」などと感想が上がりました。

また、通学型ソーシャルコースの生徒の中には、ボランティア活動に興味を持った生徒もおり、及川様に直接相談などもさせてもらいました。

 

 

 

今後もボランティア活動を中心にNPO法人「らいおんはーと」様と関わっていく予定です。

また、ID学園では今後もSDGsの学びの一つとして実際に活動されている方から話を聞いたり活動に参加させてもらうなどの特別授業を行う予定です。

6月はSDGsの項目の一つである「3.すべての人に健康と福祉」がテーマ。

生徒の皆さん、楽しみにしていてください。

 

NPO法人らいおんはーと様についてはこちら https://npo-lh.com/

 

ID学園高等学校 過去SDGs特別授業についてはこちら

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