通信制高校への転入・編入は、新生活への期待と同時に「後悔したくない」という思いが強いのではないでしょうか。今回は、通信制高校に入ってから後悔しがちなポイントとその理由、対策について解説していきます。学校選びの時点から意識して、新たな通信制高校ライフを充実させましょう!
通信制高校に転入して後悔していること
通信制高校転入後の後悔として、よく挙げられるのが次の3つです。
- 勉強の計画を自分で立てて自己管理をするのが大変
- クラスメイトとの交流が少なく友達が少なくなる
- 世間からの厳しい目が気になる
それぞれ解決策を含めて詳しくみていきましょう。
勉強の計画を自分で立てて自己管理をするのが大変
通信制高校が全日制と最も異なる点は「通学日数が少ない」「単位制である」ということ。
単位制では、レポートや課題を期限までに提出し、その積み重ねで卒業に必要な単位数を取得していきます。自由に使える時間が多く一見楽そうにも見える通信制高校ですが、単位をコンスタントに取っていくには、やる気の継続と自己管理が大切です。
たとえ計画通りに課題が進まなくとも責められない反面、生活にメリハリをつけないと後から追い込まれて困るのは自分自身です。実際それで窮地に陥り、通信制高校を辞めてしまうケースも少なくありません。
私立の通信制高校などの進学サポートを利用する
「自分で計画を立てて目標の達成に向けコツコツ進める」。口で言うのは簡単ですが、実際一人ではそううまくいかないのが現実ではないでしょうか。全日制では学校側で細かく決められていたことが通信制ではすべて自分に任されるという、いきなりのギャップに戸惑うのも無理ありません。
卒業までのプランニングを自分でやっていけるか不安がある場合は、公立よりも私立の通信制高校をおすすめします。一般的に私立の方が一人ひとりへのサポート体制が充実しており、大学進学や卒業後の進路についても力を入れている学校も増えています。そのため、自分だけ置いていかれるという思いをすることが少なくなるのです。
気になる通信制高校を見つけたら、入学案内資料を取り寄せたり学校見学に行ったりして、できるだけ実際の雰囲気を知っておきましょう。ここで手を抜かずしっかりリサーチしておくと、入学後に「想像と違った!」という事態を防ぐことができます。
クラスメイトとの交流が少なく友達が少なくなる
高校生活の楽しみの一つが友達との何気ない日常!という方もいると思います。通学日数が少ない通信制高校は、毎日学校で直接顔を合わせられる全日制と比べると友達作りが難しいかもしれません。年に数回のスクーリングのタイミングで会っても、ほんの数日で意気投合するほど仲良くなれるのは稀でしょう。
通学日数が少ない理由は、通信制高校が「生徒一人ひとりが目標達成するためのカリキュラム」で動いているからです。言い方を変えれば、友達と一緒に行うものはとても少ないということ。基本的に、生徒同士が親睦を深めるような時間はあまり組み込まれていません。
逆に、大学進学のためにとにかく自分で勉強に打ち込みたかったり、複雑な人間関係は避けたいという理由で通信制高校を選んだ方にとっては、干渉されず過ごしやすい環境です。
通学日数の多い学校を選ぶ、アルバイトなどで交流する
通信制高校で多くの友達を作りたい場合は、通学や行事に力を入れている学校を選びましょう。週に5日通学できる、学校でのイベントがあるなど学校生活の充実を目指す通信制高校も多いです。
体調や事情により通学できない日があっても欠席扱いにはならず、絶対に行かなくてはならないという精神的な負荷もかかりません。自分のやりたいことと学校生活、どちらも諦めずに実現させることが可能な環境です
もちろん、友達作りは学校だけに限りません。全日制に比べ自由に使える時間が多い分、アルバイト先やボランティア先、習い事などで積極的にコミュニケーションをとれば交流の幅はさらに広がり、考え方も多様になります。同年代以外の人たちと交流したり、働いて稼ぐという社会経験が就職活動時に強みともなります。
世間からの厳しい目が気になる
悲しいことに、通信制高校と聞いただけで「何か問題がある子が行く高校」という偏見を持たれる場合があります。いちいち通信制高校を選んだ経緯を説明するのも面倒ですし、それがストレスになってしまうこともあるでしょう。
