2025年に創立50周年を迎える「国連大学(United Nations University)」を訪問しました。国連大学は、持続可能な開発、環境、平和構築といった地球規模の課題に取り組む国際的なシンクタンクであり、大学院教育機関として、東京に本部を構え、世界各地に研究拠点を展開しています。

国連大学の役割、国際社会への貢献
はじめに、国連大学の設立の経緯やその役割、そして国際社会への貢献のあり方について、職員の方からお話を伺いました。学術機関でありながら、世界各地の拠点で地域に根ざした課題解決に取り組む研究機関であるという点に、生徒たちは強い関心を示していました。
その後の質疑応答では、「研究のための情報はどのように集めているのか」「各地に研究拠点を置く意義は何か」など、鋭い質問が出ました。一番に挙手をした生徒には、非売品の50周年記念バッグが贈られるという温かい場面もあり、生徒の積極的な姿勢が評価される貴重な機会となりました。

続いて、学内にあるウ・タント国際会議場およびエリザベス・ローズ国際会議場を見学。国際会議や講演会が行われるこれらの会場は、テレビ等で目にしたことのある生徒も多く、実際の空間に足を踏み入れたことで、国際舞台の臨場感を感じていたようです。


見学の中では、国連の色であるブルーと象徴のオリーブの葉の意味や、使用されている6つの公用語(英語・フランス語・スペイン語・ロシア語・中国語・アラビア語)についても紹介があり、クイズ形式での問いかけに生徒たちも積極的に参加していました。
英語に関しては、「勉強だと構えず、コミュニケーションのツールとして毎日10分でも意識して使えば、自然と話せるようになる」というアドバイスがあり、生徒にとって英語との向き合い方を見直すきっかけになったようです。
身近な国際的な取り組み
最後に、国連大学協力会の活動についてもご紹介いただきました。国連大学の研究や教育を日本国内から支えるこの組織の取り組みとして、お金だけでなく、読み終えた本や不要になった身の回りの物などを通じて支援する方法があることも紹介されました。
こうした話を通じて、生徒たちにとって、国際的な取り組みは決して遠い存在ではなく、自分たちにもできる形で関われるということに気づくきっかけになったのではないかと感じました。
今回の見学を通じて、生徒たちは国際的な視点を深めるとともに、世界の課題と自分たちの暮らしや将来とのつながりについて考えるきっかけを得ました。今後の学びや進路探究に活かしていける貴重な経験となりました。
