ID学園高等学校は定期的に法人本部校の郁文館高等学校(文京区)で授業を行っています。
今回は書道室を利用して書道の授業を行いました。
講師を担当するのは、ID学園の書道の先生である東海林先生。
郁文館高校の入り口に掲げられている校名や石碑の文字なども東海林先生が書いています。
某有名企業の店名ロゴも東海林先生の作品が使われたこともあります。
「皆さん、“書道”と聞いてどんなことをイメージしますか?紙に向かって静かに座り、できる限りお手本通りに模写する、そんなイメージではないでしようか?しかし今日やっていただくことは180 度違います。今日は芸術としての書道、つまり字で自己表現をしてもらいます。“きれいに書くこと、お手本通りに書くこと”が目的ではなく、“自分の思いをいかに表現して相手に伝えるか”を学んでもらいます。これまで抱いていた書道に対するイメージを取り払い、自由に発想してくださいね。
まずは東海林先生のお手本。
始めに、いわゆるきれいな字としての「海」を書き、そのあとに先生が表現したい波が荒れ狂うような海を表現していただきました。
「これまでは墨が垂れたら失敗だと習ったかもしれません。
しかし芸術作品としては、筆を落としたときに飛び散った墨が、荒波を表現していたり、
筆がかすれることにより海の荒々しさを表すこともあるんです。
皆さんにこれから書いていただく文字は“風”です。
筆をどう使ってもいい、墨をどう使ってもいい、紙も自由に使って、皆さんが思い描く“風”を表現してください。」
さらっと筆を動かし始める生徒、じっくり考えてから始める生徒、
紙を斜めにおいてみたり筆の持ち方を変えてみたりと試行錯誤する生徒。各々が少しずつ書き始めました。
「もっと自由でいいんですよ。紙におさまらなくてもいい、座ってなくてもいい。
どんどん心を開放させていろんな風を吹かせてください。」
先生のアドバイスに影響を受け、生徒の表情も次第にイキイキとしてきます。
「風が吹いてる感じがなんかしてきました~」
「これそよ風っぽいよね~」などなど・・・
最後は発表の時間。みんなどんな風を吹かせたのでしょう?
「やさしいそよ風を表現してみました」 「激しい突風を書いてみました」
「丸みのある温かい風を表現しました」
など、同じ漢字でも一つとして同じではない作品を見て、
「そういう発想なかった!」とお互い刺激を受け合う生徒たち。
ある生徒は
「鳥の気持ちになって風を書いてみました。そうしたら風が鳥の横顔になっていました」
という生徒も。生徒たちの自由な発想に驚きました。
最後に先生が
「芸術には言語や性別・人種による壁はありません。各々が作品を通じて感じることが大事なんです。」
とSDGsにも絡めた話をしました。
法人本部校での特別授業。
日ごろとはまた違った空気感の中、生徒たちはのびのびと楽しんだようです
<お・ま・け>
郁文館高校の校門には紫陽花が咲き始めました♪(写真左上) 夏はもうすぐ!