全日制からの転入・編入だと、他人の反応が気になって内向的になり、これまでの友達と疎遠になってしまう懸念があります。相手もこちらの環境の変化に気を遣って連絡を控えているかもしれないので、長く付き合いたい友達には近況報告を兼ねた連絡を。新しい環境でも元気に頑張っているとわかれば、これまで通りの関係でいられるはずです。
自分が強い意志を持っていれば周囲の声を気にすることなどないのですが、アルバイトや就職の面接時に通信制高校に通う理由を聞かれたという声も耳にします。採用担当者が持つ通信制高校に対するイメージが、就職活動で不利に働く可能性がないとは言い切れません。
実はそんなに変わらない卒業後の就職率!通信制高校が全日制に劣っているなんて過去の話
では、次は就職率に注目して、本当に通信制高校にいることが不利になるのかを見ていきます。全日制高校・通信制高校それぞれ、卒業後の就職率はどの程度なのでしょうか。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/047/siryo/__icsFiles/afieldfile/2013/06/14/1334827_6.pdf
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/047/siryo/__icsFiles/afieldfile/2013/06/14/1334827_6.pdf
文部科学省の平成24年の調査によると、卒業後の就職率は全日制が16.4%、通信制が14.3%であり、ほとんど変わりません。出身が通信制だから就職率が低いというわけではないことがわかります。
通信制高校が全日制より劣っているという考え方は、もう過去のもの。通信制高校に通うという決断をコンプレックスにする必要はありません。
「どこに身を置くか」より「どう過ごすか」に重きを置いて、世間の声に惑わされることなくコツコツ進んでいきましょう。そうすれば、就職活動時に自信を持って、通信制で頑張ってきた自分をアピールできるはずです。
この先、面接時に通信制高校について聞かれることがあると思います。嫌な気持ちになるかもしれませんが、ひと呼吸置いて、次のような流れで話してみましょう。
- 全日制高校、あるいは過去の生活での辛い経験や挫折について
- 夢や目標を決めて、通信制高校を選択したという決断
- 目標達成まで頑張った経緯、通信制高校だからこそ得られたもの
前向きなエピソードで返すことができれば、これまでの経歴が一気に強みとなります。相手が持つ通信制高校に対する悪いイメージを払拭するだけでなく、全日制では得られない貴重な経験が個性として評価されることもあるでしょう。
さらに、全日制より時間を使えるメリットを生かし、就職に有利な資格試験にチャレンジするのもおすすめです。社会人として必要なのは、学歴より人間性と実務能力です。将来の自分のために準備できることをやっておいて損はありません。
現在は通信制に興味を持つ人数が以前より増え、通信制高校もそれぞれ特色を生かして多様化しています。それに伴って通信制高校に対するマイナスイメージは、今後も徐々に良いものへ転換していくことでしょう。
通信制高校に転入して後悔しないための対策まとめ
今回は、通信制高校に転入して後悔しがちなことと、後悔しないための対策をお話ししてきました。どんなことでも全く後悔がないという状況はなかなかないですが、事前に予防できるならしておきたいものです。納得いくまで調べて、学校見学や個別相談会を通して自分の目で確かめたなら、多少の不満は乗り越えることができます。
【 自分での学習管理が大変 】
- サポートが手厚い私立の通信制高校を選ぶと良い
【 友達が少なくなる 】
- 通学日数の多い通信制高校を選ぶ
- アルバイトなど学校外での交流を増やす
- 関係を切りたくない友達には自分から連絡する
【 世間の目が気になる 】
- 過度に気にする必要はない
- 就職率は全日制も通信制も変わらない
- 通信制高校での経験をアピールポイントにする
- 就職に有利な資格やアルバイトでの社会経験を武器にする
【 ID学園高等学校の場合 】
- 生徒一人ひとりに担任がつき、学習と進路をサポート
- 通学コースが充実(週1日・3日・5日から選択可能)
- 高校生活とやりたいことが両立できる
学費・就職・進学・卒業のしやすさなど、目的によって選ぶべき通信制高校は変わってきます。何も知らずに入ってから後悔しないよう、自分に合った学校を選ぶことが最も大切です。
これから転入・編入を目指すすべての方が「通信制高校にして良かった」と心から思えるよう応援しています!