映画のように、人生にも物語がある。そんな想いを胸に、映画監督として活動する古新舜(こにい しゅん)さんが、ID学園の夢キャリアライブに登壇されました。
「みんなの夢AWARD15」では準グランプリを受賞し、多くの作品を通して“声なき声”を社会に届けている古新さん。今回は、生徒たちに“自分の人生の主人公として生きること”の大切さを語ってくださいました。


映画づくりの舞台裏と想い
映画は、2〜3年かけて製作し、その後1〜2年かけて配給・宣伝されます。ヒットは予測できず、予算や時間があるからといって成功するとは限りません。
そんな不確実な世界でも、古新さんが映画を作り続ける理由。
それは、「声なき声を知らない誰かに届けるため」。
「誰かの苦しみを乗り越えた人生を映画で伝えることで、それが誰かの生きる糧になる。その糧となれたことが、自分の幸せになる」と感じ、映画監督の道を歩み始めたそうです。命とは、誰かの笑顔のために使うもの。その言葉には、深い覚悟と愛が込められていました。


能力は環境によって引き出される~うさぎと亀を例に
「うさぎと亀」の話に例えながら、古新さんはこう語ってくれました。
「陸ではうさぎが速い。でも海では亀が速い。自分が状況に合わなかったら、自分がダメだとは思わずに、たまたまその状況が自分に合わなかっただけなんだと発想を変えられるとすばらしいです。
欠けているところに目を向けがちな私たち。でも本当に大事なのは、その周りにある“良さ”に気づくことです。
人は誰しもどこかが欠けている——だからこそ、助け合って生きていける。
自分の短所だと思っていたものも、実は長所かもしれないんです。」
そんな視点の転換が、多くの生徒の心に響きました。
映画の世界を体験するワークショップ「なぜ映画は感動するのか?」
映画の中には、自分とよく似た状況にある人物が登場します。その人たちが困難をどう乗り越えていくのかを見ながら、自分自身にも新しい視点を持つことができます。映画は、宇宙の視点、鳥の視点、空の視点など、自分のネガティブな部分を違った見方で見ることができます。——ネガティブに思える部分さえも、別の角度から見れば違った意味を持っているかもしれない。そんな“俯瞰の視点”を与えてくれるのが、映画という存在なのだと、古新さんは教えてくれました。


おわりに
生徒一人ひとりの人生が、主人公として歩むべき物語。
欠けた部分があるからこそ輝くし、自分と向き合うことでしか見つからない“幸せ”がある。
映画というフィルターを通して、“人生”というストーリーを考える貴重な時間になりました。
古新さん、心動かす熱い講義をありがとうございました!